流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

アニメ雑記 2017/9/30 を語る

2017-09-30 20:58:27 | <響け!ユーフォニアム2>
●劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~
見てきました。
改めてこの作品が見れたのが嬉しかったですね。
以下ネタバレ感想。


冒頭でスクリーンを撮影可能っていう試みは始めてだったので、
ちょっと撮影する時に緊張したな。
久美子の身長ネタが出てきたのもクスッときた。
本編ではあまり触れられませんでしたけど、結構気になる部分でしたね。
いいとこ突いてくれるなぁと思いました。

本編はあすかの年少時代、
父親から送られてきたユーフォを受け取るところから始まりますが、
最初からあすかがメインの作品なんだと突きつけられるのがある意味で新鮮だったな。
ユーフォ2期のみぞれ関係はバッサリ切って、麗奈も秀一も姉も先生も友人も切って、
久美子との関係に焦点を絞られているっていうのがここから伝わってくるようで。
また久美子が思いを取り戻していくような流れなのに対し、
あすかはずっと思いを持っているっていう対比にもなっていて、
両者の歩みの違いがより見えてくるアバンだったかなと。

そしてコンクールのプロヴァンスの風の演奏シーンがオープニング。
関西大会でもなかったシーンだけに感慨深さのあるオープニングでグッときました。
PAN主体の密着マルチで見せる感じは随分と京アニ的でない気がしましたが、
いい意味で今までの京アニの映像文法から外れていて、
未知の体験があるように思えたかな。
特に部員が多層的に並ぶコンクールの舞台的な感じと合うと思ったので、
そういう意味でも印象的でしたね。
石原監督がPANを使うように、という指示が小川監督のコンテに反映された結果かもな、
とも思えたりも。
物語的にも演奏的にも、映像的にも新鮮さを持ったシーンだったのではないかなと思います。

そしてまた飛行機から始まる辺り、小川監督の石原リスペクトなのかもしれませんが、
またそこからくるかとちょっと笑ってしまったな。
総集編映画なのに新作シーンが続いていくのにワクワクする反面、
石原総監督の血っていうのは確実にある作品なんだなと、
小川監督作だと意識しつつ感じたな。

文化祭のシーンで麗奈、秀一、あすかとのやり取りがありますが、
その中であすかとのやり取りを深めていくところに、
作品内であすかルートという選択がなされているというのを感じたかな。
麗奈や秀一は久美子に関わりつつも決定的なやり取りはカットしていく感じだったので、
シリーズ全体の持っている青春の豊かな要素を失ってしまったようにも思えましたが、
あすかとの関係をきめ細かく、そして各人のあすかへの思いをしっかり描いていて、
良かったです。
フルート先輩があすかと話していたり、部長の後ろ姿だったり、
ちょっとした追加カットが違和感なく入ってくるところに驚かされます。
BGMの力もあるのかな。
最初からこういうシーンだったよね、みたいなニュアンスがあるのは見事だなと。
これは前作映画でも思えたところだけど。

駅ビルコンサートの学園天国も梓とのやり取りを切ったことで、
どこで曲が切れるんだろうとドキドキしてたら最後まで演奏シーンを見せてくれたり、
北宇治の演奏シーンを見せてくれたことが嬉しかったですね。
演奏シーンは基本的に満足度の高いシーンになっていたように思います。

久美子のあすかへの説得シーン、あすかが模試の結果を噛み締めてる感じとか、
こういうのが入るとまた違った印象だなとそういう部分も引っかかったかな。
もしの結果表みたいなものもなんかそれっぽくて実に京アニらしいと思ったり。
久美子が全国大会の演奏の後にハンカチを持ってるあたりも意外なシーンでしたが、
互いにそういうシーンを入れることでバランスを取っていたのかな。

全国大会のシーンは、
新作のモブシーンや気持ちを胸にしたあすかの姿なんかにグッときたな。
演奏シーンは関西大会のシーンをメインに使いつつ、
あすかを中心とした映像になっていた感じ。
特に久美子がトリップした辺りからはあすか寄りの作品というのが感じられたな。

