極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

細胞内温度を正確に計る。

2013年10月25日 | ネオコンバーテック

 



キリン株式会社は、同社の基盤技術研究所と東京大学大学院薬学系研究科との共同研究で、世界初
となる細胞内温度測定用の蛍光プローブを開発、酵母やほ乳類細胞の正確な細胞内温度の計測を実
現したと10月11日発表した。細胞内温度の測定は、酒類などの発酵品の製造工程での温度調節にキ
リンが着手。東京大学では、蛍光プローブを用いた細胞内の温度分布測定の技術(特開2007-238467
ベンゾクロメノン化合物
など)を持っていたが、微生物などの小さい細胞には非常に利用しにくい
という課題があったが、今回の成果では、蛍光プローブの構造に、細胞内へ取り込まれやすいプラ
ス電荷を持つ分子を組み込み、蛍光プローブを細胞懸濁液中に混ぜるだけで出芽酵母の細胞に導入
できるようにしたという。細胞内に取り込まれた蛍光プローブは細胞の温度変化に応答し、最高で
0.09℃の微小な温度差を検出できる。酵母細胞だけでなく、ほ乳類の細胞にも適用できる高い汎用
性があるとしている。細胞内の温度変化は、がん細胞で高温になるとの知見がありガン治療への応
用が考えられる。また、キリンでは発酵時の酵母の細胞内温度変化を調べ、発酵過程の発酵品の生
産に活かせるとっともに、細胞の機能と温度の関係が簡便にわかることから、今後の医学・生物学
分野への応用も期待されている。
 

 

  

 

すべての生命活動は、蛋白質を中心とした生体分子の相互作用によって担われていが、蛋白質間相
互作用、あるいは蛋白質と他の分子との相互作用を研究し、解明することは、生物の発生・分化・
増殖などの生体反応や薬理機構の解明といった領域、さらにはバイオセンサー・新薬の開発といっ
た領域への展開が期待されている。このための研究開発には、生体内の状況や物質の変化を可視化す
技術開発が必須である。例えば、理化学研究所の宮脇敦史らのグループは、増殖期にある細胞と
休止期にある細胞との識別技術があり、宮脇らは、増殖期と休止期とで、細胞内には異なる蛋白質
が増えることに着目し、その異なる蛋白質のそれぞれに別々の色調を示す蛍光物質を結合させ、蛍
光の色によって細胞が何れの時期にあるかを見分けられることに成功している。また、小林久隆ら

の米国国立衛生研究所と東京大学との研究チームは、新たな蛍光物質を開発に成功している。これ
ら蛍光物質は、従来のものと比べて強く発光する。つまり、これらの蛍光物質を癌細胞に取り込ま
せたり
癌細胞の表面に結合させることで、小さな癌が発見できるようになると期待されている。



そこで、高感度での測定には蛍光が利用され、蛍光の利用技術の一つとして、蛍光共鳴エネルギー
移動(Fluorescence Resonance Energy Transfer: FRET
も知られている。FRETは、蛍光成分を有
する物質、例えば蛋白質の空間パターンや時間的変動など、生理現象の、より本質的な理解に有用
な情報を提供し得ると考えられている。
従来の蛍光物質は、一度蛍光を発すると、その状態におけ
る測定ができるのみであった
一方、インテリジェント・マテリアルと呼ばれ、環境の変化(光、
熱、pH、電気的刺激等)を感知しそれに対応して自身の機能をコントロールするような刺激感受
性ポリマーが知られており、中でも、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(Poly-N-isoprop-
ylacrylamide;PNIPAAm)は、温度応答性材料として有用である。PNIPAAmは、水素結合性部
位をもっている。そのため、水中において、環境温度が低い場合にはポリマー鎖のまわりに水分子
が強く付着し、その結果PNIPAAmが水に溶解する。しかし、温度を上げると水素結合が切断
されポリマーは裸となり、水と相分離し、不溶性となって沈殿する。このような温度応答性を蛍光
物質に付与すれば、蛍光物質に新たな用途が加わると考えられている


現在では、温度応答性ポリマーの分子中に蛍光物質であるベンゾクロメノン化合物を結合させるこ
と、より具体的には、ベンゾクロメノン化合物が結合されてなる温度応答性ポリマーを含む蛍光試
薬等がある。ベンゾクロメノンイル基を有するこのポリマーの蛍光波長は極性溶媒中で460nm
以上であり、測定系に共存する芳香環による影響を受けにくいという特性をもつ。また、蛍光試薬
の用途には、試薬を含む溶液中の環境変化また化合物で標識化した分子の変化の追跡を挙げている。

さらに、温度応答性を有する蛍光性温度プローブであって、二つ以上のセグメント鎖から構成されるブロック
ポリマーやグラフトポリマーが提案されている。

※ 特開2007-238467 ベンゾクロメノン化合物
※ 特開2006-162512 蛍光性温度プローブ、それを用いた温度センサー、及び蛍光性温度プローブ
  の製造方法

