マルハニチロホールディングスの子会社「アクリフーズ」群馬工場で製造された冷凍食品か
ら農薬が検出された問題が不安を投げかけている。長崎県は8日、回収対象のパイシートを
食べた壱岐市の主婦(29)と長女(5)に下痢や嘔吐の症状が出たと発表。体調不良の訴え
は、47全ての都道府県で確認されたということだ。このことと別に、『食べるな、危険!』
の「豚肉」の項に目を通す。
【フード・ファントム・メナス(4):豚肉】
●抗生物質が効かない耐性菌を生み出している
病院で、耐性菌に感染して高齢者や幼児が亡くなったニュースをよく耳にする。抗
生物質が効かない「耐性菌」は、抗生物質を使っているところで生まれるから、病院
で耐性菌が発生するのは仕方ない。できるだけ発生しないようにしながら、発生して
も人が亡くならないように対処していくしかない。
だが、病院で使われる抗生物質は一番多いわけではなく、実は、畜産で使われる抗
生物質の方がはるかに多いのだ。中でも、養豚で抗生物質は多く使われている。畜産
で発生した耐性菌が病院に入ってきて、病人を殺している可能性が高いのである。
抗生物質が、どこでどのくらい使われているのか、それは10年ほど前までわかって
いなかった。抗生物質製剤のいろんな数値が公表されているが、抗生物質の純末に換
算していないので、数値は全容を把握するのに役立たなかったのだ。
例えば、抗生物質を1%含む薬1㎏と、10%含む薬をI㎏が使われていると、純
末換算で、110gの抗生物質が使われている。ところが、単純に合計して、抗生物
質製剤が2㎏使われているという資料しかなかったのだ。
そこで、私が佐藤謙一郎衆議院議員(現在は引退)にお願いして、厚生労働省と農
林水産省からデータを取り出すことにした。国会で質問主意書を何度も出して圧力を
かけ、議員室で議論したのだが、予想どおり官僚たちに強く抵抗された。
帰ろうとする官僚を廊下で追いかけてつかまえ、佐藤議員に「数値がない」とウソ
を言ったことを認めさせると、それからは、純末換算した数値が次々と出てきた。
人用は500t(病院100t、外来処方を含むもの400tと推定)、家畜用1
000t、養殖魚用200t、農薬(野菜・果物・稲など)は400tを一年間に使
用していたことが判明した。これは10年前の数値だが、使用割合は大きく変わって
いないだろう。
人に用いる抗生物質は人命にかかわるので大きな改革は難しいが、家畜の方は、肉
の価格が3~4割高くなることを我慢すれば、抗生物質を激減させることができる。
食べて過ぎている肉を一口か二口減らせばすむ程度の努力で、入の命が守れ、病気が
治りやすくなるのだから、「抗生物質不使用」の肉を選ぶべきだろう。
●「密飼い」で豚が病気になる
養豚に抗生物質が使われるのは、過密に飼っている「密飼い」が最大の理由だ。
豚が成長して大きくなると、豚舎で身動きができないほど過密な状態になり、豚は
祈り重なって寝なければならなくなって、ストレスがたまり、衛生状態も悪くなって
病気にかかるようになる。そこで、抗生物質を使って病気を抑え込む。
すると、豚はむくんで体重が重くなるので、儲けが増えるのだ。密飼いした豚の肉
はまずいが、化学調味料と砂糖たっぷりのタレをつければ、まずいかどうかはわから
ない。
さらに、運動していない豚の肉はやわらかい。日本人は、やわらかければいいと
思っているから、問題は起きない。
だが、運動できる場所があって、抗生物質不使用で育った豚の肉は、少し硬めだが、
塩・コショウだけで感動するほど美味しく食べられる。価格は高くても、タレがいら
ないから、安い肉よりトータルでは安上がりにできる価値ある肉なのだ。
抗生物質不使用の養豚は、群馬県の「江原養豚」や、鹿児島県の「渡漫バークシャー
純粋黒豚」が有名だが、北海道で国産飼料と赤身の牛肉にこだわる「興農ファーム」、
青森県で平飼い卵の生産を進める「トキワ養鶏」、山□県で薬剤不使用の鶏肉や卵を
生産している「秋川牧園」も、抗生物質不使用の養豚を行っている。
インターネットでも入手できるので、一通り食べてみれば、どれも抜群に美昧しい
のに驚かれるだろう。
福島県産以外の豚肉は、放射能の心配はもうなくなっている。
小若順一 著 『食べるな危険!』、PP.74-77
※ 耐性菌対策の「防疫システム」に係わる法整備の見直しがいる。
2014年1月に米国で開催される世界最大のコンシューマーエレクトロニクスショー「2014
International CES」でも、心拍をモニタリングする水泳用ゴーグル、子どもを見守るスマー
