A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【正誤表、追加情報】『地下音楽への招待』刊行記念/ネクロ魔『久坂華恋』卒業 2016.10.16(sun)

2016年10月17日 02時21分53秒 | 書物について


●「地下音楽への招待」刊行記念イベント
2016年10月16日(日)
OPEN 18:30 / START 19:30
予約¥2500 / 当日¥3000【学割】¥1500(共に飲食代別)

【出演者】剛田武(「地下音楽への招待」著者)、加藤彰(「地下音楽への招待」編集)
【ゲスト】宮沢章夫、山崎春美、宇田川岳夫



『地下音楽への招待』正誤表、追加情報(2016年10月16日現在)→コピペ印刷用
*イベント入場者に配布された資料です。青字部分は剛田武による追記。

166ページ11行 CD→アルバム
183ページ9行 不出者→不失者
198ページ・キャプション 1978年→1979年
219ページ終3行 接点ができんです→接点ができたんです
237ページ終3行 消化器→消火器
286ページ9行 内藤正邦→中藤正邦
310ページ終1行 重なり合あう→重なり合う
408ページ下段終1行 我妻哲光→我妻啓光

・「第2章 第五列の行動と思想 藤本和男の体験と記憶」の42ページ終6〜5行に「マイナーでの藤本は〔中略〕東京で知り合った園田佐登志などの演奏家とライヴ活動を行なうようになる」とありますが、藤本氏が園田氏と初めて会ったのは1977年9月26日、園田氏が上洛して「どらっぐすとぅあ」に顔を出したときであるとの指摘を藤本氏本人からいただきました。お詫びして訂正いたします。なお、その際の園田氏の肩書は「Free Music Revolution主宰」だったとのことです。

・「第4章 音、言葉、情動の奥底へ 竹田賢一の体験と記憶」の97ページ註23に「園田〔佐登志〕が町田のジャズ喫茶「カラヴィンカ」を訪れた行き帰りの駅のホームでは、ほぼ毎回、近藤〔等則〕のトランペットの音が遠くから聞こえてきたという」という文章がありますが、これには事実誤認があるとの指摘を園田佐登志氏から受けました。当時、町田市の小田急線鶴川駅近くの高台にあるアパートに住んでいた園田氏は、昼頃になるとどこからともなくトランペットのスケール練習らしき音が聞こえてくることを気に留め、後日この件について近藤等則氏に尋ねたところ、それは確かに近藤氏がまた別の高台の上で練習をしていたときの音であるのが判明したとのことでした。一方、この時期、園田氏は終電後の鶴川駅の構内で、改札から駅員がいなくなるのを待つかのようにホームの端の暗がりの中にたたずむ近藤氏を見かけたことが何度かあったそうです。これらのエピソードは本書での園田氏へのインタビューの際にも少し語られましたが、上記のような経緯をよく確認せずに事実を混同して脚註の文章を作成したことによる誤りでした。お詫びして訂正いたします。

・「第6章 マイナーの申し子として 工藤冬里の体験と記憶」の142ページ関連年表と143ページ註2で、工藤冬里と大村礼子とのユニット、ノイズのアルバム『天皇』は2014年8月にアルケミーレコードから再発されたとしていますが、これは2005年3月の間違いでした。アルケミーレコードのJOJO広重氏よりご指摘いただきました。お詫びして訂正いたします。
さらに追記:ノイズ『天皇』は1997年にパタフィジックレコードからCD、続いてオルグレコードからLPで再発されています。どちらもボーナストラック2曲入(1曲は同じ曲)。

・「第8章 ヨコハマ・サイケデリック 原田淳、増田直行の体験と記憶」の210ページ註15に「パラレルハウスは東京・高円寺にあったレンタル・レコード店で、店長の樋口泰人(現在、映画配給、書籍・音盤制作会社のboidを主宰)が慶応の学生としてイベントにかかわっていた」とありますが、樋口氏は同店を切り盛りしていたけれども、いわゆるオーナーではなくメイン・スタッフの立場だったとの指摘を藤本和男氏から受けましたのでお知らせいたします(なお、オーナーは園田佐登志氏と明治大学で同窓だった野口是人氏で、園田佐登志名義のCD『耳抜き』の初回特典ブックレットに回想録を寄稿しています)。

・「第8章」の216ページ註24に「園田佐登志のユニット「シダ」」とあるのはVelというユニットの誤りでした(「シダ」はVelによって演奏された楽曲の名前で、『耳抜き』に収録されています)。園田氏よりご指摘いただきました。お詫びして訂正いたします。

・「第12章 そして「椅子物語」はつづく 園田佐登志の体験と記憶(その3)」で取り上げてられている「テン・ミニッツ・ソロ・インプロヴィゼイション・フェスティバル」について、これを観ていた方からツイッターで「当日はトリが吉沢元治氏で、竹田氏の今日は山崎氏は来ませんでしたというアナウンスがあったので、山崎春美氏は出演していないのでは?」という旨の質問がありましたが、竹田賢一氏とともにフェスティバルを主催した鈴木健雄氏による以下の回答(ツイート)がありましたのでお知らせします。「山崎春美さんは、10ミニッツに遅刻して、当日終了してから来ました。せっかくなのでやってもらい、10分過ぎても終わらないので、竹田さんとぼくとで、山崎さんの(痙攣しながら)座っていた椅子に蹴りを入れて終了。だから、出てます」。なお、特典CDに収録されている山崎氏のパフォーマンスは、このフェスの模様を録音したカセット・テープ(事後パンフレットとともに発売されました)からのものです。

・「第13章 わたしはこの本を認めない 山崎春美の体験と記憶」の337ページに、「だから知ってる思うけど、あの『渋谷陽一vs宝島』の時」で始まる一節がありますが、これについては補足説明が必要だったと思われ、以下に経緯をたどっておきます。
 まず、『ロッキング・オン』1981年6月号に、同誌編集長の渋谷陽一によるSF映画『アルタード・ステーツ』の評文(見出しは「60年代サイケデリック・ブームを今だに引きずってちゃ駄目」)が掲載され、それに対して『宝島』8月号にソーマ・ヒカリというライターが「アルタード・ステーツの映評、キノコじゃなくてトカゲとは 渋谷陽一氏の場合、何を考えておるのか?」という文章を寄稿し、映画の中の一場面について渋谷陽一が見間違いをしていることを罵倒。すると『宝島』9月号に渋谷陽一が反論として「対決から逃げ回り自らの駄文の後処理もできぬソーマ・ヒカリは自己批判せよ」を寄稿(337ページ10行「激怒した渋谷陽一が、その『宝島』に書かせろ、と言って書いたのは」がこれにあたります)。対してソーマ・ヒカリが『宝島』10月号の「自らの保身にQQし、見るも触れるもおぞましい駄文を書いた渋谷陽一を、徹底粉砕せよ」(後日、同記事は山崎春美によるリライトを経たものであることが判明)で反論し、同号では山崎春美の連載記事『ヲンナコドモ新聞』において渋谷陽一に対する揶揄もなされ、これらを受けて同誌11月号に「『宝島』の読者に向けて」(渋谷陽一)、対談「渋谷陽一vs関川誠(本誌編集長)」、「『宝島』の読者にむけて」(関川誠)の3本の記事が掲載されることで一連の「論争」は集結。そして、『ロック・マガジン』82年8月号の雑誌内雑誌『HEAVEN』に、「渋谷陽一直撃インタビュー!! by 山崎春美」が掲載され、「この不毛のバトルの最終の顚末は〔中略〕インタビューという形で渋谷陽一と「話の平行線」の確認をしている」(山崎春美著『天國のをりものが』収録の「ヤマザキハルミの懺悔! ザンゲ! ゲゲゲのThank Gay !(ざんげ!)」より)として決着がつけられました。

