というわけで最終回。
最後まで日付や時間を見せる辺りはやっぱミステリー意識なのかなという感じ。
エイプリルフール的な意味合いってなんかあったのかな。
今回はオヤジ祭りという感じ。
以前は京アニ作品のモブのオヤジとかって結構怖い感じだったけど、
最近はやっぱ丸みを感じさせるような印象が強いかな。
あと氷菓は祭り、文化祭がメインだっただけに、
こうやって巡り巡ってまた祭りっていうのが取り上げられるのには意識的になっちゃうかな。
こういうのをポンと挟むところがやっぱ京アニだよなぁという感。
紙が折れている感じっていうのを動かしながら見せたりしてて、
妙な力の入れ方をするところがやっぱそうかなと。
アニメスタイル的に言えば頑張ってる感じっていうのが出てるカット、と言えなくもないか。
こうやって出入りする辺りは武本さん的な感じ。
千反田の普段とは違った高貴な感じのする言葉遣いとか印象的でしたね。
千反田の服はセルで置いたりして、
存在感を見せていたのが個人的には良かったかな、と。
茶髪。
答えに詰まったところで折木がそっと力添えをするかと思いきや、
茶髪さんがその役を奪っていく。
折木が役を譲ろうとしているのも示唆的。
しかしやっぱり違う人間、茶髪は折木ではないということを強調してるのが嫌味臭く映らず、
折木とのやり取りが清々しく見えるかな、と。
本音が見え隠れするやり取りっていうのはそういう気持ちよさもあるのかなーと。
個人的に胸のうちに溜めて爆発するよりは、
こうやって風のように言葉を流すやり取りのが気持ちよいのかなという気がします。
そういう意味では言葉を溜め込むオヤジ達とのいい対比になってるのかな。
行列。
橋を渡る姿と水のイメージが氷菓が描き続けてきたイメージと重なって、
ちょっと気になる感じだったかな。
橋を通してのやり取り、水辺でのやりとりっていうのはけいおん!でもやってたので、
その辺はもうちょい考えてみたい感じ。
あと今回見てて武本さんってAIRを相当気になさってるのかなという気がする。
後半の演出はTV版、この辺は劇場版意識なのかな、とか。
動きをストロボ的にゆっくり見せている感じはやっぱ武本さんかなという感。
清涼感。
行列が入射光や画面のぼかしで不鮮明で強烈なイメージが強かっただけに、
こうして落ち着いた場所をフォーカスして見せて静まりを意識させられる感じが気持ち良いかな。
マジックで手になんか書くとくすぐったいよね、という。
折木のところで引いちゃうところが照れなのか、
男のニヤケなんか見せてもなという感じなのか、
せっかくやってるのにここで引くのかと、
その感じが個人的にはちょっと引っかかったかなぁ。
折木の話を聞いて茶髪の行動に思いを馳せる千反田だけど、
その感情の流れに、千反田の中の茶髪に反応しない折木っていうのがちょっと引っかかる。
それだけ嫉妬とかそういう部分を描く作品が多いっていうことなのかもしれないけど。
ある意味同意するような感じっていうのは、
それだけ折木と茶髪が近い、ということなのかもしれない。
珍しい行列っていうのが桜の下を通るだけでなく、
千反田えるがいる行列が桜の下を通る、ということを指している可能性もなきにしもあらずという気もするし。
珍しさというか魅力を主にどこにおくかっていう視点を意識させられる感じだったかなぁ。
自分のブログで一番よく例に上げるのがAIR 5話に成りつつある感じ。
それだけインパクトあったし、コメンタリーでも言及されていたので。
このシーンはカメラを回しながら背景がさも立体として存在するような背景の処理をしてて、
やっぱカメラを動かすことで世界の広がりを見せるっていうのをやりたかったのかなーと。
そんでやっぱこういうカメラの振り方をするっていうのは、
やっぱ過去に言及していたAIRの石原さんなのかなという気がしてくるんですよね。
そういう珍しさと京アニというスタジオの流れを意識させられる感じで、
ちょっと本編の内容とダブる気もするかな、みたいな。
ファイナルファンタジーっていうか。
氷菓は推理シーンでのイメージ映像なんかが割りと珍しかったですけど、
最後の千反田とのやり取りの中で折木の告白が折木の妄想として処理されるのを見ると、
これが作品が最後に見せるイメージというか幻想なのかと、
そういう仕掛け方がちょっとグッときたかな。
ただその想像の先の千反田の表情の変化は見えず。
しかし現実の風景の中で桜が舞う中で千反田は笑顔を折木に向け、
妄想の中では見られなかった千反田の表情に辿り着く。
折木の妄想と現実での風の吹き方は同じであるけど、
その意味合いは全く違う。
しかし風が吹くという予感を折木が察知した上での妄想ならば、
その先の笑顔も妄想の先に確かに存在し得たのかもしれない。
そういう狭間が感じられるのがある意味で心地良いとも思えるし、
それってどうなのかな、と思う部分でもあったり。
同ポジで見せる変化は、魂狩の武本回を思い出す感じでもあったかなーとか。
そういう有り様が印象的でした。
脚本:賀東招二
絵コンテ:武本康弘
演出:武本康弘 石立太一
作画監督:西屋太志
最終回はらきすた、日常同様に石立さんが入る格好に。
ピンクの光は石立空間的な感じがするけど、
後半の処理こそ締めなんだし監督がやらないと、
という気もするのでどういう流れでこうなったのか少し気になる感。
石立西屋コンビは今も健在だなーとまた思ってみたり。
というわけで氷菓完結。
11.5話とかも見たりしたいんで楽しみはまだありますが。
総括とか終わってみての感想はまた次週したいかな。
CMの話とか中二病の話しなんかもしたいし。
とりあえず監督以下スタッフの方々、お疲れ様でした。