原作通りであまり言う事はない、かな。
OPのシルエットでここを持ってくるだろうという意識はあったので、
期待通りのものが見れて大満足という感。
あと今作はBGMでピアノやヴァイオリンがメインの曲だと、
どうしても最終話を意識した感じだったのかなぁとか、
そういうことを考えてしまっていたな。
今回途中でピアノとヴァイオリンが重なって木崎さんが分身したような感じになりますが、
そういう音が重なり合うような瞬間を感じられるステージだったのかなと思います。
軽音部が終わってから演劇部へ。
アニメのステージイベントは大体が演劇か軽音かという感じですが、
06年の涼宮ハルヒの影響ってまだあるんだなと感じたな。
というのも出し物のステージイベントで軽音部の後というのは、
歴史的にハルヒ後っていうのを意識せざるを得ないので、
あの後を引き継ぐ覚悟がないとこういう見せ方はやらないんじゃないかと感じたので。
あとセーラー服主体に考えると、涼宮ハルヒ+けいおん!という形は意識しちゃうかな、みたいな。
けいおん!を主体に考えるとステージ上の内輪感、
つまりは明日小路と木崎江利花の高密な繋がりを意識しちゃうけど、
ハルヒを意識すると外側と繋がること、クラスメイトたちの繋がりを意識させられて、
ホントに話的な意味でも制服的な意味でも、いい線いっているのかな、とか思います。
ステージがライトでボヤっと光ってる感じが観客席側から見る生っぽさがあったかな。
しかしステージ上は明るく。
床の反射によって雅な舞台に立つことを印象付けられますが、
その舞台を一番目にするのはステージ上にいる小路たちで、
それ故の緊張感がある感じが良いかなと。
音の聞こえない世界に入る音。
足音という自分が奏でた音を他人が踏襲する。
自分の音しか聞こえない、足音は自分だけのもの、からの意外性。
そして制服ではなくドレス。
セーラー服が明日小路の正装なら、これは木崎江利花の正装で、
その姿でステージに立つ意気込みを感じさせられる部分ですね。
目立つ服を着る2人の意識ってどんなものだろうか、みたいな。
そういうドラマを感じさせるのがタイトルからの引用っぽく印象深いですよね。
服関係は原作の味ですが、音はアニメ特有のもので、
アニメが内包できるものの大きさを意識しちゃうかな。
ダンスや光の加減がかっこよくグッとくるかな。
仕掛け人の兎原さんがステージ上にいつつも音を出さないの、
完全な黒子としてステージと観客を繋いでいる感じで、
本当にグッときますね。
兎原さんが尊重しているものにグッとくる感じというか。
原作にある動きの取り入れ方もいい。
今回、ほかの回に比べても原作通り度高いですね。
ピアノの淵をなぞる反射にトキメク。
ヴァイオリンを渡してステージから消える。
ステージを作ったのは兎原さんが観客に戻る。
合間に入る木崎さんの表情、瞳のハイライトの線的なエフェクト的動きや、
目線の見せ方なんかは繰り返し意識させられる部分でグッときます。
構図的な面白さに影の付けの印象深さ。
特に小路のステージに落ちている影つけ、
原作が割とライトが十字光していて、
アニメも80年代的なエフェクト祭りになる可能性もあるなと考えていたので、
その名残っぽいものが見れた気がして1人で勝手にグッと来てしまった。
ドレスを透過する光で木崎さんのボディラインを印象付けてるのも。
ターンの中で真正面からは見せない涙。
曲が繰り返し、ターンも繰り返す。
前回の記事で日常の中の細かなリフレインに触れましたが、
こういった繰り返しがメインの中で小路の涙が印象付けられるのは、
正しくそういうことだったんだろうなという感で見てしまっていたな。
ミサンガ。
割とこういう小物を使った繋げ方って、
京アニなんかがオリジナルでよくやるイメージでしたが、
今作で特に大きく取り上げないけども、
何気にクラスメイト全員がやっている、ということを徹底して描写する。
このしつこさが割と引っかかる部分でもあるんだけど、
1話の中で統一感を持ってやる凄みみたいなのはやはりあって、
よくやりきったし見せ切ったなという、
そういう制作側の意気込みを強く感じる描写でした。
キャラクター同士の描写というより、
作り手側の気合こそが描写されているんじゃないか、
と感じるところにグッとくるというか。
そこにキャラクターが後退を感じてもその意気込みで納得する、みたいな。
残像、スポットライト、浴びるような光線。
光の描写の多様な形にグッとくる感じ。
9話で光のパイプオルガンの話がでましたけど、
正にそういうものを意識させるようなラストが個人的に好きです。
原作のテイストが残ってる感じも好み。
後姿が非常に雅ですね。
後ろを振り向かないところに時代の流れを感じたかな。
完全に観客と化した兎原さん。
2人を繋ぐ役、クラスメイトを繋ぐ役、そしてそれを楽しめる役。
素敵な出来事はやはり下準備ができる人がいないとできない、
小路1人の力ではこの成功はないというのを強く意識しちゃうポイントですね。
兎原さんのドラマは2期ですかね。楽しみです。
という2期やるんだろうか。
個人的にはぜひこの感じで2期やってほしいですが。
小路はややハーモニーっぽい感じかな。
お辞儀を印象的に描いているのにグッとくる。
2人のお辞儀。
ステージの2人の世界ではなく観客とつながる世界、
だけど2人の世界でもある、みたいな。
そういうのが交互にくる感じに広がりがあるのかな、という感。
髪の描写とか細かくて好きです。
1話を彷彿とさせられる。
ステージのジャンプと合わせ、1話繋がりなところにグッときますね。
襟の描写とか、カバンを背負うあたりから描写していて、
そのきめ細かさにグッとくる。
OPの手を引く誰かを引用するような形の、
挨拶をする誰か。
個人的には2人いたので蛇森さん戸鹿野さんペア的な解釈、かな。
最後まで楽しんで見ることができて良かったです。
繰り返しになりますが最初は全く期待していなかったので。
自分が原作既読で好きになれるアニメは稀なので、
稀有な作品になってくれてよかったかなと。
今シリーズはクラスメイトの描写マシマシで最終回を迎える形でしたが、
続くとなると家族の話だったり特定のクラスメイトの話になったりで、
今回みたいな味のある作品になることはないんじゃないかとも思うので、
このシリーズを大切にしてほしい気持ちもあるかな。
どうなるのか楽しみです。