●傷物語Ⅰ 鉄血篇
見る時間がないならいつ見ても同じかと思い初日の最終で見てきました。
こんな時間でも満席とは物語シリーズの人気は凄いなという気分に。
久しぶりに尾石さんの演出した作品が見れるということで楽しみな一作でした。
以下ネタバレ感想。
冒頭の屋上に向かっていく阿良々木っていうのは化物語の再演のようでもあったけど、
カラスや色味が怪しげな雰囲気が異様で、
戦場ヶ原を受け止めた情景とは違い、地獄の業火に焼かれる主人公の姿を見て、
吸血鬼のいる世界というか、吸血鬼がいるという地獄を描いているようであったかなと。
羽川との出会いがTV版とだいぶ違っていて面白かった。
太陽というのが冒頭で異様さの象徴、身を焼くモノとして描かれていたので、
阿良々木視点的に太陽を背にする羽川という存在の不吉さっていうのが出て、
そこから打ち解けていく中で羽川に対する見方の変化が促されてて良かったなと。
羽川さんマジ天使。
人間強度が下がるとか、終物語で触れられた点が出てきたのも、
原作未読者としては楽しい部分だったかな。
羽川とのやり取りは望遠の絵がかっこよくてまた新鮮だったなぁ。
流れる雲とダイナミックな水の動きが流れる時間を描いていて、
羽川との会話を重ねていく情景が綺麗に描写されていたのが印象的でした。
舞台的なところにどこか儚さを感じるためでしょうかね。
対岸の情景っていうのは正にそのまま対岸の火事ってことなんかなぁとか思ったり。
羽川との出来事を反芻しながら走り出しちゃう阿良々木も微笑ましい感じ。
あと羽川と別れた直後に事故を起こした車両の横を素通りしていく姿は気になったかな。
そういう場面で人助けが発動しないのと、
羽川との出会いが事故であることのメタファーっぽく目を引かれますよね。
っていうか本当に事故が起きていたのかっていうところに驚く感じだったかなと。
この作品は吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードが如何に異様か、
というところに重点があって、そこに向かっていく画面だったように思えたので、
キスショットと阿良々木の出会いのシーンが特に印象的でした。
都会を見せることで果たしてああいう場所にいる人々に、
所謂大企業の人々にキスショットが救えるか、という問でもあったのかなぁとか。
阿良々木が恐怖の対象から逃げるのにエスカレーターを逆走するだとか、
そういうルールを破ってまで逃げ出したい相手としてキスショットを描いてますが、
最後は泣き声に屈してキスショットを助けるっていうところがやっぱ引っかかるかなと。
赤ん坊のように泣き叫ぶ相手を放っておけないっていうのはわかる気がしますが、
果たしてそれが他の人間にできるのかと思わされるような部分っていうのがあるのかなと。
吸血鬼を殺す必要のある社会っていうのに触れられてるように思うからでしょうかね。
忍野が最後に金銭を要求するのもそんな部分からなのかなとか。
こんな話をしたら負けかなと思いましたがとりあえず負けていくスタンスで。
幼いキスショットが出てきてからはもう割りといつもの物語シリーズに併合したような気がしたかな。
登場人物が少ない作品の中で本編と同じ調子のキャラが出てきた安心感からでしょうか。
阿良々木が日光に当たって燃えてるところを助けるキスショットのシーンは一際目立っていましたね。
足場材を描いているのは机を使ったネギま!?OPの演出の延長線上という印象。
今回は兄の方っていうのまでを合わせたある種のパロディっぽく見えたかな。
後々のショットでキスショットのバックで富士山を描いてるのもネタっぽい感じ。
忍野の存在が夜と昼の境界線上にいるような光の演出も目を引いたかな。
直線影の存在感がわかりやすい感じだったのかな、とか。
全体的にはやはりキスショットの存在を色濃く感じる画面が好みで良かったんですが、
ところどころで人々を試すような一面がある作品だったのかなと思えたり。
ようこそ。夜の世界へと言われても行き交う車、人々は他にもいるわけで、
そういうのはどういう風に捉えるべきなのかなとか。
国旗や都会の風景もそうかな。
なまじ自分たちが知っている風景、よく行く場所、よく通る場所、働いている場所、
住んでいる場所、自分がいる場所っていうのにアクセスしてる作品で、
都会に住んでる人たちのアプローチと他の地域のアプローチの仕方の差異とか、
ナショナリズムというかを問いてくるような一面があるように思わされるというか。
こういう話をするかどうかを含め色々試されている感じがする作品だったように思えます。
今のファンのための映画が隆盛しているときに、
そういうラインの作品で脱線をさせられるようなチラつかせ方をしている新鮮さがあったのかなぁとか。
そんな風に思えました。
次回予告は絵がなくて本当に夏に続きが見れるのか気になりましたが、
またどういう作品が出てくるのか楽しみです。
