流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

きみの色 を語る

2024-09-07 21:38:14 | ■アニメレビューとか




見てきました。
どういう映画かあまりイメージせず見ました。
IMAXのプレミアムシートをはじめて利用しましたが、
こんなに音の体験が凄いものなのかと感動が深かったです。
普段は周囲のスマホやポリ袋のがさ音をたてるなど配慮のがいる場合が多く、
一番前の席か、2番目の席に座るのですが、
今回は観客数も少なかったため、挑戦してみたら、
ゆったりと鑑賞することができ、IMAXって本当はこんな感じだったのか!
と改めて感じられて新鮮な体験でした。
映画本編と音が非常にマッチしており、映画館で最高の体験ができた、
と感じられる一作でした。


以下とりとめのない雑記、あるいはネタバレ感想。


山田尚子作品だなという印象の作品でしたが、
山田さんが今までの既存の作品で出してきたもの、
その描写の価値観にまつわるものに触れた作品だったのではないか、
という風に感じられたかな。
きみの色、つまりは主人公の色を見つけるというのは、
自分の作品の意味を解き明かす意味合いがあったんだろうと感じました。
説明するのが難しい気がします。

京アニ的だったり、湯浅作品っぽかったり、原恵一っぽかったり?
みたいなことではなく。

冒頭で色が見える話が出ますが、それは主人公の内面の話でしかなく、
それが見えることに悩んでいる風ではない。
確かに見える色の意味を解釈しない。
しかしそれで話が進んでも問題がない、という、
意味を拾っても拾わなくてもいい、という幅があったように感じられたなと。

中盤、雪の降る夜にロウソクに火を灯す。
雪は降り積もるかもしれない、火の熱で溶けてしまうかもしれない、
しかしロウソクは溶ける、雪もいつかは溶ける、
この場は溶けていくイメージであるが、雪は積もるかもしれない、
溶けるし積もるものはなんだろうか。
普通にメタファーの描写といえばそれまでですが、
そこにはどのファクターを救い上げるか、
という幅を持たされているように感じるんですよね。

そういう中で罪、または嘘、
は揺るぎないもののように描写していたように感じたかな。
割と傷物語的かもしれない。

個人的に気になったのは古本屋できみちゃんが本の整理をしながら、
男の子を見る一連。
見てはいけない、という意識が斜めになった本を立たせる、
その「いけない」という意識をこのように描くのか、
という本作のルールというか、描き方のフックを得られたのがこのあたり。
互いに重ねられていく嘘が罪として触れられていくのが、
まあそうなるかーという納得にも変わり、
そしてそんな揺らぎで描写される世界観に見応えが感じられたな、と。

寮に招いて漫画を読んだり散らかしたりというのは、
徐々に嘘が拡大していく描写として本繋がりで見せられていたりとか、
何かに注目すると見える景色は変わるし、
自分自身の心もまた、鑑賞しながら揺らいでいる。

揺らいでいる、ということは止まらないということで、
ロトスコでやっていた花とアリス殺人事件を思い出しますが、
個人的にはロトスコ的な動きの面白さを楽しむシーズンは、
今更ながら終わったんだなと感じてしまったな、
という印象を受けるほどに、かすかな揺らぎの拾わせ方がいいなと感じる。

そしてそれがずっと続くことに、安らぎを感じられる。
人の感情には振れ幅があり行ったり来たりしていることを、
きちんと認識させてくれる、そんな心地よさがあるように感じられたな。
これは音楽の力もあるかもしれない。

反射も序盤はバンバンでてきましたが、後半はなりをひそめる。
それは描写されたキャラではない誰かが反射先として、
時には背反するものとして描かれる。
古本屋できみちゃんと再会したとき、主人公は梯子の線と重なるけど、
ある描写では、きみちゃんは梯子の手前側におり、
主人公のように上に重ならない、とか。
あるいは、背後の目になっていたり、とか。

自らのテリトリーから出ない母、先生、おばあちゃんという視点を、
カメラ位置や、見えない、見えるという見せ方で見せたりとか。
最後に全員で踊るとこは湯浅作品を取り込んだなぁと思ったり。

個人的には山田尚子監督現時点での最高傑作。
そのことに、この上ない安堵を覚えるのがうれしくも悲しくもあり。
あとおそらくこの鑑賞した体験を生涯追いかけるのではないか、
という予感もあります。
勇者王ガオガイガーの最終回の体験を今も追いかけているので。
時の運もありますが、
今作はそういう作品になりうるパワーが、巡り合わせが自分にはあったかな。