各インタビューの日付・場所は以下の通りです。
園田佐登志 2013年3月2日 総合荻窪病院内食堂、2014年2月23日 東中野・ポレポレ坐
鳥井賀句  2013年3月23日 新宿・らんぶる
藤本和男  2013年6月1日 代々木・TOM
我妻啓光  2013年6月12日 吉祥寺・くぐつ草
安井豊作  2013年7月13日 西荻窪・それいゆ
生悦住英夫 2013年7月27日 明大前・WIRED CAFE
竹田賢一  2013年8月25日 千葉・竹田氏自宅
山崎尚洋  2013年9月7日 渋谷・エクセルホテル東急・エスタシオンカフェ
成瀬(仮名)2013年9月22日 吉祥寺・くぐつ草
白石民夫  2013年10月29日〜12月26日 ニューヨークと東京の間でのメールによるインタビュー
原田淳・増田直行 2014年1月19日 丸の内カフェ ease
工藤冬里  2015年1月12日 阿佐ヶ谷・ハーネス
山崎春美  2015年3月15日 新宿・ロフトブックス

文責:加藤 彰(『地下音楽への招待』編集・註執筆・関連年表作成)


●ネクロ魔【久坂華恋卒業公演】@渋谷チェルシーホテル


出演:NECRONOMIDOL
op9:30/st10:00
入場料2000円+1D



日曜の朝早いイベント、しかも対バンなしのネクロ魔単独公演だというのに大勢のファンが集まり、凄まじい盛り上がりを見せた。推しアイドルグループのメンバーの卒業を経験するのは初めてだったが、目が潤んだのは最後の「旅立つ日に」斉唱の時だけ。普段通りに特典会は進行し、明るい昼間の渋谷の街に魔ヲタたちは消えて行った。





夜ネイキッドロフトでの打ち上げを終え、帰宅する電車の中で久坂華恋ツイキャスのラスト配信がはじまっていた。配信しながら、ツイッター、インスタグラム、ブログなどSNSのアカウントを一つ一つ消して、最後はツイキャスアカウントを消し配信終了。久坂華恋というアイドルが存在停止する瞬間、頭に浮かんだのは映画『2001年宇宙の旅』で、ディスカバリー号船長ボーマンによりモジュールを一つ一つ引き抜かれ機能停止していく人工知能『HAL 9000』が最後に歌う「デイジー・ベル」のメロディーだった。



Deactivating Hal 9000 HD (COMPLETE)


人生に
正誤表は
ありません

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【週末メディア/イベント情報】i-D JAPAN/ロビン・ヒッチコック/灰野敬二/ネクロ魔/地下音楽

2016年10月15日 02時47分13秒 | 灰野敬二さんのこと


●「LOVE MUSIC 音楽は愛だ」灰野敬二インタビュー掲載


i-D JAPAN(アイディージャパン) Vol.2 (時計Begin11月号臨時増刊)
雑誌: 196ページ
出版社: 世界文化社; 不定版 (2016/10/13)
言語: 日本語
価格: ¥800
AMAZON JAPAN


●灰野敬二DJイベント


10月15日(土) GINZA MUSIC BAR
ワールド・ミュージック・ナイト
「The Last Speakers」

20:00 start / no charge
selectors:soi48/森永泰弘/灰野敬二/guest bartender:長瀬哲朗


●ロビン・ヒッチコック with エンマ・シフト来日公演


2016年10月15日(土)
開場 17:00  開演 18:00
会場:南青山マンダラ(地図)
出演:Robyn Hitchcock (Vo, G)、Emma Swift (Vo, G)
チケット:¥5,000(1ドリンクオーダー下さい/代金別)
当日券あり!⇒MUSIC PLANT公式サイト


●ネクロ魔【久坂華恋の卒業公演】


10月16(日) DAY TIME
【久坂華恋の卒業公演】
NECRONOMIDOL

OPEN 9:30/START 10:00
会場:渋谷チェルシーホテル
TICKET¥2000(1ドリンク別)


●「地下音楽への招待」刊行記念イベント


今ディープな音楽ファンの注目をじわじわ集めつつある「地下音楽への招待」の刊行記念イベントを「私はこの本を認めない」山崎春美さんと『「80年代地下文化論」講義』でお馴染みの宮沢章夫さんをお呼びして16日に開催します!いよいよ明後日!

OPEN 18:30 / START 19:30
会場:新宿ネイキッドロフト
予約¥2500 / 当日¥3000【学割】¥1500(共に飲食代別)
【電話予約】03-3205-1556 (16:30~24:00)
【web予約】 コチラから!
学生の方は当日入場時に学生証をご提示下さい。
【出演者】剛田武(「地下音楽への招待」著者)、加藤彰(「地下音楽への招待」編集)
【ゲスト】宮沢章夫、山崎春美

週末は
サイケ、アイドル
地下音楽

Robyn Hitchcock - Full Moon In My Soul


旅立ちの日に
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生活向上委員会大管弦楽団2016@座・高円寺 2016.10.10(mon)

2016年10月14日 01時37分57秒 | 素晴らしき変態音楽

(写真の撮影・掲載については主催者の許可を得ています。以下同)

生活向上委員会大管弦楽団2016
10月10日 座・高円寺(東京)

ジャズ10月革命の予感。
生活向上委員会東京本部 始動!
生活向上委員会大管弦楽団2016

生活向上委員会東京本部
原田依幸(ピアノ) 梅津和時(サックス)
ゲスト:ドン・モイエ(ドラムス)



