A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

大衆ロック健在~R.E.M.「アクセラレイト」

2008年03月28日 22時47分04秒 | 素晴らしき変態音楽
「R.E.M.『アクセラレイト』ブロガー限定試聴会」というのがあったので参加してきた。要はブログという草の根のメディアを使ってR.E.M.の新譜の宣伝をしようということだ。R.E.M.サイドではなくレコード会社のアイデアで今回初めて実施し、25名の参加を得たという。元々アメリカでカレッジ・ラジオからブレイクした彼らには現代のインターネットを活用したプロモーションが似合う。いい考えだと思う。
試聴会は青山のワーナー・ミュージックの殺風景な(失礼!)会議室で行われた。私の出席した回は8名くらいの参加だった。アルバム資料と歌詞・対訳が配られ、アルバム全曲の試聴があり、最後に1stシングル「Supernatural Superserious」のPVを上映した。歌詞・対訳は要返却。これは輸入盤を買われてしまうことへの防御策だろう。
アルバムは全11曲で34分というあっけないほど短いコンパクトなものだった。これまでもR.E.M.の曲には短い曲が多かったが今回ほどそれが徹底されたことはなかったと思う。まるでラモーンズだ。アルバム・タイトル「Accelerate」は"加速する"という意味だからその通りのアルバムになったわけだ。最近CDの収録時間の長さを活かしてやたらと曲を詰め込みがちなアルバムが多い中、LP時代を思わせるコンパクトさは爽快であり潔さを感じる。
"潔い"---これが私のこのアルバムへの第一印象だ。無駄な間奏やソロは一切省いた骨格だけのロックンロール。マイケル・スタイプの饒舌なヴォーカルがあるのだから演奏は出来るだけシンプルな方が良い。歌詞はとにかくやたら長い。相変わらず人名や地名の引用の多い言葉の羅列である。内容は個人的なことから社会の動きまで怒りと焦燥に満ちている。オープニング・ナンバーからして「Living Well Is The Best Revenge(生きていくことが最高の復讐)」である。他にも「人間サイズの花輪」「うわべだけの男」「この日に終わりがくるまで」など意味深なタイトルが並ぶ。ラスト・ナンバーでは「DJするんだ世界の終わりで」とパンクに世界終結宣言してみせる。インディー感覚溢れるジャケットも秀逸である。
曲は80年代に戻ったかのようなギターリフが印象的なシャープなナンバー中心。「Document」「Green」など80年代R.E.M.の第一黄金期のアルバムを聴いてみたが芯が全くブレていないことに感動する。私がR.E.M.を熱心に聴いていたのは80~90年代で、2000年代の彼らは聴いていないので最近の作品との比較は出来ないけど。
ただし「Supernatural~」以上にキャッチーな曲がないことが気になる。R.E.M.クラスになるとシングル・ヒットなんて関係ないのかもしれないが。
同期ともいえるU2が熱血ロックの雄としてシーンのトップを走り続け、ソニック・ユースが今でも前衛ロックとしてのスタンスを崩していないように、R.E.M.も初期衝動を保ち続けている。大衆のための手作りのロックである。
R.E.M.は80年代にバブルの徒花懐かしのエムザ有明と、90年代に武道館で観たことがある。次回の来日は夏フェスかドーム・クラスになるのだろうか。そうならないように、このアルバムがあまり売れないことを密かに願う私であった。
R.E.M. HP English

加速して
生きてる証明
見せてみろ

試聴会の帰りにお土産にR.E.M. Tシャツを貰った。サービス精神満点である。



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