格差階級社会をなくそう

平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

総選挙前哨戦:官僚派・売国派・国民派の闘い

2009-07-03 21:32:58 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

総選挙前哨戦:官僚派・売国派・国民派の闘い
7月3日、東京都議選が告示された。衆議院総選挙の前哨戦となる大型地方選5連戦の最終戦になる。


4月名古屋市、5月さいたま市、6月千葉市に続き、7月5日に静岡県知事選、7月12日に東京都議選が実施される。


名古屋、さいたま、千葉と民主党を中心とする野党が3連勝した。また、6月28日に実施された横須賀市長選では、小泉純一郎元首相が全面支援した現職市長が33歳の新人候補に敗北した。


政治の潮流に大きな変化が生じている。総選挙に向けて、この大きなうねりをさらに拡大させてゆかねばならない。


横須賀市長選についてマスメディアは、民主党が相乗りで現職市長を支援したと伝えたが、正確には民主党市議の一部が現職市長を支援しただけであった。細かな違いだが報道のイメージはまったく異なる。こうしたイメージ操作が日常的に繰り返されている。


大型地方選5連戦の最後に実施されるのが静岡、東京の選挙である。


静岡では、民主党系候補の一本化が実現しなかった。民主党は民主、社民、国民新が推薦する川勝平太氏への一本化を試みたが民主党元参議院議員の海野徹氏が立候補し、民主が分裂選挙になった。


このため、自公が推薦する坂本由紀子氏が圧倒的に有利な状況で選挙戦が展開されている。


海野氏の立候補は、坂本由紀子氏への援護射撃の意味合いを含んでいると考えられる。海野氏に対しては、元自民党議員の渡辺喜美氏が応援に入った。


この意味で、静岡県知事選は、総選挙に向けての選挙戦術を考察する上で極めて重要な意味を持つことになる。


昨年から本ブログで取り上げてきた「偽装CHANGE新党」の構想。


「天下り禁止」や「地方分権」を掲げる「自民党別働隊」の旗揚げがあるのではないかとの見方である。


①「小泉純一郎氏-中川秀直氏-小池百合子氏-塩崎恭久氏-石原伸晃氏」などを中心とする自民党内市場原理主義グループ、


②小泉チルドレン、


③「渡辺喜美氏-江田憲司氏-高橋洋一氏-岸博幸氏-上山信一氏」を軸とする「脱藩官僚グ-プ」、


④「東国原宮崎県知事-橋下徹大阪府知事-中田宏横浜市長」を軸とする自民党別働隊地方首長グループ、


⑤「竹中平蔵氏-屋山太郎氏-テリー伊藤氏-北野たけし氏-江口克彦氏」などを軸とする外野グループ


による「偽装CHANGE新党」の創設だ。


「偽装CHANGE新党」の特徴は二つある。


第一は、自民党別働隊であること。「偽装CHANGE新党」創設は、日本政治の刷新を求める国民の投票が野党勢力に集中して流れるのを防ぐことに最大の狙いがあると考えられる。


第二は「偽装CHANGE新党」が「市場原理主義」を基礎に据えていることだ。セーフティネットを排除し、弱肉強食を容認する。弱者切り捨てが「偽装CHANGE新党」の特徴のひとつである。


「偽装CHANGE勢力」が最近になって「天下り禁止」を提示し始めているが信用できない。中川秀直氏などは、小泉政権の中枢にいた人物である。しかし、小泉政権は「天下り禁止」に完全に背を向けていた。「天下り」を徹底的に温存した実績を持つ。


麻生政権も「天下りや渡りの禁止」を打ち出しているが、「あっせん」は禁止するが、天下り機関が独自に官僚OBを受け入れることを容認する。まったく無意味な「天下り・渡り禁止」なのだ。






地方分権について、渡辺喜美氏らのグループが「道州制」を主張するが、これは行政改革にならず、行政改悪になる。


中央政府に代わって、新たに道州の行政組織を作ると言うのだ。


日本全国を人口40万人の単位地方自治体約300団体に区分し、この単位団体に強い自治権を与えることが望ましい。日本のような狭い国土の国では、単位団体と国の間に中間団体である道や州を設置する必要性は低い。


国が担わねばならぬ仕事を国が担い、それ以外を単位地方公共団体が担うようにすればよい。地方の財政自主権を確保するには、直轄事業の地方負担金制度を廃止しなければならない。


ただし、財源の地域間格差が大きいから、財政調整制度は維持すべきである。


「偽装CHANGE新党」が登場すると有権者は戸惑うと思われる。政治の刷新を求める国民が「偽装CHANGE新党」に投票してしまいがちになる。これが、「偽装CHANGE新党」設立の狙いである。


