今回は水上VS小路を肴に龍守さんを見せるような感があったかな。
冒頭かららしさを感じる。
アバンで本編の水泳勝負を先出ししたり、
原作の見せ方を尊重していたのが気になる感じ。
今回の話数、話の思想的には水上、キャラクター愛は龍守、
しかし主人公は小路っていう前回より更に多層的に盛り込んだ回だったように感じたな。
空間を見せる絵っていうのが若干新鮮に感じたな。
廊下の先の窓が見える立体的な組み合わせは面倒そう。
小さい龍守さんを象徴するような1カット。
こういう視点の在り方から演出のらしさを感じてしまう感じ。
谷川さんと並ぶと№2という意味合いも感じつつ、
さらに小ささを感じてしまう。
今回の話で言えば龍守さんは敗戦後なので、
敗者としてのあり方が小路と対比される存在という感じで、
キャラクター性が強く出ていたような感じでしたね。
空間を見せるようであったり平面的であったり。
今回はカメラの位置が壁ぶち抜き的で、
リアルなカメラ位置とは若干異なっていたのかなという感じ。
原作の謎の龍守さんの動きをアニメで取り入れているのいいですね。
手のりタイガー監督に任せたくなる気持ちがわかるというか。
前回の話数を下敷きにするなら外からのショットで、
2人が対立するっていうのを印象付けているのは気になる感じ。
7話は外からで今回は廊下側っていう違いがありますが、
前回の話数を受けているとちょっと気になりますね。
監督のアイディアであったりするのかな。
色んなところにカメラを向けるなと思いながら、
侵入してくる足にハッとさせられる。
学校の雰囲気を見せてるのかなという予想を裏切る水上という女生徒、強い。
下方から上から目線を発して図星をつかれ慌てふためく。
教壇からみんなを見下ろすような上から目線でいったけど、
水上さんという今話数の圧倒的強者に見事に返り討ちに合う。
眼鏡で目を見せないという内面を隠すというのが、
見事に見透かされたことの裏返しで、
そういう龍守さんに集中している感じが良いですね。
龍守さんって真面目なんやな、
で切り返しで水上さんの主観かと思いきや下からのアングル。
図星を突かれたのとは違う、
龍守さんの繊細な部分に触れたことがわかるような透き通った目。
上から目線なのに下からというえぐる様な視点の返しが印象的ですね。
嫌われることも厭わない水上さんの言葉に反応する。
龍守さんの戸惑いをあおりで見せるのが続くのが気になりますね。
龍守さんから窓へカメラが振られて場面は明日家へ。
この辺もアングル的な楽しさはあるかな。
小路がまた部屋を出ようとして影を落とす表情になるの、
ちょうど陽の光を背にする自然的な影の落とした方で、
小路の弱みを見せてつけていて、そういう自然な感じが良いですね。
アングル的に不自然から入って自然に寄っていく。
グッときます。
水着の伸縮感やロッカーのセル感がない見せ方とか、
時代は進歩してるんだなと感じられる一連。
映り込みや光の見せ方なども凝った感じで良いですね。
水着小路の脇の強さ。
水泳シーンはいつものハーモニー調は影を潜めていましたが、
肉体的なところや質感のグラデーションは凝っており、
普段とは違った一面を見せていてグッときます。
白背景バック、めちゃくちゃ長井演出だな、
やはり龍守さんなのか、みたいな気分になりました。
視点の在り方。
水上さんはあくまで小路の上にいる。
しかし龍守さんが水上さんの上にいる。
セーラー服争奪戦が嘘だったことで視点の在り方も変わる。
そんな中で変わるのは水上さんの龍守さんを見る目。
龍守さんをえぐる様な言葉を投げかけた水上さんが、
その目で龍守さんの真面目な一面を見る、
それに照れる龍守さんと、
踊り場でのやり取りのリフレインが効く一連でグッときたな。
そして夏の始めの一場面が衣替え、
主役はあくまでセーラー服だったことを告げる。
セーラー服争奪戦だったわけだし?
小路の普段は見られない逆張り的な負けん気を描いた回だったけど、
話的には順張りで話が通ってくる意外性。
色んな要素を何とか繋げようとする感じが見ていて気になる感じ。
家のリビング、1階で待つ父は、
夏服セーラー明日小路が降臨するのを待っている、
と思うと一気に小路が最上段にいる感じになって、
水上さんたちとの視点の在り方の相対化がなされた感じがあるかな。
まあ水上さんがセーラー服にこだわっていたのが嘘だったので、
まやかしが解けたことで再び小路のステージになった、
というのが正に水上さんの手の上にいたって感じになるかな、と。
原作の1ページの中でアクションの連続を描いていたのを残像で見せるの、
なるべく原作のイメージをアニメに落とし込もうとしてる感がありグッときたな。
そしてさらに小さきものの視点で締める。
水上さんによってまやかしにされたセーラー服への憧れが、
妹の視点で再び復活。
今回の話数はやりたいことがてんこ盛り過ぎな感じがしましたが、
演出的に何とかまとめた感もあり力技な回だったように感じたな。
水泳作画もグッときますね。
息継ぎのタイミングで表情を切り返しで見せるの、
原作通りとは言えFree!の山田尚子回とか思い出してしまいました。
今作は画が良い、演出が良い、脚本が良いと、
上流工程が見えやすいのが特徴的かもなぁとか。
最終的にどこに着地するのか楽しみです。