具体的な読解はいくらでもできると思いますが、
映像の持つ安らぎ感が今の自分のアニメに求める理想形に近く、
これ以上に自分が必要とする作品が出てくるんだろうか、
というくらい心がびっくりしているので、今はあまり意味を感じないかな。

個人的には素晴らしい映画体験ができた作品でした。
こうした作品にまた巡り合いたいものです。

ルックバック を語る

2024-07-07 08:45:02 | ■アニメレビューとか
映画も見てきたので。

最後に京本の部屋に入って出ていくとき、なんで部屋から出る様子を描写しないのかなと思ったけど、
エヴァ以降、外に出ろを数多く発信してきたアニメ界だからそう感じたのかな。

考えて見れば絵を描く姿を見せるなんて極めてプライべーなもの。
そんな姿を一心不乱に見せる今作は狂気の作品と言える。
京本の部屋っていうのはそういうプライベートの極致という位置づけで、
人間の内側へと入っていく作品だったんだなと改めて感じたな。

最後に窓に4コマを貼り付けますけど、窓から見る景色にフレームを配置する、
その異物感こそが漫画の醍醐味であるように感じる。
新しい世界の窓を作る、という意味合いで。

ただ今作の藤本は外を見れるようにして漫画を描いているけど、
多くの漫画家、そして今作に参加されているアニメーターがそうであるか、
と言われると割と疑問で、
この部屋の中から外が見えるようにして描いていることの意義、
っていうのを意識してしまったな。

特に映画館だとスクリーン以外は見ないわけで、
漫画のコマの外の世界っていうのは見えないわけで。
映画というのは意図して世界に浸れる世界であり、
内面に触れるプライベートな世界で、
我々が『ルックバック』という映画を見る後ろ姿を誰かが見ているのかもしれない、という予感を感じさせられたな。
作品を描く意義があるように、作品を見る意義も当然あるわけで。

藤本だって京本の作品に触れて、描き始めているわけですからね。

まだ消化不良感ありますが、
とりあえずこんなとこで。

アニメ雑記 2024/6/8 を語る

2024-06-08 19:49:51 | ■アニメレビューとか
●トラぺジウム
前知識なしでアニメ映画だから見た感。
東西南北の学校から目立つ子をチョイスしてアイドルグループを作る、
めちゃくちゃ戦略的に凝った話で、主人公の行動力に感心してしまった。
絵的にも綺麗で、特に髪のツートンカラーは綺麗に描かれていたように感じたな。
ベッドに寝ころがって髪が広がったところで裏地が見えるんだけど、
起き上がったときにそこが隠れて表面の毛先と黒髪の部分が出るとか、
一連の流れがスムーズで細かな処理がうまくいっていてグッときたな。

あと下を向く作品は数あれど、
上を向く芝居があったのが良かったかな。
星というテーマがあったからこそかな。
イメージと芝居とテーマのリンクがあってこその絵という感じで、
割といい印象を受けたかな、と。

学園のアイドル的な立ち位置のメカッ子がアイドルやる違和感を、
ちゃんと追っているような感じでそこも好印象だったかな。
ばらばらになった4人が集まって、
主人公が相手を見るときに太陽をバックにしているのとか、
1カット内の説得力が物語を通じて触れられているなと感じられる部分も多々あり、
楽しんでみることができた1作でした。

最後に夢をかなえているのはやや飛躍した印象でしたけど、
パーフェクトブルーを思い出すと、あの作品の反転のような印象がしたかな。
女優とアイドルの関係の反転みたいな。
最後にそれぞれ女優とアイドルとして成功しているという点がそう感じさせられただけかもしれませんが。


●劇場版ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉
見てきました。

冒頭から今までとは違ったウマ娘の映像化だなと感じる一作でした。
レースシーンの臨場感はカメラアングルから作画のメタモルなど、
見せ方が練られており、かつウマ娘はなぜ走るのか、
速く走った先に何が見えるのか、という勝負の先にあるものを意識させられた感じ。

アグネスタキオンが博士系キャラだからできた展開かもしれませんが、
ジャングルポケットが最初に持っている玉、
願い玉、ともいうべき玉が象徴するものは何か、という話かもしれませんね。

特に中盤にアグネスタキオンが皐月賞で勝ったときに見せる景色、
速さの先にある遠雷、あるいは光、とは何なのか、というか。
ウマ娘の走りが無数のフィルムで描かれ、ウマ娘はなぜ走るのか、
走った先に何があるのか、という作品設定の根幹に触れつつ、
それを美しくかたどったのがジャングルポケットやアグネスタキオンがもつ玉、
だったのかもしれないなと。

