極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

微生物育種王国

2014年01月18日 | 創作料理

 



 

【ナノイーの新たなパワー】

パナソニック株式会社は、水に高電圧を加えることで生成されるナノサイズの帯電微粒子
水「nanoe(ナノイー)」が、試験空間において大気汚染物質PM2.5の含有成分である多環
芳香族炭化水素、アルカン(ヘキサデカン)、芳香族カルボン酸(安息香酸)の分解と黄
砂の付着真菌であるビルカンデラ菌の抑制に効果があると公表した。PM2.5とは大気汚染
の原因物質の一つである粒子状物質の中でも直径が2.5μm以下のもので、大気中に浮遊し
ている。PM2.5は肺に入り込むと体外に排出できなくなるため、喘息や気管支炎のほか、
発がん等のリスクがある。東アジア内陸部の砂漠や乾燥地域で発生する黄砂はPM2.5の含
有成分に加え、アレルギー発症の原因と考えられている真菌類や細菌類等も付着させて日
本列島に飛来。今回パナソニック株式会社では、PM2.5の含有成分と黄砂付着菌に対し下
記の試験を実施し、帯電微粒子水「ナノイー」の効果を確認したという。





※黄砂の観察を続ける専門家は、黄砂とPM2.5が、ともに飛来し、また、最近、黄砂の中
に含まれるニッケルによって引き起こされるニッケルアレルギーや、黄砂が5百種類以上
の微生物をもたらしていると指摘している。

中国の大気汚染問題により、ナノイー(nanoe)応用技術の再認識がなされることになった
ことはある意味皮肉なことではあるが、エレクトロスプレーの研究に係わってきたことも
あり、これはこれでウエルカムな情報ではあるが(『沈黙の海のスーパーレンズ』)、空
気清浄の方式の選択に加え、加湿、フログランス、自動温調、節電、テレメトリー(遠隔
操作)の機能を加えたフル・サイジング対応空調装置の分野でも日本は世界をリードこと
となっている。


【進化する太陽光発電 変換効率編】



ペロブスカイ(増感)型太陽電池(『量子ドット太陽電池元年(3)』)の最高変換効率
が、16.2%に更新(上図)されたと、NREL(Best research photovoltaic cell efficiencies Rev.
12-4-20136 December 2013
)公表された。1975年以来のグラフを見る限り、最新の各種変換
効率は10~50%の間で着実に向上してきていることがわかる。

 

  

【フード・ファントム・メナス(10)】 

 かまぼこ・竹輪

 ●食べれば食べるほどミネラル不足になる

  かまぼこや竹輪は、魚肉すり身を食品添加物の入った調味液で増量して固めたもの
 だ。
  魚肉すり身は、スケトウダラなどの白身魚の骨や皮を除去してすりつぶし、水にさ
 らして「不純物」を徹底的に取り除き、真っ白になったところに糖類と保水剤のリン
 酸塩を添加して混ぜ込んだ後、冷凍したものだ。
  業界が「不純物」とよんでいるのが、ミネラルなどの微量栄養素である。これを取
 り除いているから、魚肉すり身は、典型的な微量栄養素不足の食材である。
  かまぼこ業者は、リン酸塩入りの魚肉すり身を買い、水、砂糖、塩、化学調味料、
 さらにリン酸塩も加えて増量して商品にする。増量割合が高いのは「リテーナ成形か
 まぼこ」で、二・五倍に増量してゼリーのように薄めたものを、たんぱく質を結合す
 る酵素で固め、リン酸塩で保水性を高めたものだ。
  安いかまぼこや竹輪には、それなりの理由がある。
  かまぼこを食べると、胃腸で消化するときにミネラルが消費される。ところが、か
 まぼこは消化してもミネラルが含まれないので、食べれば食べるほどミネラル不足に
 陥っていくことになる。

 
 缶詰

 ●2014年4月までの賞味期限のものに

  魚の缶詰が安いのは、魚が最も多く獲れる時期に冷凍しておいて、それを加工して
 いるからだ。旬の時期は生のまま缶詰にされるものもある。
  魚の骨が入った缶詰は、ミネラル補給源としてすぐれている。
 缶詰の賞味期限は三年なので、賞味期限表示が2014年7月1日以前の缶詰なら、
 震災前の原料を用いているので心配ないが、そういう缶詰はもうほとんど売られてい
 ない。
  マルハニチロの缶詰は「マルハ」や「あけぼの」ブランドで知られている。これら
 のイワシ缶詰は国外で漁獲されたものだけなので、今のところは安心して買っていい。
 サンマは北海道産だけを使用しているが、妊婦はもう食べない方がいい。
  サバも、もう食べない方が無難だ。
 「ニッスイ」のサンマとサバの缶詰は、賞味期限が「2014年6月1日」までのも
 のなら、震災前の原料が使用されている。
 「キョクヨー」のイワシ缶詰は、アメリカ、メキシコで獲れたイワシを使用している
 ので、今のところは安心して買える。
 「ちょうした」のイワシ缶詰も、2014年4月までのものなら安心だ。
  はごろもフーズは「シーチキン」で有名なメーカーだ。使用するマグロ、カツオは、
 東南アジアやオセアニアなどで漁獲されたものを国内で加工しているので安心だ。し
 かし、骨が入っていないので、ミネラル補給には難点がある。