そこで、上下図の「特開2009-236906 蛍光性温度及び/又はpH応答性ポリマー及び蛍光共鳴エネ
ルギー移動を用いた蛍光発生成分を有する物質等の測定方法」のように、(1)温度やpHにより
水系溶媒に対する親和性が変化するポリマーで、蛍光物質が結合ポリマー。(2)温度やpHの変
化で水系溶媒に対する親和性が変化するポリマーで、蛍光物質が結合ポリマーを、水系溶媒中で
蛍光発生成分を有する物質の近傍に存在させて、蛍光発生成分とポリマー中の蛍光物質との間で蛍
光共鳴エネルギー移動を生じさせ、発生した蛍光の強度を測定する工程を含む、蛍光発生成分を有
する物質とその周囲環境の変化の測定方法で、ポリマーの周囲環境、具体的には温度やpHを変化
させ、繰返して、異なる条件下においても蛍光測定が行える新たな蛍光性温度やpH応答性ポリマ
ーと、その新たな用途を提供しれてきている。

 

 

特開2006-162512

【符号の説明】

11:温度応答性セグメント1  12:親水性セグメント 13:温度応答性セグメント2  14:感熱部位1  15:
蛍光部位  16:感熱部位2  31:ユニマーミセル32:ポリマーミセル 41:下限臨界共溶温度以下での蛍
光性温度プローブ 42:固体表面  43:蛍光性温度プローブ/水溶液界面  51:光源  52:検出器 53:
スリット 54:ハーフミラー 55:レンズ 56:ドメイン

これらの成果には、分析計測装置の高度化の基礎に成り立っている。上図の蛍光性温度プローブの
製造方法に関する新機構案は、温度応答性をもつ蛍光性温度プローブは2つ以上のセグメント鎖か
ら構成されるブロックポリマーあるいはグラフトポリマーのうち、1つ以上のセグメント鎖中に下
限臨界共溶温度をもつ感熱部位と蛍光部位の両方を含む、温度プローブと検出手段で構成する温度
センサで、2つ以上のセグメント鎖から構成されるブロックポリマーやグラフトポリマーを使用し、
目的温度を検知し蛍光発生させ、共存物質存在下や界面での高感度センシングを可能とする蛍光温
度度プローブを提供するもの。

開2011-022087|生体画像取得装置

 


上図の新規考案は、従来の局部の生態画像収録ではなく、試料の体温を低下させることなく試料の
観察を多方向から同時に短時間に行なうことができる生体イメージング装置を提供することを目的
とするものであるが、この生体画像取得装置を試料から放出される光の画像として蛍光画像を取得
するものとする場合には、導光光学系の光路間の隙間には蛍光発生のために試料に励起光を照射す
る励起光学系が配置できる。その励起光学系は励起光源のレーザダイオードや発光ダイオードの発
光素子を備えているが、発光素子の点灯の切替えによって励起光の照射方向を切り替えもできる。
さらに、励起光学系の各励起光源は異なる波長を発生する複数の発光素子とそれぞれの励起光源が
付随的に含む不要な波長成分を除去する干渉フィルタとを励起光源ごとに備ることもでき、この場
合には、発光素子の点灯の切替えによって励起光の照射波長も切り替えもできるシステムが提案さ
れている。

ところで、温度応答性ポリマー、つまり、ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PIPAAm)ががナノ
メートルレベルで固定化された表面を用いて、ポリマーそのものが持つ下限臨界溶液温度(Lower
Critical Solution temperature, LCST)を境にして起きる水中での相転移挙動を器材表面性質の変化/転
換でき、固定化されたPIPAAmが細胞培養時に、細胞をはがす時にも器材表面から全く遊離しない固
定化技術は電子線を実現させているが、この細胞シート工学の基盤となるナノバイオインターフェ
イス技術
と呼んでいる。

 

【野球場に連れてってとスイートキャロライン】


 Where it began,
 I can't begin to knowin'
 But then I know it's growing strong

 Was in the spring
 And spring became the summer
 Who'd have believed you'd come along.

 Hands, touchin' hands
 Reachin' out, touchin' me, touchin' you

 Sweet Caroline
 Good times never seemed so good
 I've been inclined
 To believe they never would
 But now I...

 ...look at the night
 And it don't seem so lonely
 We fill it up with only two.

 


今日も田澤と上原も頑張ったんだけれど、レッドソックスの負け試合となった。しかし、面白いこ
とに気がつく。FENWAY PARKでは、“Sweet Carolineが場内で流されるというテレビ解説者(田
口壮)が説明していた。何で?! 1990年代後半頃から、FENWAY PARK 内で、イニングの合い間など
に流されるようになり、現在のように必ずこの曲が球場内で流され(そして歌われ)るようになっ
たのは2002年からという。当時球場内で流す曲を決める担当のA.トービーが、この曲を流したとき
のファンの反応がとてもよかったことに気づき、それ以来この曲を流すようになったとか。歌うと
きには、歌詞の合い間に“So_good!So_good!”と合いの手を入れ叫ぶのがポイント。また、この曲が
流されるは、8回表終了後(レッドソックスの攻撃前)となっている。現在では、ちょうど7回表
終了後になると流され(歌われ)る曲TAKE ME OUT TO THE BALLGAME”(野球場に連れてって)
と同様、レッドソックスの試合の一部となったというのだ。

 

                                                     

 

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