生活向上委員会のことを知ったのはラジオだったか雑誌の記事だったか、変な衣装で客席に乱入して大騒ぎするジャズオーケストラのことだった。当時高校のブラスバンドでバリトンサックスを吹いていたので、サックスの「掛け合い」と称してサックスのベルに水を入れて掛け合うという話に大笑いした。貸レコード屋で借りて来たアルバムは冗談粧(めか)したジャケットで、坂田明のハナモゲラ語やスネークマンショーと同質のニューウェイヴな冗談音楽のように思えた。当時彼らのライヴを観たことはなかった。唯ひとり、マイナー系のPUNGOやじゃがたらなどに参加して気を吐いていた篠田昌已の姿は地下音楽の現場でも目にすることはあった。



一方アート・アンサンブル・オブ・シカゴ(以下AEOC)の名前は、高校卒業〜浪人時代にのめり込んだフリージャズ関連の音楽雑誌や音楽本、レコードのライナーノーツなどを通じて親しむようになり、大学入学後通った渋谷のジャズ喫茶でレーザーディスクで彼らのライヴ映像を観て激しく心を揺さぶられた。84年4月の来日公演を五反田簡易保険ホールで観て、ヴィジュアルを含めたユニークな演奏と生きとし生けるものに捧げられる慈しみに心酔した。



それから30年強が過ぎて三者が一堂に会して公演を行うとは、公演フライヤーにあるようにタイムトンネル体験に違いない。特に袂を分かって久しい原田と梅津の再会は、日本の先鋭音楽史に記録すべき雪解けと言っていい。70歳のドン・モイエとの共演を臨んだのは原田らしいが、奇跡の立会人として70歳の重鎮の存在は頼もしい。演劇や講演会の舞台だと認識していた座・高円寺のB2のステージは、とても見やすく気持ちのいいスペースだった。当時からの初老のファンや、先鋭音楽好きな若いファンが集まり満員御礼。静かな熱気が会場に溢れる。



長身の外国人の前口上に続き原田と梅津が登壇、ピアノとクラリネットの鬩ぎあいは、互いのプレイを理解し尊重する熱意が籠っている。原田がモイエを召還し、三者のインタープレイが続く。即興音楽の一発触発の緊張感ではなく、深い情感と溢れ出る歌心に満ちた演奏は定型フォーマットには収まらないが、節度のある自由度に貫かれている。AEOC来日公演で感じた生き物の命の奔流が原田と梅津にも共有され、観る者の心臓の鼓動をエンファサイズ(強調)する。第二部後半で奏でられた「NOT SO LONG DON(さよならは言わないよ、ドン)」では梅津がサックスを吹きながら客席を練り歩き、30年前に耳にした伝説的パフォーマンスの片鱗を見せつけた。4人の女性シンガーを迎えたエンディングは、サン・ラ・アーケストラに通じる祝祭空間の出現だった。



音楽のパワー、音楽の享楽、音楽の本質を心から堪能する10月革命だった。

革命は
これだけじゃ
終れない

生活向上委員会 若い広場 演奏のみ (AUDIO ONLY)
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でんぱ組@大宮ソニックシティ2016.10.9(sun)+【えいたそ野性時代】十の巻『発光の魔術師』

2016年10月13日 00時23分52秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


第4回アニ玉祭(アニメ・マンガまつりin埼玉)
でんぱ組inc アニ玉祭スペシャルコンサート 〜さいたまです I LIKE YOU〜

大宮ソニックシティ大ホール
OPEN 17:00 START 18:00
全席指定 税込6,480円
※未就学児膝上可/お席が必要な場合は未就学児も有料



大宮ソニックシティは2015年4月9日のWWD大冒険TOUR2015以来1年半ぶり。ワンマンライヴは2016年3月24日神奈川・相模女子大フリーンホールでのGOGO DEMPA TOUR 2016~まだまだ夢で終らんよっ!~以来半年ぶりであり、でんぱライヴは(筆者にとっては)2016年9月8日渋谷O-eastでのはやぶさかがやきツアー2016番外編以来1ヶ月ぶり。ブリットポップではあるまいが「ぶり」が三つのトキメキ現場は、コスプレ姿が目立つアニメまつりの真っ只中。「アニメ漫画田舎で憧れていた」えいたそ☆成瀬瑛美さんをはじめメンバー全員テンション最ψ最好調のアッパーなセトリ、邪念に邪魔されスプーン曲がらぬMr.マリックのマジックショー、アニメ『斉木楠雄のΨ難』の主題歌うたうコスプレ姿は、5周年イヤーを全力で駆け抜けるビリビリでんぱのスピード感を満場のヲタと共有する、トキメキ決起集会の様相を呈した。

でんでんぱっしょん アニたま祭スペシャルコンサート〜さいたまですI like you


Set List
1. アキハバライフ
2. キラキラチューン
3. ちゅるりちゅるりら
4. でんでんぱっしょん
5. ユメ射す明日へ
6. 破 to the future
7. Future Diver
8. NEO JAPONISM

<Mr.マリック・コーナー>
もがえい 触れずにピッチャー破壊
りさピン 宙に浮く
みりねむ スプーン曲げ

9. ψです I like you
10. 最ψ最好調

●でんぱ組.inc『最Ψ最好調!』


『週刊少年ジャンプ』にて連載のテレビアニメ『斉木楠雄のΨ難』第2クールオープニング・テーマを収録したシングル。作詞/作曲は浅野尚志が担当。今作は、ブラックミュージックやサーフミュージック、EDM、RAPなどをミックスし、音楽ジャンルのボーダーを越えてPOPSへと昇華させた、でんぱ組.incらしさ溢れる楽しさ全開のパーティーチューン!

デジタルシングルが続いたためフィジカルシングルとしては2015年9月16日「あした地球がこなごなになっても」以来1年2ヶ月ぶりとなる15thシングルが11月2日にリリース。配信(デジタル)化により二.五次元?二次元?暗号ヘと進行した廚二病期間を経て、再び肉体(フィジカル)を取り戻した六人は、各自の特性をマキシマムに先鋭化し、平成元禄六人娘の浮き世姿を開花させた。ここにいるのは単なる三次元の肉体ではなく、二次元、二.五次元、記号・暗号すべてを含み、更に超能力という四次元パワーを身につけた進化形の象徴(シンボル)なのである。

でんぱ組.inc「最Ψ最好調!」MV Full


中でも「でんぱ組の太陽」としてグループの輝きの源(みなもと)であるえいたそ☆成瀬瑛美さんが「発光」という超能力を顕在化したことは、かつて「逆光」と呼ばれながらも説明がつかなかった「太陽を背にしても姿形がハッキリ見える」超常現象が、自ら光を発する超能力(サイキックパワー)であることを明らかにして、「えいたそ学研究」に大いなる進歩を齎(もたら)した。
【えいたそ進化論】第一章『逆光論』ストーンズ/クイーン/TMGE/浅川マキ/エコバニ/ひめキュン他







