大事故で世界から注視されている日本の原発。原発推進をしてきたのは、政府(自民党・公明党・民主党)・財界・官僚・学界そしてマスメディアであった。一部を除き、いまだにその政策を変えようとしていない。その背景にあるのは、カネである。もとはといえば国民の電気料金であるのだが、それらをこの推進勢力が山分けしてきたのである。見よ、今原発推進を掲げているのは、電気会社を通じてカネをもらっていた勢力ではないか。静岡県では御前崎市。原発があることで莫大なカネを獲得し、地域には似合わない公共施設を次々と建設し、土建業者にもそのカネがばらまかれてきた。また電力会社に勤める労働者の組合、電力総連(約21万人)は高給を背景に原発を推進する議員に政治献金をしてきた。
要するに、国民の安全よりも、近視眼的な私利私欲で原発を推進してきたのである。
マスメディアから報道されない事実が、このところ雑誌などにより提供されてきている。そのいくつかを紹介するが、ということはテレビや新聞から情報を得ていては、価値ある情報に接することができないということだ。
まず孫正義さんの「東日本にソーラーベルト地帯を」(『世界』6月号)は注目すべき事実が記されている。3・11の事故のあと、孫さんは原発についていろいろ調べたそうだ。そして原発がなくても日本の電力供給は大丈夫であることなどを知り、自然エネルギーの利用のために私財をなげうとうとしている。
ついでにこれに関して今日の『中日新聞』の社説。東京電力の不誠実を事実をあげて批判している。こういう東電を救済しようという政府の賠償支援策は、東電と利害を共通する銀行業界が原案を作成したそうだが、とても認めることはできない。河野太郎氏が言うように、東電の財務状況などすべてを精査することがまず必要だろう。
夏の節電 見逃せぬ東電の不誠実
孫さんの文に戻る。
「IAEAの基準による土壌調査は、表層部分1~3㎝を1立方メートル採取してベクレル/㎡で表示しますが、日本は表面から約5㎝掘り下げて、ベクレル/㎏で提示しています」
この事実はすでにネットでは流されていたが、マスメディアは伝えない。ついでに、毎日の新聞にはそれぞれの地域の放射線量が報じられるが、通常は地上から1㍍の高さで測るのだが、なぜか18㍍の高さで計測しているという。とにかく放射能被害を少なく見せようという姑息な姿勢が貫徹している。ついでに文科省が発表した福島県の土壌汚染の地図(もうそのアドレスはこのブログで紹介したが・・・。http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/__icsFiles/afieldfile/2011/05/06/1304694_0506.pdf
だが文科省のHPからさがそうとしても、どこにあるのかわからない。チェルノブイリ原発事故の時避難地域とされたところよりも高汚染地域が福島県にあるので、隠そうとしているとしか思えない。
また戻る。孫さんはアメリカでは、太陽光発電と原発の発電コストが昨年クロスしたことが指摘されている。つまり太陽光発電のコストはどんどん低くなっているのに、原発の発電コストはどんどん高くなっているというのだ。だから世界的には、原発の建設は下火になっていることを指摘している。
さらに『週刊金曜日』の昨日届けられた号には、伊藤千尋(朝日新聞記者、朝日新聞にも少しは良心的な人がいるのです。)さんのオーストリアの憲法の話が記されている。何とオーストリアでは、憲法で核兵器の製造・貯蔵・運搬はいうまでもないが、原発の製造・稼働も禁止しているというのだ。「日本政府が戦争放棄の憲法をなし崩しにしてきた間に、オーストリアでは核エネルギーの拒否まで憲法に明記した」のである。そうした政策を確定させたのは、市民たちだ。「今やオーストリアは、反原発の分野で世界の平和運動を主導する。もちろん日本のはるか先を行く」。
