A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

田名網敬一 個展 [ 結び隔てる橋 ][ 迷いの橋シリーズ ]@NANZUKA UNDERGROUND

2011年11月14日 00時22分56秒 | アート!アート!アート!


60年代日本のサイケデリック・アートの騎手、田名網敬一さんの新作個展が開催された。田名網さんの個展には数回行ったことがあるが毎回「色彩地獄」とでも呼ぶしかないカラフルな世界に幻惑され頭がクラクラした状態がフラッシュバックする。

今回はNANZUKA UNDERGROUNDの白金で「結び隔てる橋」、渋谷で「迷いの橋シリーズ」と2ヶ所での開催である。「結び隔てる橋」は巨大な立体オブジェ「渡れない反り橋」を核に、赤い太鼓橋と髑髏のキャラクターが登場する巨大な曼荼羅絵画が会場を取り囲む。ひとつひとつの絵をよく見ると数々の畸形やお化けの氾濫の中にアトムやポパイなど著名漫画のキャラクターが描かれている。「幼少の頃にみた、映画のワンシーンに出てくるさらし首と太鼓橋や、空襲の夜の死者と太鼓橋等、この奇異でドラマチックな取り合わせは、橋を隔てたこの世とは別の異界へと私を誘うのである」(田名網敬一/プレスリリースより)。ギャラリー全体が髑髏の頭蓋骨(田名網さんの脳内)の中に飲み込まれたような異界体験であった。

渋谷の「迷いの橋シリーズ」は14点のシルクスクリーン作品に囲まれ、再び脳内シナプスが活性化する。こちらも太鼓橋、髑髏、漫画のキャラクターが隙間なく描き込まれた田名網さんの強迫症的な世界が広がる。まさに魂が迷子になるような空間だ。



今年76歳になるこの巨匠の個展は朝日新聞でも「サイケは滅びず」というタイトルで紹介された。白金の展示は終わってしまったが、サイケに興味ある人はNANZUKA UNDERGROUND渋谷へ足を運んでみては?

日本の
サイケの歴史
ここにあり

草間彌生さんと並ぶサイケデリック・アートの重鎮である。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

複数の動物を合体させて作る「怖すぎる剥製」

2011年09月08日 00時21分33秒 | アート!アート!アート!

ニュージーランドに怖~い剥製を作る人がいるという。複数の動物を合体させるその手法、それを前衛的な芸術だと賞賛する人もいれば、悪趣味すぎると非難する人もおり賛否両論だ。

製作者はヨットハーバーの管理人、イギリス出身のアンドリュー・ランカスターさん(57)。14年前にニュージーランドに移住してから趣味で剥製制作を学び始め、「合体作品」を作るようになったのはここ2年ほど。

作品の中には下半身がウサギのアヒル、鳥の頭を持つ金魚、羽と牙、角の生えたポッサムなどがあり、なんと、インターネットで販売されているのだ。

ランカスターさんは「道端に動物の死骸がたくさんあるからもったいないと思ってね。今では見かけると拾って持って帰るんだ。作品を評価してくれる人もいるけど、イカレた奴だと言う人もいるね」と地元のニュースサイトで語っている。

材料はすべて拾った死骸で、 作品のために動物を殺すことは一切ないそうだ。収集した死骸はボイラーに乗せて乾燥させ、自宅で アイスクリームなどと一緒に冷凍保存するという。

ちなみに奥さんはランカスターさんの趣味に反対している。アイスクリームの下に動物の死体を入れられては当然だろう。
(Rocket News 24)

▼アヒルとウサギが合体


▼まさに地獄からの使者といった感じだ


▼空飛ぶブタ


▼鳥の頭に魚の胴体。なんともエグい


▼牙の生えたポッサムにニワトリの胴体。恐ろしい吸血生物のよう


▼こちらのポッサムはカササギと合体


動物を
切り貼りまるで
フランケン

ボッシュやバーセルミやシュバンクマイエルの世界を髣髴させるシュール過ぎるこの感性、私は大好きだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヤン・シュヴァンクマイエルのシュールな世界

2011年08月28日 01時10分00秒 | アート!アート!アート!

