A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【ライヴレポート】EXPLOSION GIG~CANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLE/マグマトロン/GOVERNMENT ALPHA@高円寺ShowBoat 23.9.14thu

2023年09月15日 22時59分38秒 | 素晴らしき変態音楽


2023年9月14日(木) 高円寺ShowBoat
砲弾爆発合奏団 EXPLOSION GIG
18:30 open / 19:00 start

【出演】
CANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLE(山澤輝人:ts,fl / 剛田武:vln,fl / ルイス稲毛:b / 南部輝久:ds)
MAGMATRON(中川喜博:g,fl,as / 麻生智之:b,bcl / 大谷昌功:ds,perc,reeds)
GOVERNMENT ALPHA
EXPLOSIVE SESSION(出演メンバー+Special Guests:佐伯武昇:perc / 村松裕太:ds)



新星フリージャズバンドCANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLE(砲弾爆発合奏団)が、デビュー30周年を誇るハーシュノイズの雄Government Alphaと結成から20年以上経つベテラン前衛トリオ、マグマトロンを迎えて開催したEXPLOSION GIG(爆発ギグ)は目論見通り「FREE JAZZ+AVANTGARDE+NOISE=EXPLOSION(爆発)」であり、さらに究極の「CHAOS(カオス・混沌)」に他ならないことを証明する稀有なイベントとなった。90年代~2000年代初頭の高円寺ShowBoatでは、灰野敬二やハイライズといったサイケデリックな地下ロック、ジャパノイズと呼ばれたハーシュノイズ~エレクトロ二クスを中心としたカオスなイベントが数多く開催されていたことを思い出させるイベントでもあった。地下音楽の聖地ShowBoat復権を目指して、これからもEXPLOSION GIGが続くことを心から願いたい。

●MAGMATRON / マグマトロン


ギター+ベース+ドラムのNO WAVE/AVANT-ROCKサウンドが、フルート&サックス+バスクラリネット+クラリネットの木管3本によるフリー・インプロヴィゼーションに変容するスリリングな演奏は、真の意味でのプログレッシヴ・ミュージックに違いない。目くるめく前衛精神の発露は自由度に満ちた表現衝動の産物である。筆者のルーツでもあるノーニューヨーク、フリーミュージック、プログレッシブロック、現代音楽のすべてを内包しつつ、そのどれでもない。唯一無二の個性が爆発しマグマとなって降り注いだ。




●GOVERNMENT ALPHA


10種類以上の電子機器をテーブルに所狭しと並べたセッティングは、90年代ジャパノイズのイメージそのまま。無表情なまま鼓膜を突き破る爆音電子音が放射される。ビートやリズムはもちろん、パルスすらない轟音の嵐の中で、体を揺らしヘッドバンギングしながら腕を天に突き上げて音を浴びようとする衝動は、電子雑音イベントに通っていた2005年前後の感覚を思い起こさせる。聴覚がマヒする波動の中に繊細な微電磁波の震えを感じ、さすがノイズのベテランならではの映像的な美しさに溺れた。




●CANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLE / 砲弾爆発合奏団(山澤輝人:ts / 剛田武:vln,fl / ルイス稲毛:b / 南部輝久:ds)


イギリスのドラマー、キカンジュ・バクとのレコーディングユニットとしてスタートしたヴァーチャル・バンドMACHINE GUN EXPLOSION ENSEMBLEが、ドラムに南部を加え、名前をCANNONBALL~に変えたことで100%リアルなフリージャズユニットに生まれ変わった。ルイス稲毛の変幻自在なベースと南部のヘヴィーロッキンドラムに導かれて山澤のテナーサックスの豪快なブローと剛田のスぺ―シーな電子ヴァイオリンとリリカルなフルートが舞う世界は、単なるフリージャズやインプロとは全く異なるプログレッシブ・サイケデリック・インプロジャズとでも呼べばいいだろうか。さらなる進化の可能性を感じた。




●EXPLOSION SESSION!! / 爆発セッション


現代地下音楽シーン最怖のパーカッションパフォーマー佐伯武昇と、若手即興ドラマー村松裕太をゲストに迎え、マグマトロン、Government Alpha、CANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLEのメンバーが入り乱れてのセッション。すべての楽器が際限なく絡みあい、客席を巻き込んで音の坩堝へと混ざり合う乱痴気騒ぎは、原始時代の祭りの儀式を彷彿させる、音楽へ貢ぎ物を捧げる祭祀に他ならない。カオスこそ我が命、という座右の銘に恥じない最高のエンディングであった。





爆発は
芸術じゃなく
生き方だ

▼剛田武×佐伯武昇サイレントデュオによるアンビエント・セットで出演!


2023年9月29日(金) 高円寺Oriental Force
大聖堂 vol.3
19:00 Open / 19:30 Start
1500円+1 drink

19:30~20:00 剛田武 x 佐伯武昇
20:15~20:45 ryota
21:00~21:30 Yatara
21:45~22:15 http://redmecca.com
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