「森万里子展/宮本隆司展/青木陵子展」 上野・馬喰町(SCAI/TARONASU/FOIL)

SCAI台東区谷中6-1-23
「森万里子 - フラットストーン」
9/8-10/3(会期終了)



SCAIでは3年ぶりとなる森万里子の個展。日本未発表を展示する。森というとSCAIの前回展で見た巨大な円柱形の「トムナフーリ」を思い出すが、今回はむしろ床面を用いての広がりを意識させる平面的な作品を展開していた。白いセラミック製の薄い板がまるで庭石のように連なり、中央には縄文土器のような透明のオブジェが置かれている。その透き通った素材はガラスを想像させるが、実際には樹脂で出来ていた。イメージはやはり縄文時代の環状列石に由来しているとのこと。個人的には中で光が点滅していたトムナフーリの方が印象に深かった。

TARONASU千代田区東神田1-2-11
「宮本隆司 - 草・虫・海」
9/18-10/17



ピンホールカメラを用いて捉えた海の景色と、一方でのモノクロームで虫や鳥などをシャープに写した写真が奇妙に調和している展覧会。冒頭の海の写真は直島を写しているらしい。中心点から円形状に拡散するかのようにして広がる藍色の海は、3mにも及ぶという作品自体の大きさもあってか、なかなか迫力があって美しかった。またモノクロの連作は『黒』よりも、被写体を切り取る『白』にこそ魅力がある。まるでバックライトを当てているかのように光り眩しく輝いていた。影絵を見ているようだ。

FOIL GALLERY千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル201)
「青木陵子展」
9/11-10/10



繊細な刺繍のようなドローイングを描く青木陵子の個展。と言っても、単に作品が壁に並んでいるのではなく、粘土や木などの立体が時に床に置かれたりするなど、女の子の部屋のような可愛らしいムードを演出したインスタレーション展に近い。ドローイングは方眼紙やメモ帳、それにノートの切れ端など、身近な素材を用いて描かれていた。ラフな雰囲気の居心地は決して悪くない。
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