【えいたそ野性時代】十の巻『発光の魔術師』

九つのキーワードにより変遷してきた『えいたそ野性時代』はえいたそが超能力をカミングアウトしたことにより爛熟期を迎えた。『野性(WILD NATURE)』の先に『超能力(SUPER NATURAL)』があることは、次なる時代の台頭を意味する無血革命の予兆である。革命のシンボル(象徴)は“発光の魔術師”なるなる成瀬(瑛美)に違いないので、時代の節目の『発光』現象をスペクトル解析することは、新世代への啓示(A Young Person's Guide to Eitaso)として極めて重要である。

はっこう【発光】
《名・ス自》光を出すこと。光を放つこと。主に、熱放射(黒体放射) (恒星、炎、白熱灯などの光)やルミネセンス(冷光)が知られる。その他、荷電粒子線の制動放射による発光、 チェレンコフ光などがある。
(英)Luminescence; Photogenesis; Emission、発光するLuminous; Glow 








●ゆらゆら帝国『発光体』


「発光体」(はっこうたい)は、日本のバンドゆらゆら帝国の1枚目のシングルである。1998年7月8日発売。メジャーデビューシングル。

21世紀アイドルのテーマ発光体(Luminous Body)を18年前に歌ったのがアングラとメジャーの狭間で拡大した90’sサイケロックのシンボルゆら帝である事実は、マイナス(地下)からスタートし、地下(ディアステージ)と地上(幕張メッセ)の両方を支配するでんぱ組の正統性を表している。瑛美が弾くレスポールJr.は坂本慎太郎のSGの兄弟分のギター。

ゆらゆら帝国 - 発光体



●ROSSO『発光』


『Emissions』(エミッションズ)は、日本のロックバンド、ROSSOの3枚目のアルバム。2006年6月7日。本作の発表をもって、ROSSOは活動を休止した。そのため、本作は現時点でROSSOがリリースした最後の作品となっている。

元THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのチバユウスケ(vo)と元BLANKEY JET CITYの照井利幸(b)を中心に2001年に結成されたロケンローカルテット「ロッソ(イタリア語で赤)」は解散したわけではないという。『えいたそ超常時代』の訪れに反応して、現在The Birthdayで活動するチバとイマイアキノブ(g)、浅井健一とPOTIACSを結成するも1年半で脱退した照井、今はどこに?の佐藤稔(ds)の4人が再び終結し再発光する日が来るかもしれない。

発光 rosso (emission)



●クレイジーケンバンド『発光!深夜族』


比類なき日本語ロックバンド、クレージーケンバンド(以下CKB)の3rdアルバム『ショック療法』(2000.6.10発売)に収録。小西康陽のレーベルからの発売となった本作は、アジアンでゴージャスなCD装丁もさることながら、中身はさらにゴージャスで濃密。

イーネッ!で知られる横山剣率いる「時代の最先端を爆走し、ナウなフィーリング・エイジ達の度肝を抜く、東洋一のサウンドマシーン」。CKBが歌う『発光』は深夜の暴走族のヘッドライトに照らされるマブい女の後姿。瑛美のプリケツが眩しい光の残像となってオイラの瞼に突き刺さるぜ。

クレイジーケンバンド/発光!深夜族 [TOUR 2009]



●AC/DC『エミッション・コントロール』


AC/DCの通算16枚目のオリジナル・アルバム『ロック・オア・バスト(Rock Or Bust)』(2014)収録。前作同様、プロデューサーはブレンダン・オブライエン、ミックス・エンジニアはマイク・フレイザーと鉄壁の制作陣を起用。徹頭徹尾、重戦車のごとき剛健なロックン・ロールで押しまくる!

短パンランドセルでSGを弾き倒すアンガス・ヤングは死ぬまでロック少年。掃除機のコンセント表示から名前を取っただけあり、交流(AC)直流(DC)の電気発光をコントロール(Emission Control)するのはお手のモノ。ステージ中を駆け回ってヘドバンしながらギターを弾くアンガスのスタイルは、瑛美のプレイに影響を与えたかもしれない。

AC/DC - Emission Control



●ミステリー・ジェッツ『ルミネセンス』


全員イギリスのテムズ川中流、イール・パイ・アイランド出身。2006年にフジ・ロック・フェスティバルにて初来日を果たし、ここ日本でも根強い人気を誇るUKの異端児、ミステリー・ジェッツの4thアルバム『ラッドランズ』(2012)に収録。

コミューン生活を送る実の親子を中心とする5人組。いぶし銀の光を放つサウンドの核にはシド・バレットがいるという。『神秘的な(Mystery)ジェット機』という名前は「哀れな(Misery)ジェット機」の書き間違い。間違いなんて気にしない!というポジティヴ精神は瑛美の生き方と共通する。

Mystery Jets // Luminescence (East Village Arts Club, Liver



●ザ・ホラーズ『ルミナス』


ザ・ホラーズ(英: The Horrors)は、イギリスのインディー・ロックバンド。2005年にエセックス・サウスエンドにて結成。2014年5月5日、4thアルバム『Luminous』を発売。セルフプロデュースで制作された。

UKガレージサイケの人気バンドの現在のところ最新作。デビュー当時はゴシックファッションでダークネスを標榜していた彼らが、真逆の『発光』を謳いだしたのは、まさかゆら帝に肖(あやか)った訳ではなかろうが、サイケ野郎が自ら光を放ちたがるのは自然の摂理。光を求める性向からえいたそ推しになる日も近いかも。

The Horrors - So Now You Know



●ClariS『ルミナス』
 

2012年発売、当時現役高校生だったクララとアリスの女の子2人組ユニット、ClariSの通算6枚目となるシングル。劇場版『魔法少女まどか☆マギカ』(前篇)の主題歌。

元々アニソンシンガーを目指していた瑛美にとって、アニソンユニット「クラリス」は憧れの存在に違いない。魔法少女のテーマ曲が『発光』と名付けられた裏には、発光することを夢眠(ゆめみ)る少女たちの禁断の願いが籠められている。つまり瑛美の『発光』の告白は、少女時代の夢への急接近を意味するのである。

ClariS - Luminous [osu!]