こういう事実は、新聞テレビからは得られない。情報は座視していてはダメで、積極的に得ようという努力が必要なのだ。どういう知識が重要なのか、それを選択できる力をつけよう。
要するに、国民の安全よりも、近視眼的な私利私欲で原発を推進してきたのである。
マスメディアから報道されない事実が、このところ雑誌などにより提供されてきている。そのいくつかを紹介するが、ということはテレビや新聞から情報を得ていては、価値ある情報に接することができないということだ。
まず孫正義さんの「東日本にソーラーベルト地帯を」(『世界』6月号)は注目すべき事実が記されている。3・11の事故のあと、孫さんは原発についていろいろ調べたそうだ。そして原発がなくても日本の電力供給は大丈夫であることなどを知り、自然エネルギーの利用のために私財をなげうとうとしている。
ついでにこれに関して今日の『中日新聞』の社説。東京電力の不誠実を事実をあげて批判している。こういう東電を救済しようという政府の賠償支援策は、東電と利害を共通する銀行業界が原案を作成したそうだが、とても認めることはできない。河野太郎氏が言うように、東電の財務状況などすべてを精査することがまず必要だろう。
夏の節電 見逃せぬ東電の不誠実
東日本大震災で東京電力の福島第一原発をはじめ、発電能力が大きく損なわれた。節電は今夏の国民的課題だ。しかし、その前提となる電力の供給能力など、東電の情報公開は誠実さを欠いている。
菅政権は東京電力と東北電力管内の今夏のピーク電源の削減目標を、企業や商店、家庭ともに前年比一律15%とすることを決めた。 当初案は消費量に応じて15~25%の目標を割り当てたが、被災した火力発電所の復旧などによって供給力の増強にめどがつき、目標を引き下げた。
東日本大震災では福島第一原発が発電機能を失い、東北電力は宮城・女川原発などの四基すべてが運転停止に追い込まれた。火力発電所の損傷も広範囲に及んだ。この夏は企業、家庭を問わず、徹底した節電が求められている。
ところが、東電は出力三百八十万キロワットの福島県・広野火力発電所が復旧し、今夏の予想ピーク需要、五千五百万キロワットの供給確保に見通しがついたのに、国会議員らにはそれを伝えながら、肝心の消費者にはだんまりを決め込んだ。
供給確保の情報を表に出さず、電力不足を大々的にキャンペーンすることで、脱原発を牽制(けんせい)したと受け取られても仕方がない。
中部電力は菅直人首相の要請で東海地震の推定震源域の真上にある浜岡原発を全面停止し、東電への七十五万キロワットの支援打ち切りを決めた。東電は少しでも多くの電力を確保しておきたいところだが、あっさりと受け入れ、しばらくの間供給力回復に口をつぐんだ。
日本には五十四基の原発があり、今や半分以上の三十二基が止まったままだ。原子炉停止はさらに増える見通しで「脱原発」と見まがう光景が目撃されるだろう。
原発の安全神話が崩れると、一転して「想定外だった」と釈明する東電などの電力業界に、原発銀座と呼ばれる福井県に加え、新潟、島根県などの自治体は不信感を募らせ、定期点検などで休止している原子炉の再稼働を「現時点では認められない」と拒んだ。
国民は電力供給の窮状を感じ取り、愚直に節電に努めている。エアコンに比べ消費電力が格段に少ない扇風機が爆発的に売れている現実を見れば、それは容易に想像できる。
電力の供給状況を消費者に誠実に伝え、大停電を招かぬための節電に協力を求めることこそが筋ではないのか。電力業界の顧客でもある国民を侮っては、逆風が一段と強まることを知るべきだ。
菅政権は東京電力と東北電力管内の今夏のピーク電源の削減目標を、企業や商店、家庭ともに前年比一律15%とすることを決めた。 当初案は消費量に応じて15~25%の目標を割り当てたが、被災した火力発電所の復旧などによって供給力の増強にめどがつき、目標を引き下げた。
