脚本:花田十輝
絵コンテ・演出:山田尚子
作画監督:内藤直
アバンでサブタイトル。
今回は緑色っていうのがまた前回に続きキーになってきている感じ。
けいおん!の監督よろしくで、初っ端が緑茶からとは。
個人的に見てて京アニの女性演出の方は3Dのカメラワーク、
っていうのをあまり使っていない印象だったので山田さんがこういうのをやるのは新鮮だった。
しかし本を見つけるにしてはやや無理やりなやり方だったけど、
栗山さんの位置からは見えそうにないものを見つけたっていう、
そういうギャグ的なノリを付加する意味合いだったのかなとかちょっと思ったり。
まあある意味、これは伏線的なノリでやったのかもしれませんが。
栗山さんが園芸の本を、緑の本を見つけてっていう部分と演出的な意味合いで。
美月サイド。
部室に来ずに黄昏れる姿に惹きつけられますね。
個人的に見ててカバンの取っ手が下に倒れるのとかここでコレ見せるかってなったなと。
筒。
今回は灯りとかそういうのに気を配った演出されてたのかなという感じ。
お店でもPANで照明見せたりとかしてたし、緑の光と合わせて色々やっていたような。
ただの変態だから。
表情なんかをキャラ表通りというかに合わせてるのかな。
以前の嫌悪表情と似たような感じなんで、
栗山さんの不愉快ですと合わせて日常感あるかなと。
先ほどまでが新しい絵面だったんで一旦日常へ、
そして栗山さんと美月っていう2人の距離感を見せる非日常へ。
ちょっとたまこまの2話思い出すかな。
たまこまーけっと 2話 を語る
ボブカットのキャラが下を向くと髪が垂れるので表情が見えない、
っていうのをやろうとしてる感じがたまこま2話のみどりちゃん的な感じかなと。
今回は栗山さんの萌えポイントというかキャラデを秋人たちが解説してくれてたんで、
それに乗っかって山田さんもこういうことが出来るっていうアプローチの仕方をしてるのかな。
そのメガネの拭き方はしたことがなかったぜ。
表情を見せないようにしているので、
美月の言葉を受けて顔を上げるあたりで目のハイライト揺らすのとかに惹きつけられますね。
栗山さんが呼ばれたのに美月も顔を上げる。
ちゃんと場の会話を気にしてる風な感じもあるけど、
美月と栗山さんが同時に反応するっていう2人が同じことをしている所に価値を置いている気がする。
さっきまでチグハグだったのがここで一時的でも繋がるところを見せときたいのかなと。
4人横並び。
ちょっと体格の違いなんかを意識しちゃいますね。
男キャラ萌え芝居。
歩きながら紙パックジュース飲むっていうのをやってるのが楽しいのと、
秋人くん爪噛むような子だったのかと思ったりなど。
今回はこういうのもやってましたね。
焦点変えることで映りこみを強調して見せるという。
一瞬で水が透明になったのかと思ったり。
この対比。
今回の話って美月が異界師はその力故に孤独であるという姉の教え、
言わば呪いを背負っていることが示唆されてる感がある。
ここなんかも影の中にいて栗山さん達側とは明らかな断絶がある。
美月が祭りに行かなかった具体的な理由っていうのは今回提示されなかったけど、
姉がその考え方から祭りに参加しないからっていうのが考えられる理由になるのかな。
名瀬の人間だから、って言うけど、
祭りには参加できるっぽいので美月自身の問題だったとも考えられるし。
この辺、やっぱ美月は秘密主義っぽい印象がするかなという感じ。
名瀬家と話を広げると姉とかその上の人達に絡んでくる部分でしょうが。
髪芝居。
他に気を取られててとっさに場を取り繕うとして髪弄りっていう感じなのかな。
こういう後ろ姿というかカメラのある方で髪を弄るの見せるの、けいおん!11話思い出しますね。
この辺は高雄さんフォロワーという感。
髪で表情を隠すっていうのは色んな人がやってますけど、
やっぱ高雄さんが京都では印象的でしたし、
上で挙げた栗山さんの髪云々もそういうところからきてる感あるかな、とか。
こういう小物の描き方なんかはやっぱけいおん!思い出すかなぁ。
栗山さんより背後のものに気を取られるという。
沈黙の内容が2人の間で食い違ってる感があってそこも楽しかったな。
物思いにふけるような実月と何を話せばいいのかとまごつく栗山さんと。
前後のカット割でこの妙な印象というかすれ違ってるんじゃないか、
