A Challenge To Fate

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【ライヴ・レポート】Breeze Blow@Bitches Brew vol.2~sara (.es)/内田静男/建畠晢@白楽ビッチェズ・ブリュー 2022.7.1(fri)

2022年07月06日 00時34分14秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


2022.07.01 fri
Breeze Blow@Bitches Brew vol.2

act
内田静男 Shizuo Uchida, bass
sara (.es) , piano
建畠晢 Akira Tatehata, poetry



昨年10月8日以来9か月ぶりのsara(.es)の関東公演。横浜・白楽のジャズカフェ、ビッチェズ・ブリューでの2回目のソロ公演である。前回のソロ公演は、初めて弾くビッチェズ・ブリューのアップライトピアノに不思議なパワーを感じて、新たな弾き方に目覚めたと語っていた。
【地下ジャズLive Report】“Breeze Blow” ~ sara (.es ドットエス) + 建畠晢 @白楽Bitches Brew 2021.10.8 fri

ゲストに前回も共演した詩人の建畠晢と、故・橋本孝之とデュオでUHとして活動していたベーシスト内田静男を迎えた今回の公演は、音楽・美術関係者を中心に満席の盛況。和やかな雰囲気の中、大阪から同行したギャラリーノマルのプロデューサー林聡の紹介で演奏がスタートした。

●sara Solo


ボヘミアンな衣装でリラックスした感じでピアノに向かったsara。話しかけるような優しいタッチで微細な音色を奏でる。指が鍵盤を撫でるように動くと、ピアノもその動きに波打つような音色で応える。次第にアクションが激しくなり、腕を鍵盤の下に伸ばしピアノのボディを叩いて反響させたり、身を反らしてペダルを踏みしだき鍵盤を乱打する。前回”変な子・変わった子”だったアップライトピアノは、saraの一挙一動に歓びの声をあげるように、最高の音を生み出そうとしているように思えた。このピアノとの一体感。saraの演奏には、楽器や場所を巻き込む“.esマインド”が溢れ出していた。

●内田静男+sara Duo


内田静男とsaraは、2021年夏以降トリオで1回、デュオで2回共演している。二人とも橋本孝之の演奏パートナーだったという共通点はきっかけに過ぎず、共演する二人の間には.esともUHとも異なるプレイヤー同士の新たな共感が生まれている。弱音・微音・物音・楽音に関係なく、音と音が拡散と収縮を繰り返す演奏は、「即興」という使い古された言葉が持つ本来の個と個の在り方を詳らかにする、原初的なパワーを感じさせた。

●建畠晢+sara Duo


大阪のギャラリーノマルでも共演を重ねてきた詩人と音楽家の邂逅は、前回よりも鋭さを増した、あたかもつむじ風のような凝縮された時間を生みだした。建畠の詩に現れる言葉遊びのような言語感覚が、saraとピアノの共感反応の隙間に入り込み、別の宇宙にワープさせるSF映画の一場面を幻視した。窓辺を飾る花模様の電球や三日月型の反射板の悪戯かもしれないが、音に起因する瞑想旅行ではないと果たして言い切れるだろうか。

音の宇宙への小旅行を終えた清々しさが、熱帯夜の寝苦しさを忘れさせてくれた。

ピアノ弾く
姿を見下ろす
金の月

sara (.esドットエス) Solo Piano Improvisation “Esquisse” 2022/02/19 Gallery Nomart

【即興音楽Disc Review】sara (.es) / Esquisse~Piano Improvisation~白い羽根のように重力から解き放たれたピアノ作品。
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