2021年5月に見たい展覧会【川瀬巴水展/イサム・ノグチ/近代日本洋画の名作選展】 

4月末に発出された新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言によって、現在、東京を中心に多くの美術館と博物館が臨時休館しています。少なくとも首都圏では昨年と同様、いわゆるステイホームのゴールデンウィークを迎えました。



新型コロナウイルスへの対応に伴う「美術館・博物館」休館情報 第十二報(4月30日、一部情報更新。)

宣言の発出期間は5月11日までとされているものの、同日に解除される見通しは極めて不透明です。しかしながらここでは仮に5月半ばまでに解除され、美術館が再開するとして、見に行きたい展覧会をリストアップしてみました。

【展覧会】

・「さまよえる絵筆―東京・京都 戦時下の前衛画家たち」 板橋区立美術館(3/27~5/23)
・「松平不昧 生誕270年 茶の湯の美」 出光美術館(4/13~5/23)
・「まちへ出よう展 ~それは水の波紋から始まった」 ワタリウム美術館(2/7~6/6)
・「藤田道子 ほどく前提でむすぶ」 茅ヶ崎市美術館(4/3~6/6)
・「彩られた紙―料紙装飾の世界」 大倉集古館(4/6~6/6)
・「マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界」 目黒区美術館(4/21~6/6)
・「クールベと海展―フランス近代 自然へのまなざし」 パナソニック汐留美術館(4/10~6/13)
・「荒井寿一コレクション 川瀬巴水展」 平塚市美術館(4/24~6/13)
・「建物公開2021 艶つやめくアール・デコの色彩」 東京都庭園美術館(4/24~6/13)
・「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話」 世田谷美術館(3/20~6/20)
・「現代日本画の系譜-タマビDNA展」 多摩美術大学美術館(4/3~6/20)
・「オムニスカルプチャーズ―彫刻となる場所」 武蔵野美術大学美術館(4/5~6/20)
・「ストーリーはいつも不完全……色を想像する ライアンガンダーが選ぶ収蔵品展」 東京オペラシティ アートギャラリー(4/17~6/20)
・「MUCHA(ミュシャ) グラフィック・バラエティ」 うらわ美術館(4/17~6/20)
・「冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重」 江戸東京博物館(4/24~6/20)
・「百花繚乱―華麗なる花の世界―」 山種美術館(4/10~6/27)
・「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展 美しき棺のメッセージ」 Bunkamuraザ・ミュージアム(4/16~6/27)
・「糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。」 横須賀美術館(4/24~6/27)
・「茶箱と茶籠」 三井記念美術館(5/1~6/27)
・「近代日本洋画の名作選展 ひろしま美術館コレクション」 そごう美術館(5/15~7/4)
・「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」 府中市美術館(5/22~7/11)
・「新・晴れた日 篠山紀信」 東京都写真美術館(5/18~8/15)
・「イサム・ノグチ 発見の道」 東京都美術館(4/24~8/29)
・「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 アーティゾン美術館(2/13~9/5)
・「フジタ―色彩への旅」 ポーラ美術館(4/17~9/5)
・「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 森美術館(4/22~9/26)

【ギャラリー】

・「青木野枝個展 Mesocyclone」 ANOMALY(4/17~5/22)
・「TDC 2021」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(4/1~5/29)
・「田原桂一 表現者たち -白の美術館」 ポーラ ミュージアム アネックス(4/28~5/30)
・「野田裕示 100の庭」 ザ・ギンザ スペース(5/10~5/30)
・「オリガミ・アーキテクチャー 一枚の紙から世界の近現代建築を折る」 ギャラリーA4(4/9~6/3)
・「MIROIRS – Manga meets CHANEL / Collaboration with 白井カイウ&出水ぽすか」 シャネル・ネクサス・ホール(4/28~6/6)
・「JAGDA新人賞展2021 加瀬透・川尻竜一・窪田新」 クリエイションギャラリーG8(5/11~6/16)
・「菅木志雄 集められた<中間>」 小山登美夫ギャラリー(5/22~6/19)
・「エキシビジョン・カッティングス マチュウ・コプランによる展覧会」 メゾンエルメス(4/23~7/18)

まずは日本美術からです。大正から昭和にかけて活動した版画家、川瀬巴水の展覧会が、平塚市美術館にて開催されています。



「荒井寿一コレクション 川瀬巴水展」@平塚市美術館(4/24~6/13)


これは人気の風景版画だけでなく、本の装丁や雑誌の表紙などを網羅した荒井寿一の巴水コレクションを紹介するもので、資料を含めると約270点超の作品が展示されます。巴水に関しては今秋にもSOMPO美術館で回顧展が控えていますが、先取りして見ておきたい内容と言えるかもしれません。

続いては東京都美術館です。「イサム・ノグチ 発見の道」が開かれています。



「イサム・ノグチ 発見の道」@東京都美術館(4/24~8/29)

アメリカ生まれの彫刻家のイサム・ノグチは、後年に香川県高松市の牟礼町にアトリエを構えると、拠点としていたニューヨークと行き来しながら多様な制作に取り組んでいました。


その牟礼に残された彫刻群が東京へやって来たのが「イサム・ノグチ 発見の道」で、国内外の彫刻、及び「あかり」によるインスタレーションなどが展示されます。なお牟礼の一連の石彫が同所以外でまとめて公開されたのは、1999年のイサム・ノグチ庭園美術館開館以降、初めてのことになります。

同展は既に4月24日に開幕したものの、緊急事態宣言の発出を受けて、僅か開催1日後の25日に臨時休館となってしまいました。再開を心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。

ラストは近代日本洋画の展覧会です。横浜のそごう美術館にて「近代日本洋画の名作選展 ひろしま美術館コレクション」が行われます。



「近代日本洋画の名作選展 ひろしま美術館コレクション」@そごう美術館(5/15~7/4)

1978年、広島銀行によつて設立されたひろしま美術館には、印象派を中心とするフランス近代絵画と日本の洋画や日本画がコレクションされ、多くの人々の目を楽しませてきました。


今回のコレクション展では日本の洋画に着目し、藤島武二、青木繁、それに佐伯祐三や鴨居玲などの約70点が絵画が公開されます。私も過去、一度ひろしま美術館を訪ねたことがありますが、優品揃いで大変に心を惹かれました。また改めて横浜の地でじっくり見入りたいと思います。

それでは今月もどうぞ宜しくお願いします。
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