高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

震災支援をふりかえって(6) ワーキングネットという概念

2013-07-03 07:15:48 | 震災支援・脱原発・環境問題
◆ワーキングネットという概念

 有用有効なネットワークは初めから存在しない、状況に応じて徐々に編みこまれ張り巡らされるべきである。これをワーキングネットと称している。

「現在より状況が改善されるベターを求めて、今できることを各自が判断して実行する。しかし、協働の大切さを忘れてはならない」これが、ねおすの行動規範である。それができるようになることが、ねおすの人材育成の目標である。今回の支援初動では、まずは個人が事態に対応する初動を開始し、ねおす組織内において各人の特性を生かした連携が事態に応じながらバックアップされた。支援体制は綿密な話し合いが行われ構築されたのではない。状況に応じて連携を深めてゆくワーキングネット・Workig-NETと呼ぶ手法が実行され、連続的に支援車を現地に送り込む体制が数日の内にできた。

 第1陣はテント生活、第2陣は遊休施設を探し、地域からの信用を作り出し、第3陣は施設を借り、物資の供給を中心支援活動としつつ、3/19には被災者児童のケア活動も開始した。テントから地域施設に拠点を移すまでをわずか1週間で成し遂げたことは、これまで私達が北海道各地で実践してきた地域活動のWorking-NETのノウハウが応用できたことに他ならない。

 その後は、被災者のニーズ調査、周辺集落状況把握、他NPOと連携、物資配送の体制づくりを行い、3月末には独自のボランティアセンターを立ち上げた。そして北海道や全国からやってくる数多くのボランティアの受け入れも独自に開始した。

 NPO活動がまだ希な釜石市にとっては、社会福祉協議会を通さない災害支援ボランティア活動が始まったこと自体がとても珍しいことであった。物資提供、瓦礫の撤去作業、洗濯もできる場づくり、被災者同士・ボランティアともお茶を飲みながら交流ができる、「青空喫茶」の開店、地域住民と協働し高齢者のディケア活動等、広く生活一般への支援を本格化し、「今、目の前にある問題解決」を行い、スタッフが交代しながら徐々に地域との信頼関係を築いて行った。それと同時に地元支援団体との連携、北海道を始め各地からやってくる支援団体の活動場所の調整手配も実施した。

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