「しきのいろ 志村ふくみ・洋子×須田悦弘」 ザ・ギンザ スペース

ザ・ギンザ スペース
「しきのいろ 志村ふくみ・洋子×須田悦弘」 
2020/1/24~3/22



ザ・ギンザ スペースで開催中の「しきのいろ 志村ふくみ・洋子×須田悦弘」を見てきました。

草木染の人間国宝である志村ふくみと、母と同様に染織の世界に入り、芸術学校「アルスシムラ」を主宰する娘の洋子は、「織物に新たな美と活力を見出す」(公式サイトより)べく様々な創作を行ってきました。

その志村親子と木彫作家の須田悦弘がコラボレーションしたのが、「しきのいろ」と題した展覧会で、志村の染織インスタレーションと須田の草花を象った作品を展示していました。



ため息が漏れるほどに美しいインスタレーションとはこのことを指すのかもしれません。志村ふくみと洋子は、会場中央に、四角いフレームからなる「ひかりの茶室」を設置し、赤や緑、黄色から青などの多様な色の糸を四方から張り巡らせては、「しき」、すなわち四季の移ろいを表していました。



あまりに繊細なゆえに写真ではうまく分かりませんが、何本もの糸が壁の上から帯を描くように伸びては、フレーム上で屈曲し、あたかも滝のような筋を落としていて、立ち位置によって変化する色を見ることが出来ました。



また楕円形の吹き抜けの構造、あるいは天井のミラーを活かし、上下に作品が連なるように映っていて、もう1つの同じ作品が上に設置されていると見間違うほどでした。



それぞれの糸は、藍やクチナシ、カラスノエンドウ、それによもぎなどの春の野草などで染められていて、あたかも七色に変化する虹のように光を放っていました。



一方で超絶的な木彫で知られる須田悦弘は、木彫の草花の作品を4点ほど出展していました。



いずれも春夏秋冬に咲く「椿」、「コヒルガオ」、「露草」、「菊」を1本ずつ象っていて、資生堂の小さな瓶へ生け花のように見せていました。



須田といえば、時に草花の彫刻などを隙間へ挿し込むように展示することもあり、さながら宝探しのように愛でる楽しみ方もありますが、今回は1輪1輪の作品が各展示台の上に何ら隠されることなく置かれていました。

シンプルな展示ではありますが、何やら姿勢を正して見るかのような、凛とした佇まいを感じました。



「布を織る前の糸の状態の時の色が最も美しい」 志村ふくみ・洋子

会場のザ・ギンザ スペースは、銀座コアの裏手、あづま通りに面した銀座青月堂ビル地下2階に位置します。ワンフロアの小さなスペースで、ビル正面入口の階段、及びエレベーターで入場することが出来ます。



周辺には資生堂ギャラリーをはじめ、GINZA SIX内蔦屋書店の「THE CLUB」など、多くのギャラリーが存在します。銀座界隈へのお出かけの際に立ち寄るのも良いかもしれません。

「夢もまた青し 志村の色と言葉/志村ふくみ 志村洋子 志村昌司」

3月22日まで開催されています。

「しきのいろ 志村ふくみ・洋子×須田悦弘」 ザ・ギンザ スペース
会期:2020年1月24日(金)~3月22日(日)
休館:2月17日、3月16日。
時間:11:00~19:00。
料金:無料
住所:中央区銀座5-9-15 銀座清月堂ビルB2F
交通:東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅より徒歩3分。東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅より徒歩3分。
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