A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

動画あり【MOGRE MOGRU 3Daysライヴレポート】2/25高円寺Oriental Force/3/2阿佐ヶ谷mogumogu/3/6神楽坂Kagurane

2024年03月09日 01時16分33秒 | 素晴らしき変態音楽

Photo by FJ

即興アンビエントユニットMOGRE MOGRUは、2月25日~3月6日の11日間に3か所でイベントに出演した。どのイベントもユニークな対バンでとても充実した演奏をすることが出来た。濃厚な3日間のライヴレポートをまとめてみた。

■2月25日(日) 高円寺Oriental Force


Southern Cross
18:30 Open / 19:00 Start
Entrance 2,000 yen + 1 drink

MOGRE MOGRU
EDIT-LIGHT (Momose Yasunaga×Tatsuhiko Takimoto)
沖縄電子少女彩 × gloptin

イベントタイトルの「Southern Cross」は、オーストラリア原産のピンクの星形の花のことで、花言葉は「願いを叶えて」。また南十字星という意味もあり、今回オリエンタル・フォース初出演の沖縄電子少女彩にも通じる。さらにモジュラーアイドルMomose YasunagaのポップユニットEDIT-LIGHT、MOGRE MOGRUの黒い瞳も含めて美しき花を集めたスリーマンイベント。gloptinもオリエンタル・フォース初出演となる、初めて尽くしのイベントの記念すべき第1回目であった。

●MOGRE MOGRU

40分のロングセットなので黒い瞳の詩の朗読を長めにフィーチャー、剛田はバイオリンの代わりに大正琴を使用。さらにミニテルミンを導入し、瞳のダイヤル式テルミン(シンセ)とのダブル・テルミンが好評だった。ピアニカ、フルート、ギターがシュールに絡み合う中間部は、開催中のPUNSUCAの映像個展「TSV EXHIBITION」の妖しいヴィジュアルと相まって意識が飛ぶようなサウンドになった。

●EDIT-LIGHT (Momose Yasunaga×Tatsuhiko Takimoto)

小説家の滝本竜彦と、モジュラー奏者で編集者でもあるMomose Yasunagaによるデュオユニット。Momoseのキュートなヴォーカルで滝本の詩の世界をポップなサウンドで表現するスタイルは、ファンタジーな夢の世界へ導いてくれる。ドリームポップに通じる浮遊感が気持ちいい。

 

●沖縄電子少女彩 × gloptin

意外な組み合わせだが、gloptinがパーカション奏者であるとともにヴォイスパフォーマーであることを考えれば、ヴォーカル&エレクトロニクスの彩との親和性の高さに納得できる。呪術性のあるパーカッションと歌のコラボは、この二人でなければ描き出せない霊性あふれるサウンドスケープをオリエンタル・フォースに現出させた。

 

■3月2日(土) 阿佐ヶ谷mogu mogu


mogumogu一周年記念コンサート
Start 15:30~

2023年3月TwitterでMOGRE MOGRU(モグモグ)と同じ名前のレコード&カフェがオープンしたことを知り即連絡し4月にライヴ出演をした阿佐ヶ谷mogumoguの1周年イベントが3/1~3の三日間にわたり開催された。数多くのバンドやミュージシャンに門戸を開き、ほぼ毎日のようにライヴイベントを開催するmogumoguにゆかりのアーティストがジャンルに関係なく多数出演。その顔触れも面白いが、どの出演者も一癖も二癖もあるユニークな演奏を聴かせてくれた。

 

●Lou Kitamura

mogumoguでフードと音楽のイベントを主催しているというシンガーソングライター。軽妙なトークと明朗な歌が温かい人間性を伝えてくれる。料理は趣味、と言っていたが彼の作るフードはきっとおいしいに違いないと確信した。

●Ohayoomama

アコギとエレキの若い二人組。フォークやブルースのルーツを押さえた演奏が心に刺さる。サウスポーのギタリストが、右利き用のストラトを弦を張り替えないで弾いていたのに驚いた。

●MOGRE MOGRU

この日も40分セット。真っ暗に近いオリエンタル・フォースとは逆に、mogumoguは戸外の光が差し込む明るい空間で、ステージや店内のカラフルなインテリアも相まって、心なしか明るく軽めのサウンドになった気がする。それでも後半はダブルテルミン&ノイズギターのヘヴィな盛り上がりになった。オーナーのmoguさんが「いままでで一番良かった」と喜んでくれたのが嬉しかった。これからもよろしくお願いします!

 

●Keisuke Oiki

フリーに弾きまくるキーボードと、サンプラーやラジオの音を操作するドラムの二人組。不定形で進行が読めない展開は、実験的であると同時に原初的なエネルギーを感じる。キーボードの沖啓介氏はベテランの美術家であることを後で知った。ぜひまた共演してみたい。

●Katakamuii

MOGRE MOGRU主催イベントに出演してもらったこともあるアンビエント・ミュージシャン、カタカムイと久々の再会。流麗なギタープレイをエフェクト操作で幻想的・催眠的なサウンドに拡張する。実際に気持ちよくて意識が朦朧としてきた。理想のアンビエント音楽がここにある。

●Menow

名古屋から来たアコギとシンセのデュオ。男女ヴォーカルのハーモニーで歌われるサイケ風味たっぷりのフォーキー・ポップが素晴らしい。実生活の体験を歌った歌詞も心に染みる。本当のドリームポップとはこれに違いない。彼らともぜひまた共演してみたいものだ。

●The Devil&Libido

アフロヘアのベーシストと小柄な女性ギタリストが印象的なオルタナロックトリオ。特に女性ギタリストのアグレッシヴなプレイは、UFO CLUBや二万電圧が似合いそう。こんな爆音ロックバンドがmogumoguでライヴできるのか!と驚いたが、決してうるさく聞こえない音響の良さに二度驚く。

●Obake Chant

ヘヴィサイケかアシッドフォークが似合いそうなロングヘアとフレアパンツの風貌ながら、モジュラーシンセでアゲアゲなダンスビートを奏でる意外性たっぷりのアーティスト。mogumoguがダンスクラブに変貌し、1周年を祝う夜が更けていった。

 

■3月6日(水) 神楽坂 神楽音 Kagurane


MERGE vol.3 presented by Kagurane × musit
open 19:00 / start 19:30

[LIVE]
バラナンブ
MOGRE MOGRU
ACM:::
YOKUJITSU

[SHOP]
ヨムキクノム

原宿にある本と音楽とお酒のお店ヨムキクノムの企画イベント。お店のオーナーが昔黒い瞳とバンドメイトだった縁でMOGRE MOGRUを誘っていただいた。バラナンブとACM:::もその当時に付き合いのあったメンバーとのことで、初めての会場ながらアットホームな雰囲気のあるイベントだった。音響にこだわったKaguraneならでは、演るもよし聞くもよしのいい会場だった。

●MOGRE MOGRU

撮影:トガシツトム

30分セットなので初心に帰ってコンパクトな展開に努めた。瞳は久々にPCを使用しライヴハウスらしい硬質な世界を演出した。ACM:::目当ての女性ファンも最後まで見てくれたのが嬉しかった。白い牧師マント姿がアピールしたようで、バラナンブの藤井画伯がイラストを描いてくれて感激。ロックバンドとの対バンもいいものだ。

●YOKUJITSU

最近注目を集めているという若手サイケデリックバンド。60年代サイケポップではなく、80年代マンチェスターやグラスゴーを思わせるダウナーなギターロックが今風でクール。女性ベースと女性キーボードの淡々とした佇まいも時代に似合うイメージがあって新鮮だった。

 

●バラナンブ

70年代日本のロック・スピリットを現代に蘇らせるトリオ。ルックスと音がここまでリンクしているバンドも珍しい。ギター、ベース、ドラムが雪崩のように絡み合うパワーはロック本来の衝動を発散し、バラの花が似合う豪奢な歌と共に心あるロックファンを魅了する。

●ACM:::

元FOXPILL CULTの西邑卓哲と虚飾集団廻天百眼の十三月紅夜、女優のこもだまりを中心とするデジタルロックユニット。ゲストドラマーに元Auto ModのTellを迎えた編成でのライヴ。NECRONOMIDOLや爆裂女子の対バンで観た廻天百眼の妖艶さをシャープなロックに転化させたダンスビートと演劇的なヴォーカル・パフォーマンスで畳みかけるパフォーマンスは圧倒的。詩の朗読があるのでMOGRE MOGRUに通じると思ったがいかがだろうか。

▼藤井画伯による似顔絵

濃厚な

ライヴまみれの

3日間

 

【次回のライヴ】

2024年4月11日(木) 吉祥寺NEPO 
MOGRE MOGRU presents
DIVE DEEP vol.11~Electronic Meditation

open 19:00 / start 19:30
adv/door 2500yen + 1 order 
streaming 1000yen
https://nepo.co.jp/schedules/view/2318

出演:
MOGRE MOGRU
Miya
Risaripa
沖縄電子少女彩 with morota

即興アンビエントユニットMOGRE MOGRUが贈る企画イベント『DIVE DEEP vol.11』はモジュラーシンセや電子楽器を駆使する個性派アーティストを集めて『電子瞑想=Electronic Meditation』の世界へ誘います。
★モジュラーシンセとヴォイスでダーク&ゴシック&ノイジーなエレクトロサウンドを展開するRisaripaさん
★即興フルートの名手でありながらモジュラーシンセを導入し未知の音楽表現を追求するMiyaさん
★プログレポッププロジェクトre-in.Carnationのリーダーであり、日本のオルタナロック/シューゲイザーの草分けCOALTAR OF THE DEEPERSからプログレッシヴアイドルXOXO EXTREMEまで幅広いアーティストをサポートするシンセ奏者のmorotaさんと、MOGRE MOGRUとコラボもしているエレクトリック・フィメール・シンガー沖縄電子少女彩さんによるスペシャルユニット。
MOGRE MOGRUもいつもよりエレクトロニクス成分マシマシな電脳アンビエントミュージックを聴かせます。

電子音楽、プログレ、ノイズ、即興、エスニック、アンビエント、クラウトロック、エレポップ。ひとつでも興味のある方なら絶対楽しめること保証します。
是非ともお越しください!

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