A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【えいたそモダニズム】Episode 28『飾りの秘密』明菜/タイガース/スジバン/ポール・モーリア/ブランキー/こじまゆ/平沢進/チバユウスケ/でんぱ組 etc.

2019年07月14日 12時24分23秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


でんぱ組.inc ニューシングル『いのちのよろこび』リリース記念イベント@品川 ザ・グランドホール
2019年6月30日(日) 品川 ザ・グランドホール
2ショットチェキ撮影会&集合囲みチェキ会:

[1部] 11:30〜12:45(入場受付終了 12:15)2ショットチェキ撮影会 【グレーセーラー衣装】
[2部] 13:00〜14:30(入場受付終了 14:00)集合囲みチェキ撮影会 【グレーセーラー衣装】
[3部] 15:30〜16:45(入場受付終了 16:15)2ショットチェキ撮影会 【子♡丑♡寅♡卯♡辰♡巳♡MV衣装】
[4部] 17:45〜19:00(入場受付終了 18:30)2ショットチェキ撮影会 【原宿ストリートスナップ衣装】



でんぱ組.incの新作リリースイベントとして恒例のチェキ撮影会。前日のタワレコ渋谷のサイン会に続いて二日連続で推しメンかつ女神えいたそ☆成瀬瑛美さんに会える幸せを噛み締めながら、数年前に作った痛バッグを肩にかけて衆人環視の中、好奇の視線を浴びながら山手線で品川へ向かう。筆者が参加するのは午後遅めの3部と4部。会場は多くのでヲタで賑わいお祭の高揚感で沸いている。顔馴染みの夢眠ねむ推しが根本凪(ねも)列に並んでいて心がホッコリした。



えいたそと2ショットチェキの1回目は頭にヒヨコをあしらった子♡丑♡寅♡卯♡辰♡巳♡MV衣装。痛バッグを見せると「素敵!」と喜んでくれて、えいたそが口にしたお題は<コスモ>だった。短時間だったのでOKと笑顔で別れたが、実はすでに『コスモな大宇宙』で取り上げている。2回目の原宿ストリートスナップ衣装は、カラフルなエクステをつけた派手なファッション。「コスモはやっちゃったんだよね」と告げると「ああ、そうだったね」と考えて「それじゃ<飾り>で。ニッチなお題でゴメンね」と言ってくれた。その場で即答する瑛美の機転の早さに改めて感服。頭の中で<飾り>という言葉をリフレインしながら次の現場(ネクロ魔5周年記念ワンマンライヴ)へ向かった。



さて懸命なる読者ならお気づきのように新曲『いのちのよろこび』はガングロギャルを模したメイクのライオンキング風野性味ファッションだったはず。「子♡丑♡寅♡卯♡辰♡巳♡」とか「原宿ストリートスナップ」って何なの?と疑問に思うことだろう。実は6/26の『いのちのよろこび』リリースの1ヶ月前に突然ゲリラ的に発表された新曲が『子♡丑♡寅♡卯♡辰♡巳♡』だったのである。清竜人作の超高速ラップのこの曲のMVで披露された衣装がこの日の2チェキ衣装という訳である。

●でんぱ組.inc『子♡丑♡寅♡卯♡辰♡巳♡』


5月25日に新木場 STUDIO COASTにて行われた、清 竜人主催イベント「清 竜人 ハーレム♡フェスタ2019」でサプライズ披露された2曲を当日緊急リリース!2014年に提供された「Dear☆Stageへようこそ♡」「まもなく、でんぱ組.incが離陸致します♡」以来、5年ぶりの清 竜人による待望の楽曲提供。圧倒的情報量が早口メロディに詰め込まれた電波ソングの「子♡丑♡寅♡卯♡辰♡巳♡」、ピアノとストリングスだけで構成された、でんぱ組.inc史上最もストレートで壮大なバラード曲「秋の葉の原っぱで」という、全く対照的な振り幅の2曲となっている。

ライヴ会場とヴィレッジヴァンガード特定店で限定リリースされたCDは即座に完売してしまい残念ながら入手することは出来なかった。瑛美がこの曲に因んだ<飾り>というお題をくれたのは、オレの悔しい想いが<飾りソング>を検証することで少しでも軽くなるだろうという思いやりに違いない。偉大なる慈悲の心に触れてオレの女神えいたそへの愛情がますます萌え上がった。