ヤン・シュヴァンクマイエル(Jan Švankmajer、男性、 1934年9月4日 - )は、チェコスロバキア・プラハ生まれのシュルレアリストの芸術家、アニメーション作家・映像作家、映画監督。

そのユーモア溢れる感性は笑わせるとともに人生の不条理・不可解さに言及している。1988年の「アリス」1994年の「ファウスト」など長編が有名だが、ウィットに富んだ短編フィルムも多数作成しており、YouTubeで検索すれば色々観ることが出来る。

彼の作風はあくまでCGを使わず模型や粘土をコマ撮りしたアナクロなものに固執している。それが非常にいい味を出しており希代のシュール作家と言われる所以である。

8月下旬から数カ所で彼の作品が公開されるので機会があれば是非観に行って欲しい。
シュバンクマイエル情報サイト



旧共産圏
チェコスロバキアは
面白い

チェコのPlastic People Of The Universeというバンドについて以前書いたことがあるので参照いただきたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

園田游@東中野 RAFT 2011.5.5(thu)

2011年05月07日 01時26分41秒 | アート!アート!アート!
「五節句ライブ vol.3~端午の節句~」と題した元グンジョーガクレヨンの園田游さんの舞踏ソロ。南阿豆嬢が企画・演出・照明・音響を担当。いわば"南阿豆プロデュースによる園田游"。

園田さんのダンスは暗黒舞踏の流れを汲むものだが、あそこまでドロドロした情念的なものではなく、カラッと乾いた開放感とどこか懐かしい叙情を備えており、極限まで無駄を削ぎ落とした肉体とともに、観る者の心に得も言えぬ感慨を沸き立てる。駒落しのスローモーションのようにゆっくりとした動きと時々呟くうめき声がユニークな異形の踊りは観ていて飽きることがない。

最近グンジョーガクレヨンの3枚のアルバムを聴き直しているのだが、1980年のPASSレコードからのデビュー・アルバムこそ8ビートを基本としたロック的作品であったが、1986年DIWレコードからの2nd、1994年日本カセット・テープ・レコーヂングからの3rdは完全フリーの混沌としたインプロヴィゼーションであり、その中でも非ミュージシャンである園田氏のヴォイスがジャンル分け不可能な音塊の集合体であるこのバンドの世界を象徴していたことが、この日のダンスを観て実感できた。グンジョーガクレヨンといえばギターの組原正氏ばかりが高く評価されているが、園田氏やリズム隊の二人の異形のプレイがあるからこそ日本の他のバンド/アーティストとは比較できない唯一無比の存在になり得たのである。

この予測不可能な園田氏を演出することは難しかったのではないだろうか。どこまでが演出でどこからが即興なのか判断が難しい。踊り終わった園田さんから端午の節句にちなんで笹団子をもらった。
園田さんが灰野さんに連絡を取りたがっていた。国立で共演した時の映像の件らしい。

踊りから
受け取るパワー
膨大だ

グンジョーガクレヨンの1980年代のライヴ映像を秘蔵してる人はいないだろうか。



マクロミルへ登録

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シュルレアリスム展@六本木 国立新美術館 2011.4.6(wed)

2011年04月08日 00時43分41秒 | アート!アート!アート!
休日は混んでいるだろうと思い休暇を取って「シュルレアリスム展~パリ、ポンピドゥセンター所蔵による」を観に行ってきた。現在では"シュールな~"というように一般的に使われる言葉であるが、「シュルレアリスムは、偶然性、夢、幻想、神話、共同性などを鍵に、人間の無意識の世界の探求をおこない、日常的な現実を超えた新しい美と真実を発見し、生の変革を実現しようと試みるもので、瞬く間に世界中に広まりました。シュルレアリスムの影響は、たんに文学や絵画にとどまらず、広く文化全域に、そして広告や映画などの表現を通じて21世紀に生きる私たちの生活の細部にも及んでいます」(シュルレアリスム展HPより)というのが本来の意味だ。