以前の作品で曲のテンポの違いによって演奏シーンのタイミングをイジるのが大変、
みたいな話が挙がってましたが、全国の演奏は関西大会のときとも違っていて、
そういう細かなタイミングの違いが結果的に関西大会と全国大会の演奏の差、
みたいなものになっているのかなという風にも思えたかな。
追加の演奏シーンは曲の主体になってる楽器がよりクローズアップされてる感が。
しかし久美子が苦戦していたところをあすかから見せたりとか、
物語的な見せ方はこちらもよく練られていてグッときます。
特にオープニングから客席にも意識を向けた画作りが印象的で、
それが全国大会のシーンでも活きているのがグッと来る感じだなと。
TVシリーズでオーボエソロの後のユーフォはあまり印象的に描かれていませんでしたが、
それが今作の注目点でもあったのでユーフォを吹くあすかがより印象的で良かったです。

姉とのお別れシーンはカット、しかし久美子が出ていったところ、
帰ってきたところであすかが久美子を気にかけていることを描いているのは、
またいいシーンでした。

響け!ユーフォニアムという曲をあすかとの思い出として、
最後に回想シーンとして聞くのも良くて。
石立さんの回がいいところを持っていったなぁという感じもしますが、
その後の2人のやり取り含め、ユーフォ組を中心としたよい総集編映画だったなと思います。

残念なところを挙げるなら、
秀一がヘアピンをプレゼントするシーンがないのに、
久美子がいつの間にか持っていること。
久美子姉と遭遇するシーンは麗奈カットで完全に2人のシーンになっていて、
秀一もこの後また新作シーンあるのかなと思ってたんで、
なんか余計に違和感の強い1カットになってしまっているのが残念だったな。

そういえば改めて2期OP見たら、、
昔の姉と久美子と秀一のカットから秀一のカットに繋がるの、いいですね。
そもそも秀一がなぜホルンからトロンボーンに楽器を変えたのか。
これで1本いけるような気も。
今までなぜ気づかなかったのか不思議でしょうがないですが、そんなものでしょうか。

次回作は山田監督でみぞれとフルート先輩の話っぽいですが、
一体どんな感じになるのか楽しみです。


アニメ雑記 2017/9/25 を語る

2017-09-25 00:00:37 | ■アニメレビューとか
●Re:CREATORS
セレジアがメインヒロインというか柱にキャラになっていくのかと思ったらメテオラだし、
真鍳がなんかジョーカー的な役回りだけどあれだけかき乱してあっさり協力的になるし、
アルタイルなんでもアリアリのキャラになってるとかそういうのがやや気になったかな。
っていうか終盤の大事なシーンなのになんかガタガタでちょっとガッカリだった。

生みの苦しみや神に好き勝手に動かされていると感じているキャラクター達とか、
その辺は帰結先に無事落とし込んだ感じはあるけど、
各キャラの役回りについては見ていて混乱させられる印象が強かったな。

個人的には魔法少女についてまた考えさせられる作品だったかなという印象。
魔法少女の攻撃が物理攻撃に変換されてショック受けているのは、
現実とアニメとの差異を強調する意味が強かった印象ですが、
世界の豊かさを持ってそれに触れていた部分もあるので、
なぜ魔法少女だけが己の力を否定されなければならないのか気になったなと。
そういうギャップでキャラクター苦しませるのが昨今の魔法少女界隈の流行なのかな、とか。
承認力という力によるツッコミなのかもしれないけど、
そういう魔法少女の優しい世界を信じられなくなった時代というのに侘しさを覚えるというかね。

最初の退場者が魔法少女だったのもそれを加速させてるよなぁとか。
そもそもメテオラに殺されたという嘘自体がどこかメタ的。
魔砲少女とか今巷で色んなキャラがいるので、
魔法で戦闘機を操るメテオラも一種の魔法少女と見立てると、
そういうキャラクターたちによってこの魔法少女は死んだのだ、
と嘘つきの真鍳に言わせ、しかも真鍳は嘘を本当にする能力があるなど非常にややこしいけど、
魔法少女という存在の死について、一家言あるような描き方をした作品だったな、と。
ロボットについてとかファンタジー設定についてもそういうのがあったりするのかもしれないけど、
自分的に引っかかったのがそこで。

メテオラがメイン張ってるような描写が続いているので余計にやるせない感じがするんですよね。
なんかメテオラというキャラクターを否定しなければいけないのかもしれない予感がして。
最終的に作者が死んでしまったキャラクターということでアルタイルと対比されるキャラでもあり、
またアルタイル同様に創造の力を手に入れたキャラという点でも似通っていて、
1話ではサブキャラかと思いきや思いっきりメインヒロインっぽくなってるところが、
やはり違和感にもなっていて、メテオラは何だったのか、と思わされる感じ。