●エドガー・ウィンター・グループ『謎の発光物体』The Edgar Winter Group With Rick Derringer


原題の通りエドガー・ウィンター(key)とリック・デリンジャー(g)が火花を散らすロックンロール・アルバム。多彩なアレンジで、ダン・ハートマン(b)、チャック・ラフ(ds)も含めたグループの脂がのった演奏が堪能できる。伝説的な邦題も話題になった。〔1975年作品〕

洗濯機のホースにしか見えない謎の発光物体をジャケットにしたエドガーも凄いが、そのまま邦題にしたレコード会社担当者も凄い。何でも許されたロックの幸福な時代へのノスタルジーは、新たな時代を築き上げるための糧となる。親父ロックの代名詞ウィンター兄弟のビリビリ電気に瑛美も痺れるだろう。

EDGAR WINTER WITH RICK DERRINGER ( D.K.R.C. )1974



●ララージ『アンビエント3:発光』Laraaji Produced By Brian Eno - Ambient 3 (Day Of Radiance)


「聴く事も出来るが無視する事も出来る音楽」「環境の一部としての音楽」というブライアン・イーノの考えを具体化した「アンビエント」シリーズの第三弾(1980年発表)。エレクトリック・ツィター奏者ララージによるエスニックな瞑想音楽。

ニューヨークのワシントン・スクエア・パークでエレクトリック・ツィターを演奏していたところをブライアン・イーノに発見され、イーノのプロデュースでレコード・デビューしたアンビエント版男シンデレラ。現在ヨガ・スタジオやワークショップを含め、世界各地で活動するララージの『発光』サウンドは、スポーツジム通いに精を出す瑛美のワークアウトのBGMにもぴったり。

Laraaji - The Dance #1








野性時代
そこからはじまる
えいたそ開化

▼不可避的に発光するえいたそ(Light Emitting Eitaso Inevitable)




saiki kusuo no psi nan opening2


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SPACE MANDALA/グンジョーガクレヨン/HIGO SESSION@国立 地球屋 2016.10.8(sat)

2016年10月10日 16時07分55秒 | 素晴らしき変態音楽


JAPAN ROCK「伝説破壊の夜」
★SPACE MANDALA
★グンジョーガクレヨン(園田遊&組原正)
★HIGO SESSION 沖大八g + 宇賀秀樹pet,g + ヒゴヒロシb + シゲオds + 杉達彦mix
-LIGHTING- OVERHED・助川貞義



2007年に刊行されたジュリアン・コープ著『JAPROCKSAMPLER ジャップ・ロック・サンプラー -戦後、日本人がどのようにして独自の音楽を模索してきたか-』はそれまで語られることの少なかった60/70年代日本のロックの地下文化史をイギリス人の目と耳で発掘する有意義な試みであり、その影響は欧米のみならず日本の音楽マーケットにも刺激をもたらした。しかしながらジュリアン・コープの耳目に触れなかった深みや澱みは多数存在するし、本書の守備範囲外の新たな波(ニューウェーヴ)については未踏査の部分が多い。

JAPAN ROCK伝説破壊の夜と題されたこの日のライヴは、まさにJAPROCKとNEW WAVEの西の果ての交差点でもある多摩地区国立で失われた絆(ミッシングリンク)の一端を詳らかにする機会である。ディープ国立の象徴である地球屋のブッキングマネージャーのエルさんは10代の頃スペース・マンダラと交流があり、国立の共同生活ハウスをしばしば訪れていたという。観客の多くも出演者と同世代の年配者。旧交を温める和やかな雰囲気がこの店によく似合う。

●HIGO SESSION

沖大八g/宇賀秀樹pet,g/ヒゴヒロシb/シゲオds/杉達彦mix

3/3〜ミラーズ〜チャンス・オペレーション〜DJ HI-GO〜渋さ知らズ〜モルガナ実験室etc.のヒゴヒロシが主宰するセッション。メンバーはそれぞれ別のユニットで活動するミュージシャンで、このメンバーでは初セッションだという。ディープなダブでスタートし、ファンクビートのジャズロック、圧巻は宇賀がギターに持ち替えてツイン・ギターのジャム・セッション。サイケデリックなリキッドライトと相俟って、71年フィルモアイーストのオールマン・ブラザーズと言った雰囲気。若い客数人が踊り出す。

●グンジョーガクレヨン

組原正(g)/前田隆(b)/中尾勘二(b-cl)

告知に園田游の名前があったので、数年ぶりの共演に期待したが、姿を見せなかった。ドラムレスのトリオ編成の完全即興演奏は、同年輩の観客から不愉快なヤジや呆れたぼやきが飛ぶほど、ロックどころか既成音楽の定型から完全に離脱している。「ロック」を否定する「パンク」ヘの反動たる「ポストパンク」からも逸脱し、常に「前衛」であり続けるグンジョーの35年間の「試練」や「覚悟」に思いを馳せるが、水玉点描画ライトに溶け込んでクールに非楽音を鳴らす3人に迷いはない。

●SPACE MANDALA

及川禅 Guitar/エナメル・ユージ Guitar/aka(赤間哲彦ex.AKETO)Bass/Sugiryo(杉村良介)Drums/酋長 Syns/Taisouegao DJ

サイケデリック・ギタリスト/プロデューサー及川禅の歩みはアナザー・ストーリー・オブ・Japanese Underground Musicと呼んで間違いない。様々な遍歴を経て今なお斬新な音楽を追究し続ける及川が35年ぶりにSPACE MADALAとして国立へ還って来た。現在の拠点伊勢で活動するミュージシャン二人を含む新生スペース・マンダラは、デジタルビートを含有する轟音プログレサイケロック。彼が唱える「MUSIC - LOVE - PEACE - FREEDOM - HAPPINESS」という教義は楽天的に響くが、そこに嘘はない。
驚愕の日本サイケデリック秘宝発見物語~Be-2(ハーツヴァイス)と及川禅の世界

西の果て
地下水脈の
泉有り

国立つ処、熱狂と異端と享楽の夜は更けて行った。


「SPACE MANDALA HARMONICS CONVERGENCE Vol.2」 Koenji cave 2016.5.28~29
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【ライヴ備忘録】ネクロ魔恐山以前:MMM後夜祭/DOMMUNE地下音楽/エクストリーム

2016年10月09日 03時41分40秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


夏の魔物で死んだ筆者はネクロ魔恐山オフ会で生き返った。従って魔物以前の記憶は刻一刻と薄れて行く。過去のメモリーが完全に忘却の彼方へ飛び去ってしまう前に個々に記録しておくことにする。そうすれば、筆者の頭が海綿体状のふにゃふにゃになっても、誰か目敏いフォロワーの方が、コイツは逝く直前にコンナことからアンナことまでしていたゾと物笑いの種くらいにはしてもらえるだろう。

●Malcolm Mask McLaren マルコム・マスク・マクラーレン


Malcolm Mask McLaren 2ndワンマンライブ後夜祭
「Melodic Hardcore ~nao生誕祭~」
日程:2016年9月23日(金)
開場19:00 開演19:30
場所:恵比寿aim
入場料:¥2,500 ※9/22ワンマンライブチケットを入場時に提示された方は¥2,000
※別途ドリンク代
※入場順:整列順