個人的には光を目指す話でもあったのかもしれないなと思ったり。
以前10年で印象に残った10話の中でセイクリッドセブンの話をしましたが、
監督もアニメーター出身だったことを思い返すと、
似たような思想があったのかなと感じたんですよね、主観カットも多いですし。

玉が3Dなのも監督がアニメーター出身で描かないものを希望のものとした、
という印象があったりしまして。
そこに映像的な快楽の中に理性を垣間見たような気がします。

今回作画的にも崩し絵だったりして漫画的な画を入れていて、
懐かしさやアニメーターの作品らしいつくりだと感じられる部分があったな。
タキオンがポケットの足を触っているの、カレイドスター1話かと感じたりとか。
アクションで空気感を変えるのはあの辺あたりからきているのかなとも思わされる。
劇場作品で緒方賢一の声をこんなに聞けるのもよいかなと感じたかな。

アクションはオペラオーのマントが天高く舞う辺りのアクションは目立っていてよかったな。
スタッフ的にああいうアイディアはFGO的なのかもしれないとも感じたな。

作画が良いのももちろんでしたが、撮影的な部分、
光の扱い方などが綺麗で良かったですね。
この作品にしかない魅力が詰まっていたと思います。
MADBOXがやっているんですかね。

演出的にはフジキセキと歩いているときに前にいるのか後ろにいるのかとか、
花の見せ方とか、カットの意味合いを拾うのが楽しくて良かったな。
ある意味では既視感の塊かもしれないですが、アングル的な新鮮さで保たれていた気がする。

冒頭でポケットが自分の持っている玉を空に投げてキャッチする、
自分でつかむべき星を定め、手を伸ばす、
というのをやっているのがキャラクター的にグッとくるところですが、
映像作品として監督が目標としていたイメージもこれなのかなと感じたかな。

ダービーを征した当たりで停滞してから復活があまり盛り上がらなかった気がしますが、
それは目標を成し遂げた先、またはそのさらに先への道の険しさを知ってしまったこと、
光の速度に到達することは無理なんだ、
みたいな一種のあきらめが載っているのかもしれないなと思ったりも。
それでも走らなければならない。
なぜならそれが存在理由であるからだ、と。
そういう生きていく上での壁を強く意識させられた気がしたかな。

新時代と銘を打つだけあって新鮮な作品でした。
これからの作品がどのようなものになるのか、楽しみです。

ガールズバンドクライ OPとか を語る

2024-05-11 22:00:53 | ■アニメレビューとか
TVアニメ『ガールズバンドクライ』ノンクレジットオープニング|トゲナシトゲアリ「雑踏、僕らの街」

OPが好きでよく見返しています。
また一生見返す系のOPがきたなという印象。

個人的に見ていて最初に引っかかった電気のイメージ。
街に降り立つところで電気的なエフェクトがかかるので、
3Dキャラとは電気というエネルギーがないと見れないもので、
最初に糸のようなものが繋がっているのはエヴァのアンビリカルケーブルで、
つまりは人造的なものであるということのメタファーかなと思ったんですよね。

物語でもスマホの電源が落ちたり、照明器具を破壊したり、
そういった電気的なものが3Dである彼女たちを示していて、
それが物語的な意味をはらんでいく、的なことを考えていました。

今も同様に感じている反面別のことも考えてしまいます。
このOPはバンドメンバーをアニメ化したものではないか、ということです。



タイトルが出る前にスクリーンに画面が表示されるのがまず1つ。



タイトル。
ここで5色の線と煌めく光が出てきますが、
これは2Dキャラと3Dキャラの重なり合いがある世界、
というロマンを語っているのではないかと感じる。

OP自体が物語の要約という側面を持っていますが、
ここはそれを表現するキャラクターたちの世界観の重なり合いというのかな、
そういうものに触れているのかなと思うんですよね。

文字の中のイラストやモノクロの画面で分割しての漫画的な表現、
そしてカラーへっていうのは降臨した5人によって色づくのはアニメ化の表現、
最後の煌めきは3Dの表現(現実、のメタファーかもしれませんが)かなと。



基本的に2Dアニメのキャラは基本カメラ目線。
人形でも同様で。

人形を引用するのはイノセンス的な魂のありかの話でもあり、
3Dキャラこそマリオネットではないか、
みたいな問いを感じる部分でもあり、
面白いとこをついてくるなと思わされる。