でんぱ組.inc「子♡丑♡寅♡卯♡辰♡巳♡」MV



【えいたそモダニズム】Episode28『飾りの秘密』
瑛美が「ニッチ」と呼んだ<飾り>というお題で探査を始めたオレは、単にニッチであるばかりか、偏った音楽偏愛家のオレの世界に繋がりのある楽曲が次々飛出す喜びに震えながら、瑛美の人知を超えた知見に無条件降伏、頭を垂れて信心を誓うのみである。瑛美が示唆する<飾り>の秘密を探って行こう。

●中森明菜『飾りじゃないのよ涙は』


「飾りじゃないのよ涙は」は、日本の歌手中森明菜の楽曲。シンガーソングライター井上陽水の作詞・作曲による。この楽曲は、中森の10枚目のシングルとして、1984年11月14日にワーナー・パイオニアよりリリースされた (EP: L-1666)。

松田聖子と並び80年代アイドルの双璧を成す中森明菜は、ぶりっ子と呼ばれかわいさをアピールした聖子と違い、不機嫌そうな表情も隠そうとしなかった。いわば聖子がビートルズ、明菜がローリング・ストーンズ。そのストーンズ的イメージを象徴するのが「飾りじゃないのよ涙は」だと言えるだろう。山口百恵「プレイバックPart2」の「馬鹿にしないでよ」を彷彿させる。

中森明菜 飾りじゃないのよ涙は ザ・ベストテン 1



●ザ・タイガース『花の首飾り』


「花の首飾り」は、日本のグループ・サウンズ、ザ・タイガースの5枚目のシングル。1968年3月25日に発売。発売当初は沢田研二がリード・ヴォーカルの「銀河のロマンス」をA面にして発売されたが、その後加橋かつみが初めてリード・ヴォーカルを担当した「花の首飾り」の人気が上昇したため、ほどなく「花の首飾り」をA面に格上げして再発売した。ザ・タイガースのシングルでは、最大のヒット曲となった。

グループサウンズの「花、星、王子様」のイメージを体現するのがザ・タイガース。メルヘン調のバラードナンバー「花の首飾り」でメロメロになった女学生も多かった。同時期にライバルのテンプターズが「神様お願い!」を出してGS人気は全盛時代を迎えた。3年後に両グループ+スパイダーズのメンバーにより結成されたスーパーバンドPYGが発表したデビュー曲「花・太陽・雨」はヘヴィロックバンドBorisがカヴァーするなど、現代のロックシーンで人気曲である。そのルーツとして「花の首飾り」の再評価を望みたい。

ザ・タイガース 花の首飾り【HD】



●ポール・モーリア『オリーブの首飾り』


もとはフランスのグループ、ビンボー・ジェット(Bimbo Jet)の1974年のディスコミュージックで、日本でも「嘆きのビンボー」として発売された。これをポール・モーリア楽団がカバーし、「オリーブの首飾り」の邦題が付けられた。 奇術界を代表する女性マジシャン、松旭斎すみえがポール・モーリア版をBGMに起用したために、手品のバックミュージックとして有名になったと言われている。

小学校の校内放送や日曜午後のNHK FMでよくかかっていたイージーリスニングの名曲。原曲のタイトル「El Bimbo」がどうして「オリーブの首飾り」という邦題になったのかは全くの謎だが「嘆きのビンボー」ではヒットすることはなかっただろう。最近ポール・モーリアをはじめ、レーモン・ルフェーブル、カラベリときらめくストリングス、レイ・コニフ・シンガーズなどムード音楽/イージーリスニングをDJネタとして掘ろうと考えていたところだったので、タイミングよく<飾り>のお題をくれた瑛美とのシンクロニシティに赤い糸の存在を確信した。

Paul Mauriat - El Bimbo 1977



●小島麻由美『飾窓の少女』


1950年代のオールディーズをルーツに、「ジャズ」「フレンチ・ポップ」「ラテン音楽」「昭和歌謡」「ブルース」「ロックステディ」「童謡」などのジャンルを融合させ、そこにかわいらしくも毒の効いた歌詞と声を乗せるという独自の音楽スタイルを築いたシンガーソングライター小島麻由美の2ndアルバム『二十歳の恋』(1996年9月20日発売)に収録。

1986年3月に大学の卒業旅行で20日間ヨーロッパを一人旅した。旅行ガイドブック「地球の歩き方」が創刊されバックパッカーとして海外を貧乏旅行するのがブームだった。パキスタン航空の南回り便でコペンハーゲンに着き、デンマーク〜スウェーデン〜ノルウェー〜西ドイツ〜ベルリン〜オーストリア〜イタリア〜フランス〜イギリスと周り、最後の訪問地がオランダのアムステルダムだった。自由化(黙認)されているマリファナと飾り窓と呼ばれる娼婦街に興味を持ちそのエリアを歩いてみたが、窓辺に座る胸元露な西洋人女性は芸術か映画のシーンのようでセックス・アピールを感じなかった(エイズも怖かった)。マリファナを試す勇気もなく、童貞を捨てることが出来ないママ帰国の途に着いた。こんな話を瑛美に知られたら恥ずかしいが、オレの貞操の証として敢えて記した次第である。

