
新宿 PIT INN 50th Anniversary ブロッツ&サブ 2デイズ
【MEMBERS】ペーター・ブロッツマン(Ts,他)豊住芳三郎(Ds,他)ゲスト: 佐藤允彦(P)
フリー・ジャズの生き証人ペーター・ブロッツマンが今年も来日し、旧友・豊住芳三郎と組んでスーパー・セッションを繰り広げます。18日には近藤等則、19日には佐藤允彦という豪華なゲストも参加し、壮絶な演奏になること間違いなし。重鎮たちの大暴れに乞うご期待!

毎年恒例のブロッツマン来日興行。SABUこと豊住芳三郎とのピットイン50周年企画2日間の初日の近藤等則とのトリオは昨年も観たので、二日目の佐藤允彦とのデュオに参戦した。ブロッツマンと佐藤が同い年で73歳、SABUが71歳。3人あわせて217歳トリオである。もし来年同じトリオが実現したなら220歳な訳で、敢て年齢について云々するのは意味が無かろう。SABUは相変わらず世界中を演奏旅行しているようで、直近ではトルコやチリに行ったという。50年来の付き合いの佐藤とも、もっぱら海外のフェスで会うばかりで国内での共演は久々らしい。
この三者のトリオ演奏はおそらく初めてではなかろうが、昨年は、SABUと佐藤それぞれ別日程ブロッツマンと共演するニアミス状態だったので、やはり「待望の」という枕詞をつけたくなる。70席の座席はほぼ満員で、開演時間までに立見客も増える。若手ミュージシャンらしき客も多く、所々で歓声があがる。

Photo by Mark E. Rappaport (used under permission)
「フリージャズという言葉は好きじゃない。様々な誤解の原因になるから。フリーダム(自由)と聞くと何でも好き勝手にやっていいと思われるが、勿論そうじゃ無い。一緒にステージに上がったら一緒に何かを作り上げなければならない。時には他の2人が居なければ自分では出来ないこともある。常に学習であり経験を深める過程が好きなんだ」(ペーター・ブロッツマン/ハンガリーTV番組『Free The Jazz』より)
その言葉通り、ベテラン三人の演奏は、リラックス感と刺激が交錯し、地図の無い音楽の旅を一緒に進む歓びを存分に発散していた。ブロッツマンの咆哮とSABUのパワフルなストロール、佐藤の指から流れる伸びやかなフレージング。一音一音が新たな道を切り開く。誰か独りでも欠けたら表情はまったく変わってしまうに違いない。「一期一会」とは、この夜のピットインでの2時間の経験を表現するためにある言葉に違いない。
個人的には2ndセットの前半のターロガトーのエキゾチックな調べとトルコ風ピアノが徐々に怒濤のドラムソロへ変幻する様子が圧巻だった。
Peter Brötzmann & Sabu Toyozumi @ Inage Candy (2014)
Masahiko Satoh & Peter Brötzmann @ "BrötzFest 2011" Shinjuku Pit Inn
Masahiko Satoh/佐藤允彦&Sabu Toyozumi/豊住芳三郎 1 '97
ブロッツマン
つまんなくなる
ことは無い