アルタイルが創造の力で飛び立っていくのは自分の中では灼眼のシャナ、
またはヴァルキリープロファイルかなという感じだったかな。
干上がったところから豊かな水面への変化を見て、
やっぱり監督はウユニ塩湖好きなんだなーと改めて思ったり。

しかし1話で眼鏡越しの主人公視点を強調してましたけど、
まさか死んでしまったキャラクターがかつて持っていた視点というのは厭らしい演出だなぁと。
ある意味でセツナ=視聴者という同期はまあわかる気もするけど。うーん。

個人的に楽しめた作品だったけど、
見落としがありそうな見方をしていたのかなと終わってみて感じたので、
時間あったらもう一回見てみようかな。


アニメ雑記 2017/9/24 を語る

2017-09-24 20:50:29 | ■アニメレビューとか
●交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1
声優さんが亡くなった関係なのか、
本編はレントンがビームス夫妻の養子になったことになっていて、
それを巧妙にそれっぽく見せるために回想に次ぐ回想を重ねていた印象。
わかりづらいのは意図的で、ビームス夫妻の養子であったことを前面に出したいのは、
今老人と関わる主人公の人物像に新しさを感じないからじゃないかなとも思える。
自分が当時感じた違和感がソレだったので。
じゃなきゃホランドに代役を立てているところと矛盾しますしね。
まあこの辺は完全に憶測ですが。
ただビームス夫妻好きだったので、
レントンがチャールズたちとやり取りできる壁が1つ取り払われたことで、
安心して3人のやり取りを見れたのは、自分としては好印象に映った部分だった。

あと当時第1話が大好きで繰り返し見ていましたが改めてみるとレントンが何に不満を持っていたのか、
当時見ていても完全に忘れていたので、
自分話の内容全然わかってない、雰囲気だけを見ていたのではないかという気がしてきて、
そういう過去の己が見えてくるようでもあったかな。

冒頭のサマーオブラブの新作映像、最初はどこかで発表された映像なのかと思っていたので、
何に収録されていたのか気になったけど完全新作と知って得した気分に。
若き日のタルホの軍服姿が可愛くて好みだったな。
久々に村木サーカス見たなという点でも楽しいシーンだったし、
レントン父の涙のシーンがCMで気になったところだったので、
その辺をしっかり楽しめたのもグッと来たな。
エウレカファンとしてはもっと巧みなサーカスが見たいと思わされるポイントかもしれない。
TVシリーズを念頭に入れて美化して見てしまったからかもしれないけど。
しかし映画らしい物量のあるシーンの連続で面白かったです。

音楽的にテクノチックな部分が多くて、
もう少し弦楽器主体のドラマチックな曲を多用していたような、
という気がしたのでその辺は時を重ねてきたイメージの変容なのかな。
当時はプリキュアとエウレカの音楽が同じ佐藤直紀さんで、
その辺ちょっと気にしながら見ていたのでちょっと気になったかな。

次回予告でアネモネのイメージが本編と違っていたので次がすごく楽しみです。
TVのサッカー回大嫌いというか、当時は困惑してみてましたけど、
予告でサッカーやる気満々過ぎて笑ってしまったな。
最後まで楽しんでみていきたいシリーズになったので、
どういうところに着地するのか今から楽しみです。


アニメ雑記 2017/9/3 を語る

2017-09-03 20:10:11 | ■アニメレビューとか
●打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
原作未視聴。
なんで今シャフトでこの作品をやる必要があるのかな、
という気がしていたんですが武内監督の名前を見かけて、
それだけでだいぶ見る意欲が湧いてくる感じでした。
以下ネタバレ感想。


冒頭の水中なんかはどこかで帰結先が用意されているのかな、
惚れたきっかけになるのかなとか色々想像していたんですが、
特に触れられていなくてこちらで解釈しなければいけなかったので、
こういうところがわかりづらいと言われる所以なのかなと思ったけど、
終わりまでなるほどーという感じだった。

3Dで組まれた美術のディテールが細かくてこんなところまで作りこんでるんだなぁと、
その辺は劇場作品らしさを感じたかな。
角度鉄塔が出てくるあたりとかマニアックなチョイスだなと。
重要アイテムの玉を含め、3Dが綺麗に見えて良かったです。
違和感があっても、そのアイテムをどのように扱うか迷いを感じないためか、
その押しで見せられてしまったな、という感じかな。
しかし、送電線やら風車やらも玉のフィラメントに流れる電気や回転を意識させられるもので、
風景自体が結構暗喩の塊だったのかな。