マスクを脱いでマブしい素顔をご開帳した一周年記念ワンマンライヴの翌日に後夜祭&naoの生誕記念ライヴが開催された。選りすぐりの筋金入り古参から筆者のような俄(にわか)まで少数精鋭MMMヲタが集う中、素顔のママで現れた3人はやはり直視できない(したけど)くらいマブい。目元に比べ心持ち青白い初心(うぶ)な唇は触れたら蕩けてしまいそう。初キッスはレモン味かミルキー味かと妄想に耽ってフリコピが疎かになる失態を演じた。マンチェスターから来た英国人アイドルヲタの物販爆買いに驚愕。2週間アイドル三昧とのこと。羨ましいが、もうすぐ初のネクロ魔遠征だもんね、と期待を膨らませた。

Malcolm Mask McLaren/myself(MV)


●Japanese Underground Music in the Late 70s and 80s 地下音楽への招待


【LIVE STREAMING PROGRAM】
実写版「地下音楽への招待」〜パンクよりも自由な世界へ
2016年9月28日 (水) 19:00~21:00 THE FINAL MEDIA DOMMUNE

70年代後半から80年代前半の日本に興った特異な音楽とその目撃者=体験者による遍歴の記録
出演:加藤彰、園田佐登志、松村正人、松山晋也 and ゲスト?



DOMMUNE Studioで生観覧。驚きのゲストが最初から参加、観客席から茶々を入れてた山崎春美が後半堂々と参加。写真左から松村正人、松山晋也、山崎春美、竹田賢一、園田佐登志、藤本和男、加藤彰(敬称略)。著者とコサカイフミオは声だけの参加。 視聴者の感想は「緊張感があった」「グダグダだった」など。

●EXTREME エクストリーム


「エクストリーム ジャパン・ツアー 2016」

2016年9月29日(木) 昭和女子大学人見記念講堂
チケット料金:S ¥9,800 A ¥8,800(座席指定)



2年ぶりに来日した90年代ハードロックの雄エクストリーム。クイーン武道館公演の直後でもあり、クイーンのナンバーを2曲カバー演奏、コアなクイーンファンを悦ばせた。三つのバートからなる大作「エヴリシング・アンダー・ザ・サン(太陽の下のすべて)」のドラマチックな展開に感動。今日初めてライヴで披露したとのこと。

紀元前
恐山以前
悪霊退散

Extreme - Everything Under The Sun (all 3 parts)


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ブッゲ・ヴェッセルトフト "ニュー・コンセプション・オブ・ジャズ"@青山Blue Note東京 2016.10.4 (tue)

2016年10月07日 00時16分49秒 | こんな音楽も聴くんです


BUGGE WESSELTOFT'S
"New Conception of Jazz" 2016 Edition
ブッゲ・ヴェッセルトフト
“ニュー・コンセプション・オブ・ジャズ” 2016 Edition


2016 10.3 mon., 10.4 tue.
[1st]Open5:30pm Start6:30pm [2nd]Open8:20pm Start9:00pm
Music Charge ¥8,500(税込)

MEMBER
Bugge Wesseltoft(key, sounds, visuals) ブッゲ・ヴェッセルトフト(キーボード、サウンズ、ヴィジュアルズ)
Marthe Lea(sax, electronics, voice) マハサ・レア(サックス、エレクトロニクス、ヴォイス)
Oddrun Lilja Jonsdottir(g) オドゥルン・リリア・ヨンストティル(ギター)
Sanskriti Shrestha(tablas) サンシュリィティ・シュレッサ(タブラ)
Siv Øyunn Kjenstad(ds,vo) シヴ・ウン・ジェンスタ(ドラムス、ヴォーカル)
Fridtjof Wesseltoft(VJ) フリチョフ・ヴェッセルトフト(VJ)

ノルウェーが誇る鬼才による伝説のプロジェクト
新世代のミュージシャンたちを迎えて10年ぶりに再始動
ノルウェーが世界に誇る鬼才キーボード奏者、ブッゲ・ヴェッセルトフトが伝説のプロジェクト“ニュー・コンセプションズ・オブ・ジャズ”(NCOJ)を10年ぶりに再始動、その最新ステージを東京で繰り広げる。’80年代からポップス、ロック、ジャズの世界で活動し、’96年NCOJを結成。続いてレーベル“ジャズランド”を創設し、いわゆるフューチャー・ジャズの中心的存在となる一方、ノルウェーの国民的シンガーであるシゼル・アンドレセンとのコラボレーションも継続してきた。現NCOJはブッゲ以外をすべて若手女性ミュージシャンで構成。新旧のレパートリーを織り交ぜながら、映像演出とのリンクでフューチャー・ジャズのさらなる先を目指す。



90年代後半フューチャージャズを熱心に聴いていた。80年代前半フリージャズや前衛音楽にどっぷり浸かった学生時代を過ごした筆者は86年に就職する頃にはインディーズブームの洗礼を受け、決してメジャー路線ではないものの、90年代バンドブームの余波・余熱で世に紹介されたサイケやアングラ風味のロックを愛聴するようになった。同時期に発生した渋谷系やクラブミュージックに興味を持たなかったのは、地下は地下でもファッションの如くトレンドが移り変わる流行音楽のフットワークの尻軽さが体質的に合わなかったということだろう。それ以来クラブシーンと殆どリンクせずに過ごしてきた90年代後半、ファラオ・サンダースやアリス・コルトレーンを好むクラブDJと知り合い、ノルウェーのJazzlandレーベルを知った。いわゆるクラブジャズの嘘くささや過剰なダンスビート強調ではなく、ミニマルなシーケンサーとエレクトリックビートに同調するクールな生楽器の浮遊感は、自己主張が希薄な分、イマジネーションの泉でもあり、フロアでも脳内でも軽い重力と重い思念が歪み合う新感覚のソフトドラッグだった。21世紀を迎える世紀末にフューチャージャズ(未来のジャズ)という安易な名前も眩しく思えた。もし"未来派ジャズ Futuristic Jazz"だったらもっと早く風化しただろう。陳腐な普通名詞だったから狭いジャンルに限定されずに進化できたのは確か。その総帥がブッゲ・ヴェッセルトフトというオニギリ頭のピアニストだった。それから20年経っても相変わらずモテそうには見えないブッゲだが、清竜人25の向こうを張って4人の美女を引き連れて来日するとは、音楽センスと制作意欲のイケメンぶりを見抜く北欧女子は少なくないに違いない。