メンバーが並んだカットもカメラ目線。



街を飛び交う光とライブの光のイメージの類似性。
そして電気的なエフェクトで2Dキャラとのリンク性と、
やはり電気のイメージはあるのかなと思わされる。



ライブ中の3Dキャラはカメラを見ないけど、
2Dキャラはずっとこちらを見ている。
そんなキャラクターに導かれるように疾走していくライブ感。


そしてライブでもカメラを動かしまくって、イメージのリンクさせてる。
またリング状のスクリーンが本当はそこでこのオープニングを流しているのではないか、
今は3Dキャラのパートだからイメージだけだけど、
画面が切り替わらなければ、2Dキャラがそこに映っているのではないか、
と予感させられる感じもあり。



キャラクターの方向性を描く2Dキャラ。


そんなイメージに中指立てていく。
タイトルで煌めいていたのはここだとわかるという。

基本的に3Dキャラはライブ中心で、
2Dキャラはイメージ的な動かし方、見せ方が多い。
この関係は現実とアニメ、虚構と現実に通じる部分があって、
最後にその関係に中指立てているようであり。

表現の役割による分割表現だったはずの2Dと3Dそれぞれが、
自分が主役であることを主張しているようでもあり。

役割を与えながらそこを飛び越えていく飛躍こそが今作オープニングの味、
という気がします。


ラストカットはその飛躍を特に感じられる部分。
集合絵ってありきたりなイメージですが、
アニメ化したキャラ(虚構)がやっていたことを3Dキャラ(現実)がやる、
みたいな連続の中での役割の転換が凄くインパクトあるなと。

またライブ演奏をして音合わせで動いていたキャラがラストは演奏せず、
キメポーズで決めっていうのも物凄い飛躍ですよね。
私たちを導くようにカメラ目線なのも、強い。

オープニング初めが2Dキャラで終わりが3Dキャラというのも、
アニメの歴史の要約でもありそう。
そういう3Dキャラへの置き換えに野心的な表現を示すのも、
実に作品にマッチしていて素晴らしいですよね。
本当に集合絵に感動したのは今作が初めてではないかと錯覚するほど。

3D作品は正直肌に合わないなと思っているんですが、
こういう発想の転換が見え隠れする作品はやはり見ていて楽しいし、
物語でどう表現の考え方が示されていくのかが気になります。

物語に対する様々な予感を感じさせながら、
絵とは何であるのか、表現とは何だろうか、
みたいなものを摂取できるこのオープニングに病みつきにさせられる。
本編見る前にオープニング鬼リピしてしまうのがやっかいか。

あと偶然にも色んな再生機器で曲を聴いたのですが、
印象がだいぶ違っていて、音の体験ってこんなに差があるんだな、
というのも感じられたのも良かったです。

酒井監督はラブライブでも印象深かったので、
今後も監督作は楽しみにしていきたいな。

アニメ雑記 2024/1/9 を語る

2024-01-09 21:08:07 | ■アニメレビューとか
久々の更新です。
こんなに間を開けてしまったので、今年は月1更新を目指します。
特に4月からはユーフォニアムの3期が始まるので、
できれば毎週更新したいですね。

昨年は旧作をたくさん見て新作は話題作を追うような形でした。
主に見たものとしては

・聖闘士星矢
・ドラゴンボールZ
・飛べ!イサミ
・ミスター味っ子
・シュタインズゲート、ゼロ、劇場版

などdアニメストアで見れる作品を見ていました。
8800話見ると神になれるらしいので、それを目標にしていた気がします。
現在8621話見ているのであともう少しで神になれそうです。

個人的に見ていて山内回が印象的な話数が多かった気がします。
聖闘士星矢の山内回は特に印象的ですね。
アテナの回は非常に演出意図が強い回で別物のようにも感じました。
ドラゴンボールZの後半の話数は新海誠に通じる道はこういう回なのかもな、
というようなことを思わされる光の使い方で印象深いです。
ブウ編の天下一武道会、ベジットの辺りですかね。
強い光を落として暗い感じを強調するのは発想としては現代の中村豊的なのかなぁみたいな。
まあ手法は全然違いますが。
ただこういうことをやられていたんだなと印象深い感じでした。

ドラゴンボールGTも見ようかと思ったのですが、
Zの形式になれるとGTは非常に体に合わず、
よく幼少期はこの急激な変化に耐えられたなと驚かされます。
西尾演出様様なんでしょうか。

年末年始もガンダムSEED、SEED DESTINY、水星の魔女、呪術廻戦2期、
ほか未見だった盾の勇者2期3期、ウマ娘3期などなど、
1クール作品も消化できたので、長い休みをアニメ漬けで過ごせていい休みでした。

