『WHERE OCEANS MEET マベル ポブレット展』 シャネル・ネクサス・ホール

シャネル・ネクサス・ホール
『WHERE OCEANS MEET マベル ポブレット展』 
2023/3/1~4/2



シャネル・ネクサス・ホールで開催中の『WHERE OCEANS MEET マベル ポブレット展』を見てきました。

1986年に生まれたアーティスト、マベル・ポブレットは、キューバ人としての自らのアイデンティティや世界との関係などを問い直すべく作品を手がけ、写真や映像、キネティックアートやパフォーマンスなどにて多様に表現してきました。



そのポブレットの新作を中心としたのが『WHERE OCEANS MEET』と題する個展で、会場には海や水をテーマにしたさまざまな作品が1つの物語を紡ぐかのように展示されていました。



まず目を引くのが「My Autumn」シリーズと題する作品で、青を基調とした円い支持体には人のすがたを思しきイメージが浮かび上がっていました。

また1つ1つの作品はピラミッド状の折り紙が無数に組み合わされていて、遠目では想像も付かないような素材で出来ていることが分かりました。



一連の「My Autumn」のシリーズからさらに先へと進むと登場するのが、作品の中へと入ることのできる『ISLAS』(Homelandシリーズより)と呼ばれるインスタレーションでした。鏡面に囲まれた空間には小さな鏡と海の写真の断片が無数に吊るされていて、かき分けて歩いていると海の奥底へと沈み込むような体験を得ることができました。



『ISLAS』と同じ「Homeland」シリーズの『NON-DUALITY』は、青く塗られたキャンバスの上に何百もの小さな花々がピン留めされた作品で、いずれもプラスチックにて作られていました。



このほか自身の旅の写真を用いて制作され、7つの円形作品で構成された「Travel Diary」のシリーズも美しく映えていたかもしれません。



ポブレットは鏡や海のイメージの断片を用いつつ、キューバでは身近な移民たちの人生を寓話的に表現していて、そこからは自然や生命、とりわけ移民をはじめとする人々へのオマージュも見ることができました。



鏡面を多用した展示空間そのものも魅力的だったかもしれません。それぞれの作品が鏡へ映り込みつつ、互いに響き合っていました。


キューバの気鋭アーティスト、マベル ポブレットが表現する海や生命へのオマージュ|Pen Online

撮影も可能です。4月2日まで開催されています。

『WHERE OCEANS MEET マベル ポブレット展』 シャネル・ネクサス・ホール
会期:2023年3月1日(水)~4月2日(日)
休廊:会期中無休。
料金:無料。
時間:11:00~19:00。 
 *最終入場は18:30まで。
住所:中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A13出口より徒歩1分。東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅5番出口より徒歩1分。
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