もしも玉は灯台のライトや最後の玉の中に入ったかのような世界の空とか、
色々と相関性があるように見せてそれに全く触れないところにifの世界の難しさを感じたな。
特になずなの父親が出ている場面でもしも玉、灯台、海の上にあるもしも玉、
父も昔逃避行をしていたなど、
もしも玉を使っていたのではないかと疑わせるような見せ方をしたりしてるところとか、
もしも、が、もしかしたら、に変えられてくる難しさがあったかなと。

最後に玉が割れて様々なもしもを見せられるけど、
それは今まで玉が記憶していた映像なのかもしれない。
そもそも最初の状況を考えると典道が実は勝っていて、
祐介がもしも玉を使った世界から始まったのかもしれない。
冒頭のプールのシーンも、もしも玉を使った数多の世界の1つなのかもしれない。

この~かもしれない系は観客たちの負の部分を引っ張り出されてる気がして好きじゃないんだけど、
それらを超えた魅力のある作品に思えたかな。

プールでトンボの視点に入っていくつものレンズから典道たちが映されますが、
最後のほうの空がレンズに覆われたような世界はああいうものと関連付けられてる感ありますよね。
またもしも玉が全てのifを記憶しているなら、そのifの数だけ空がある、みたいな見せ方にも思えて、
そういう部分が好みかなと。
クルクルと回る灯台の光のようにレンズの中で回る光が星の動きの暗喩っぽかったり。
ただもしも玉となずなの父親とを関連付けると、もしも玉の使い過ぎは死を招く、
みたいなニュアンスのように思えて、最後見終わったときは典道が玉の使い過ぎで消えてしまったとか、
そういう負の解釈を思わずしてしまうのが悩ましいところかな。
一回もしも玉で戻ったときに典道の様子がおかしかったのもちょっとした恐怖感ありましたし。
ただ玉が割れてifが溢れることで、その可能性を否定されているように感じたので、
たぶんもっと違うことを考えてほしいんだろうな、というのは感じたかな。

なずなが花を手にもってる辺りとか3Dの花と作画の合成が分離してるのに良く見えるし、
なずなの浴衣姿色っぽいし、風景もきれいだし、
中一らしく女子が成長してることによる身長さカップルもいい。
特に電車の中で歌いだすなずなのシーンなんかはグッと来たな。
ワンピースのシルエットでなずなが天使に見えるようにしてるのがグッとくる感じで。

監督の武内さんが昔コンテを切っていた魔法少女リリカルなのはA's 11話で、
なのはが敵に突撃するところで杖から出る羽を広げさせて、
敵の後ろ姿から見せてなのはを直接的に見せずに描いていたのが抽象的で好きだったんですが、
そういう部分に通じるものを感じて見ているときは勝手にちょっと感激したな。
考えてみればガラスに映り込むキャラクターと言えば新房さんがなのはのOPでもやられていたので、
やはりあの辺の作品から考えていくのがいいのかな、と思ったりも。
まあただ直近でなのはの新作を見ていただけでそこから走ってくる想像なので、
関係性は皆無でしょうが。

個人的に最初にもしも玉を使う直前の逆光が凄く印象的だったな。
なずなが旅行鞄の中身をぶちまけちゃって下着とか見れちゃうの、
個人的には機動戦艦ナデシコという感じなので、そういう感じで見ちゃうかな。

自分の中では玉の使い過ぎで典道が消えてしまったという感じで見てしまったけど、
最後に何で花火職人の親父が持っていくのかは自分の中で消化しきれていないので、
その点を踏まえてもう一回見てみたい作品かな。
今作は上映している劇場が多いので有り難いですね。


アニメ雑記 2017/9/1 を語る

2017-09-01 00:06:42 | ■アニメレビューとか
●劇場版 Fate/kaleid linerプリズマ☆イリヤ 雪下の誓い
最近はFateくらいしかまともに触れていない気がするのと、
原作が良かったのですごく楽しみな一作でした。
以下ネタバレ感想。

原作漫画がFate/stay nightを意識した話になっていたので、
アニメ作品としてどう見せられるのか気になっていたんですが、
基本的には原作通りというイメージかなと。
ただその中で美遊と士郎のやり取りを追加したり、
士郎が過去の日記を読んでいる姿を入れたり、
原作での士郎の回想という点をスパッとカットして、
イリヤとの出会いまでを大事にしていたりと、
焦点を士郎と美遊に完全に合わせていて、
完全に魔法少女置いてけぼりな話になっていてビックリしたな。
流石に合間でイリヤたちが出るだろうと踏んでいたので。