しかし4クール未満の作品を見るともう終わるのか、
みたいな気がしてしまい物足りなくなってしまう感。
長編作品を見るクセがついてきたので、
これからはワンピース、NARUTO、BLEACHなど、
超長期作品も順次見ていこうかなと思います。
特定話数しか見ていなかったりするので。
未だにワンピースはチョッパー以降の仲間をよく知らないので、
劇場作品を見るたびになんか知らないキャラがいっぱいいる!
という感じになります。

昨年は新作TVシリーズはあまり見ていなかったので印象が薄いですが、
劇場作品は豊作だった印象です。
個人的に劇場作品はどれも感想書かないとなと思いながら、
その他予定の波への不安感からあまり文章をまとめきれなかったので、
Twitterで気づきはメモしておこうという形でした。
かがみの孤城 とか、一昨年の作品ですが、
ああいう作品の感想とかも書きたかったんですが、
タイミングを逃してしまったような感がします。

昨年はオタク活動以外を頑張っており、
そちらを継続しないといけない気がするので、
結局あまり更新しないかもしれませんが、今年もよろしくお願いします。

特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト を語る

2023-08-13 15:26:00 | ■アニメレビューとか
見てきました。
自分の好きなシリーズがまだ続いてくれることに感謝。
特にアンサンブルコンテストはメインキャラ以外の部員が活躍するので、
ぜひアニメ化してほしい一作だったのでとてもうれしかったです。
以下ネタバレ感想。


4年ほど間が空いたので、どうだろうなと思ったんですが、
思いのほか違和感なく見れた気がします。
石原・小川コンテで演出が石原・北之原っていうのはちょっと意外な感。
楽器への人物の反射の絵とか結構使っていて、
こんなに頻発するような絵でもなかったなと、そういうのが気になったかな。

絵的にはロングショットでの芝居やキャラのポーズが特に気になる感じ。
なんだろう、同じような、というと語弊がありますが、
同じようなショットを使用することで学びを増やそうとしていたのかなと感じられたんですよね。
例えばキャラクターが前かがみになるようなポーズとか、
おどけたような反応とか、歩きのシーンの多さとか。
骨盤辺りを意識させるような芝居をさせようとしている感じがしたかなぁ、と。

最初の方で階段を下ってる辺りで足元を強調するくだりとか、
ちょっと珍しい絵だと思っていたんですが、
腰を中心にした動きの見せ方を満遍なくいれていて、
彼女たちが練習しているように中の人たちも練習というか、
課題をクリアするような絵を入れているような印象がしたかなと。

そういう中で床に落ちる楽器や譜面台の影とか、
みぞれの窓とか突飛なというかちょっと目を引く絵もあって気になった感。
特につばめと久美子が楽器を運んでいる辺り、
如何にも京アニ的な段取りをちゃんと描くぞというシーンであのきめ細かな影、
そして共同作業がドラマを形作っているのが個人的にグッときたかな。

あと瞳のアップの処理も見慣れないと思ったら特効で知らない方がクレジットされていて、
やっぱ新しい人が入ると新鮮だなと感じたかな。
まあたんとうされているかはわかりませんが。
なんだろう、そういう部分を結構強く意識した感じだったかな。

こういう絵は以前はあまり意識してなかったけど、
なるほどこういう魅力もあったのかと思わされる作品で、
見ていて感激してしまいました。

久美子と麗奈が座る絵ってよくありますけど、
久美子の方が身長が高いことを考えると久美子の方が足長いんだよな、
みたいにあらためて考えてしまったりも。

足の描写だと山田さんの演出の延長という風に感じられる方がいそうですが、
個人的にはそのフリをした全く違うものだと感じられて、凄くグッときた感じ。

久美子の指導的な視線が作品内にメタ的に介在するとこうなるのか、みたいな。
そういう作品との一体感が感じられたのが良いというか。

3期に向けて期待感が募る作品でした。
劇場限定Blu-ray買って見返したかったですが売り切れで残念。
3期で久美子がどう描写されるのか、楽しみです。

君たちはどう生きるか を語る

2023-07-16 12:14:54 | ■アニメレビューとか
以下ネタバレ感想というか見ていた時の心の動きのメモ。


最初見始めてなんか戦中の日本っぽいということで視聴意欲がここでかなり落ちた。
風立ちぬに続いてまた?もうそういう昭和の話は辛気臭いし説教くさいからやめてほしいなと思った。
火事も空襲警報的なやつなのかなと思ってしまっていたし。

