12月15日(金) 阿佐ヶ谷TABASA
ムード盤魔殿 Disque Daemonium avec Mood
18:30 Open/Start
Charge 1,000YEN + 1 drink
このイベントのきっかけは8月24日に高円寺Oriental Forceで開催された『川崎レジデンツのStrange Lounge 第1回“エキゾチック・ラウンジ”』にDJ Necronomiconとして出演したことだった。それまでも盤魔殿でイージーリスニングのレコードをプレイすることはあったが、正面切ってムード音楽オンリーで廻せる機会は初めてだったばかりか、初共演したUran92さんが筆者が12インチでプレイしたレコードの10インチ盤を持参したという偶然の驚きが嬉しくて、それ以来ムード音楽熱が過熱し、ハードオフのジャンクコーナーや中古レコード店の特価品売り場で狂ったようにボロボロのムード音楽のレコードを掘り続けた。その成果を発表するために企画したのが『ムード盤魔殿』である。
まずはUranさんに出演を打診。さらに『エキゾチック・ラウンジ』にお客として来場していてUranさんが「師匠!」と慕っていた小久保剛さんと、謎のピアニスト松本清治の捜索過程で知り合い、クラブ界隈で唯一無二の"現代邦楽DJ"として知られるなべこさん、そして盤魔殿の共同主宰者にして『プログレ盤魔殿』の発起人でもある宇田川岳夫さん。最高のラインナップでクリスマスの10日前に開催。阿佐ヶ谷TABASAはテーブルと椅子を並べたラウンジスタイルで、ゆったり寛ぎながら音楽や音楽談議に浸れるハートウォーミングなイベントになった。
●DJ Manticore a.k.a.剛田武
選曲テーマはオルガンとギター、裏テーマは毎度のジャンクレコード。なので盤質の良くない盤も多いが、それこそ当時の所有者がガンガン愛聴した証拠、つまり"愛され盤"ということで愛しさが募ると同時に、何故手放したのかという疑問と妄想がプラスされDJ冥利に尽きるというもの。まったり系~プログレ&クラシカル~軽快なギター・ビートで聖夜のワクワク感を演出した。
1. ”ビッグ・サム" マロウイッツのアルト・サックスと楽団 / ハーレム・ノクターン
2. エディ・バクスター楽団 / わが心のサンフランシスコ
3. エディ・ヘイウッド / カナダの夕陽
4. Marjorie Meinert at the Lowrey Organ / Paree!
5. The Clive Allan Orchestra / El Cumbanchero
6. 太田恵子 / サニー
7. 自動オルガン / 城のオルガン(オーストリア)
8. Jean-Christian Michel / Requiem
9. Fistulatores et Tubicinatores Varsovienses / Estampida~Ductia
10. インペリアル・サウンド・オーケストラ / 闘牛士のマンボ
11. ザ・スペイスメン / ストトン節
12. ザ・ハイウェイズ / パイプライン
13. 横内章次&ロイヤル・ポップス・オーケストラ / ゴッドファーザー愛のテーマ
14. チェット・アトキンス / マヤの踊り
●Uran92
元々ジャズDJをするうちにムードムンムンのラウンジ音楽に惹かれたというUranさんは同じムード音楽でもかなりスタイリッシュな選曲。フェイズ4シリーズを中心に、モンドな盤からムード音楽のメジャー級まで、美女ジャケと楽曲センスでセレクトしたセットリストはグルーヴ感たっぷり。
1. Emerald Sea / Les Baxter
2. Toyland / Ronnie Aldrich & The London Festival Orchestra
3. ヴォラーレ / Wayne King
4. スマイル / フランク・チャックスフィールド・オーケストラ
5. アカプルコの海 / ブルー・ラテン・ボーイズ
6. Taboo /エドムンド・ロス
7. Quiet Village / Five Glow Tones
8. The Moon of Manakoora / スタンリー・ブラック
9. Frenesí / セレナーダ・トロピカル楽団
10. Meditation / エドムンド・ロス
11. 1-2-3 / Nancy Ames
12. Homeward Bound / Frank Chacksfield Orchestra
13. Warm Valley / Sam Marowitz
14. The Minx / The Cyrkle
15. FUGUE NO.1 / 山本邦山, 猪俣猛
●DJ Silence a.k.a.宇田川岳夫
実家から発掘したというプログレ系のレア盤から名古屋で掘ったというエキゾチカまで、おそらくこの日の最高値であろうコレクションを惜しげもなく廻す太っ腹なセットリスト。ドイツ、イタリア、フランス、ベルギー、スウェーデンとヨーロッパ旅行気分も味わえる異国情緒豊かなDJプレイには気品がある。
1 : Coloc – Postaeolian Train Robbery – COS
2 : Galatea’s Guitar – Dreams - Gabor Szabo
3 : Scherazade – Legend Of Pele – Arthur Lyman
4 : Chanson D’un Jour D’hiver – Troupeau Bleu – Cortex