東日本大震災では福島第一原発が発電機能を失い、東北電力は宮城・女川原発などの四基すべてが運転停止に追い込まれた。火力発電所の損傷も広範囲に及んだ。この夏は企業、家庭を問わず、徹底した節電が求められている。
ところが、東電は出力三百八十万キロワットの福島県・広野火力発電所が復旧し、今夏の予想ピーク需要、五千五百万キロワットの供給確保に見通しがついたのに、国会議員らにはそれを伝えながら、肝心の消費者にはだんまりを決め込んだ。
供給確保の情報を表に出さず、電力不足を大々的にキャンペーンすることで、脱原発を牽制(けんせい)したと受け取られても仕方がない。
中部電力は菅直人首相の要請で東海地震の推定震源域の真上にある浜岡原発を全面停止し、東電への七十五万キロワットの支援打ち切りを決めた。東電は少しでも多くの電力を確保しておきたいところだが、あっさりと受け入れ、しばらくの間供給力回復に口をつぐんだ。
日本には五十四基の原発があり、今や半分以上の三十二基が止まったままだ。原子炉停止はさらに増える見通しで「脱原発」と見まがう光景が目撃されるだろう。
原発の安全神話が崩れると、一転して「想定外だった」と釈明する東電などの電力業界に、原発銀座と呼ばれる福井県に加え、新潟、島根県などの自治体は不信感を募らせ、定期点検などで休止している原子炉の再稼働を「現時点では認められない」と拒んだ。
国民は電力供給の窮状を感じ取り、愚直に節電に努めている。エアコンに比べ消費電力が格段に少ない扇風機が爆発的に売れている現実を見れば、それは容易に想像できる。
電力の供給状況を消費者に誠実に伝え、大停電を招かぬための節電に協力を求めることこそが筋ではないのか。電力業界の顧客でもある国民を侮っては、逆風が一段と強まることを知るべきだ。
孫さんの文に戻る。
「IAEAの基準による土壌調査は、表層部分1~3㎝を1立方メートル採取してベクレル/㎡で表示しますが、日本は表面から約5㎝掘り下げて、ベクレル/㎏で提示しています」
この事実はすでにネットでは流されていたが、マスメディアは伝えない。ついでに、毎日の新聞にはそれぞれの地域の放射線量が報じられるが、通常は地上から1㍍の高さで測るのだが、なぜか18㍍の高さで計測しているという。とにかく放射能被害を少なく見せようという姑息な姿勢が貫徹している。ついでに文科省が発表した福島県の土壌汚染の地図(もうそのアドレスはこのブログで紹介したが・・・。http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/__icsFiles/afieldfile/2011/05/06/1304694_0506.pdf
だが文科省のHPからさがそうとしても、どこにあるのかわからない。チェルノブイリ原発事故の時避難地域とされたところよりも高汚染地域が福島県にあるので、隠そうとしているとしか思えない。
また戻る。孫さんはアメリカでは、太陽光発電と原発の発電コストが昨年クロスしたことが指摘されている。つまり太陽光発電のコストはどんどん低くなっているのに、原発の発電コストはどんどん高くなっているというのだ。だから世界的には、原発の建設は下火になっていることを指摘している。
さらに『週刊金曜日』の昨日届けられた号には、伊藤千尋(朝日新聞記者、朝日新聞にも少しは良心的な人がいるのです。)さんのオーストリアの憲法の話が記されている。何とオーストリアでは、憲法で核兵器の製造・貯蔵・運搬はいうまでもないが、原発の製造・稼働も禁止しているというのだ。「日本政府が戦争放棄の憲法をなし崩しにしてきた間に、オーストリアでは核エネルギーの拒否まで憲法に明記した」のである。そうした政策を確定させたのは、市民たちだ。「今やオーストリアは、反原発の分野で世界の平和運動を主導する。もちろん日本のはるか先を行く」。
こういう事実は、新聞テレビからは得られない。情報は座視していてはダメで、積極的に得ようという努力が必要なのだ。どういう知識が重要なのか、それを選択できる力をつけよう。