「偽装CHANGE新党」の基本性格を明確に把握することが不可欠である。既得権益を保持する「悪徳ペンタゴン」勢力は、次期総選挙での最重要課題を「本格政権交代阻止」に置いている。「偽装CHANGE新党」は、この目的に沿って創設されることを認識するべきだ。


「政・官・業・外・電」のうち、「偽装CHANGE新党」が「政・外・電」のトライアングルを担う。この勢力を「売国派」と位置付けることができる。


「政・官・業・外・電」のうち、旧来の自公勢力が「政・官・業」のトライアングルを担う。この勢力を「官僚派」と位置付けることができる。


これに対して、本格政権交代実現を目指す野党勢力は、「政・民・労」のトライアングルを担う。政治が生活国民、地域住民、そして勤労者、労働者と結束するのだ。「国民派」と言い換えれば分かりやすい。


「偽装CHANGE新党」が創設されると、次期総選挙は「官僚派」、「売国派」、「国民派」の三つ巴で闘われることになる。


このうち、「官僚派」と「売国派」は裏でつながり、選挙が終わると合体して、元の「政官業外電=悪徳ペンタゴン」利権政治を復活させる。


したがって、国民本位の政治実現を目指す国民は、「偽装CHANGE新党」に投票してはならない。「偽装CHANGE新党」への投票は、「売国派」への投票を意味し、「悪徳ペンタゴン政治」温存につながる。


「官僚派」、「売国派」、「国民派」の三つ巴の闘いの前哨戦になるのが静岡県知事選挙である。国民本位の政治実現を目指す有権者は、誰がどの派であるかを示すことはしないが、「売国派」にではなく「国民派」に投票しなければならない。


静岡県知事選で「偽装CHANGE新党」創設がどの程度の影響を生み出すかの調査が行なわれる側面を十分に留意しなければならない。


東京都議選では、①新銀行東京、②築地市場移転、③オリンピック利権、の三点が最大の争点になる。石原軍団に惑わされない冷静な投票行動が求められる。この問題については、改めて記述する。


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鳩山代表問題より重大な与謝野金融相献金問題

2009-07-03 21:05:59 | 植草一秀氏の『知られざる真実』

鳩山代表問題より重大な与謝野金融相献金問題
総選挙を目前に控え、悪質な情報操作が展開されている。
3月3日に小沢一郎民主党前代表の公設秘書大久保隆規氏が逮捕された。
検察は、大久保氏が西松建設からの企業献金を「新政治研究会」および「未来研究会」からの企業献金として収支報告書に「虚偽記載」したとして摘発した。
「新政治研」および「未来研」から献金を受けていたと収支報告書に記載した政治家には、以下の人々がいる(データ出所:ネット情報)。
西松建設OB団体の献金先(パーティー券含む)
(2004-06年総務省届け出分。単位は円)
陸山会(小沢一郎民主代表)
          新政治研1100万、未来研300万
新しい波(二階派)  新政治研466万、未来研312万
幸政会(尾身幸次元財務相)      新政治研400万
春風会(森喜朗元首相)        新政治研400万
自民党東京参院比例第11支部(藤野公孝元参院議員)
                   新政治研400万
民主党参院比例第9総支部(渡辺秀央改革クラブ代表)
                   新政治研200万
賢友会(山岡賢次民主国対委員長)   新政治研200万
藤井孝男後援会(藤井孝男元運輸相)
            新政治研160万、未来研40万
政経創造研究会(山口俊一衆院議員)  新政治研200万
加納時男後援会(加納時男参院議員)
           新政治研100万、未来研100万
白鳳会(川崎二郎元運輸相)新政治研60万、未来研40万
地域政経研究会(山本公一衆院議員)
             新政治研60万、未来研40万
平成研究会(旧橋本派)         新政治研60万
これらの国会議員の政治資金管理団体の会計責任者も、大久保氏とまったく同様に、西松建設からの企業献金を「新政治研究会」および「未来研究会」からの企業献金として収支報告書に記載している。このなかで、大久保氏だけが「虚偽記載」だとして起訴された。
 元長崎地検次席検事の郷原信郎名城大教授は、「新政治研究会」と「未来研究会」の二つの政治団体に実体がある以上、政治資金収支報告書にこの団体名を記載したことは「虚偽記載」にあたらないとの見解を表明している。
障害者向け団体に対する郵便料金割引制度悪用事件では、厚生労働省の職員が逮捕された。この問題に関連してメディアは、民主党議員の関与を示唆する報道を展開し続けている。
さらに、鳩山由紀夫民主党代表の政治資金管理団体の収支報告書に間違いが発見された問題では、与党とマスメディアが、連日、この問題を大問題として報道し続けている。
しかし、政治資金収支報告書への記載の誤りは、内閣改造のたびに見慣れてきた光景である。自公政権が内閣改造を行なうと、必ず、政治資金収支報告書の記載の誤りが表面化してきた。禁じられている公共事業受注企業からの献金なども頻繁に表面化してきた。
記載の誤りは正さなければならないが、重要な問題は、それらの記載の誤りが悪質なものであるかどうかだ。献金の事実を隠ぺいする「裏献金」、「収賄」や「あっせん利得」に結びつく献金などが「悪質」な献金であると言えるだろう。
鳩山由紀夫代表は記者会見を行い、現時点で把握できた情報を全面的に開示した。上杉隆氏が指摘するように、小沢前代表や鳩山由紀夫代表の記者会見では、取材者の資格に制限を加えずに記者クラブに所属しないジャーナリストにも会見への出席を開放し、最後の一問まで質問に答えるとの姿勢が示されている。
「裏献金」、「収賄」、「あっせん利得」などの問題を考えるなら、上記議員のなかでは、二階俊博氏、森喜朗氏、尾身幸次氏などが十分な説明責任を果たす必要がある。これらの人々は、民主党と同じ形式の記者会見を開く必要があるだろう。
二階俊博氏については、東京地検特捜部が不起訴としたことに対して、東京の検察審査会が「不起訴不当」としたが、東京地検特捜部は改めて「不起訴」とした。この決定に対して大阪の「政治資金オンブズマン」が東京の検察審査会に「起訴相当」の議決を求める申し立てを行なった。