5 : La Valse Du Vepar – La Formule Du Baron - Bernard Estardy
6 : Xenos Cosmos – Giant – Giant
7 : Waren Wir… - Hölderlins Traum – Hölderlin
8 : Soldiers Three – On The Shore – Trees
9 : Guadalajara – Strings Aflame – Esquivel
10 : Fuerza – Fuerza – Anacrusa
11 : Dove…Quando… - Storia Di Un Minuto – PFM
12 ; Grabbarnas Afton – Elefanten – Kebnekajse
13 : Llama Serenade – Primitiva – Martin Denny
●なべこ
噂に聞いていたなべこさんの現代邦楽DJを初体験。宇田川氏の欧州気分が一気に日本伝統の侘び寂びに様変わりする。現代音楽家と邦楽器奏者の絶妙のコラボレーションが世界のどこにもない異端かつ伝統的な和風エキゾチカを創造した。西洋のアヴァンギャルド作曲家たちが逆立ちしても真似できない東洋の先鋭精神が渦を巻く、未体験ゾーンの感動に震える。
1.石井真木 作曲『漂う島』
2.宮下伸 作曲『銀河系宇宙のひびき「天海」』
3.三木稔 作曲『うねり』
4.廣瀬量平 作曲『ヴィヴァルタ=成〜尺八•チェロ•児童合唱•打楽器のための』
5.高江洲義寛 作曲『ニライの海(第三楽章)』
6.一柳慧 作曲『Music for living process』
7.宮下伸 作曲『越天楽今様変奏』
8.松本雅夫 作曲『箏と弦楽四重奏の為の喜遊曲』
9.間宮芳生 指揮•編曲『ちらん節』
10.河村利夫 指揮•編曲『さくら』
●小久保剛
サントラ専門DJ・選曲家としてクラブだけでなく映画館のロビーで活動する小久保ワールドのエンターテインメントたっぷりのDJプレイ。世界各地の新旧映画やテレビ番組の主題歌やBGMから選りすぐった子どもの曲を連発。ニュースのアナウンスをミックスしたプレイは、ほのぼのだけでなく深刻な世界情勢をも映し出す。すべてがハッピーなわけではない世界だが、音楽があれば明るく過ごせる。エンディングは花がターンテーブルを回る驚異の演出で会場が一気に笑顔になる。最高のプレゼントだった。
「かわいいおんがく~子どもたちに贈る~」
■「昭和25年のクリスマス」から
■Christmas Time Is Here (Vocal)/Vince Guaraldi
■Spicks And Specks/Soundtrack「Melody」
■Magic Pop Lollipop/Instant Cytron
■Both And Meet/Pandra Orchestra
■Flyin Home Cha Cha/Billy May
■Delicacy/Franco Altissimi
■映画「お早よう」から
■Doopee Time/Doopees
■Coloured Candles/Tony Hymas
■Bpys And Girls/Jean-Jacques Perry
■Popcorn/Travellers
■Chove Chuva/Topo Gigio
■'Uh! Oh!' Part 2/The Nutty Squirrels
■The Tra La La Song/The Banana Splits
■みんなでゴーゴー/ひばり児童合唱団
■Video Killed The Radio Star/Mini Pops
■Newborn/iMovie
■What the World Needs Now Is Love (News Mix)/Burt Bacharach
■What the World Needs Now Is Love/Do-Re-Mi Children's Chorus
■Heal The World/Kids Bossa
■Good Night/細野晴臣
レコード店の「その他」のコーナーには驚くほど芳醇な音楽が溢れていることを証明する画期的なイベントとなった。
近いうちに第2回目を企画するので楽しみにしていてほしい。
ムードが良い
ムードが悪い
両方あるから面白い
【次回盤魔殿】
2024年1月27日(土) 阿佐ヶ谷TABASA
盤魔殿 presents 第4回『輝く、盤魔殿レコード大賞!!!~2023バンマーキング決定戦』
18:00 start/open(予定)
1,000 yen+1 drink
毎年恒例、盤魔殿DJ総出演!当日DJのプレゼン&試聴のあと、最後にお客さんとDJ&スタッフの投票で盤魔王(バンマーキング)を決定します。
出演:
DJ Bothis a.k.a.山田遼
DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda
DJ Necronomicon a.k.a.剛田武
DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫
DJ Vaby a.k.a.大場弘規
DJ Athmodeus a.k.a.持田保
DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元