【アベノミクス第三の矢 僕ならこうするぞ!】
●里山資本主義異論
バイオマスを炭化・ガス化し、生成したガスを利用してガスエンジン等を駆動し高効率の発
電を行う技術が注目され、再生可能エネルギーあるいは持続可能な社会のエネルギーとして
3・11東日本大震災と福島第一原発事故など通し政府の支援をを得て加速普及されている
もの。このようにバイオマス炭化ガス化技術において、生成ガスをガスエンジンに導入して
発電を行わせる場合は、最終的に生成ガスを冷却するなどしてタール分を除去する必要だが、
タール分の含有量が多いままの生成ガスを利用すると発電装置の健全性を損なう等の不都合
が起きる。
ところが、物理的方法では、タール分を吸着させるための活性炭や砂等を別途供給する必要
があり、またバブリングを行うには、別途そのための設備が必要になる。化学的方法は、生
成ガス改質炉や触媒を用いた反応器を別途設ける必要がある等、タール分除去のために追加
の設備が必要になる。因みに、炭化・ガス化炉で得られる生成ガス中のタール分は比較的少
ないといわれているが、それでも現状では数百mg/Nm3 程度のタール分が生成ガス中に
含まれているが、ガスエンジンに導入する生成ガスでは、含有されるタール分が10~50
mg/Nm3 程度の濃度まで低減される必要がある。このため、バイオマス炭化ガス化のプ
ロセス内での中間生成物(=炭化物)を利用し設備の追加等を極力押さえてコストが安いタ
ール分を低減するバイオマス炭化・ガス化技術がも求められていた。
この問題を解決するためのシステム構成は次の7つの特徴をもつ。
(1)まず、 バイオマス燃料を熱分解し炭化物を生成させる炭化機と、ガス化する高温ガス化部のコ
ンバスタと炭化物の生成時に揮発したタール分を含む熱分解ガスを改質するガス改質部のリダクタ
を有する2段式のガス化炉とで構成するバイオマス炭化・ガス化システムで、この炭化機からガス化
炉のコンバスタに供給される炭化物とリダクタからの排出生成ガスを接触させるタール吸着手段で
構成されるバイオマス炭化・ガス化システムである。
(2)次に、(1)のバイオマス炭化・ガス化システムは、タール吸着手段は、この炭化機
から供給される炭化物を一時的に貯留し、コンバスタに供給し、リダクタの排出ブロアを介
し、吹き込まれた生成ガスと固形の炭化物とを接触させるホッパーと、ホッパー内で炭化物
と接触した後、排出生成ガスが供給し、生成ガス中の固形粒子とガス成分とを分離、固形粒
子をホッパーに戻し、タール分を除去した生成ガスとして排出する固体・ガス分離手段から
構成されることを特徴とするバイオマス炭化・ガス化システムである。
(3)また、バイオマス炭化・ガス化システムのタール吸着手段は、ホッパーと、固体・ガ
ス分離手段を二組備え、所定時間毎にブロアを介して生成ガスを吹き込むホッパーを交互に
切替えるように構成しするバイオマス炭化・ガス化システムである。
(4)さらに、このバイオマス炭化・ガス化システムは、 炭化機とタール吸着手段との間に
炭化機より供給する炭化物を粉砕する粉砕機を配設し一方、タール吸着手段とガス化炉のコ
ンバスタとの間に、タール吸着手段を排出する炭化物を一旦貯留し、コンバスタに向け排出
する他のホッパーとを配設し、タール吸着手段が、一つの開口からブロアを介してガス化炉
から排出生成ガスを吹き込み、他の開口を介し粉砕機より供給した生成ガスに浮遊する炭化
物の固形粒子と生成ガスを接触させる気体・粉体接触装置と、気体・粉体接触装置の排出さ
れ固形粒子が浮遊する生成ガス中の固形粒子とガス成分とを分離して固形粒子を他のホッパ
ーに戻し、タール分を除去した生成ガスを排出する固体・ガス分離手段から構成されている
バイオマス炭化・ガス化システムである。
(5)また、(2)~(4)の何れか一つに記載するバイオマス炭化・ガス化システムであ
り、固体・ガス分離手段が、サイクロンである特徴をもつバイオマス炭化・ガス化システム
である。
(6)さらに、(1)~(5)の態様の何れか一つに記載するバイオマス炭化・ガス化シス
テムで、このタール吸着手段の生成ガスと炭化物との接触は、100℃~200℃の雰囲気
中で行うバイオマス炭化・ガス化システムである。
(7)次に、(1)~(6)の何れか一つに記載するバイオマス炭化・ガス化システムで、
タール吸着手段の排出生成ガスを精製手段を介して精製した後、ガスエンジンに供給し、こ
のガスエンジンを駆動させるように構成したことを特徴とするバイオマス炭化・ガス化シス
テムにある。
図1図2
図3図4
特開2013-241487 バイオマス炭化・ガス化システム
【符号の説明】
1 炭化機 2 ガス化炉 2A コンバスタ 2B リダクタ 3、7 タール吸着装置
5 ガスエンジン 6 粉砕機
図5
このことで、ガス化炉の排出生成ガスがタール吸着手段で、炭化機で供給する炭化物と接触
させ、生成ガス中のタール分が炭化物に吸着・分離・除去でき、除去したタール分がコンバ
スタの高温雰囲気で分解され、生成ガス中のタール分がすばやく除去され、ガスエンジン等
の燃料として改質できる。つまり、生成ガス中のタール分除去法として、炭化機からガス化
炉に供給される炭化物を使用するので、設備のコンパクト化と同時にコストが逓減できる(
上図参照)。
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るバイオマス炭化・ガス化システムを示すブロック図
【図2】図1に示すバイオマス炭化・ガス化システムのタール吸着装置を抽出・拡大して示すブロック図。
【図3】図1に示すバイオマス炭化・ガス化システムにおけるタール吸着装置の運転態様を示すブロック図
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るバイオマス炭化・ガス化システムを示すブロック図
【図5】図4に示すバイオマス炭化・ガス化システムのタール吸着装置を抽出・拡大して示すブロック図
ところで、小規模分散型発電の弱点のタールの除去方法(タール対策)は4つある。(1)
水蒸気改質でタール改質、(2)タール回収、(3)タールの燃料化、(4)タール発生抑
制(ガス化炉の構造の工夫)などであり、ここで紹介した新機構案は(2)の方法である。
中でも、小規模用の固定床ガス化・ガスエンジン発電の飛躍的普及には、タールフリー化が
欠かせない。実際、この研究開発の必要性を充分に理解しているつもりだ。また、エネルギ
ー効率的側面では30~40%程度だから、太陽光・風力・地熱といった燃料コストがゼロ
といった再生可能エネルギーとして比較し不利であり、廃熱利用(温水・熱電変換)などと
のコジェネレーションが前提となる。そんなことを考慮し、例えばタール限りなくゼロにし、
水素+一酸化炭素+メタンガス+(タール≒0)を燃料電池で発電する開発も行われている。
今夜、小型木質バイオ燃料発電システムの課題を取り上げてみた。
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