JR九州は10日、2011年3月12日に全線開業する九州新幹線鹿児島ルートの普通運賃と特急料金を国土交通省に申請しました。
かなり遅れての発表となったのも、飛行機との競争力を考えてのことです。
新大阪と鹿児島中央駅との新幹線と飛行機の運賃は下記のとおり ただし、飛行機は、伊丹・鹿
児島間
新幹線料金 航空機料金 新幹線所要時間 航空機所要時間
新大阪・
鹿児島間 21600円 26800円 3時間45分 1時間15分
時間的には、当然ながら飛行機の方が2時間30分も速く(但し、飛行時間以上にかかる時間を考慮する必要がありますが・・・)、費用が5000円安くつくのとどちらを選択するかは、利用者の目的によるのでしょう。
これでJR西日本は、山陽新幹線の収益向上につながると期待していますが、果たしてどうなることでしょうか?
N700系 さくら ツバメ
JR西日本にとって、山陽新幹線は京阪神地区の在来線とならんで収益の柱となっており、新幹線は客単価も高く、年間売上高の40%を占めています。
そこでJR西日本は、個人向け旅行商品の売り上げを伸ばすのに躍起となっており、運賃が決まったことで、JTBなどの旅行会社の商品企画が、今後の売り上げを左右することとなります。
(ただし、JTBなどの旅行会社には、どれだけの割引運賃を提示するかにも掛っているのですが・・・)
航空機も格安時代に入っており、ビジネス客は、完全に飛行機に奪われるものと思われます。
従って、個人利用者やツアー客が、この新幹線の命運を握っていると言っても過言ではないでしょう。
もう一つの問題は、この列車名が不評ということです。
これらの名前に、新しいというインパクトに欠けており、その名前「さくら」「みずほ」「つばめ」に新鮮さがない上に、それぞれの列車の「格」に相応しくないというものです。
現在の東海道新幹線には、最速列車に「のぞみ」があり、その他に「ひかり」「こだま」があります。
JR西日本では、新大阪駅から鹿児島中央駅までの直通列車名を公募して、「さくら」を決めました。
わざわざ公募までして決めた「さくら」より、それよりも格上とされ、停車駅も少なく、より早いとされる列車名を「みずほ」と決めました。
「さくら」も「みずほ」も以前に走っていた列車名です。
「さくら」は、日本で初めて愛称がついた特急で、東京ー長崎間を結ばれた寝台特急に使われていました。
「みずほ」は、東京から熊本や長崎間の寝台特急で、「さくら」より後発の列車で、脇役的に走っていました。
ある鉄道評論家は、「列車にも格があり、その格は歴史の古さやその役割などで決まる。「さくら」の方が歴史が古く、「みずほ」より格上、それなのにさくらより速い列車がみずほというのは、違和感があり、多くの鉄道ファンも同様に考えているはず」・・・・と。
この「みずほ」の命名は、地域の人とも相談せずに決められ、熊本知事や鹿児島知事も不快感を示しています。
これが、以後、鉄道会社と不協和音として残り、沿線開発やその他地域開発に支障が出ないことを祈っています。
なお、「つばめ」は、九州内での走行列車に付けられます。
ちなみに、最速列車とされる「みずほ」の停車駅は
新大阪ー新神戸ー岡山ー広島ー小倉ー博多ー熊本ー鹿児島中央 で朝夕4往復のみで、その合間に「さくら」が運行し、ほぼ九州内停車します。