平日で年配の方が多かったが学校が春休みなので学生らしき姿も目立った。予想通り空いていてゆったりと余裕を持って鑑賞できた。

20世紀初頭のダダイズムから派生し1924年アンドレ・ブルトンの「シュルレアリスム宣言」でフランスで産声を上げたこの潮流は瞬く間に世界中の先鋭的な芸術家たちを虜にした。今回の展示では1910年代のダダイズムから世界大戦を経て1960年代までの絵画・彫刻・オブジェ・映像が実に170点も展示されており、人間の創造力の渦巻く世界が圧巻である。その中でもブルトン、ダリ、マグリッド、デ・キリコ、エルンスト、マン・レイ、タンギーなどの作品は素晴らしいものがあった。しかし観ているうちに、これでもか、と存在を主張する奇奇怪怪な幻想の世界に溺れてしまい頭がクラクラしてきた。脳みそのマッサージには格好の美術展だった。

幻想が
襲ってくるよ
シュールだよ

音声ガイドを借りて解説付きで鑑賞するのがお勧めのようだ。
シュルレアリスム展HP

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

紙で作られた「3D肖像画」がリアルすぎる!

2010年12月18日 00時41分14秒 | アート!アート!アート!
オランダの彫刻家、バート・シモンズ氏は「3D肖像画」の専門家だ。
遠目から見ると本物の人間にしか見えない3D肖像画は、なんと紙で出来ている。つまり人間の形をしたペーパークラフトなのである。

作り方はこうだ。

まずモデルとなる人の顔、頭、首などに点状のマーキングをする。その点を元に3Dデータを書き起こし、一枚一枚テクスチャ(写真)を張り付ける。そして本人をほぼ完全に再現した3Dデータをプリントし、あとはパズルの要領で一枚一枚立体的に組み上げていくのだ。

出来上がった3D肖像画は、近くで見ると折り目やスジが見えてしまうものの、遠目から見ると完全に本人! とても紙で出来ているとは思えないクオリティである。

銅像を作りよりは、はるかに安上がりであることは間違いない3D肖像画。「思い出は立体に!」、「記念写真は3Dの立体ペーパークラフトで!」なんて言う日も、そう遠くはないのかも知れない。

立体の
紙工作は
芸が細かい

一体いくら位なんだろ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

沈没しかけの船!?

2010年12月07日 00時28分26秒 | アート!アート!アート!
フランスに“沈みかかっているような船”を製作した芸術家がいる。斜めに傾き、船体の半分が水面に顔を出しているようなこの船は、その状態で安定するように設計されているもの。しかし、実際に海原で目撃した沿岸警備隊が駆けつけることがあるというほど、なんとも紛らわしい代物だ。

この船を製作したのは、フランス人芸術家のジュリアン・ベルティエさん。1975年生まれの彼は、1998年から主にデザイン画や創作物の作成を始め、欧州を中心にさまざまな展覧会に作品を出品しているアーティストだ。彼の公式サイトにはこれまでに生み出した数多くの作品が掲載されているが、その中でひと際インパクトを放つのが2007年製作の「Love love」という船の作品。何も知らない人が見たら、間違いなく“沈みかかっている”と勘違いするであろうこの作品は、「ボートが消えるほんの数秒前の瞬間をそのまま留めたかった」(英紙デイリー・メールより)との発想から製作されたという。

水面から半分だけ顔を出し、斜めに傾いた船体。本来は垂直に立っているはずのポールも、斜め45度の状態だ。この船は普通のボートを前後で2つに切り、切断面をガラス繊維素材で塞いだそうで、傾いた状態で安定するように作られている。船にはモーターが取り付けられ、そのまま自走することも可能。実際に航行する動画もある。
Love love映像

傾いて
海原行くよ
人騒がせ

これもアートなんだね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Baby-Q@横浜BankART 2010.11.21(sun)

2010年11月23日 00時32分21秒 | アート!アート!アート!
東野祥子さんが主催するダンス・カンパニー BABY-Qが横浜BankART NYKで開催中の大野一雄ファスティバル2010に「Instant Oblivion」という作品で参加した。

東野さんの舞踏はヘア・スタイリスティックスとの共演で何度か観ていて、会場狭しとスピーディーに動き回る独特のダンスが強く印象に残っている。今回は音楽を灰野敬二さんと中原昌也氏が担当するということもあり、私の好きなアーティストが纏まって体験出来るいい機会だった。