主人公が母親の病院が火事だと知って炎を見る辺り、
舞い散る炎がCGっぽくて、なぜなんだろうと思った。
自分の中で宮崎駿の撮影はマクロス7 OPの引用だと思っているので、
まだその域を出ない、表現の幅が狭いような印象を受けた。
これは割と全編通じてそうかな。
まあマクロス7のOPより素晴らしい作品を見つける方が難しいのかもしれない。

着替えて外に出て走り出した主人公。
揺らめく景色、炎、人、その歪んだ世界が心象とリンクしてるように感じつつも、
有事の際のリアルな空気感を感じるようで、
全巻客が大平晋也の作画をかたずをのんで見守る形になっているの凄いな、
みたいに感じた。

この火災現場に向かう主人公の場面は、病院で主人公を待つ母の像、
母の死に際の姿を夢想しているのか、
実際に病院にたどり着いてやり取りがあったのかは不明だけど、
主人公に語り掛ける姿で何度か描かれる。
あくまで母が最期まで息子を気にかけてくれていたはず、
自分のことだけを見ていてくれたはずだという、
母を思う主人公の姿がやや気にかかる。

場面変わって、父と一緒に会う新しい母との出会い。
個人的に気になったのは車や電車の描写かな。
カーチェイスなどで車を生き生きと動かしてきた宮崎アニメですが、
巨大な艦船などはハーモニーで見せてきたりもした歴史を思い出し。
しかし今の時代、車がこんなに生き生きと動くのだろうか、という疑問があり、
宮崎アニメのリアリティラインは昭和の過去の時代や、
セルフパロディ的な引用の世界にしかないのだろうか、
というやや陰鬱な気持ちになってしまった。

しかしこのエンジンがあるものを生命を持つものと同じように描くようなのを見ていると、
人とエンジンの違いは何なんだろうか、という気持ちにもなり。
義母が人力車に乗ってくるのを見て、なぜ人と車をダブらせるのか、みたいな。
後半は鉄道が動かなくなり工場で生産した戦闘機の窓を民家に保管する描写があるけど、
飛行機や車、鉄道などエンジン、つまりは動力を積んだものを描かないことで、
人というものはどういう力で動いているのか、
人という動力は何なのか、というところにフォーカスしたいのかなという予感を感じさせる。
そして鳥とのやり取りの中でそれを明確化させたいのでは、みたいな。
そういう予感を感じさせられてしまったな。

主人公が屋敷についてお手伝いのおばあちゃんたちに付きまとわれ、
いつになったら美少女が出てくるんだろうと思っていると、
父と義母のラブロマンスが始まったり、鳥が襲ってきたり、なんかイベントが色々ある。
その中で主人公がはっきりと人と対話して意思を感じさせるのが、
塔にまつわるところで、内向的な主人公の興味の対象を印象付けるのはいいけど、
なんか一気に引き込み過ぎではないかみたいに感じた部分もあり。

昔いたという叔父が本をたくさん読んで狂ってしまったという語り、
全国のエリートを自称する人たちの怒りをかってどうするんだろと思いつつ、
この狂ってしまった、という語り口そのものは作劇的なミスリードだとわかりつつも、
なんでその言葉をチョイスしたのかちょっと引っかかる。
この時に思い出したのが、
昔TVでやっていた宮崎駿の想像上の創作部屋を3Dで作ったものが正にそんな形で、地球儀が置いてあったりしたこと。
これは他人から想像される己自身を投影したもの、
期待された架空の宮崎駿というエクスキューズなのかなと思ってしまったな。
だから他人の無責任な言葉だというものを思わず発露してしまったのがこの場面なのではないか、みたいに感じてしまった。

サギ関係の描写はあまり興味がなくて、
異世界に行くのもあまり興味が持てなかったかな。
帆船ばかりな描写で、やはりエンジンを脱した形で見せてきたかとか、
逆にここに戦艦が突っ込んでくるのかなとか色々想像はしてしまったけど。

母親を求める情動はこの作品の、主人公のエネルギーになっているけど、
それが炎と関連付けられているのは、心のエンジンは、
人のエンジンは情動という事かと思わされる。
だから仮初の母が水になるのは、その炎を見事に消したことのメタファー、
そして母から義母へと、思い人、優先する人を変えた転換としてるのかなと思えたかな。
割と直球的な解釈ですが、そういうものではないかな。
実際若い時の母と会えて、そばにいて、さらに求めるものがあっていい状況でもあったし。

