原作既読。
難しい題材だしどういう作品になるのかあまり想像できなかったのですが、
正にその苦悩を見せられたような作品だったかなぁという感じでした。
以下ネタバレ感想。
個人的に出だしでもうヤバイという雰囲気が凄かった。
出だしは主人公が自殺する決意のかたちを見せられるけど、
そこでまずそこからか、という不安と驚きがあって。
そしてOP。
ザ・フーのMy Generationが流れたところでアレこういう作品だったっけ、
タイトルと一緒に出るキャラその3人でいいのかとか、
ちょっと見ててあたふたしちゃいましたね。
それぐらい想像していなかった一撃。
将也の描き方としてヤンチャな子、現在のガキ大将というイメージがありましたが、
映画を見ているとどこにでもいそうな子という印象が強かったな。
声の芝居からの印象なのかもしれない。
高校時代の将也も活発な子みたいなイメージがありましたが、
罪の意識を背負った少年としての意図が強いナイーブさがあって、
主人公が何を背負ったのかっていうのがより人物像としてわかりやすい印象を受けました。
そしてこのキャラ造形を描ききっていることに驚かされます。
基本的に将也視点で進みますが、その将也が感じているだろう世界を印象づけられてる気がします。
なんというか、確かにリアルな背景などを用意してはいますが、
それを含めて将也の精神を通してみた世界なんじゃないかという予感があるんですよね。
✕印なんかはその典型例ですが、カメラのレンズを意識した世界やあまり雲のない青空が、
その場の閉じた感じを意識させてくれたり、
モヤモヤとした不安でないからこそくる罪や罰を意識させてくれてるようで印象的でした。
水の音が環境音としてよく採用されていて、
一連の時間の流れを意識させる見せ方も臨場感を煽っていて、
将也たちの心の中を浮かび上がらせているようでした。
それらがまたジトっとした雰囲気を作っていて非常に気が重くなります。
軽快で爽快なシーンというのがあまりなく逃げ場がないように感じる部分も。
楽しいシーンと言い換えてもよいかも。笑えるシーンはありますけども。
遊園地なんかはせめて楽しくても良いんじゃないかなと思いましたが。
そういう将也のジトッとした雰囲気とは別に結弦のキャラクターが逃げ場になっている気がします。
というか結弦が第2の主人公と言っても良いんじゃないかという雰囲気だったので特に。
将也以外の視点を多く持つという意味で。
カメラのディテールにも惚れぼれするし、姉を思う結弦の表情や、ばあちゃんが亡くなったときの立ち姿、
将也が墜落してからの病院での牛乳パックを飲んでる姿とか、
様々なシーンで非常に入っていきやすいキャラクターだったのが大きかったように思います。
やっぱり少女は描きやすいのかなとか、入っていきやすいのかなとか、
少女にまつわるアニメの業みたいなのを意識しちゃいます。
まあ原作でも描写が多いキャラクターなので自然なことかとも思いますが。
怪獣のバラードは日常ぶりになるのかな。
怪獣っていうのを将也にも硝子にも当てはめられるのが辛いところというか。
美術はやはり青空の多さが気になったかな。
雨の描写も少なく天気による心情描写というのがあまり無いからこそ、
青空のもとにある明確なものが浮き上がる気がしたかな。
あとは観覧車が回ってるけどハーモニーなんで単にスライドしてるだけとかっていうのがあるんで、
これでどこまで回転を見せきるのかみたいな緊張感があったように思えたり。
その後近づいたら3Dになっていたりしましたが。そういう切り替えがやや気になる感じだったかな。
みずほ銀行が普通に出てきてたけど、
親が大金をおろす姿を見るっていうのにより強度を持たせていてそこを突くかと思わされた。
今作は最初によくわからなかったシーンや端折った部分があったらその後のシーンで補完する、
という見せ方が多く、原作で170万という金額を提示したセリフが改変されていて不思議でしたが、
こういう風につながるのかと驚かされました。
というかこのシーンのためだけにみずほ銀行出していたことにも驚かされました。
朝食で目玉焼きを作っているのとかアニメオリジナルの部分もそうかな。
なんでこうなったのかな、という引っかかりから後半の命のメタファーになっていて、
色々納得させられる感じというか。
今回将也のキャラクター像が映像に乗ったことで大幅に変わりましたが、
硝子が将也の母親に謝る辺りなんかを含め硝子もだいぶ印象が違うようにも思いました。
硝子が謝る姿は本当にただ涙涙という感じでしたし。
あとは手癖じゃないけどもキャラクターを端によせてカットを割って見せていくだとか、
花の描写の多さ、夜空を見せるタイミングなんかが気になったかな。
鯉はなんだったのか、とか。
波紋が最初から最後まで印象づけられますが、
花火の衝撃で波紋ができるように、音が聞こえなくても振動は伝わるという感じだったのかな、
と橋の上で再会した2人を見て思ったかな。
橋に伝わった振動で誰かがきたことを硝子は察知してる風でしたし。
そういうところを含め、事後的というか色々な帰結が用意されているような感じがやや引っかかる感じ。
姉の描写は原作からこんな感じだけど氷菓だよなとか、
母親を思う将也がいいなとか、
1カットハーモニーの鉄塔が回り込んできているように見えたけど気のせいかなとか、
他にも色々あったような気がしますがとりあえずこの辺で。
個人的に三好さんがコンテ切ってるだけでも結構驚きましたが山村卓也もコンテ切られてて、
Freeシリーズだけじゃなくこっちもかとまた驚かされました。
