山種美術館にて「奥村土牛 ―山﨑種二が愛した日本画の巨匠 第2弾―」が開催されています

生涯にわたって院展で活動し、近・現代を代表する日本画家の1人である奥村土牛の回顧展が、東京・広尾の山種美術館にて開かれています。



その「奥村土牛 ―山﨑種二が愛した日本画の巨匠 第2弾―」について、WEBメディアのイロハニアートに寄稿しました。

「生きた絵を描きたい」 4つの時代を生き、ひたすら実直に絵を描き続けた日本画家、奥村土牛の魅力:イロハニアート

1889年に生まれた奥村土牛は、38歳の遅咲きにて院展に初入選すると、戦前から戦後にかけて一貫して身近な生き物や風景を瑞々しい色彩を伴って描きました。


奥村土牛「兎」 昭和11年 *会期中の撮影が可能です。

その画風は初期から晩年にいたるまで大きく変化することなく、2つの戦争を経験したことを感じさせないほどおおらかでかつ情感に満ちた魅力をたたえています。

土牛は山種美術館の創設者である山﨑種二と深く交流し、種二も土牛に協力を惜しまなかったことから、全国屈指といえる土牛の充実したコレクションが築かれました。

同館にて土牛が公開される機会は少なくありませんが、今回は「醍醐」や「鳴門」といった代表作を含む69点の全出品作が土牛で占められています。私も三番町時代の山種美術館にて土牛の絵画に初めて出会い、とても好きになりましたが、改めて画家の真摯な制作に胸を打たれるものがありました。

さていわゆるコロナ禍においてさまざまな取り組みを行なってきた山種美術館ですが、いまもオンラインでのコンテンツを発信しています。

【オンライン講演会】山下裕二氏が語る 「私が好きな山種コレクション

第1回「江戸絵画と浮世絵」2021年8月14日(土)14:00~15:30 アーカイブ販売中
第2回「東京画壇の日本画」2021年12月11日(土)14:00~15:30 ライブ販売中
第3回「京都画壇の日本画」2022年2月13日(日)14:00~15:30 ライブ販売中

まずは同館の顧問の山下裕二先生のオンライン講演会です。第2回目に当たる「東京画壇の日本画」のライブ放送が、2021年12月11日(土)に開かれます。(第1回もオンライン発売中)

オンライン展覧会【開館55周年記念特別展】奥村土牛 ―山﨑種二が愛した日本画の巨匠 第2弾―

また展示作品の図版とパネルやキャプションに加え、奥村土牛のことばを収録したオンライン展覧会も同時に開催中です。

【オンライン販売】2022年オリジナルカレンダーほか新商品のご案内

図録やグッズを購入できるオンラインショップでは、新たに「山種コレクション名品選」2022年カレンダーとステーショナリーグッズ8点セット(限定50セット)の販売がはじまりました。四季にまつわるコレクションを掲載したカレンダーに関しては毎年定評がありますが、オンラインショップ上で各月の絵柄を確認することも可能です。


山種美術館は現在、感染症予防対策を強化した上で、10時〜17時(月曜休)に開館しています。奥村土牛展の会期も1ヶ月近くを経過しましたが、今のところ大きな混雑は発生していません。「土牛の美術館」ならではの優品をゆったりと楽しめる良い機会となりそうです。

「奥村土牛 ―山﨑種二が愛した日本画の巨匠 第2弾―」は2022年1月23日まで開催されています。

「奥村土牛 ―山﨑種二が愛した日本画の巨匠 第2弾―」 山種美術館@yamatanemuseum
会期:2021年11月13日(土)~2022年1月23日(日)
休館:月曜日。ただし12/27(月)、1/3(月)、1/10(月・祝)は開館。1/11(火)は休館。12/29~1/2は年末年始休館。
時間:10:00~17:00
 *入館は16時半まで。
料金:一般1300円、大・高生1000円、中学生以下無料。
 *きもの割引:きもので来館すると一般200円引、大学生・高校生は100円引。
 *オンラインチケットあり。
住所:渋谷区広尾3-12-36
交通:JR恵比寿駅西口・東京メトロ日比谷線恵比寿駅2番出口より徒歩約10分。恵比寿駅前より都バス学06番「日赤医療センター前」行きに乗車、「広尾高校前」下車。渋谷駅東口より都バス学03番「日赤医療センター前」行きに乗車、「東4丁目」下車、徒歩2分。
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