小島麻由美 - 飾窓の少女



●マンドレイク『飾り窓の出来事』


マンドレイク(MANDRAKE)は、日本のプログレッシブ・ロックバンド。ニュー・ウェイヴバンドP-MODELの前身。1973に平沢進らにより結成。大作のメタル/プログレッシヴ・ロックを主軸に活動するが、78年頃セックス・ピストルズの影響でパンクロック/ニューウェイヴへと転身する。

プログレバンド、マンドレイクとして<飾り窓>のように虚飾に満ち冗長なプログレ組曲を演奏していた平沢進たちが、77年頃のパンクロックの勃発にショック受けて、飾りを捨ててシンプルでダイレクトなニューウェイヴバンドP-MODELに転身したことは<飾りじゃないのよロックは>宣言と言っていいだろう。しかし、テクノポップと呼ばれた初期のサウンドから、スケールが大きく複雑なデジタルミュージックに変貌したP-MODELと平沢進は<飾り>への憧れを持ち続けている。

Mandrake - Kazarimado no Dekigoto



●RAP『飾り窓』


1984年結成のガールズロックバンド。メンバーはルージュ(vo)、ミサ(ds)、カオリ(b)、ニシキ(g)。雑誌DOLLのレーベル、シティロッカー傘下のドグマ・レコードからリザードのモモヨのプロデュースで3枚の7"EPと1枚の12"EPをリリース。「飾り窓」は1985年10月の1st EP『WRAP』に収録。

誰でもバンドが出来ると宣言したパンクロックに感化されて、80年代の日本でも数多くのガールズロッカーが登場した。特にポジティブパンク/ゴシック系の中世の貴婦人や魔女を思わせる妖艶な衣装で暗いロックを歌う女子は、童貞ニューウェイヴ少年の憧れだった。大学時代に結成した学生バンドにも女子メンバーはいたが、普通の健全な女子大生だったので、筆者の求めるダークでエロティックなイメージは得られなかった。その当時もっと学外でバンド活動をやっていたら、アムステルダムの飾り窓に行かなくてもRAPのような素敵な女子とお付き合いのABCが出来たかもしれない(遠い目)。

「飾り窓」 RAP

百鬼夜行の回想録~80'sインディーズ特集 第13回:失われた女子バンドを求めて~RAP/Bárbara/OXZ 


●Siouxsie And The Banshees『Ornaments Of Gold』


女性ボーカルのスージー・スー (Siouxsie Sioux) を中心として1976年に結成されたイギリスの ポストパンク、ニュー・ウェイヴのバンド、スージー・アンド・ザ・バンシーズ(略称スジバン)の9thアルバム『ピープ・ショー』に収録(1988年リリース)。

飾りは英語でOrnament(オーナメント)。スージー・スーはセックス・ピストルズ親衛隊としてシド・ヴィシャスらとピストルズの追っかけをしていたという。ヲタクからアーティストヘの転身は当時のパンクのDIY精神の象徴といえよう。スジバンは音楽/ヴィジュアル/思想面で日本の女子ロック、特にポジパン系に多大な影響を与えた。上記のRAPもスジバンフォロワーと言える。金の飾り(Ornaments Of Gold)とは古代エジプトの王家に伝わる呪いの宝飾品だろうか。

Siouxsie And The Banshees - Ornaments Of Gold



●Blankey Jet City『綺麗な首飾り』


浅井健一(ボーカル、ギター)、照井利幸(ベース)、中村達也(ドラムス)からなるトリオBLANKEY JET CITYのミニ・アルバム『Metal Moon』(1993年12月21日リリース)に収録。ベスト・アルバム『The Six』(1995年)にも収録された。

先ほどプログレッシヴ・ロックを虚飾とディスったが、飾りが全て悪い訳ではないので念のため。ロケンロールはカッコ良くなきゃいけない。その為にはファッションを含め飾り立てることも必要である。90年代Japanese Rock'n Roll最高のトライアングル、ブランキー・ジェット・シティが歌う飾りの歌はロック美学を追求する王道ソングである。

Blankey Jet City / 綺麗な首飾り



●The Birthday『星の首飾り』


チバユウスケ(ボーカル・ギター)、フジイケンジ(ギター)、ヒライハルキ(ベース)、クハラカズユキ(ドラムス)からなるロックバンドThe Birthdayの通算7枚目のフルアルバム『COME TOGETHER』(2014年5月28日リリース)に収録。The BirthdayのROCKな世界へ「一緒に行こう」と宣言する、バンド史上最高傑作! !