千葉県知事選で当選した森田健作氏は、政治資金規正法違反および公職選挙法違反で刑事告発されている。森田氏の資金管理団体が法律で禁止されている外国企業からの企業献金を受けた事実はすでに明らかにされている。
また、選挙に際して森田氏が「完全無所属」と宣伝したことが、当選を目的として虚偽事項を公表したことに該当するとして、千葉県の有権者らが刑事告発したが、まだ、検察の判断が示されていない。
さらに、与謝野馨財務相兼金融相と渡辺喜美元金融相がオリエント貿易から迂回献金を受けていた事実が発覚した。献金の手法は、西松建設の手法とほぼ同一である。オリエント貿易は金融先物取引業者であり、金融担当相、経済産業相は所管大臣でもある。
鳩山由紀夫民主党代表の献金問題よりは、渡辺氏および与謝野氏の問題の方がはるかに重大である。職務権限との関わりにも疑念が存在する。
自民党が鳩山由紀夫氏だけを問題視し、二階俊博氏、森喜朗氏、尾身幸次氏、与謝野馨氏、渡辺喜美氏の問題を除外するのは不適正極まりない。
「政治とカネ」の問題を断ち切るには、根本的な対応が不可欠である。企業が巨額の資金を出すには、理由が必要だ。企業は利益を追求する存在であるから、利益に結びつかないのに、巨額の資金を提供することはできない。
この点に、企業献金が政治を歪める原因がある。したがって、企業献金を全面禁止することが「政治とカネ」の問題を解消する最も有効な施策になる。
自民、民主両党の2007年政治献金実績は以下の通りだ。
自民:総額224億円、うち企業献金168億円
民主:総額 40億円、うち企業献金18億円
経団連加盟企業の経団連を通じる企業献金は、
自民:29億1000万円
民主:8000万円
である。
金権体質は自民党の問題なのである。
マスメディアは、与謝野馨氏と渡辺喜美氏の問題を取り上げず、鳩山由紀夫氏の問題だけを大々的に報道している。
総選挙に向けて、あからさまな偏向報道が展開されているのだ。
テレビ朝日は、石原裕次郎氏の23回忌法要を7月15日に行なうことを繰り返し報道しているが、この行事が石原慎太郎東京都政に対する審判である7月12日の都議選対策の一環であるとの指摘もある。
国会が政治資金の問題について、徹底審議を行なうなら、上述した森氏、二階氏、尾身氏、与謝野氏、渡辺氏などの問題についても徹底審議することが求められる。
日本は前近代的な国家であるから、野党が選挙に勝利するには、イランよりも高いハードルを越えなければならない。
この意味で、すべての有権者に、
『売国者たちの末路 私たちは国家の暴力と闘う』


売国者たちの末路
著者:副島 隆彦,植草 一秀
販売元:祥伝社
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をご一読賜りたい。
多くの読者の皆様から、「総選挙に向けて必読の書」との評価をいただいている。「知られざる真実」を知った上で、総選挙に臨んでいただきたく思う。
一人でも多くの人々に、真実を伝えていただければありがたく思う。
一部で、言論弾圧の動きが始まっているが、弾圧に立ち向かい、真実の情報を日本の津々浦々にまで浸透させなければならない。皆様の力強いご支援を心よりお願い申し上げる。
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