弓を作ったり帆船に乗ったり、巨大魚をさばいたりなど色んな体験は、
結局こういう体験をして大人になるという含み感じてしまい、
そういう説教臭さをタイトルからして感じてしまい、
自分の感受性よくないなと思いつつも、
結局エンジンの扱い方さえも知らない現代人は、
自分自身がどう生かされているかも知らないのだよな、
と言われているようであり、そういう考え方をかってに読み取って共感したり、
なんだろう、タイトルからして色々考えてしまうのは確かかなぁという感はある。
世界が一人の積み木で出来ているわけないじゃんっていう。
そういう想像上にあるわかりやすい世界なんてない、という話でしかないんじゃないかみたいな。

鳥と呪いの関係はあまり興味が持てなかったけど、
捕食される側になることもありえるという話なのか。
鳥だと押井守監督とかが頭をよぎってよくないな、と思ったり。
個人的にサギはもののけ姫のジコ坊だと思ってしまった途端興味をなくしてしまったので、
それ以上の感想が出てこない。

義母が主人公に色んな感情をぶつけますが、いや、
確かに最初から愛されてるわけないけど、
でも愛そうしてくれていたのを主人公がわかっているから母と呼べたのかなとか。
ただそういうちょっと大人っぽい成長ができる冒険譚だったかというと疑問で、
子供になってしまった母ではなく、大人としての母を求める欲求なのかとか、
色々考えてしまったな。
義母が弓で主人公を助けたように、ああいう姿への憧れがそうさせるのか、とか。

主人公が石を頭に打ち付けて自傷行為をしますけど、
周囲への怯えや父への反抗心、母からの愛情を求めて、という形なのか。
ただ義母はずっとそばにいられる状態ではなく、
一緒にいてくれるのはおばあちゃんたちだけ。
こういう形で若い女性の愛情を求めるように扱うような感じ、ちょっと鼻につくような。
ただおばあちゃんたちも昔はすごい女たちだったんだ!えぼしみたいな!
みたいな形でフォローしてる感じで、そういう人たちに守られていると、
こういう状況にならないとわからないよなぁ、
世の中の人のこと、人の歩みなんかわからないよなぁ、
という語り口なのかもしれないなとも思う、かな。

叔父が世界を主人公に託そうとするところで空に浮かぶ物体が出るところで、
画が持ってるのは流石のレイアウト設計て言えばいいのかな。
普通だと異物感が強く安っぽい画面になりそうな気もしますが、
そういうのを感じさせないところが凄いなという感。
アニメーションについては充実していて破片も現代的な感じで細かく描いていて凄いなーと思ったり。
空の描写なんかもやっぱり好きだし、叔父が出るところで星座の形に宝石が埋め込まれていたりとか、そういうファンタスティックな描写も好きだったかな。

想像上の世界にいる叔父の世界をどうこうする気はなく、
受け継がないという形なのは、まあ普通の考え方かなという感。
宮崎駿という監督と絡めて語るのも正直個人的には飽きてきたので、
特に何度も見たい作品ではないけど新しい宮崎アニメを見たな!
という満足感は得れたなという感。

次回作があるなら日本以外が舞台の作品がいいな。
もう宮崎アニメで昭和の日本の景色を見たいと思いません。

あと全然関係ないけど炎使いキャラは煉獄さんの方がわかりやすくカッコいいので、
煉獄さんの勝ちです。

スキップとローファーとか を語る

2023-07-09 22:13:00 | ■アニメレビューとか


まだ未見で評判もいいし一気見するか!と思って見始めたら、
あまりにも素晴らしくて1話1話間を置きながら見ています。
OPのダンス、良いですねぇ。
色合いも良い。ちょっとラララランドを思い出す感じ。
あのラストのもしかしたら、という明るさを含んだ幸福感を続けているような感じにグッときます。


個人的に好きなカット。
ちょっと不器用さを感じながらも相手と合わせながら踊る姿が愛らしく映りますね。
いやー、荒んだ心に栄養を与えてくれるこの感覚、並の作品では得られない良さがありますね。


特に引っ掛かりの多い2話。
花とカーテンの揺らぎに雰囲気があって、
こういう落ち着いた見せ方ができる余裕があるのがいいですね。


影の感じにやや暗い雰囲気。
画の意味合いを感じさせてくれますね。






ネットでの対比。
舞台側へ行く主人公に対し、いつの間にか去って行く男子。
舞台の意味合いがよくわからなかったように、
ネットのこちら側、あちら側という意味合いや、ネット自体の意味など、
いろんなものを含む情報の錯綜に翻弄されるのが心地よい。
良い意味で読ませる混乱というかそういうのがあるのかな。
また京アニ作品を連想してしまう部分でもあるかもしれない。



