「みる」、「よむ」、「つくる」など多様なコンテンツで楽しむ「おうちでポーラ美術館」

「モネとマティス―もうひとつの楽園」の開幕を延期し、臨時休館中のポーラ美術館が、動画の閲覧や塗り絵などを自宅で楽しめるコンテンツ、「おうちでポーラ美術館」を展開しています。



「おうちでポーラ美術館」
https://www.polamuseum.or.jp/enjoyathome

「おうちでポーラ美術館」の主なコンテンツは4つで、まずは「みる」と題し、前回展の「シュルレアリスムと絵画」や、過去に行われた「モディリアーニを探して-アヴァンギャルドから古典主義」展などのギャラリートークの動画を公開していました。



中でも「シュルレアリスムと絵画」展が充実していて、1から4までの各Chapterを、学芸員の方が5分から10分ほどで丁寧に解説していました。また例えばダリの作品では、「何に見えますか?」など観客に問いかけつつ、身振り手振りで作品のイメージを紹介していて、とても引き込まれるものを感じました。それこそワンツーマンでお話を聞いているような感覚を覚えるかもしれません。



さらに「みる」の「じっくり見よう」のコーナーでは、同館でも有数の化粧道具のコレクションの中から、19世紀の貴重な化粧ケースなどを手で取り出す様子を紹介していて、美術館で実物を見るのとは異なった鑑賞体験を得ることも出来ました。

続く「読む」では、マンガや人物相関図などで、モディリアーニやルドンの人となりや同時代と後世への影響関係などを紹介していて、より親しみやすく画家に接しているような気持ちにさせられました。



またここでは過去の展覧会のコンテンツから、印象派画家のプロフィールや作品の紹介、シュルレアリスム絵画に登場する用語の解説、あるいは美術における女性のファッションの変遷などについてもWEBにてまとめられていました。中でもモディリアーニを中心としたエコール・ド・パリの画家の足跡を、Googleマップのストリートビューを利用して読み解く、「エコール・ド・パリの画家たちが過ごしたパリ」も面白いのではないでしょうか。ゴッホの「アザミの花」などの絵画を拡大して筆触を分析した、調査レポートも興味深いものがありました。



そして「つくる」では、モネの「睡蓮の池」などの塗り絵をダウンロードして楽しめる他、「親子で楽しもう」として、マティスの切り絵の制作プロセスを辿るアニメーション動画も公開されていました。



ラストが「ポーラ美術館を知る」で、過去に同館で行われた宿泊イベントの動画や、美術館のイントロダクションムービーを閲覧することが出来ました。



木漏れ日の差し込む森の遊歩道の動画を見ていると、私も以前に「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」を見た際、スーザン・フィリップスの「ウインド・ウッド」のサウンドインスタレーションが、森の中の鳥のさえずりや小川の流れる音と一体になって響いていたことを思い出しました。


もちろん再び森林浴を楽しみながら、日本と西洋絵画の名品を鑑賞出来ることを願ってやみませんが、しばらくは「おうちでポーラ美術館」で、ポーラ美術館のコレクションを愛でるのも良いかもしれません。

「モネとマティス―もうひとつの楽園」 ポーラ美術館@polamuseumofart
会期:2020年4月23日(木)~11月3日(火・祝)  *開幕延期、臨時休館中。
休館:会期中無休。
時間:9:00~17:00 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1800(1500)円、65歳以上1600(1500)円、大学・高校生1300(1100)円、中学生以下無料。
 *( )内は15名以上の団体料金。
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
交通:箱根登山鉄道強羅駅より観光施設めぐりバス「湿生花園」行きに乗車、「ポーラ美術館」下車すぐ。小田急線・箱根登山鉄道箱根湯本駅より箱根登山バス「ポーラ美術館」(桃源台線)行きに乗車、「ポーラ美術館」下車すぐ。(所要時間約40分)有料駐車場(1日500円)あり。
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