トウオッチ、頭部への衝撃からスポーツ選手を守るキャップなど、さまざまなウェアラブル
機器が展示されれている。英国の調査会社であるJuniper Researchでアナリストを務めるNitin
Bhasは、2013年12月9日の週に発表したウェアラブル機器市場に関する予測リポートの中で
「サムスン電子やソニーなどの大手メーカーが流れに乗ってスマートウオッチ市場に参入し
たが、圧倒的な勝者が現れることはなかった。同市場は現在、やや混沌(とした状況に陥っ
ている」という。ウェアラブル機器市場は、まだ初期段階にあるため、市場予測や製品の定
義に関してもまとまりのない状態にあるいわれている。Juniper Researchが発表した最新の調
査結果によると、スマートウオッチやスマートグラスをはじめとするウェアラブル機器の出
荷数量は、2018年までに約1億3000万台に達する見込みだという。2013年比では約10倍増加
すると予測している。
米国1月6日、LGエレクトロニクスは、リストバンド型のライフログツール Lifeband Touch
と、心拍計を内蔵したエクササイズ用イヤホン Heart Rate Earphones を発表(上写真クリッ
ク)。LG Lifeband Touch は、有機ELディスプレイを搭載したリストバンド型のライフログ
ツール。タッチ操作に対応しており、スワイプさせて表示が切り替えらる。取得したデータ
は、Bluetooth を介しAndroid端末や iPhoneと連携するほか、今回一緒に発表した Heart Rate
Earphones ともライフログデータの連携が可能です。通話やメール、音楽機能が Lifeband
Touch 側で確認できるほか、スワイプ操作で距離や速度、歩数、消費カロリーなどエクササ
イズ関連の情報も表示できる。Heart Rate Earphonesは、ペンダントタイプのBluetooth ヘッド
セットで音楽を楽しみながら、心拍数を計測できる。LG Lifeband touch のほか、こちらもス
マートフォンと連携する。同じ韓国メーカーのサムスンでは、ソニーのSmartWatchのような
腕時計型の情報端末 GALAXY Gearを発売中。LGは、Nike+ FuelBand のようなスポーティな
活動量計でウェアラブル端末に参戦するという。
ところで、有機エレクトロニクスのエレクトロルミネセンスの最新技術の動向はどうなって
いるのだろうか?電気を通すと有機化合物がきれいに発光する有機EL(Electroluminescence)。
消費電力の少ない、次世代のディスプレイ、パネル素材として注目されていることは周知。
昨年、九州大学の研究グループが、遅延蛍光を利用した高効率有機発光ダイオードの開発に
成功したことが話題となった。有機ELが光る原理は、電気などによって、有機化合物が安定
した「基底状態」からエネルギーの高い、不安定な「励起状態」に移る現象が関係。有機物
はもとの安定した状態に戻る際、光などとしてエネルギーが放出するがこの光が有機ELの光。
電気を流すと再結合によって、有機EL材料は不安定な励起状態になるが、この励起状態にエ
ネルギーが高い「一重項励起状態」と、エネルギーが低い「三重項励起状態」の2種類ある
が、一重項励起状態、三重励起状態というのは、基底状態から励起状態になる電子のスピン
の向きで決まる。スピンには、磁石のS極、N極のように「上向き」「下向き」があり、基底
状態では、スピンは上向きと下向きがペアになって存在する。一重項励起状態は、元の軌道
に残った電子と、励起された電子の向きが逆向きで不安定。このため、短時間で基底状態に
戻り発光までの時間は短くなる。三重項励起状態は、励起された電子の向きが、元の軌道と
同じ方向で基底状態に戻りにくく、電子がそのまま居座ろうとし、励起状態が長くなり発光
する前に分子運動によりエネルギーが消費される。一重項励起状態と三重励起状態の間には、
大きなエネルギー差がありより高い一重項励起状態から低い三重励起状態に移動することは
あるが、その逆はほとんどない。これが、熱活性化遅延蛍光(TADF)。熱エネルギーで、
2つの励起状態のエネルギーギャップを乗り越え、寿命の長い励起三重項状態を経由し、発
光が遅れることから、熱活性化遅延蛍光と呼ばれる。九州大学の研究グループはここに注目。
統計学的には、電荷の再結合で、蛍光となる一重項励起状態、りん光となる三重項励起状態の