ブランキー浅井健一のライバル、チバユウスケも約20年遅れて飾りソングを歌った。ライヴのエンディングの定番「くそったれの世界」を含む『COME TOGETHER』はジャケットを含め最も好きなアルバム。「星に願いを」というバラードナンバーも収録されており、硬派なロッケンローラーのロマンチストな一面を明らかにする。

The Birthday - 「COME TOGETHER」アルバムダイジェスト



●THE PINBALLS 『風見鶏の髪飾り』


本物のロックを掻き鳴らす4人組THE PINBALLS、メジャー1stフルアルバムが堂々完成!ソリッドなロックチューンからミディアムナンバーまですべて新録で収録!Vo古川貴之によるファンタジックな詞世界にも更に磨きがかかり、THE PINBALLSの世界観がより一層深まる1枚となっている。2018/11/14リリース。

80年代末に2枚のシングルのみ残して解散したピンボールというバンドを思い出すが、こちらのピンボールズは2006年埼玉で結成された若手4人組。バンド名はTHE BLANKEY JET CITYの「死神のサングラス」、The Whoの「Pinball Wizard」の歌詞から取ったというから嬉しい。ロケンロールの新たな才能に出会えた幸福を瑛美にいくら感謝してもしたりない。

THE PINBALLS メジャー1stフルアルバム『時の肋骨』トレーラー



●PETE BROWN & HIS BATTERED ORNAMENTS


クリームの「ホワイト・ルーム」や「サンシャイン・ラヴ」の作詞でも知られる詩人ピート・ブラウンが結成したバタード・オーナメンツのデビュー作『A Meal You Can Shake Hands With In The Dark / ミール・ユー・キャン・シェイク・ハンズ・ウィズ・イン・ザ・ダーク』。 クリス・スペディングも参加!(1969年発表)

77年中3の時NHKヤングミュージックショーで観たブライアン・フェリーのバックで黒い革ジャンでフライングVを弾くギタリスト、クリス・スペディングに一目惚れした。彼が最初期に参加したバンドがバタード・オーナメンツ。60年代らしいブルースロックはブライアン・フェリーやロキシー・ミュージックとは全く違っていたが、スライドバーを多用するスペディングのギターが聴けるだけで嬉しかった。前衛的なジャズアレンジがポスト・サイケデリック/プログレッシヴ・ロック時代の幕開けを感じさせる佳作。それにしても日本盤の帯でクリス・スペディングに負けたバンマスのピート・ブラウンの立場は。。。

Pete Brown and His Battered Ornaments - Rainy Taxi Girl



●THE PROPER ORNAMENTS


2010年ロンドンでVeronica FallsのJames Hoareとアルゼンチン人のソングライター Max Clapsにより結成された4人組。バンド名は60年代ソフトロックバンド、フリー・デザインの曲名から取った。ビーチ・ボーイズ、ザ・バーズ、ビートルズ、初期ピンク・フロイドなどを思わせるサイケデリックポップを聴かせる。

えいたそ妄想論を執筆する最大の喜びのひとつは、お題を検索していて未知の音楽やバンドに出会えること。「飾り=Ornament」をバンド名に持つザ・プロパー・オーナメンツは日本ではまだ紹介されていないが、サイケ好きなら間違いなく気に入るだろう。2枚のシングルと3枚のアルバムをリリース。2019年4月の最新アルバム『Six Lenins(6人のレーニン)』ではクラウトロック/エレクトロニカの要素を加えつつドリーミーなサイケデリックワールドを作り出している。瑛美のお陰で出会えた彼らを推します!

THE PROPER ORNAMENTS - Crepuscular Child (Official)


<飾り>とはストーンズ/GS/ムード音楽/プログレ/ポジパン/パンク/ロケンロー/サイケといった過去・現在のオレの愛する音楽世界のキーワードであった。しかし瑛美の髪飾りにはさらに隠された秘密がありそうだ。えいたその秘密を探る旅はまだまだ終わりそうにない。オレが生きる理由のひとつがココにある。

えいたその
飾りの秘密の
奥の院

▼8年前の秘蔵チェキ公開。#えい10周年
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