BUGGE WESSELTOFT'S : BLUE NOTE TOKYO 2016 trailer


日本での最終公演は結構空いていて、開演10分前に入場したのに最前ど真ん中のテーブルに通された。ドラムを真ん中に左にタブラとサックス、右にギターとブッゲのキーボード。まるでビデオ撮影のセンターカメラになった気分。ピアノのリリカルなフレーズが徐々にループしてサックスの反復フレーズとシンクロし、タブラビートのサイエンス&ドローンギター、リズム非キープのドラムが音楽の波に干渉する。それにも拘らず何事もないようにクールに奏でるクリスタリズムは、北欧フューチャージャズの本質が変わっていないことの慎ましやかな自己主張であった。笑顔が素敵なドラマー女子のキュートな歌声に痺れ、終演後にチェキ会があるか公式ツイッターをチェックしそうになるヲタクの性(さが)に苦笑する。それは冗談として、一見楽器初心者かと思わせるあどけなさに騙されるが、それぞれ相当の手練である。ブッゲの「ジャズの新たな概念 New Conception of Jazz」はテクニックを超えたところにあるが、到達するには鍛錬 disciplineが欠かせないことは言うまでもない。20周年を迎えた記念すべき年に、ジャズランドの記念コンピCDがリリースされるという。これは新たなジャズのその先を目指す決意表明に他ならない。

New Conception of Jazz 2016 edition

INTERVIEW:ブッゲ・ヴェッセルトフトの伝説的プロジェクトが再始動&来日! ノルウェーの鬼才とジャズ×エレクトロニックの試みを紐解く

日本にも
フューチャージャズ女子
いないかな?

New Conception Of Jazz KongsbergJazzfestival 2016
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ネクロ魔東北遠征記 DAY2.夏の魔物:ブクガ/めるモ!/バンもんetc.+DAY3.ネクロ魔恐山オフ会

2016年10月06日 00時58分41秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


仙台Birdlandライヴ終了後の特典会は、帰宅する必要のない気軽さで、時間を気にすることなく存分に全員との接触を堪能。メンバーを送り出してから車に乗り込み「真夜中の暴走(Drive All Night)」と洒落込んだ。運転を買って出たベルハー推しのヲタさんはもちろん、殆ど一睡もせずに朝4時半に青森(Blue Forrest)に到着。唯一深夜営業していたファミレスで時間を潰し、辿り着いたのが夜越山(Over Night Mountain)とは、余りに出来レース過ぎる茶番劇じゃないか。

第二日 2016年10月1日(土)



AOMORI ROCK FESTIVAL'16〜夏の魔物〜 10周年記念大会
2016/10/1(土) 会場 青森・夜越山スキー場 (青森県)

[出演]夏の魔物 / ヒャダイン / 曽我部恵一 / 大槻ケンヂ / 人間椅子 / BELLRING少女ハート / 清 竜人25 / 藤井隆 / POLYSICS / 神聖かまってちゃん / 忘れらんねえよ / 向井秀徳アコースティック&エレクトリック / ROLLY / SCOOBIE DO / THE NEATBEATS / HINTO / バンドTOMOVSKY / ザ・チャレンジ / Wienners / DOTAMA / Creepy Nuts / MOSAIC.WAV / SuG / アーバンギャルド / ベッド・イン / クリトリック・リス / 早見優 / こぶしファクトリー / バンドじゃないもん! / ゆるめるモ! / 生ハムと焼うどん / ライムベリー / 椎名ぴかりん / デスラビッツ / 二丁ハロ / 吉田豪 / 杉作J太郎 / 掟ポルシェ / 久保ミツロウ・能町みね子 / 伊藤賢治 / やついいちろう / DDT / クロユリfrom 夏の魔物 / 他



数年前から夏になるとTwitterのTLを賑わせてきた「日本で最もカオスな手作りロックフェスティバル」通称・夏の魔物。ロック、パンク、ノイズ、アイドル、プロレス、お笑いがくんずほぐれつのタイムテーブルを見るだけでもカオス過ぎて覚悟していたが、真夏のような太陽の下、爽やかな山肌と芝生の上で大らかに逝く夏を愛惜しむ、開放的な音楽フェスだった。会場の混み具合はGWの昼間の井の頭線並みなので、ストレスなしに観たいステージの近くで観戦できる。徹夜明けの疲れでビニールシートに横になったが灼熱の太陽に焼かれて目が覚めた。

2016.09.08 maison book girl@新宿LOFT


●Maison book girl
1か月以上ご無沙汰してしまったブクガが最大のハイライト。愛しすぎてエモい気分の接触に、コショージが大丈夫?と心配してくれた。メジャーデビューと誕生日のお祝いを口にしたがプレゼントの用意もないオイラのへたれヲタぶりに涙が出る。

●椎名ぴかりん
魔界から来た魔界人アイドル。土下座ロードを裸足で歩いてトイレ棟の上で吠える魔界女子は以外と青空に映える。



●人間椅子
文芸ロックの呼び名も懐かしい結成25年目のバンドブーム。逆に今新鮮な親父ロックの権化は夏の魔物の風物詩。

●アーバンギャルド
アイドルとの出会いの切っ掛けをくれた恩人と2年ぶりの再会。CD購入特典ツーショット写メでアーバンギャルソンの本懐を遂げた。



●バンドじゃないもん!
8月に再メジャーデビューを果たし、人気街道まっしぐらのNot Band5人組。恋汐りんごの笑顔は最高だが通常チェキの倍の価値はあるのか?

●クリトリック・リス
夏の魔物と同じく10周年を迎える栗貴族を祝う花火が早すぎる夏の喪失感を増加させた。ぴかりんに対抗して運営テントに昇るはげ。



●ゆるめるモ!
We Are Rock Festival全国ツアーで鍛えられた4人バージョンのモ!にユルさの残像はない。特典会はあのは欠席だが、しふぉんとけちょんと初チェキ。

BELLRING少女ハートの特典会が終ったところで夏の魔物に別れを告げ、青森市内のビジネスホテルで泥沼のような眠りを貪る。晴れ晴れした気分で目を覚まして、集合場所の新青森(New Blue Forrest)へ。

第三日 2016年10月2日(月)



NECRONOMIDOL 暗黒聖戦外伝:恐山休戦

9:00 新青森駅で集合後、貸切バスで恐山に向かう
11:30 恐山到着、恐山観光
13:00 恐山からキャンプ場へ移動
13:30 キャンプ場でメンバーと一緒にバーベキュー
15:30 バーベキュー終了
18:00 新青森駅到着、お疲れ様です!

