【様変わりする色素増感太陽電池】
物質・材料研究機構は、色素増感太陽電池の分子と電極界面の近傍で生じる特異な吸着構造の
変化と光電流の関係を放射光軟X線実験で解明したという(2013.10.10)。色素増感太陽電池
は低コストかつ高フレキシビリティーという特徴をもつ次世代太陽電池の一つとして注目され
ているが、さらなる発電効率の向上(光電流の向上)がターゲットとなっている。色素が光吸
収と電子授与を行うが、光電流は色素の吸着構造の解明とその制御の解決が喫緊の課題となる。
X線光電子分光分析の結果、通常、N719色素はカルボキシル基 (COOH基)を介してTiO2表面に吸
着する特性があるが、NCS-(チオシアナート配位子)が TiO2との相互作用が強いことを明らか
にした。これまでの吸着構造モデルとは異なり、光電流を妨げる原因になっていた可能性があ
ること、また、このNCS-とTiO2の強い相互作用は、D131色素(短波長領域で強い光吸収特性を
示す色素で共吸着剤)を同時に吸着させると消失する。この成果を設計指針とすることで吸着
構造の最適に制御することで、太陽電池の可視光領域の外部量子収率が大きくなる(約 0.3%
%向上)。
思えば、岐阜大学で色素増感太陽電池の試作をはじめたころから考えれば、現在は、吸着・電
子注入・電子移動の一連の構造が解明され、また、有機金属鉛を共蒸着しペロブスカイト層形
成・ナノ多孔体無しで構造体での変換効率15.36%達成など、新たな段階にきている。もっとも
カラフルという色素増感型の特徴を見直す機会でもあるだろう。
【有機薄膜太陽電池の変換効率向上】
今年に入り、理化学研究所創発物性科学研究センターでは、オーガニックソーラーの変換効率
向上にかかわる研究がなされてきている。その1つが「接触転写法」という有機膜積層法を有
機太陽電池の作製し、界面の構造や性質を制御し、有機薄膜太陽電池の電圧を大幅に向上させ
るもの(下図、2011.05.16)。
2つめは、配向制御により変換効率を5%から7.5%に向上することに成功している(下図、
2013.10.07)。
3つめは、界面構造制御により電圧向上と電流維持の両立に成功している(下図、2013.10.
22)。
詳しいことは、3つの参考図(クリック!)で理解してもらうことにして、こういった微塵(ミクロ・ナノ)な界
面構造やメカニズム解析の深耕が進んできている。
【海底埋設発電プロジェクト】
従来から、海底に水圧等の物理量を測定するセンサを設けておき、海底の状態を監視すること
が行われているが、海底に設けられるセンサ等の機器を動作させるためには電源がいる。(1)
そこで予め機器に電池を内蔵させておく方法があるが、この方法は電池切れになればアウトだ。
(2)また、海上や地上の電力の供給源と機器とをケーブルで接続して、ケーブルを介して機
器に電力を供給する方法が考えられるが、この方法を実現するためには、機器を設置する場所
が深いほど長いケーブルが必要でメンテもあり大きなコスト負担となる。そこで、海洋研究開
発機構などが、海底面から、海底下にある熱水溜まりにまで至る掘削孔や海底面上のガイドベ
ースを介して、掘削孔内に設置されたケーシング(筐体)熱水井と、熱水井の熱水の流路上に
設けたアノード(陽極)と、熱水井による熱水の流路以外の海水中に設けられるカソード(陰
極)とにそれぞれ接続し、その電位差を電力として取り出するというシステムを提案している。
【符号の説明】
1…発電システム、10…熱水井、10a…掘削孔、10b…ケーシングパイプ、10c…坑
口、30…ガイドベース、40…アノード、50…カソード、60…海底機器、70…ケーブ
ル、F…海底面、H…熱水溜まり
電線、通信線、蓄電設備などの全国インフラ埋設計画はこのブログのテーマでもあるが、この
提案のように海底もそのようにしようという海底埋設計画も是非実現したいプロジェクトだ。
こんな手もあったんだとチョット得した気分にさせてくれるような情報だ。
【大トロには白ワインが合う】
第3話は訴訟に馴染まない離婚の男女の泥沼劇。なんのなんの意外性の連続展開で結構、面白か
ったので最後まで見てしまう。ストーリーは、弁護依頼が少なくなった古美門法律事務所がは火
の車に陥り。仕事に結びつくかもと、黛は高校の同窓会に出席する。思惑どおり、同じクラスの
同級生・熊井(塚地武雅)から妻・ほのか(美波)との離婚訴訟の代理人の依頼が舞い込むが、
熊井の離婚理由を聞いた黛は唖然。美人だと思って結婚したほのかが整形美人だと知り、離婚を
切り出すが、ほのかは応じない・・・。結局、古美門研介(堺)側が勝訴するのだが、依頼人は
よりを戻そうとするものの元妻はあっさりと拒否するその軽妙さが良かった。
イオンが新装オープンするというので、いつもより来客が少ないらしいが、彼女と一緒に、ルー
ムランナー用インナーの買い物にビバ・シティーにいくも、、彦にゃんバスと出くわした立体画
像ふうに描かれた彦にゃんのデザインも悪くないと感心していると、しばらくするとバスのクラ
クションととも軽快に発車する。なるほど、積極的に情報発信しているバスだと二度感心する。
買い物を終え徳兵衛でランチをとる。いつものように大トロ注文。今日はスペシャルデーという
ので白のグラスワインをオーダー。初めての経験だがこれがよく合い、これまた感心する。アヒ
ージョは、オリーブオイルとニンニク、鷹の爪、塩とシェリー酒を使ったスペイン料理だが(
『人工培養土を巡る旅立ち』、『ショートコーナのシェリー酒』)、魚介類にはよく合うのだろ
う。甘みのある軽いタッチの白ワインだったが、ミディアムシェリー酒(マンサニージャ サンル
ケーニャ)ならなおのことベストマッチするのではと想像してみたが、今夜はその理由を調べて
いる余裕はない。
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