BankART NYKは以前横浜トリエンナーレの時には展示場として使用された倉庫を改築した広々としたスペースだ。2Fに大野一雄さんのビデオや新聞記事、写真やポスターが展示してあり見応えのあるものだった。

ダンスの会場は3F。広い空間にダンサーが10人。中原昌也氏の紡ぎ出すノイズに導かれてバラバラに踊ったり、一斉に駆け回ったりする。暗黒舞踏的な白塗りの情念の舞踏ではなくて、もっと現代的でクールなダンス/パフォーマンスだ。

30分程で隣のスペースに移動。こちらでは灰野さんのパーカッションと東野嬢のダンスの共演が中心となる。これが息を飲むような素晴らしさ。灰野さんはいつものようにパーカッションを鳴らしながら気合いのダンスで魅せる。後半はヴォイス・パフォーマンスと久々のエア・シンセを演奏。まるで灰野さんがBABY-Qの一員になったかのような一体感のあるパフォーマンスだった。

のべ1時間程だったが、BABY-Qのダンサー達のキビキビした動きと、中原/灰野それぞれの音楽の個性の違いが印象的なイベントだった。

この踊り
大野一雄が
降りてくる

BABY-Qの活動には今後も注目していきたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

伊藤篤宏+中原昌也@恵比寿 Nadiff 2010.11.5.(fri)

2010年11月07日 02時10分44秒 | アート!アート!アート!
蛍光灯を使ったOptronという楽器奏者として知られる伊藤篤宏氏の「PAINT & COLLAGE WORKS 2010」展が恵比寿のアート・ショップNadiff A/P/A/R/TのB1ギャラリーで始まった。

伊藤氏は美大で日本画を学んだ正当な画家で、1990年代半ばまでは音楽よりも絵画制作を主に活動していたそうだ。今回の展覧会は15年ぶりの絵画展である。エロティックなコラージュ作品を中心に10数点というこじんまりした展覧会だが、H.R.ギーガーを思わせるその奇怪な作風は一見の価値がある。アートに興味がある方は是非覗いてみて欲しい。
Nadiff HP

さてこの日は展覧会のオープニングということで、中原昌也氏と伊藤氏のライヴ&トークがNadiff 4FのMagic Room???で行われた。ちょっとしたサロン風の落ち着いた会場に20人くらいの観客が入った。二人は今まで何度も共演してきているので阿吽の呼吸。Optronを座って演奏するのは初めて見た。今までOptronは音のバラエティの少ない、ヴィジュアルを重視した楽器だと思っていたが、意外に微妙な表現が出来ることを実感した。中原氏は機材は少なめだったが表情豊かな電子音を奏でる。ケロミンを使ったアンコールまで35分程の演奏。伊藤氏はライヴの時はいつもPILのTシャツを着ているなあ。

その後のトークショーでは伊藤氏の芸術遍歴や二人のアート論などを聞けて面白かった。二人とも大きな絵を描きたいのだが家庭環境がそれを許さないこと、中原氏はよく他人から無気力な印象を持たれるが、実際は「やる気まんまん」であること等。

Optron
近くで見ても
蛍光灯

たまには静かで落ち着いたノイズ演奏も悪くない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

草間彌生展@武蔵野市立吉祥寺美術館

2010年10月14日 01時11分13秒 | アート!アート!アート!
「ワタシというナニモノかへの問い」と題された草間彌生さんのコラージュと版画の展覧会。

この美術館は入館料100円というところが嬉しい。吉祥寺のど真ん中にあるにも関わらず平日だった為とても空いていてゆっくり鑑賞できた。

草間さんが凄いのは、自分の内面か湧き出てくる幻想的で実験的な主題を、万人に分かり易い具体的な対象(帽子、靴、花、カボチャなど)に置き換えて表現しているところだろう。売れっ子のデザイナーでもある彼女は前衛と大衆とのバランスを上手くとる方法を知っている。観ていてとても幸せな気分になるのも、彼女が幾つになっても幼女のあどけなさをなくしていないからに違いない。
吉祥寺美術館 HP 

草間さん
サン・ラに似てる
求道者

11月7日まで。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする