2021年6月11日 (金) 東京・千駄木Bar Isshee
【Sound of BURST DAYS】
出演:
ピスケン(曽根賢)+ ケロッピー前田 + DJ TKD
ゲスト:釣崎清隆、剛田武
90年代にパンク、ドラッグ、エロス、アウトロー、タトゥー、ピアスなどエクストリームな内容を大胆に取り上げアンダーグラウンド・カルチャーで異彩を放った雑誌『BURST』。筆者は正直言って熱心な読者ではなかったが、パンクや地下音楽の記事だけは読んでいた。特に阿部薫と鈴木いづみの特集号は愛読していた。2018年12月に『バースト・ジェネレーション』として復活して以来、ピスケンこと曽根賢(『BURST』元編集長)、ケロッピー前田(身体改造ジャーナリスト)、釣崎清隆(死体写真家)を中心としたトークイベントや配信は何度も開催されている。今回はBURSTの「Sound」に特化した音楽イベント。会場のBar Issheeは満席の盛況ぶりで、BURSTの復活が少しずつ大きな関心を呼びつつあることを実感した。コロナ禍の閉塞感がBURSTを求めているのかもしれない。
●ピスケン(曽根賢)+ ケロッピー前田 + DJ TKD
撮影:小池和正 Kazumasa Koike (以下同)
第一部
PissKero
ピスケン ポエトリーリーディング
ケロッピー前田 ディジュリドゥ パーカッション 電子音 他
DJ TKD サウンドマニピュレーション
ピスケンとケロッピー前田によるユニット「PissKero(ピスケロ)」による演奏。DJ TKDの打込みリズムトラックとケロッピーのパーカッション&シンセ&ディジリデューによる「The Third Mind Reverse」「CAVE」「UFO」の三部構成。それをバックに、ピスケンが『表現者たちよ』という詩を読む。ポエトリーリーディングのようでもありヒップホップのようでもあるが、全く別次元の表現と言えるだろう。自らの半生を赤裸々に語るスタイルで“青春の武装を解除し、都市の武装を解除し、時代の武装を解いたとき残った”彼自身の表現なのだから。
●Talk:ピスケン + ケロッピー前田 + 釣崎清隆
「Sound of BURST DAYS」というイベントタイトルにあわせて各自の音楽体験を語るトーク。ピスケンのドラム缶、釣崎のフジロックなど聴きどころ満載だが、内容は来場者の心のうちに締まっておいてほしい。
●ケロッピー前田 + 剛田武
第二部
Electric Tjurunga
ケロッピー前田 ディジュリドゥ パーカッション 電子音 他
剛田武 リードフルート、ノイズドール 他
ケロッピーと剛田がトランぺッターの故・近藤等則のスタジオでレコーディングした『Electric Tjurunga(エレクトリック・チューリンガ)』の2度目のライヴ。今年5月に急逝したサックス奏者・橋本孝之に捧げるパフォーマンスとなった。橋本が生前何度かライヴ演奏を披露したBar Issheeでのコラボレーションは、近藤音体研究所とは異なる色彩でサウンドを飾った。
●ピスケン + ケロッピー前田 + 釣崎清隆 + 剛田武 + DJ TKD
第三部
PissKero + guests
ピスケン ポエトリーリーディング
ケロッピー前田 ディジュリドゥ パーカッション 電子音 他
DJ TKD サウンドマニピュレーション
釣崎清隆 ベース
剛田武 リードフルート、ノイズドール 他
演奏無しの女性の詩の朗読に続き、PissKeroに釣崎清隆と剛田がゲスト参加した全員によるコラボレーション。ピスケンは『調律の帝国よりずっと』という長尺の詩を朗読。釣崎の骨太で無駄のないベースが流れを支配する。ケロッピーと剛田がいくつかの楽器を持ち替えながらサウンドを彩り、KTDがクールなビートを入れる。詩の言葉に反応してサウンドが変化する演奏は、元CANのヴォーカリスト・ダモ鈴木のインスタントコンポージングを彷彿させた。後半はPissKeroのみの演奏で「JOMON」。始終エネルギッシュに歌い語ったピスケンの「ありがとう」でライヴ終了。来場者との交流はしばらく続いた。
万国ノ
BOYS&GIRLS
BURSTセヨ