A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【ゴス系女子図鑑】#1 氷の国の童女ダークウェイヴ『Kælan Mikla(カエラン・ミクラ)』

2017年03月20日 01時49分13秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


女子アーティスト界隈を探索していると往々にして妖艶な黒衣に身を包み、退廃的な表情をして目をぎらつかせる異形の女子に出会う。通称「ゴシック」「ゴスロリ」などと総称される葬列系女子である。例えば80年に代オート・モッドを中心にポジティヴ・パンク/ゴシック・ロックを集めて開催されたイベント「時の葬列」に集う暗黒舞踏会の白塗りの異形の踊り子たち。そして黒服限定のダークな女子アイドルの宴。
AUTO-MOD/灰野敬二/DER EISENROST/BAAL@新宿MARZ 2015.9.12(sat)

2017.2.24 Fri 新宿MARZ
Kの葬列〜黒服限定GIG〜


出演:じゅじゅ / NECRONOMIDOL / Hauptharmonie / 蜂蜜★皇帝 / mistress / Living Dead I Dolls / DJりん様
※本公演はドレスコードを設けております、どなた様も黒い装いで来場ください。
※各出演者によるdarkでhardでgothicなオリジナルカクテルの用意を予定しています。



ヲタも含め黒服オンリーの現場は、葬儀の陰鬱さとは真逆の激しく熱い萌え挙がりに目に見えない輝きに満ちた発光体となった。トリを務めたゴス女子界の急先鋒ネクロ魔ことNECRONOMIDOLは、その約20日後の3月14日ホワイトデイに新宿ロフトでのワンマンライヴを成功させ、更に2日後にはタイ王国へ渡り海外公演を決行。もちろん永遠の別れではないが、物理的な距離の大きさに心理的な寂しさを抑え切れず、ゴス女子界隈をググっていたら、何だか魅力的なダークガールズに何人も出会った。折角だからゴス系女子図鑑を認(したた)めて、間もなく帰国するネクロ魔への餞にすることにした。
混沌から不死への極寒の行軍〜NECRONOMIDOL(ネクロ魔)新作『DEATHLESS』曲解分析

【ゴス女子図鑑】#1 氷の国アイスランドの童女ダークウェイヴ『Kælan Mikla(カエラン・ミクラ)』


ビョークを生んだアイスランドは独特の発音を持つ言語と相俟って地球の他の場所とは異なる冷気と霊気が漂う眩惑的な音楽で知られる。ビョークの他にはシガーロス、アウスゲイル程度しか知らない未知の国から登場した不可思議女子トリオがKælan Mikla(Google翻訳の発音機能では”カエラン・ミクラ”と聴こえるが、正しいかどうか確証はない)。「素晴らしき冷気」という意味のバンド名は、コケティッシュな3人のルックスによく似合う。ベース、シンセ/ドラムマシーン、ヴォーカルの編成は、最近ご無沙汰の日本の電子サイケ女子トリオ、ファンシーナムナムを思わせる。ファンナムが日本らしい歌謡チックな湿り気を帯びているのに対し、氷の国の冷温3人娘のサウンドは湿度5%の乾燥注意報のダークウェイヴ。何と言っても童女そのままのハイトーンの金切り声が凄い。ビョークに成りたい系だが、勘違いで別の不思議ちゃんに変身してしまったようだ。元々詩歌の世界から生まれたようなので、歌詞の翻訳と共に鑑賞したい。

Kælan Mikla - Kalt


冷気

彼女は路地で叫び
レンガの間で涙する
彼女は春の目覚めに期待して
哀しみが、それに輪をかける

なぜいつも冷たいのか?
なぜ光は黒いのか?

Kælan Mikla - Nornalagið


魔女の歌

暗闇 夜に現れて
魔女は 影と遊ぶ
微笑 彼らは血の雨を浴び
舞い上がる 月光の服を着て

見よ 満月は死ぬまで彼らを踊らせる
燃やせ 子供たちに生き場所はない

私は夢を見る 私は夢を見る 私は夢を見る
最後に 私の心は世界を忘れ去る



【プロフィール】
ソルヴィク Sólveig Matthildur Kristjánsdóttir
マーグリエ Margrét Rósa Dóru- Harrysdóttir
ルイフィ Laufey Soffía ルイフィ

レイキャヴィク出身の3人組パンク/ノーウェイヴ・バンド。徐々にニューウェイヴと多彩な楽器でよりダークに、よりディープになっている。3人の女子は自作の詩を歌ってパフォーマンスしアヴァンギャルドと呼ばれ、過去2年でアイスランド音楽シーンのに新鮮な息吹を吹き込んだ。グループは2013年1月に市立図書館主催で開催されたポエトリー・スラム(詩の朗読バトル)で1位に選ばれ結成された。その後いくつかのフェスに出演すると共にヨーロッパ・ツアーも行った。Kælan Mikla(カエラン・ミクラ/偉大なる寒気の意味)はダークで鬱的なサウンドで知られる。曲の多くはヘヴィなベースとドラムとスクリームにソフトでメロディックなシンセ・パートを加えた形式。バンドの歌詞は精神的な混沌をテーマにし、ステージ・パフォーマンスはアート性を持ちつつ威嚇的で、観客をメランコリックなトランス状態へと導く。
Kælan Mikla Bnadcamp

冷たさに
思わず叫び
ミクラになる

Kælan mikla - Full Performance (Live on KEXP)
コメント
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