難しい題材だしどういう作品になるのかあまり想像できなかったのですが、
正にその苦悩を見せられたような作品だったかなぁという感じでした。
以下ネタバレ感想。
個人的に出だしでもうヤバイという雰囲気が凄かった。
出だしは主人公が自殺する決意のかたちを見せられるけど、
そこでまずそこからか、という不安と驚きがあって。
そしてOP。
ザ・フーのMy Generationが流れたところでアレこういう作品だったっけ、
タイトルと一緒に出るキャラその3人でいいのかとか、
ちょっと見ててあたふたしちゃいましたね。
それぐらい想像していなかった一撃。
将也の描き方としてヤンチャな子、現在のガキ大将というイメージがありましたが、
映画を見ているとどこにでもいそうな子という印象が強かったな。
声の芝居からの印象なのかもしれない。
高校時代の将也も活発な子みたいなイメージがありましたが、
罪の意識を背負った少年としての意図が強いナイーブさがあって、
主人公が何を背負ったのかっていうのがより人物像としてわかりやすい印象を受けました。
そしてこのキャラ造形を描ききっていることに驚かされます。
基本的に将也視点で進みますが、その将也が感じているだろう世界を印象づけられてる気がします。
なんというか、確かにリアルな背景などを用意してはいますが、
それを含めて将也の精神を通してみた世界なんじゃないかという予感があるんですよね。
✕印なんかはその典型例ですが、カメラのレンズを意識した世界やあまり雲のない青空が、
その場の閉じた感じを意識させてくれたり、
モヤモヤとした不安でないからこそくる罪や罰を意識させてくれてるようで印象的でした。
水の音が環境音としてよく採用されていて、
一連の時間の流れを意識させる見せ方も臨場感を煽っていて、
将也たちの心の中を浮かび上がらせているようでした。
それらがまたジトっとした雰囲気を作っていて非常に気が重くなります。
軽快で爽快なシーンというのがあまりなく逃げ場がないように感じる部分も。
楽しいシーンと言い換えてもよいかも。笑えるシーンはありますけども。
遊園地なんかはせめて楽しくても良いんじゃないかなと思いましたが。
そういう将也のジトッとした雰囲気とは別に結弦のキャラクターが逃げ場になっている気がします。
というか結弦が第2の主人公と言っても良いんじゃないかという雰囲気だったので特に。
将也以外の視点を多く持つという意味で。
カメラのディテールにも惚れぼれするし、姉を思う結弦の表情や、ばあちゃんが亡くなったときの立ち姿、
将也が墜落してからの病院での牛乳パックを飲んでる姿とか、
様々なシーンで非常に入っていきやすいキャラクターだったのが大きかったように思います。
やっぱり少女は描きやすいのかなとか、入っていきやすいのかなとか、
少女にまつわるアニメの業みたいなのを意識しちゃいます。
まあ原作でも描写が多いキャラクターなので自然なことかとも思いますが。
怪獣のバラードは日常ぶりになるのかな。
怪獣っていうのを将也にも硝子にも当てはめられるのが辛いところというか。
美術はやはり青空の多さが気になったかな。
雨の描写も少なく天気による心情描写というのがあまり無いからこそ、
青空のもとにある明確なものが浮き上がる気がしたかな。
あとは観覧車が回ってるけどハーモニーなんで単にスライドしてるだけとかっていうのがあるんで、
これでどこまで回転を見せきるのかみたいな緊張感があったように思えたり。
その後近づいたら3Dになっていたりしましたが。そういう切り替えがやや気になる感じだったかな。
みずほ銀行が普通に出てきてたけど、
親が大金をおろす姿を見るっていうのにより強度を持たせていてそこを突くかと思わされた。
今作は最初によくわからなかったシーンや端折った部分があったらその後のシーンで補完する、
という見せ方が多く、原作で170万という金額を提示したセリフが改変されていて不思議でしたが、
こういう風につながるのかと驚かされました。
というかこのシーンのためだけにみずほ銀行出していたことにも驚かされました。
朝食で目玉焼きを作っているのとかアニメオリジナルの部分もそうかな。
なんでこうなったのかな、という引っかかりから後半の命のメタファーになっていて、
色々納得させられる感じというか。
今回将也のキャラクター像が映像に乗ったことで大幅に変わりましたが、
硝子が将也の母親に謝る辺りなんかを含め硝子もだいぶ印象が違うようにも思いました。
硝子が謝る姿は本当にただ涙涙という感じでしたし。
あとは手癖じゃないけどもキャラクターを端によせてカットを割って見せていくだとか、
花の描写の多さ、夜空を見せるタイミングなんかが気になったかな。
鯉はなんだったのか、とか。
波紋が最初から最後まで印象づけられますが、
花火の衝撃で波紋ができるように、音が聞こえなくても振動は伝わるという感じだったのかな、
と橋の上で再会した2人を見て思ったかな。
橋に伝わった振動で誰かがきたことを硝子は察知してる風でしたし。
そういうところを含め、事後的というか色々な帰結が用意されているような感じがやや引っかかる感じ。
姉の描写は原作からこんな感じだけど氷菓だよなとか、
母親を思う将也がいいなとか、
1カットハーモニーの鉄塔が回り込んできているように見えたけど気のせいかなとか、
他にも色々あったような気がしますがとりあえずこの辺で。
個人的に三好さんがコンテ切ってるだけでも結構驚きましたが山村卓也もコンテ切られてて、
Freeシリーズだけじゃなくこっちもかとまた驚かされました。