【腸内細菌のバランス変化による疾病機構を一部解明】
筑波大学の渋谷彰教授らのグループは、腸内細菌のバランス変化によりぜんそくが悪化するメカニズ
ムを解明したと公表。それによると、悪玉となる真菌(カビ)が腸内で増えると強力な生理活性物質
が分泌され、肺組織に届き、炎症性物質を放出する免疫細胞を活性化させるという経路を特定し、さ
らに、マウス実験で抗真菌剤によりぜんそくが改善することも分かった。ぜんそくなどのアレルギー
疾患に対して、腸内細菌に着目した発症原因の解明や新たな治療法の開発に結びつくと期待されると
のことだ。腸内細菌のバランスの乱れは腸管以外にも影響を及ぼし、病気の発症に関連すると言われ
ているが、具体的なメカニズムはよく分かっていない。
ヒトの腸管内には、500種類以上、総計百兆個以上の腸内細菌が共生しており、腸管からの栄養吸収、
腸の免疫、病原体の感染の予防などに働いている。一方、遺伝的要因、食餌などを含むライフスタイ
ル、病原体の侵入などや種々の医療的処置などによって腸内細菌のバランスが乱れると、クローン病
や潰瘍性大腸炎を「まじめとする炎症性腸疾患などの原因となることが分かっている。しかし近年、腸
内細菌のバランスの乱れが、腸管以外の全身にも影響を及ぼし、肥満、糖尿病、アトピー、喘息など
の疾患さえも生しることも知られるようになり、大きな注目を浴びています。しかし、どのようなメ
力ニズムでこれらの腸管外の疾患が起きるかについては、ほとんど明らかにされていなかった。
今回の成果では、臓内細菌のバランスの乱れが、なぜ喘息などのアレルギーを引き起こすのかという
疑問を明らかにするために、まずマウスに5種類の抗生物質をそれぞれ2週間経ロで投与→アレルゲ
ンであるパパインやダニ抗原の吸入により喘息を発症→その病態を観察。その結果、ある種の抗生物質
を投与したマウスでは、それ以外の抗生物質を投与したマウスや抗生物質を投与しないマウスに比べ、気道
内の炎症が有意に強く、喘息症状がより重篤になることを見いだす(図1)。
そこで、喘息症状が強<出たマウスとそれ以外のマウスで、腸内細菌の変化の遣いを比較。その結果、
喘息症状が強く出たマウスでは、腸管内で真菌{カビ)の一種であるカンジダが異常に増殖している
一方、乳酸菌などの一部の細菌が減少していることを確認。これらの結果より、抗生物質の投与によ
りいわゆる善玉菌が減少し、その結果増殖した悪玉菌であるカンジダが、喘息が重気化する原因となって
いることが推察きれた(図2)。
次に、腸管内カンジダがどのようなメカニズムで喘息を重篤化させたかについて解析。これまで、カ
ンジダなどの真菌は、プロスタグランジンE2と呼ばれる生理活性物質を産生することが知られてい
た。実際に、抗生物質を投与し腸管内にカンジダが増殖しているマウスの血液中や鮪の気道内ではフ
ロスタグランジンE2が、抗生物質を投与していないマウスに比較し、およそ2倍程度まで増加。し
かし、マウスに抗真菌剤を投与しカンジダを減少させると、血液中や気道内のプロスタグランジンE
2の値は、抗生物質を投与していないマウスと同様の値に戻る(図3)。また、プロスタグランジン
E2を産生できない遺伝子改変マウスにおいても抗生物質の投与により、血液中や肺の気道内のプロ
スタグランジンE2が増加しました,以上の結果から、カンジダからプロスタグランジンE2が産生
され、血液を介して肺まで達していることを確認。
さらに、抗生物質によりカンジダが増殖しているマウスの気道内では、炎症を引き起こすタイプのM
2型と呼ぱれるマクロファージが増加していることを確認(図4)。また、抗生物質を投与していな
いマウスにフロスタグランジンE2を投与すると気道内でM2型マクロファージが増加し、喘息が重篤化
することが確認されました(図4)。以上の結果から、プロスタグランジンE2が鮪内でM2型マクロファー
ジを増加させことが判明する。以上の結果をまとめると以下の通り(図5)。
1)ある種の抗生物質の服用により、腸管内でカンジダが増殖する。
2)カンジダからフロスタグランジンE2が産生され、血液を介して肺に到達する。
3)肺内でプロスタグランジンE2がM2型マクロファージを増加させる。
4)増加したM2型マクロファージが喘息などのアレルギー性炎症を悪化させる。
