ヘリコプターの音、鳴り始めるBGM。
BGMの穏やかな曲調が、
ヘリに纏わる記憶へと思いをはさせていく折木へ興味を惹かせていく導入として美しく、
ちょっとワクワクさせられました。
風景を見ながら、記憶の中の風景に没頭していくようなところに身近な雰囲気もあって見やすかったなと。
以前は曲で意識させられるのはクラシック、
G線上のアリアとか使ってたのが印象深いですが、
こういう導入のBGMにどこか日常感、安心感もあり、心地良いです。
ヘリなんかは映画けいおん!の飛行機に続き良い感じでしたが、
やっぱメカ回は北之原さんでっていうかんじなんでしょうか。
しかし、しいたけかぁ。
どうせなら京アニでイリヤリメイクでもやってくれないかな、など。
文句しか言わなそう。
それか良かったね探ししかしない。
真実と嘘の二元論。
思考の行き来と崩壊の思考の転換っていう意味合いを追うのが楽しいかな。
雰囲気を作りつつ、
それを破壊することで推理シーンというキメをも崩し、
その先にあるものに興味が引かれる。
最早お約束、とも言える光の対比。
奥は男が自転車に乗ってきて、手前は千反田が自転車に。
しかし対比として奥の2人と手前の折木たちの関係は、
そう相違ないようなもののように思える。
当たり前のような日常を反復する風景。
その中で千反田の自転車を意識してしまい、
先に行かせてしまう折木のうぶさっていうのが味わい深いものなのかなと思ったり。
千反田がお辞儀して自転車を押していく辺りとか可愛いな。
今回はシンメトリーじゃないですが、
そういうのを意識させる画、
画面を右左で構造物と空間とかで割るようなとこに少し意識がいったかな。
向日葵のステンドグラス?なのかな。
これ狙ってやってるのかーと思うと、
武本監督作っていうイメージの延長にあるものなのか、
と思わず意識してしまいます。
学校の内装なんかはカクカクしてるので、
曲線を意識させる受付カウンターがどこか新鮮だったな。
円柱の柱とか、曲線を意識させられる感じがそう思わされるのかなと。
シンメトリーと外からのショット、そして鳴り始めるBGMの不穏さ。
2人だけの世界を強調しながら、
今まで続けていた外を見せる、窓の外を見せるショットから一転し、
今度は外から2人を見せることで第三者の視点っていうのを意識させられ、
鳴り始めるBGMがその視点の不気味さを追い立てる、ちょっと怖いシーン。
アバンからちょっと反転してるようなイメージのシーンかなという感じ。
しかし折木の推理を聞きながら図書館全体の空間を見せていくことで、
狭いと思われた空間の緊張が解けていって、
謎が氷解していく流れに安心して身を任せられる流れになっていたかなと。
そして折木が見た先生の表情は笑っていた、
といい流れになるのかと思いつつ、
BGMの醸し出す雰囲気のせいか、
残酷な結末が待っているこのシリアスさにまたゾクリとさせられます。
今回は折木の視点を扱いながら俯瞰でキャラを見せる場面なんかも多かったですが、
最後はヘリと折木とを見せながら、
ヘリに対するイメージ、先生に対しての折木のイメージっていうのを意識させる、
そういう折木の中の記憶とのやり取りを印象的に見せてくれていて良かったです。
遠くを見る、ヘリを見る、というイメージが折木の記憶を喚起し、
その中での現在の問題を並列させる。
記憶と現在とのすり合わせをしていく折木の誠実さがまた眩しく、
そうした記憶のやりとりっていうのがまた個人の心象のあり方として綺麗に見えてGOODだったなと。
そして反復される1話での交差点上の折木。
ここがやはりポイントとなる地点なんでしょうかね。
今回は千反田を見送る折木というのが強調されてますが、
自転車に乗る千反田と一緒に歩む道はあるのかな、とか。
今回の去り際の千反田はまた雰囲気が違っていて印象的だったな。
最近は名前をまだちゃんと覚えてない方が原画にいらっしゃるんで、
そういう方々の手によるところなのかなーという意識で観てたり。
耳を見よう。
脚本:芦田杉彦
絵コンテ・演出:北之原孝將
作画監督:丸木宣明
いやぁ、氷菓の中ではかなり好みな話数だったかも。
やっぱ北之原回はいいっすねぇ。
脚本の芦田さんは7話とか折木×千反田っていうのを強く意識させる回やってらっしゃるんですね。
今回見てると新聞だったり何だったり、
文字とかフォントなんかも結構色々種類を使われてるのかなと考えてしまったりとか。
あと同ポなんかも多くて省略的な意味合いも結構あったのかなーと見てて思ったり。
他にはやっぱヘリと折木、窓からの風景と空からの視点とか、
それぞれの繋がりを意識させられるカメラワークが気にかかったかなと。
こういう話のテーマの意識の付け方が良いのかな、みたいな。
というわけで北之原回。
今回はkanonを思い出すような話数だったなぁ。
最後の信号のでのやり取りとか、遭難事故の居た堪れなさだとか、
折木の記憶の引っ掛かりとして残るヘリの輝き方だったりだとか。
kanon 21話 を語る
北之原さんの持ち味であるシリアスさが味になっててGOODだったなぁ、と。
やっぱこういう回を見るとテンション上がりますね。
あとこうやって古いタイトル、作品を意識させられるのが氷菓、
武本監督なのかなという意識でもあるのかなという気がしないでもない。
個人的にはやっぱ日常、氷菓の北之原回好きですね。
またCLANNADみたいに堀口さんと一緒に暴れてるところも見たいなと。
自分は氷菓から中二病に既に意識が向きつつあるんですが、
最後にこの作品がどういうところに着地するのか、楽しみです。
確かに。その辺はちょっと気にしておきたい感じですね。
折木と千反田の関係がやはり焦点になってきそうな気がしますし。