絵作りに関して気になったのは雲と教会での演出、そして空かな。
何だかんだ言ってFate/stay nightに関わるような絵というのは、
最初のディーン版に縛られているように見えるのが気になるというか。

ディーン版EDはセイバーが草原に立つ姿をじっくりと見せる構成ですが、
そういう中で流れる雲や草にも目が行きますよね。
今回の雲が主張する演出や教会での3Dでモデリングされた背景の上を、
平面的なキャラクターが乗ることで生まれる違和感を全面に出していて、
ちょっとした異空間演出になっていますが、
それが結果的にディーン版の印象的な部分と、
ufo版がその点を越えようとしていたことを明らかにするような部分があったように思えたかなと。

魔術回路の活性化の演出もディーン版、ufo版ともに割りと演出を1本化していますが、
本作はディーン版っぽく回路的だったり、ufo版見たく3Dが疾走っていくようだったりと、
割りと自由な画作りがされていて、柔軟性のある作品のように受け取れたかな。
漫画で描かれる演出を積極的に取り入れることで、よりその印象が強くなる。
まあ悪く言えばいいとこ取り、という感じでしょうか。
ただそれが結果的に新鮮な画になっているのが見ていて面白いですね。

個人的に印象的だったのがVSシンジ戦。
アサシンになったシンジのアップの画などが印象的で、新時代のハーモニー処理ってこんな感じかな、
みたいな印象の強い絵を見せてくるのがグッと来る感じ。
特に原作のシンジのセリフをそのまま持ってきているのでその邪悪さがストレートに出る絵が、
士郎の静かな怒りをより印象づけていて良かったなと。

しかし漫画で読んでいるときは全く意識していませんでしたが、
今にも死にそうになって、全てを無くしそうになっている士郎の最後になるかもしれない瞬間に、
セイバーが傍にいないっていうのはそれ自体が凄く悲しく感じられたな。
これはやはり何度も見せられる蔵でのセイバー召喚を見せられているせいでもあるのかな。
月明かりで士郎を印象づけているので、
本来ならそこにあった輝きっていうのをより意識させられるというか。

士郎が他の6騎を倒す場面は原作だとアサシン、セイバー戦以外はほぼカットでしたが、
今作ではその点が補完されていてカッコいい士郎が見れるのが嬉しいところで。
ランサーやってるケイネス先生とか、意外なファンサービスもあって楽しい。
流石先生は何でも知っているな―という感じで、何とも奇妙な気分にさせられます。
つか真名バレ過ぎでは?と思わないこともない。

最後のバトルはなんでジュリアンが士郎に最後まで突っかかれなかったのかとか、
というか美遊に聖杯使う前に士郎止めろよとか、
そういうツッコミをシナリオ上での補完するのが難しかったためか、
バトルの導入までがやや盛り上がりに欠けるところもあり、
またstay nightからの反転したセリフも一部カットされていたりして、
ちょっと乗り切れない部分でもあったかな。
ギルガメッシュの放つ剣がまた戻っていく描写とか、
今までに無い見せ方なんかは新鮮だったかな。

ギルガメッシュの剣、UBWの剣もそうですが、
放たれる武器1つ1つが大事にされている感じで、
士郎のいう墓標というのにより説得力をもたせようとしているのがグッときたかな。
とりあえず剣が舞っていればいればいい、ではない、
1個1個が主役になれる可能性を秘めているように突き刺さる剣だったなというか。
しかし墓標に見えるのシーンは原作の見開きがカッコ良すぎて、
アニメでその良さが十全にでていたかというとやはり疑問。

ただ原作でやっていた演出について自分は今作を見るまで気づけていなかったので、
アニメになってようやく見えたものもあったので、
互いに補完し合う関係の作品になったのかなという感じが。
原作では無尽蔵に出てくる魔力がどこから来るのか説明がありましたが、
アニメでは絆だと触れられていて原作未読だと何のことかわからないですし。
まあそのままの意味で受け取っても問題ないようになっているので突くのも野暮なところかも。

一番期待していたエアに対して士郎が全ての剣を出すところなんかは結構満足。
個人的に一度士郎の周りで停止してそこから投射するようなイメージを持っていたので、
そのイメージの差異がなければもっと好印象だったかも。

カッコいい士郎が見れるだけで楽しいのでまた見たいところではあるんですが、
これもまた見るのが難しい作品なのが残念なところかな。
原作読み返しながら、BDの発売を待ちたいところです。