見る時間がないならいつ見ても同じかと思い初日の最終で見てきました。
こんな時間でも満席とは物語シリーズの人気は凄いなという気分に。
久しぶりに尾石さんの演出した作品が見れるということで楽しみな一作でした。
以下ネタバレ感想。
冒頭の屋上に向かっていく阿良々木っていうのは化物語の再演のようでもあったけど、
カラスや色味が怪しげな雰囲気が異様で、
戦場ヶ原を受け止めた情景とは違い、地獄の業火に焼かれる主人公の姿を見て、
吸血鬼のいる世界というか、吸血鬼がいるという地獄を描いているようであったかなと。
羽川との出会いがTV版とだいぶ違っていて面白かった。
太陽というのが冒頭で異様さの象徴、身を焼くモノとして描かれていたので、
阿良々木視点的に太陽を背にする羽川という存在の不吉さっていうのが出て、
そこから打ち解けていく中で羽川に対する見方の変化が促されてて良かったなと。
羽川さんマジ天使。
人間強度が下がるとか、終物語で触れられた点が出てきたのも、
原作未読者としては楽しい部分だったかな。
羽川とのやり取りは望遠の絵がかっこよくてまた新鮮だったなぁ。
流れる雲とダイナミックな水の動きが流れる時間を描いていて、
羽川との会話を重ねていく情景が綺麗に描写されていたのが印象的でした。
舞台的なところにどこか儚さを感じるためでしょうかね。
対岸の情景っていうのは正にそのまま対岸の火事ってことなんかなぁとか思ったり。
羽川との出来事を反芻しながら走り出しちゃう阿良々木も微笑ましい感じ。
あと羽川と別れた直後に事故を起こした車両の横を素通りしていく姿は気になったかな。
そういう場面で人助けが発動しないのと、
羽川との出会いが事故であることのメタファーっぽく目を引かれますよね。
っていうか本当に事故が起きていたのかっていうところに驚く感じだったかなと。
この作品は吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードが如何に異様か、
というところに重点があって、そこに向かっていく画面だったように思えたので、
キスショットと阿良々木の出会いのシーンが特に印象的でした。
都会を見せることで果たしてああいう場所にいる人々に、
所謂大企業の人々にキスショットが救えるか、という問でもあったのかなぁとか。
阿良々木が恐怖の対象から逃げるのにエスカレーターを逆走するだとか、
そういうルールを破ってまで逃げ出したい相手としてキスショットを描いてますが、
最後は泣き声に屈してキスショットを助けるっていうところがやっぱ引っかかるかなと。
赤ん坊のように泣き叫ぶ相手を放っておけないっていうのはわかる気がしますが、
果たしてそれが他の人間にできるのかと思わされるような部分っていうのがあるのかなと。
吸血鬼を殺す必要のある社会っていうのに触れられてるように思うからでしょうかね。
忍野が最後に金銭を要求するのもそんな部分からなのかなとか。
こんな話をしたら負けかなと思いましたがとりあえず負けていくスタンスで。
幼いキスショットが出てきてからはもう割りといつもの物語シリーズに併合したような気がしたかな。
登場人物が少ない作品の中で本編と同じ調子のキャラが出てきた安心感からでしょうか。
阿良々木が日光に当たって燃えてるところを助けるキスショットのシーンは一際目立っていましたね。
足場材を描いているのは机を使ったネギま!?OPの演出の延長線上という印象。
今回は兄の方っていうのまでを合わせたある種のパロディっぽく見えたかな。
後々のショットでキスショットのバックで富士山を描いてるのもネタっぽい感じ。
忍野の存在が夜と昼の境界線上にいるような光の演出も目を引いたかな。
直線影の存在感がわかりやすい感じだったのかな、とか。
全体的にはやはりキスショットの存在を色濃く感じる画面が好みで良かったんですが、
ところどころで人々を試すような一面がある作品だったのかなと思えたり。
ようこそ。夜の世界へと言われても行き交う車、人々は他にもいるわけで、
そういうのはどういう風に捉えるべきなのかなとか。
国旗や都会の風景もそうかな。
なまじ自分たちが知っている風景、よく行く場所、よく通る場所、働いている場所、
住んでいる場所、自分がいる場所っていうのにアクセスしてる作品で、
都会に住んでる人たちのアプローチと他の地域のアプローチの仕方の差異とか、
ナショナリズムというかを問いてくるような一面があるように思わされるというか。
こういう話をするかどうかを含め色々試されている感じがする作品だったように思えます。
今のファンのための映画が隆盛しているときに、
そういうラインの作品で脱線をさせられるようなチラつかせ方をしている新鮮さがあったのかなぁとか。
そんな風に思えました。
次回予告は絵がなくて本当に夏に続きが見れるのか気になりましたが、
またどういう作品が出てくるのか楽しみです。