また、喘息の治療としてカンジダの増殖を阻止する抗真菌剤(5FC)プロスタグランジンE2の産
生阻害剤、あるいはM2型マクロファージの活性化阻害剤{SAP)などを、抗生物質を投与したマウ
スにそれぞれ投与したところ、いずれにおいても喘息が軽快することが示きれた(図6)。この成果は、
抗生物質の投与による腸内細菌のバランスの乱れがアレルギー性疾患を悪化させたメカニズムを世界
で初めて解明したものであるという。
●今後の展開
アレルギー疾患を代表する花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎の罹患率は、それぞれ20%、10%、5-
10%と、近年増加の一途を辿っている。世界的にもおよそ25%の人がアレルギー疾患に罹患して
いるとされ、その克服は人類の健康・福祉にとってはもちろんのこと、社会的にも喫緊の課題。アレルギ
ー疾患の発症は、遺伝的素因や環境要因など、さまざまな複合的な因子により発症することが知られている
が、その中には腸内細菌のバランスの乱れによる真菌(カビjの増殖に起因するものが含まれている可
能性が考えらます、これらの患者では、上記の抗真菌剤、プロスタグランジンE2産生阻害剤、ある
いはM2型マクロファージ活性化阻害剤などが効果を示すと考えられ、真菌の増殖がなくとも、種々の
炎症などによってプロスタグランジンE2が炎症組織から産生されることが知られていますので、ア
レルギーによる炎症自体でもプロスタグランジンE2が増加し、これがM2マクロファージを活性化
し、悪循環によってさらにアレルギーを増悪させている可能性も疑われる。このような患者で「まプロ
スタグランジンE2産生阻害剤が有効である可能性もあるが、一方でプロスタグランジンE2阻害剤
自体か喘息を引き起こすことも知られているので、さらなる研究が必要です。また、M2型マクロフ
ァージ活性化阻害剤なども効果を示すと考えられます。これらは、これまで全く知られていなかった
新しい発想のアレルギー疾患の有用な治療法となりうるものと考えられている。
人間だけでなく、家畜や家禽類への抗生物質の乱用による、健康増進には逆効果であることが類推さ
れるわけで、あわせて「腸内細菌の健全環境」の維持増進の大切さをこの技報はわたしたち教えてく
れている。
【悲しみは雪のように】
Every heart has its own sorrow
Such the night when sorrow lies thick on your shoulder
as the snow falling
You can love someboby form the bottom of your heart
Please do not fill your heart with lonlyness
Everybody is crying without showing his tears to the others
Everybody is passing in front of his sweet without knowing the love
You might live your child-days with anger
However, please learn how to forgive somebody
You may weep, without being ashamed
'cause I also have wept alone
Everybody is crying without showing his tears to the others
In the passage of time, you might hold your dream tightly untill it will be broken
Everybody is crying without showing his tears to the others
Such the night when sorrow is lies thick as the snow falling.
Every heart has its own sorrow
阪神大震災後19年の月日が過ぎた。罹災遺族の傷はまだまだ癒えずに残っている。改めてご冥福を
祈ると共に、防災の大切さを深く胸に刻む。”がんばろう神戸!”
合掌
※ここでの合掌は”堅実心”である。