極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

新弥生時代の成熟

2014年01月19日 | 新弥生時代

 

 

新弥生時代の成熟】

昨年は、薬事法等の一部を改正する法律および再生医療等の安全性の確保等に関する法律が
成立するなど、医療の制度面で大きく動いた。また、アベノミクスの第3の矢である「日
本再興
戦略プラン」を着実に実行することで、健康医療やエネルギー分野における新たな
市場の
創造を目指している。中でもバイオテクノロジーは重要な技術に位置付けられてい
るが、
このプログのテーマの1つ『新弥生時代』である新世紀のバイオ産業の発展課題を
考えてみた

具体的には、(A)健康・医療分野:(1)がん、難病、希少疾病、感染疾、認知症等の
克服
に必要な革新的医療技術(医薬品・医療機器・再生医療製品)の開発。これにより
ず、世界最先端の革新的製品を創出し、世界マーケットを獲得する。(2)併せて、再生

医療の実用化・産業化推進の制度改正を進める。(3)細胞の培養加工を医療機関が外部
委託可能となり、高品質な細胞加工を安定して行えるようにする。(B)健康医療分野以
外のバイ
オテクノロジー分野:(1)自然界で強い強度を誇るクモの糸を人工的に合成し
た新素材等を、微生物により大量・効率的に生産するための高度な遺伝子組換え技術の開
発。(2)密閉型植物工場を利用し、遺伝子組換え植物を用いた医薬品原料・ワクチン等
を生産するバイオテクノロジー技術の開発。(3)石油代替資源の1つである非可食性バ
イオマス原料を利用し、機能性を有するバイオプラスチック等の化学品を一気通貫で製造
する革新的化学品製造技術の開発などある。

以上、新世紀に入ってから、バイオ産業技術の開発はめざましく、関連分野での成果が矢
継ぎ早に公表されてくるであろう。2014年当に"新弥生時代の成熟"の年。

 

  

 

【フード・ファントム・メナス(11)】 

  農作物のミネラルが減った理由

 ●栄養が減ったのは野菜に旬がなくなったから

  日本の野菜・果物はミネラルやビタミンが少なくなっている。
  全国で護岸工事が進み、日本中の河川の水は、岩石や砂と接触する面積が減ってミ
 ネラルが溶け出ないまま、田畑に撒かれているのが、その根源的な理由である。
  畜産で用いる飼料穀物の量は、コメ消費量の2~3倍ある。それが、畜産で利用さ
 れた後、糞が有機肥料として田畑に撒かれるようになって40年以上たつ。そのため、
 日本の田畑の土は、窒素・リン酸・カリウムは豊富になったが、ミネラル分は、穀物
 のミネラル構成に近くなり、そこで育てられた作物は、自然の土で育てられた作物よ
 り、ミネラルの量と種類が少なくなっているのが、もう一つの根源的な理由である。
  他にも大きな理由がある。昔は、旬の時期にしか生産できなかったのだが、今は、
 フ年中、生産される野菜が多くなっている。栽培技術の向上や、輸送手段の発達で、
 1980年ごろから年間を通じて野菜を生産し、供給できるようになったのである。

  だが、野菜は旬の時期に昧が良くなり、ビタミンも多くなる。
  ホウレン草に含まれるビタミンCは、9月に収穫されたものより、12月のものは
 4倍も豊富だ。同様にブロッコリーでは、2月は8月の2倍ある。旬以外では味や香
 りが弱くなったのと同時に、ビタミンの含有量も減っていたのである。
  ビタミンCが少ない原因は、「収穫量の多い品種に変わった」「肥料が変わった」
 「畑の土質が変わった」など、いろいろと考察されているが、旬でない時期に野菜を
 作るようになったのが、最大の理由だろう。
  野菜は大量に出回ると価格が暴落するので、生産者は、自然に反した無理な作り方
 をしてでも、旬の収穫時期をずらした方が、収入の安定につながるのである。
  ところが、旬を外した生産では、気温、湿度、病害虫、日射量、紫外線などが、野
 菜が生育するのに適した条件と異なるので、ビタミンが減少してしまう。
  弁当惣菜店や外食産業などの業務用ニーズも、野菜の通年流通を促している。1年
 中同じ野菜を仕入れることができないと、定番メニサーが組めないからだ。栄養素や
 美昧しさや安全性や価格を犠牲にしてでも、生産者に通年生産させるようになってい
 るのだ。


 パック野菜

 ●洗浄で放射能は抜けるが、栄養素も失われている

  スーパーのパック野菜や、店で出される野菜サラダは、袋に入れたまま冷蔵庫に入
 れておけば、三週間も傷まない。その理由は、徹底的に水洗いして野菜の成分を洗い
 出し、塩素消毒で殺菌し、ビタミンCで変色を防いでいるからだ。放射能が抜け、見
 かけもいいが、成分が溶け出しているので、繊維質以外の栄養素は期待できない。
  ドレッシングも、精製油と精製糖類が主成分なので、ミネラルもビタミンも少ない。
 「植物工場」は、光や温度を人工的にコントロールでき、天候の影響を受けないで野
 菜を供給できるとして、政府は、経済支援を行っている。
  しかし、通常の野菜は土に種を蒔いておけば育つ。だから、工場で生産する野菜は、
 エネルギーを浪費し、エネルギー効率が悪いことから抜け出せない。
  工場野菜はミネラルも偏っている。だから、税金による経済支援をやめるべきだ。
 特殊な領域にとどめておくのがいい。


 冷凍野菜

 ●多数の農薬が検出

  冷凍野菜は、安価なときの旬の野菜を大量に仕入れて作られる。素材はいいのだが、
 生野菜に見えるものでも、70~80度の湯にさらすブランチング処理をしているの
 で、ビタミンもミネラルも減っている。
  そのうえ、冷凍耐性を高めるためにリン酸塩を添加することもある。これで、減っ
 ているミネラルの吸収をさらに奪われてしまう。
  冷凍野菜を長期保存すると、ビタミンは減少するが、賞味期限内であれば気にする
 ほどではない。それより、その前の処理の仕方を気にする方が重要だ。
  冷凍野菜(アスパラガス、枝豆、オクラ、小松菜)からは、脳に蓄積して凶暴性の
 ある人間にしてしまうと警告されているネオニコチノイドのイミダクロプリドが検出
 されている。また中国産毒ギョーザ事件で検出された殺虫剤のメタミドホスも、事件
 後に輸入されたイングンから検出されている。

  イミダクロプリド


 水煮野菜

 ●野菜の形だけが残っている代物

  料理するときに使いやすい大きさと形に、中国でカットし、水煮と水洗いを繰り返
 し、さらに水が濁らないようにリン酸塩を添加する。それからパックして加熱殺菌し
 たものを輸入し、スーパーの野菜コーナーの隣に並べているものが、水煮野菜だ。
  国産物の水煮野菜もあるが、製造工程はほぼ同じである。
  量が多い業務用の水煮野菜は、最後の加熱殺菌をせずに冷凍して輸入している。こ
 の場合、リン酸塩は冷凍耐性を出す役割を果たしている。
  水煮処理によって、細胞膜が破れ、水溶性のビタミンやミネラルだけでなく油分も
 抜け出てしまう。まさに形だけになったものが水煮野菜である。
  これを、冷凍食品、レトルト食品、弁当、惣菜、加工食品やレストランの具材と、
 さまざまな用途に用いる。それで、現代人の食事は、ミネラル、ビタミン、レシチン
 が不足しており、心身が弱ったり、壊れたりするようになっているのである。