 昆布・ワカメ・海苔

 ●関東・東北の太平洋産を避けて

  海藻類はカルシウムが豊富なので、危険性の高いストロンチウム90も取り込んでい
 るはずだが、検査結果がほとんど公表されていない。
  2011年8月に福島県いわき市で採れた昆布から113ベクレル/㎏の放射性セ
 シウムが検出されている。青森県から北では、昆布から放射能は検出されていないの
 で、安心できるものを選ぶのは、今のところは簡単だ。昆布は、国内生産の95%が
 北海道産だからである。
  2011年7月のいわき市のワカメからは、58ベクレル/㎏の放射性セシウムが
 検出されている。
  宮城県産・岩手県産ワカメの放射能データは、どれも不検出となっていたのだが、
 検査精度が低いので、正確な汚染度はまだわからない。
  震災前は、この両県で全国生産量のハ割を占めていたので、やがて復活してくる。
  しかし、安全かどうかは詳細な検査データの推移を見ないとわからない。
  当面は、福島県に近い宮城県産ワカメを避け、青森県から北か、東海から南のワカ
 メを選ぶのがいい。
  中国や韓国からも輸入されているので、輸入ワカメを利用するのもいい。
  海苔の主産地は、九州有明海や瀬戸内海だが、宮城県や千葉県でも生産されている。
  2011年11月に東京湾で採れた海苔から25ベクレル/㎏の放射性セシウムが
 検出されている。
 2012年7月には文部科学省が、ストロンチウム90が、栃木県、群馬県、埼玉県、
 
千葉県、東京都、神奈川県にも降ったことを公表した。これが東京湾に流れ出てくる
 から、東京湾で養殖された海苔に含まれるようになるのは避けられない。
  子どもや妊婦は、江戸前海苔を食べてはいけないのだが、放射性ストロンチウムが
 検出されたら、その時点からは、すべての人が江戸前海苔を食べないようにするのが
 賢明だ。


 寿司

 ●若い人におすすめは「百円寿司」

  寿司も、放射能の心配をしながら食べねばならなくなった。ネタの原産地がわかる
 寿司厭に行って、産地表示を見ながら注文するのがいいが、若い人におすすめなのは
 「百円寿司」だ。
  百円の皿に寿司がたいてい二貫のっているので、一貫50円で利益を上げているこ
 とになる。そうするには、太平洋産のいいネタは使えない。東シナ海で獲れた魚
を中
 国で加工した寿司ネタが多いから、今は、百円寿司の方が安心できる寿司になってし
 まった。
  ただし、カツオやマグロは、中国産といっても、太平洋で獲っているものが多いか
 ら、子どもと妊婦は、カツオと定番のマグロ、鉄火を避けよう。
  そうはいっても、マグロを食べずに寿司屋を出ることもできないだろうから、最後
 に、一貫が百円か二百円の「ミナミマグロ」の中トロを食べればいい。
  スシロー、無添くら寿司、かっぱ寿司などは、ホームページで獲れた産地を詳しく
 公表しているので、店に行く前にネットで見てみよう。
 産地が「太平洋」「茨城県」「千葉県」「宮城県」の魚を避ければ、安心して食べて
 

                         小若順一 著 『食べるな危険!』、PP.62-88

 



珍しく録画していた『和食 千年の味のミステリー』を観て感心してしまう。それによる
と、千年ほど前、日本人は、自然界に漂う何億種類のカビの中から、アスペルギルス・オ
リゼ(日本麹カビ)の抽出方法を世界で初めて編み出し、鎌倉時代に、蒸し米の上でカビ
を育て、どこにでも運べる「カビの種」を作る種麹屋が現る。種麹屋は「世界最古のバイ
オビジネス」なのだ。カビをこれほど巧みに扱う民族は世界に他になく、あらゆる「うま
み」のベースにこのカビとそのファミリーがいるから和食は統一感のある味と香りのハー
モニーを奏でることができたのだという。





因みに、日本国菌とも言われるオリゼー(麹菌)は、発癌性の高い、強い毒素(アフラト
シキン
)を作る真菌類のフラブス(アスペルギルス・フラバス)を室(むろ)で育種を繰
返すことにより、外敵からの防衛機能として毒素を生産する遺伝子を消失させながら、さら
に味の良い、胞子を量産する日本麹菌(アスペルギルス・オリゼ)を長い時間かけて育種
してきたが、米国の学術書ではいまだにこの2つの菌は分類されず同種とされている。現
在は米国でも生産され、日本酒は明治時代で生産。
醤油も大手メーカーが、大規模な工業
的生産をはじめ、味噌も最近生産が始まっているという。油断すると欧米や中国の医療食
品企業にそっくりそのままリメイクされてしまうかもしれないが、バイオビジネスはここ
でも、力の入れようではトップを疾走できるかもしれない。これは面白い番組だった。

※ The development of a homologous transformation system for Aspergillus oryzae based on the nit-
rate assimilation pathway: a convenient and general selection system …


※ コウジカビ(麹黴)は麹菌(きくきん)ともいい、アスペルギルス (Aspergillus) 属に
分類
される普通の不完全菌の一群。このうち一部のものが、麹として味噌や醤油、日本酒
を作る
ために用いられてきた。コウジカビは、増殖するために菌糸の先端からデンプンや
タンパク
質などを分解する様々な酵素を生産・放出し、培地である蒸米や蒸麦のデンプン
やタンパク
質を分解し、生成するグルコースやアミノ酸を栄養源として増殖する。発酵食
品の製造に利
用される一方で、コウジカビの仲間にはヒトに感染して病気を起こすものや、
食品に生えた
ときにマイコトキシン(カビ毒)を産生するものがあり、医学上も重要視さ
れているカビと
いわれる。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする