90年代半ばのニッポンではとりわけ女子が元気だった。引きこもって宅録に精を出す草食系男子を尻目に、我がままファッションに身を包み、流行のカフェやサブカル本屋や裏原宿に集い、フランス・ギャルやクロディーヌ・ロンジェやブリジット・フォンテーヌを聴きながら、女子トークに花を咲かせた。それまではプリティガールの傍らには必ずハンサムボーイが付き纏っていたが、90'sガールズは黒い影を振り払い、女子限定で世の荒波に耐えるという甘美な悦びを確立したのである。ポスト・バンドブーム~渋谷系全盛の音楽シーンにもユニークな女子アーティストが登場し、人のためではなく自分自身が楽しむために曲を書き・演奏し・歌った。万人向けというよりマニアックなサウンド志向だったが、同時代女子の高い支持を得て、独自路線を貫いた。
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華のナインティーズから20年、アラフォー世代になった90'sガーリーたちの現在を追った。
●嶺川貴子(44)
個人的に再評価著しいエレクトロニカシンガーのミネカワさんは昨年コーネリアス小山田圭吾と離婚するも音楽的なお付き合いは続いている模様。海外で評価が高く、春にアメリカのポストロック・ギタリスト、ダスティン・ウォンとコラボ・アルバム『Toropical Circle』をリリース。13年ぶりのアルバムだが、20代の頃と変わらぬフローティング・ヴォイスを聴かせてくれる。
●森若香織(49)
今年デビュー25周年を迎えたGO-BANG'Sの森若さんは、1995年ソロ・デビュー以来シンガーソングライター&作詞家として活動中。パンクバンドLASTORDERZのギタリストでもある。今年5月『GO-BANG'S宣言』をして"ひとりゴーバンズ"として活動することを表明。12月4日(水)渋谷duo MUSIC EXCHANGEにてワンマン・ライヴ『スペシャルGO-BANG'Sショー』を開催する。
●宍戸留美(40)
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・シ・シ・ド・ル・ミ」をキャッチに1990年正統派アイドルとしてデビューしたルミちゃんは、92年に独立し元祖インディーズ・アイドルとなる。以来事務所に所属せずフリーで活動続行。独自のテクノ路線はPerfumeの先駆者とも呼ばれる。継続的にアルバムをリリースするとともに、声優としても大活躍。『おジャ魔女どれみ』の瀬川おんぷ役でお子様にも大人気。
●もりばやしみほ(47)
1991年渋谷系ポップユニット、ハイポジ(hi-posi)のヴォーカリストとしてデビューしたみほさんは、90年代半ばからMirey(ミレイ)名義で風水師としての活動を開始。現在はガーリー風水アドバイザーとして人気を得る。夫はピチカート・ファイヴ等で名を馳せたデザイナーの信藤三雄。ギョーカイ随一のカリスマ・カップルとして名を馳せる。
●カヒミ・カリィ(45)
"渋谷系の溜息"カヒミちゃんはタップダンサー熊谷和徳と結婚、ママさんタレントの道を歩む。90年代半ばにパリに住んでいたが、現在はニューヨーク在住。カヒミ・カリィの写真ブログで日々の暮らしを報告している。今年ゲッツ/ジルベルトのトリビュート・アルバムにゲスト参加したが、ぜひともソロ作品で元気なウィスパーヴォイスを聴かせてもらいたい。
●小島麻由美(41)
フレンチ&昭和歌謡&ジャズ&ブルース&ボッサの歌姫、さよならセシルの小島さんは休むことなく定期的にアルバム・リリース。近年は同じくジャンル分け不可のASA-CHANGと共に活動する。来年1月25日(土)UFO CLUBでムッシュかまやつとの2マンが決定。ベースはカジヒデキ!
どなたも20年前の美少女の輝きが、四十路を迎えて艶めいた色香を放っているのが素晴らしい。人生のお愉しみはこれからだ。
少女から
熟女へと
女の道は
続いてる
かわいいおばあちゃんになあれ!
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