 レタス・ピーマンなどの野菜

 ●「減農薬栽培」も「無農薬栽培」もいい加減なものが多い

  農薬残留が特に多かった生鮮野菜を、東京都健康安全研究センターの2008~2
 010年度の三年間の検査データから抜き出してみた。
  高い濃度で農薬が検出された輸入野菜は、韓国産パプリカ、韓国産ピーマン、オラ
 ンダ産エシャロット、フランス産エシャロット、中国産小松菜、中国産エンドウ豆、
 中国産ニンニクの菜、フィリピン産オクラ、タイ産オクラ、タイ産未成熟エンドウ、
 アメリカ産セロリ、ベトナム産キヌサヤ、メキシコ産カボチャだ。
  外国では収穫後のタマネギに、除草剤が発芽防止剤として使用されている。この除
 草剤がニュージーランド産タマネギから検出された。イメージが良くて安いニュージ
 ーランド産でも、ポストハーベスト農薬の問題があるのだ。
  国産では、グリーンリーフ・レタスが最悪で、チングンサイ、セロリ、ホウレン草、
 春菊、ナス、水菜、ピーマン、大根、小松菜、白菜、キュウリに多かった。

 
 ●危ない農薬を収穫前日まで使用できる野菜
 
  1960年ごろまでは、残留性の高い有機塩素系農薬が盛況を極めていた。しかし、

 レイチェル・カーソンの『沈黙の春』で農薬の長期残留の問題点が指摘され、危険だ
 と思う人が増えたので、残留性の低い有機リン系農薬に取って代わった。
  ところが1990年代からは、1シーズンぐらい有効で残留性の高いネオニコチノ
 イド系農薬が使用されるようになり、今はシェアがトップクラスになっている。
  ネオニコチノイド系の農薬が使用されるようになった地域では、ミツバチが消えた
 ので、フランスで、ネオニコチノイド系のイミダクロプリドの使用が禁止された。
  日本でも、ミツバチが消え、地域の昆虫がほとんどいなくなった地域が増えている。
 それは、ネオニコチノイド系農薬の使用が増えたからといわれているのである。
  この殺虫剤は、神経を興奮させ続けて虫を殺す。人間では脳に蓄積して、キレやす
 くすると警告されている。にもかかわらず、トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、さ

 らにイチジクだと、収穫前日まで使うことができる。


 ●当てにならない「特別栽培農産物」

  長い間残留し、殺虫力が長持ちするネオニコチノイド系農薬を使うと、使用回数が
 減るので、簡単に「特別栽培農産物(化学合成農薬ご当地比五割減」などと表示す
 ることができてしまう。
  「減農薬栽培」といっても、多くの場合、残留性の高いネオニコチノイド系農薬を
 使って使用回数を減らしただけの野菜だ。
 「無農薬栽培」もいい加減なものが多い。ある産地では、春先にネオニコチノイド系
 殺虫剤を畑に撒き、それから野菜の種を蒔く。こうすると、栽培中は農薬を使わなく
 ても、長く続く殺虫効果によって、野菜を多く収穫できるのである。
  しかし、長く分解しない殺虫剤を野菜が吸い上げたり、土中の農薬が野菜に付着し
 たりするので、「無農薬」とは無縁の野菜が収穫される。これを「栽培期間中一化学
 合成農薬不使用」の野菜として販売する。栽培中は無農薬なので、ウソの表示ではな
 いが、消費者は実質的にだまされて買わされていることになる。
 「ネオニコチノイド系農薬不使用」でないと、「特別栽培」の意味はない。


 山菜・キノコ・タケノコ・栗

 ●まだしばらくは不安が続く 

  山菜・キノコ・タケノコ・菜には、まだ放射能を多く含むものがある。
  山菜は、2012年になっても、栃木県では、1㎏当たりワラビから620ベクレ
 ル、コゴミ480ベクレル、ゼンマイ440ベクレルが検出された。
  岩手県陸前高田市でも、ワラビから290ベクレル検出されている。
  キノコは、2012年7月に茨城県産の原水栽培生シイタケから、122ベクレル、
 八月に栃木県の野生チチタケから31000ベクレル検出された。
  施設栽培では、菌床に用いるおがくずの主産地が福島県だった。今は福島県に近い
 県になったが、九州の原木やおがくずを用いて生産したキノコを探そう。
  タケノコも、放射能を多く含むものがある。2012年産は福島県を除いても、千
 葉県産120ベクレルを筆頭に、関東で数十ベクレルのものが多数見つかって 栗は
 2012年9月に栃木県那須町で260ベクレル検出されている。  

                        小若順一 著 『食べるな危険!』、PP.90-98





【二酸化炭素地中保留の影響】 

地球の深部地下関に広大な微生物生態系が存在することが明らかになってきたのは、最近
の事。ブログでも掲載してきたが、深部地下環境では酸素はもちろんのこと、生物が利用
可能な硝酸塩、硫酸塩などの電子受容体は完全に枯渇し、一般的に微生物の主な生命活動
はメタン生成活動となっている。油ガス田や炭田(コールベッドメタン)、海底地下に分
布する天然ガスは、地下関の微生物活動により生成された微生物起源のメタンを多く含ん
でいる(メタンハイドレート)。このような地下聞の微生物生態系を十分理解することは
エネルギー資源開発で重要なことである。深部地下生物関の1つである枯渇油田の生物的
メタン生成活動の実態と、排出C02を削減するC02回収・貯留技術が枯渇油田のメタン生成
活動に与える影響について、最新研究の成果を俯瞰する。

枯渇油田とは、現代の採油技術では原油を回収できなくなった油田を指す。しかし、既存
の採油技術で油田から回収可能な原油は、一般的に全資源量の50%程度であり、残りの50
%の原油は回収されないまま枯渇油田に残存している。そのため、原油を効率的に回収す
るための原油増進回収(Enhanced oil Recovery: EOR)技術の開発は現代社会にとって垂要な課
題である。その観点から近年、深部地下油層環境で起こる生物的メタン生成活動に注目が
集まる。油層環境では微生物による嫌気的な原油分解が進行し、最終的にメタン(天然ガス)
が生成することが可能となり、油層微生物を活用してメタンに変換し天然ガスとして回収
する枯渇油田再生化技術の開発が現在、世界的に進められている。

その一方で、枯渇油田はC02回収・貯留(CarbonCapture and Storage: CCS)技術に適したサイ
トとしても知られている。 CCS技術とは工場や発電所から排出されるC02を大気に放出す
る前に回収し、地下に貯留する技術で、排出C02の削減策の1つとして近年注目されている。
この技術によって人為的に排出されるC02の20%が削減可能だと見積もられている。枯渇油
田を対象としたCCS技術は、EOR技術の一貫として行われ(C02-EOR)、地質学や油層工
学の研究分野で開発が進められており、現在は米国を中心にすでに本格的な実証試験段階
にある。枯渇油田がCCS技術に適したサイトである理由は2つある。第1に圧入したC02を
半永久的に油層に閉じ込めることができる地層構造(cap rock)を持つこと、第2にC02の貯
留目的だけでなく、C02を油層に圧入することで残存原油を回収するEORが見込まれる点
CCS技術運用のコスト面での制約が少ないことが挙げられる。このようにC02の地層処分
だけでなく、エネルギー資源の回収という付加価値は今後のCCS技術の普及を後押しする
と思われる。


以上のように、二酸化炭素(CO2)の圧入によって起こる酢酸からのメタン生成経路のシフ
トは、原油からのメタン生成反応にも大きく影響することが熱力学的観点から見いだされ
ている。端的に言えば、油層への二酸化炭素(CO2)圧入によって引き起こされる酢酸質化
性メタン生成経路へのシフトは、生物的原油分解反応を起こしやすくする可能性を発見さ
れ。この可能性から、二酸化炭素(CO2)地中貯留による排出二酸化炭素(CO2)の削減と、

油層微生物を活用し残留原油を天然がスとして回収する枯渇油田再生化技術を両立させた
エネルギー資源創成型のCCS技術であり、この発見を1つのきっかけに新たなCCS技術開
の幕が開けるかもしれない
 

コメント
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