芳賀明夫の思いつくままに

フィジーから帰国して

新書『反貧困』をやっと手に入れる

2008年12月26日 | Weblog
朝9時過ぎに若い女性から電話がかかって来た。田舎で若者からかかる電話は殆どが勧誘である。
「芳賀さんですか」「んでがす」と無愛想に答えると、「明夫さんですか」「?」なんで私の名前を知っているのだ?「そでがす」と憮然として答える。すると、「登米の図書館の阿部ですが、お申し込みの本が届いています。図書館は今日までですから今日中か来年の仕事始めのあとに取りに来てください」というので、こちらは急に愛想よく、「ありがとうございます」と答えた。
先日、湯浅誠著『反貧困ー「すべり台社会」からの脱出』(岩波新書)740円を取り寄せてくれるように頼んでおいたのだ。
都会なら、電車でちょっとでかければ、直ぐに買える本だが、我が家には車がないから、隣町の書店まではバスで一日がかりでないと行けない。ブックセンター湘南・佐沼店というのが中田町加賀野というところにあり、そこで『登米物語』を売ってもらっているが、追加の注文が来た時には、照るちゃんがあんツアンを佐沼にパチンコに連れて行くついでに乗せて行ってもらって、納品している。そのうちに照るちゃんが、車を廃車にしてしまったら、重い本を持って行くのを諦め宅急便にするしかない。しかし、500円の本を1000円の宅急便で送るのでは、なん10冊も売っても元を取れない。740円の『反貧困』も同じことだ。流通の悪い田舎に送られてくるのに2週間ほどかかった。宅配料を払えば、もっと速いのであろうが、それでは、岩波新書が赤字になる。出版社は都会でしか本を売れない流通の問題を抱えている。これからの出版社は経営が大変だ。大量に送るものでないと元が取れないという点では、ほかの町中の小売店でも同じだから単価の安い単品で仕入れて売るような店は成り立たない為に、町にかつてあった店は今はなくなっている。
隣りの佐沼町には、大型店が次々と出来ているが、そこには車で行くしかない。私は車社会というものそのものに疑問を感じているので、車は持たないことにしている。仮に車を持ったとしても、間もなく、もみじマークであり、免許証の返還を迫られるのだ。田舎暮らしの老人は、老いて病気がちになり、最も必要になる近い将来に病院にも行けなくなるの日が来るのは明らかだ。