割合は、1対3だが、単純な蛍光材料では、エネルギーの25%しか取り出せない、三重項に
移ったエネルギーを、再び一重項の励起状態に引き上げるできる高効率の蛍光材料に着目する。
その成功の秘訣は、一重項励起状態と三重項励起状態にはエネルギーギャップがある。この
ギャップをできるだけ小さくするような材料をつくることで、いったん三重項励起状態とな
ったものを、再び一重項励起状態に戻し、蛍光を取り出すことが可能になることに成功する。
これを可能にしたのは"波動関数"。これをもとに、電気励起したときの電子供与する部分(
HOMO=最高占有軌道)と、受け取る部分(LUMO=最低非占有軌道)の重なりを極力小さ
くし、バランス良く配すること、励起状態の構造変化を抑制することで高発光効率のTADF
材料(カルバゾリルジシアノベンゼン誘導体(CDCB)に着目して設計)の開発に成功する。
また、これまで100%の内部量子効率(=20%の外部量子効率)は、イリジウムなどレアメタ
ルを含有するりん光材料でないと達成できないと考えられていたが、レアメタルを使わなく
ても、極めて高い有機ELが実現可能なことを実証。コストは従来の10分の1以下となり、有機
ELの材料が今後、第2世代のりん光材料から、第3世代のTADF材料に大きくシフトしていく
きっかけとなる。有機化合物は無限の構造を作り出すことができる。分子設計次第では、色
合いがきれいなRGBなど三原色も作れるし、耐久性や耐熱性があるものも作れ、高性能で安
価な有機EL実用化も夢ではない。
半導体エネルギー研究所の「特開2013-258402 発光素子、発光装置、表示装置、電子機器及
び照明装置」の新規考案では、九州大学の研究グループ(安達研)の発明を踏まえ、熱活性
化遅延蛍光を示す物質に効率的にエネルギー移動が可能なエネルギードナーとして、励起錯
体(エキサイプレックス)を用いた発光素子を提供。励起錯体は、2種類の物質から形成さ
れ、その一重項励起状態と、三重項励起状態とは近接しているため、エネルギーアクセプタ
ーである熱活性化遅延蛍光を示す物質の一重項励起状態の吸収である最も長波長側の吸収帯
に、励起錯体の発光を重ねることによって、励起錯体の一重項励起状態から熱活性化遅延蛍
光を示す物質の一重項励起状態へのエネルギー移動をより効率的に実現すると同時に、励起
錯体の三重項励起状態から熱活性化遅延蛍光を示す物質の三重項励起状態へのエネルギー移
動をもより良好な効率で可能とすることで、発光効率がより高い発光素子を提供する方法が
提案されている。
【符号の説明】
10 電極 11 電極 101 第1の電極 102 第2の電極 103 EL層 111 正孔注入層 112
正孔輸送層 113 発光層 113Ec 励起錯体 114 電子輸送層 115 電子注入層 400 基板
401 第1の電極 402 補助電極 403 EL層 404 第2の電極 405 シール材 406 シール材
407 封止基板 412 パッド 420 ICチップ 601 駆動回路部(ソース線駆動回路) 602 画素
部 603 駆動回路部(ゲート線駆動回路) 604 封止基板 605 シール材 607 空間 608 配線
609 FPC(フレキシブルプリントサーキット) 610 素子基板 611 スイッチング用TFT 612
電流制御用TFT 613 第1の電極 614 絶縁物 616 EL層 617 第2の電極 618 発光素子
623 nチャネル型TFT 624 pチャネル型TFT 625 乾燥材 901 筐体 902 液晶層 903
バックライトユニット 904 筐体 905 ドライバIC 906 端子 951 基板 952 電極 953
絶縁層 954 隔壁層 955 EL層 956 電極
以上、ウェアラブル機器の市場拡大に欠かせない有機エレクトロニクス、わけても、エレクトロルミネセンス(EL)
技術との融合の進展がかかせないことを了解し現状を確認した。これからも益々面白くなってきそうだ。
あわれしる空も心のありければ 涙に雨をそふるなりけり / 山家集
ついにゆく道とはかねてききしかど、きのうけふとは思はざりしを / 古今和歌集
秋津打に朝いる雲の失せぬれぱ 昨日も今日も亡き人思ゆ / 万葉集
桑名正博につづき家鋪 隆仁(”たかじん”の語尾にアクセントを付けて呼ぶのが大阪弁(
=河内弁*摂津弁))も逝ってしもた。淋しさと寒さが入り交じり何とも哀しい夜だ。
合掌