っていうのを描いてるのが楽しいかなと。
この辺も楽しい。
栗山さんの反応が良いのもいいですが美月が色んな表情してくれるのがいいですね。
食べかけるところと、最後に謝って勢いで食べてるところの差異とか。
頬の色トレス線って最初は色んな意図を呼び込んでしまって意図が伝わりづらいというか、
分かりにくくなる部分じゃないかなーと思ったりもしてたんですが、
今回は表情なんかを追ってるとそこが逆に味になってる感があって楽しかったな。
1人じゃ無いなんて簡単に言うもんじゃない、辺りはちょっと照れがあるようにあるように見えるし、
最後の謝ってる辺りはちょっと困ってとりあえず食べて誤魔化すみたいな勢いというか、
そういうのを強調するのに一役買ってる感があったかなと。
今作のキャラデの特徴的な部分なんで、そういうのを踏まえてって感じなのかな。
あと髪ですね。
やきいもが美月の肩を動きまわったところで髪の間から出てくるところとかで、
美月の髪を描いてるのがGOOD。
見とれちゃいますよね。素晴らしいです。
檻形成。
CGの使い方もカッコイイですねぇ。
山田さん回でアクションってどうなるって感じでしたがかっこ良かったし、
意外性もあって楽しかったですね。
背景動画使ってスピード感出すのとか3Dじゃないんだっていう逆張りの楽しさがありますし、
大量の剣先もインパクトありましたしカメラ動かして奥行きを感じさせてくれてるのも良かったなと。
やきいものアクションなんかは引きでうまく誤魔化してる感。
栗山さんの反応を頬杖で見る美月なんかもまた凄いグッときますね。
こういうお姉さん的な視点を描いてるのにグッと来るのと、
髪が手とかに乗って弛んでるようなのを見せたりとかそういう細かいところがやっぱいいなと。
生きててよかったっていう瞬間ってやっぱあるんですね!っていうのはこっちのセリフかも、みたいな。
異界師は異界師でいる限り、ずっと1人なの。
やっぱ姉に問題ありというか家の問題なのかな。
この辺は京アニで言えば氷菓的な部分だけど今回はどう掘り下げていくんだろう。
空を見る黄昏。
ここも焦点変えて教室のところで青空を強調する恰好に。
あとベンチで寝てていいんかい、という野暮なツッコミ。
撮影会。
写真屋っていうのも本当だったのかと。
古風なカメラ使ってるのはその方が雰囲気出るからですかね。
しかし一瞬とはいえヌード写真の存在を仄めかすとは大胆ですよね。
Freeでも似たようなところあったなぁ。
緑っていうのは1人の象徴みたいな色合いなのかな。
子供の頃の美月が1人で灯籠を用意してるのとか。
今回は栗山さんが同じことを店内でやっていたので、
もうすでに1人ではなく2人で祭りをしているようなものだからこそ、
美月も祭りに行ったのかなという感。
口実を探していたのかな。
みんな1人だからです。
ちょっと言葉が足りない感。
緑っていうのは命の色という感があるので、
緑の光を見るに人は孤独であるっていうのが美月の周囲にはあったんでしょうが、
それが祭りのような多く人がいなければ成り立たない場所に来ることで、
人の営みに触れることで変わっていってるのを描いているのかなとか。
ピンクは石立監督のイメージがやっぱ強いかな。
なぜピンクなんだろう→石立監督の作品だからっていう感じというか。
ただFree1期の最終回で緑の木から桜が咲いたように、
恋というか愛の暗喩的な意味合いもあるのかなとか。
花火を見るさくら。
繋がれるかもしれない可能性っていうのに触れてるのかな。
花火キレイでしたね。
そしてここで3Dでのカメラワーク。
アバンの本棚のところでも使ってましたけど、
ここで花火の色で様々な色に染まる灯籠を見せて、
EDの花の高速カット割りに入っていくのが印象的でしたね。
灯籠がカラフルに見えるのとEDの花のカラフルさっていうのが掛かってる感じで。
今回の山田さんは徹底的に作品の魅力を掘り下げるような演出をされてて凄かったです。
本当に色々見せてくれる回でした。
Cパート。
いきなり場面が飛んで栗山さんと姉さん。
そういえば密室で栗山さんと姉さんはやりとりしてたはずなんですが、
その辺はカットしてしましたよね。
栗山さんと姉さんがどういうふうに絡んでいくかまた楽しみに次回を見たいです。