A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

今ここから走り出すアイドルに捧げる『RUN! RUN! RUN!』~ヴェルヴェッツ/ザ・フー/スライ/シュープリームス/ジェスチャーズ/大槻マキ/ギターウルフ

2021年10月05日 01時51分43秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


2018年1月7日に渋谷Milkywayでデビューしたパンクロックアイドル爆裂女子-BURST GIRL-が2021年10月3日に解散し3年9か月の活動に幕を下ろした。筆者にとっては前身の偶想Drop時代から数えると約4年8か月という長い期間推してきたグループであり、昨年12月に推しメンバー都子の突然の解雇という大事件があったにも関わらず、グループとして推す気持ちに変化はなかった。コロナ禍以降はそれまでのモッシュやダイヴを伴なう激しいライヴが出来なくなった分、パフォーマンスで魅せるステージを展開してきたが、ついに4人のメンバーはそれぞれ別の道へ進むことを決意した。

9月28日に新宿ロフトで開催された最終ライヴ「爆裂大解散」ではMC無しで全レパートリー18曲を一気に披露。ありがとうの言葉しかない潔いステージを見せた。そして解散当日10月3日のYouTube配信はメンバーのトークという予想を大きく裏切り、お台場を50分間ひたすら走り続け、最後にデビュー曲「GREAT FXXKING MY WORLD」の路上パフォーマンスで締めるという清々しいエンディングを迎えた。♬この素晴らしきくそったれの世界を / Great Fucking My World / 今ここから走り出すよ♬という歌詞になぞらえて、解散は終わりではなく、新しいはじまりである、というメッセージを届けてくれたのである。

FXXKING BURST


今ここから走り出す4人のメンバー、新グループHINAGIKU.のデビュー・ライヴを控えるみや子ちゃん、それぞれの活動をする元メンバー。走り続けるすべてのアイドルに「RUN! RUN! RUN!(走れ!走れ!走れ!)」という曲を捧げたい。なお英語のRUNには「逃げる」という意味もあるから、がむしゃらに走ることに疲れたら、方向を変えて逃げてもいいんだよ。

●ヴェルヴェット・アンダーグラウンド/ラン・ラン・ラン The Velvet Underground / Run Run Run


1967年にアンディー・ウォーホルのプロデュースでデビューしたヴェルヴェット・アンダーグラウンドのデビュー作『Velvet Underground & Nico』に収録。ドラッグやSMなどをテーマにした文学的な歌詞、前衛的・実験的なサウンドで後のロックに大きな影響を与えたVUが歌う「RUN RUN RUN」は死への疾走のように聴こえる。くそったれな世界で生きるには表だけではなく裏の世界を知ることも必要なのである。

The Velvet Underground - Run Run Run



●ザ・フー/ラン・ラン・ラン The Who / Run Run Run


ブリティッシュ・ロックの象徴的バンド、ザ・フーの2ndアルバム『クイック・ワン』(1966)の1曲目に収録。モッズのアイドルとしてデビューしたザ・フーがより幅広い人気を獲得しつつあった時期ではあるが、「RUN RUN RUN」は大人への反抗を歌った「マイ・ジェネレーション」に似た粗削りなR&Bナンバー。青臭いと言われても、いつまでも反抗心を忘れてはいけないね。

Run Run Run - The Who



●ザ・シュープリームス/ラン・ラン・ラン The Supremes / Run, Run, Run


ブラック・ミュージックの大スター、ダイアナ・ロスが在籍していたガールズ・グループ、ザ・シュープリームスの2ndアルバム『Where Did Our Love Go(愛はどこへ行ったの)』(1964)に収録。シングル曲が3曲連続で全米No.1ヒットを獲得し、シュープリームスを大ブレイクに導き、モータウン黄金時代のきっかけになった。「Run, Run, Run」も典型的なモータウン・サウンドでソウル・ミュージックの楽しさに満ちている。いつも笑顔で心に歓びを持って生きていこう。

The Supremes - Run, Run, Run [Remastered]



●スライ&ザ・ファミリー・ストーン/ラン・ラン・ラン Sly &The Family Stone / Run, Run, Run


6~70年代ソウル/ファンクの代表的シンガー&プロデューサーのスライ・ストーン率いるスライ&ザ・ファミリー・ストーンのデビュー・アルバム『Whole New Thing(新しい世界)』(1967)に収録。60年代後半、まだ白人中心だったロック・フェスティバルで多大な人気を集めた彼らの原点ともいえるファンキーなスタイルにはブラック・ミュージックのソウル(魂)が宿っている。アイドルのソウル(魂)も消えることはないだろう。

SLY & THE FAMILY STONE - Run, Run, Run



●ザ・ジェスチャーズ/ラン・ラン・ラン The Gestures / Run, Run, Run


60年代半ばアメリカ各地に生まれたガレージ・パンク・バンドの典型。ミネソタ州の田舎町マンカトー出身の平均年齢16歳のティーンエイジャーバンド、ザ・ジェスチャーズが1964年にリリースした唯一のシングルが「ラン・ラン・ラン」。地元ではTOP10に入るヒットになったが、このシングル1枚だけで消えて行った。筆者は80年代に60年代コンピレーションLP『Pebbles』でこの曲を知って以来、最高のガレージパンク曲として愛聴してきた。最近知ったのだが、60年代当時この曲が日本でリリースされ、内田裕也が日本語カバーを発表したという。それを現代のガールズガレージバンド、ザ・ハイマーツがカバーするという奇跡。最高の曲は時代を超えて歌い継がれていく。爆裂女子の曲も生き続けていってほしい。

ジェスチャーズ ラン・ラン・ラン 1965 / Run, Run, Run


内田裕也 ラン・ラン・ラン 1965 / Run Run Run


The Highmarts - ラン・ラン・ラン (Run Run Run)



●大槻真希 / RUN! RUN! RUN!


現在は大槻マキとして活動する女性シンガー、大槻真希が2000年にリリースしたサード・シングル。フジテレビ系アニメ『ONE PIECE』のエンディングテーマに起用され、自身最大のヒット曲となった。同年の1stアルバム『ROCK’N ROLL LOVE LETTER』に収録。プロデュースは80年代バンドブームを代表するビート・パンク・バンド、JUN SKY WALKER(S)のギタリスト森純太。ストレートなビートと分厚いギターが燃えるパンク・スピリットを感じさせる。最強で最狂のパンクロックアイドル爆裂女子は解散しても、パンク・スピリットはメンバーの心の中で燃え続けることだろう。

[MV] Maki Otsuki - RUN! RUN! RUN



●ギターウルフ / ラン・ウルフ・ラン Guitar Wolf / Run Wolf Run


世界で人気を誇るロッケンロールトリオ、ギターウルフが1994年にリリースした2ndアルバム『ラン・ウルフ・ラン』。トレードマークは革ジャン、皮パン、サングラス。一貫して3コードを基本としたシンプルなロックナンバーを、爆音一発録りでレコーディング。そのスタイルを1987年の結成時から34年にわたって貫いている稀有な存在。頑固なまでに信念を貫きとおすこと、ロックンローラーでもアイドルでもそれが最大の武器に違いない。

Run Wolf Run


走り出す
マイク握って
準備OK

爆裂女子-BURST GIRL- / GREAT FXXKING MY WORLD【OFFICIAL MUSIC VIDEO】


爆裂女子の曲を歌い継ぐため爆団バンドは活動を続けます。



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