   

遠征は
ヲタクの神髄
癖になる

AumDAILY : เทปการแสดงคอนเสิร์ต NECRONOMIDOL Live in Bangkok 2016
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ネクロ魔東北遠征記 DAY1〜ネクロ魔/ライムベリー/SHOOTMASTER/目玉湯鯨@仙台Birdland 2016.9.30(fri)

2016年10月05日 03時09分53秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


「ヲタクもすなる遠征といふものを、オレもしてみむとてするなり。」
巷(ヲタク界隈)ではアイドルの醍醐味は「遠征」にあり!と囁かれて、常々機会を狙っていた世を儚む地下ブロガーにとって絶好のチャンスが巡ってきた。ダークネスの欠片もない快晴の下、マザー牧場で動物たちと戯れた暗黒系アイドル「ネクロ魔ことNECRONOMIDOL」のオフ会第2弾が、霊場として知られる青森県下北半島むつ市の恐山にて開催される運びとなった。この機会を逃してはヲタクが廃る、と申し込んだのはいいが、果たして本州の北の果てまでどのようにして行けばいいのか悩んでいたときに、自由が丘での白塗りバーで隣り合わせた顔見知りのヲタさんが、自家用車に同乗させてくれることになった。せっかくの「遠征」思う存分満喫しようと、仙台公演と青森ロックフェスを回して3日連続ヲタ活「厭世」じゃねえや「遠征」と相成った。

第一日目

気持ちのいい快晴の朝11時に新宿を出発し16時頃仙台着。会場はビルの一階の小さなライヴハウス。通り側の窓からフロアが見える。開演まで駅前の昭和な安飲み屋で過ごす。



NECRONOMIDOL「暗黒聖戦:仙台戦」

Op/18:30 St/19:00
Ticket:前売\2,000/当日\2,500 (Drink代別途\400)
【act】NECRONOMIDOL / RHYMEBERRY / 目玉湯鯨 / SHOOTMASTER

名古屋⇒大阪と続いたネクロ魔国内ツアー「暗黒聖戦」3ヵ所目は杜の都仙台。筆者が小1〜4に住んでいた思い出の街で推しのアイドルを観る乙な経験も遠征ならではの醍醐味。遠征組と地元組が交じり合うフロアは静かな熱気が渦を巻く。

●目玉湯鯨


仙台きってのカルトDOOMアーティスト。動画をチェックしていたが、まさか女子だとは思わなかった。アンプを4台並べた前に仁王立ちし、ラジオドラマ風のバックトラックに重低音のベースとデスヴォイスの歌が乗る。曾ての下山GEZANのオープニングSEとSun O)))のステファン・オマーリーのソロを思わせる。ひたすら沈み込む最低音なのにどこかユーモラスなオーラが漂うのはキモかわいい名前の所作であろうか。

2016/5/28 マグダラ呪念企画「黒唄の宴」目玉湯鯨(Metamayukujira) Magdalene Ju-nen planning gig「Blacksong Sabbath」


●RHYMEBERRY


元少女閣下のインターナショナルの福円もちがDJ OMOCHIとして加入し3人組になったライムベリー。ネクロ魔との対バンは多数あるが、北国のライヴハウスで改めて観ると、絶妙なパフォーマンス力に脱帽する。DI OMOCHIの観客を巻き込むやんちゃぶりは、ある意味ええかっこしいのラッパースタイルを一気にヲタ目線にメタモルする女子パワーに輝いている。

【MV】ライムベリー - ハイキング


●SHOOTMASTER


トラッシュカルチャーとプロレスとバイオレンス映画の影響を受けた仙台出身の5人組ハードコアバンド。メイク/覆面/コスプレは色物感があるが、サウンドは真摯なハードコアパンク。印象的な歌メロはこの手のバンドとしては貴重な存在。アイドル対バンに備えて用意した最新鋭凶器「有刺鉄線バット式マイクスタンド」、仮名称は「JUSTICE PAIN」を振り回し客席乱入も愛嬌があって楽しさばかり。

SHOOTMASTER 2015年7月25日 西荻窪PIT BAR


●NECRONOMIDOL


ネクロ魔出演時間ギリギリに東京遠征組魔ヲタ第二陣が到着、フロアは一気にブラック魔Tシャツで埋まる。アルコールが入ってテンション上がり過ぎのステージ前は熱量がハンパなく、メンバーのパフォーマンスも加速する。遠征組が飛ばし過ぎて、地元組が乗り遅れ気味だったが、ライヴ半ばにメンバーが招き入れ、両者が共に絶頂を目指す一体感が生まれた。「好き」と「推し」が生んだシンパシーは、東京にいては味わいがたい遠征ならではの絶頂感に溺れた。

NECRONOMIDOL in Thailand 2016


<Set List>
1. SKULLS IN THE STARS
2. ASTODAN
3. psychopomp
4. IDOL'S ELEGY
-MC-
5. 童歌
6. 暗黒少女戦隊
7. Nyx

二日目は
ネクロ魔休み
ブクガ有り

⇒続きは今後のブログにて。
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ツァイトクラッツァー × 灰野敬二@六本木SuperDeluxe 2016.9.27 (tue)

2016年10月04日 00時26分56秒 | 灰野敬二さんのこと


Sound Live Tokyo 2016
ツァイトクラッツァー × 灰野敬二
zeitkratzer × Keiji Haino

七つの日より (カールハインツ・シュトックハウゼン, 1968)
Aus den sieben Tagen (Karlheinz Stockhausen, 1968)

メンバー:
灰野敬二(ヴォーカル)
ラインホルト・フリードル(芸術監督・ピアノ)、フランク・グラトコフスキ(クラリネット・サックス)、エレナ・カカリアグゥ(フレンチホルン)、ヒラリー・ジェフリー(トロンボーン)、モーリス・ド・マルタン(パーカッション)、ブルクハルト・シュロタウアー(ヴァイオリン)、エリザベス・フューゲマン(チェロ)、ノラ・クラール(チェロ)、ウーリ・フィリップ(コントラバス)、マルティン・ヴルムネスト(音響)、ヨッヘン・ハーカー(照明)。 



1997年ラインホルト・フリードルにより結成され、クラシック/現代音楽/フォークミュージック/ロック/ノイズといった様々なジャンルと並列に取り組み、灰野やエリオット・シャープ、ジョン・ダンカン、アルヴィン・ルシファー、ウィリアム・ベネット(ホワイトハウス)などとスタイルやジャンルを超越したコラボレーションを実践するツァイトクラッツァーの初来日公演。

灰野敬二は2005年からツァイトクラッツァーと何度か共演し『Electronics(エレクトロニクス)』(2008)、『Live At Jahrhunderthalle Bochum(ボーフム100周年記念ホール実況録音)』(2014)、『Stockhausen ‎– Aus Den Sieben( シュトックハウゼン:七つの日より)』(2016)の3枚のアルバムをリリースしている。今回はその中でもシリアスミュージック度が最も高いシュトックハウゼンの作品を日本初演。



灰野を含め総勢10人の大所帯の演奏者が居並ぶステージは不思議と威圧感はない。私服ということもあるが、気の置けないコミュニティ・オーケストラの開放感に溢れている。聴こえないほどに微音から、銅鑼が鳴り響く轟音までダイナミックレンジの高い演奏が途休憩を挟んで、開放感と緊張感とが錯綜する2時間半には、SuperDeluxeの守護霊を呼び起こす召還の儀であった。

補強した
現代音楽の
綻びを

Zeitkratzer & Keiji Haino — Live at the Donaufestival


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