西日の作る影による奥行き。


この辺の描写は個人的にはとらドラ!2話的なアイディアを感じてしまったかな。
手前の柱と奥の柱が重なるのを見せる。
なぜこんなカットをやる?という余白が雰囲気を作っていて非常に良いですね。




会話の中で何度も柱は重なる。
カメラが主人公たちを捉えながら。
同じ方向に進んでいる中で重なるものと、重ならないものがある。
主人公と彼は決して重ならないが、柱が示すように、いつかは、少しの間は重なるのかもしれない。
そんな瞬間が何度も何度も訪れるのかもしれない。
しかし、それは今じゃないという語り口が非常にクールに感じたなというか。



彼との別れ。後ろにはそれまで通ってきた柱。
何かを抜けてきた。
そんな多くの背後にある何か、を予感させれる感じが良いですね。
背景をおざなりにしないところ、キャラクターの存在を支える場、
というのを色んな意味合いを含みながら見せるのに本当に痺れさせられる。
この感覚、久しく忘れておりました。







ネットのように複雑な四角いものはだんだん無くなり、
感情を見せたその場では、シンプルな壁が広がる。
たくさんのものがあるようでいて、極めてシンプルなもの。
そんな心情の奥行き、複雑さを絵にしているようなカット割、レイアウトにグッとくるという感。




『無一郎の無』と『無限の剣製』 を語る

2023-07-08 23:25:18 | ■アニメレビューとか

最近アニメ鑑賞が低調気味な感じですが、

今期はこの話数だけ妙にリピートしてしてしまいました。


・「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編 8話 『無一郎の無』





最後のキメの一閃。
妙な既視感があるなと思ったら同じufotable制作の、
・Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 24話 『無限の剣製』
のギルガメッシュ戦とちょっと近い印象がしたかなと。




鬼滅はマルチアングルで強調してますが、
こちらは引きの絵から寄って強調してる感じ。

どちらの話数も自分と近しいものと絡め自分自身を見つめ超えていく話だったので、こういうセルフパロディが成立したのかなという感。無一郎の無は無限の剣製!みたいな繋がり方かもしれませんが、自分が 最初に感じたのはそっちかな。
絵コンテは両方とも白井俊行さんですが、原画の方は同じ方なんだろうか。

自分的にこのシーンが気になったというよりは、
故・山口祐司監督の劇場版『Fate / stay night - UNLIMITED BLADE WORKS』
がufo版とよく比較されるので、その葛藤から繋がってくる感じでしょうか。
自分の好みはどちらかというと山口監督の劇場版なので、
ufo版のシーンに長らく比較される葛藤があったのですが、
鬼滅でセルフパロディをしてくれたことにより、
若干その葛藤から解放された感じがして、個人的に良かったです。

また今後これがufo、または白井演出として続くのかも気になる感じ。


以下この話数のほか印象。


刀の処理が好きで結構意識しちゃうかな。
光り物に弱いので。



髪の描写なんかも結構好きかな。
そこでスローか、みたいな強弱に違和感を持つときもありますが、
アクセントになるような絵があるとつい惹かれるみたいな。


原作が週刊連載の都合のコマ割りとという感じでしたが、
アニメではそれをうまく一本化してまとめようとした印象。
ただ声優が同じ関係かモノローグが誰のものなのか、
無一郎が実は有一郎?みたいな印象を持ってしまう、
若干混乱させられる一面もありますが、久々に気分が上がる回が見れた感がありました。
無一郎、正直全く興味なかったキャラでしたが、アニメで大分印象が変わりましたね。

鬼滅は原作も読み終えているので、今後どう展開されていくのか楽しみです。

機動戦士ガンダム 水星の魔女 15話とか を語る

2023-04-23 21:24:00 | ■アニメレビューとか





グエルの飛翔が印象的な絵になっていましたね。
宇宙で縦横無尽に飛び回り、手に入れた勝利が父殺し。
そして今は地球という地を這う存在に。
今回の飛翔はどこまでも頭を抑えられ下へ下へと向かってきた男の転換点、絵という感が強ったです。
地味にコックピットから見上げる構図も新鮮だったかな。

見知らぬ天井ならぬ見知らぬ大地に戸惑うという、
始めての地上というのがややガイナの血っぽく見えるかな。

グエルのこの飛翔が今後どのような意味を持つのか楽しみです。