流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア を語る

2021-10-31 21:26:00 | ■アニメレビューとか

【本予告】「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア」
10.30公開 



見てきました。
SAOは以前書いたとおり個人的な引っ掛かりがあって、
あまり作品にのめりこめない部分があったのですが、
アスナを主人公に据えて構成しなおした結果、
自分も楽しめる作品になったのではないかと感じられる作品でした。

以下ネタバレ感想。



アスナ視点での再構成ということで新キャラが入ったりしてますが、
大筋はTVシリーズと同じなので懐かしさを感じながらの鑑賞だったかな。

個人的に旧作ではこういう引っ掛かりがありました。
過去の感想から。

要はTVシリーズはアスナがヒロインのはずだけど、
剣の物語としてはリズの姿がチラついてしまって、
ちょっとズレてしまっているんじゃないか、みたいに思っていたんですよね。

ただ今作はアスナが新キャラの友人であるミトから剣を受け取る辺りで、
剣の物語であることを示されたことでこの意識から解放された気がしたな。

というのも剣の鍔の部分の色が緑で、
また親友がアスナのために取ってくれたくれた剣でゲームクリアを目指す、
という意味合いで描かれていたので、
TVシリーズでリズに作ってもらった剣が緑だったことを思い出すと、
今回のアスナの剣に親友の剣という意味合いが付加されたことで、
TVシリーズも受け取りやすくなったかなと思うんですよね。

そして今作は緑というのがアスナの変化を描いているようでもあり。
アスナが死の淵に立たされたのは植物系のモンスターで、
それが原因なのか外ではなく迷宮という屋内で、
そこに引きこもって戦っていたので、
自然の緑というのがアスナにとってちょっと避けてるような印象があったんですよね。
それがキリトとの出会いで緩和され、
文句を言いつつも森林の中を通ってボス部屋まで移動、
そして親友から受け取った剣は緑、
そこでフードから顔を出し、決意新たなアスナの誕生と。
そしてTVシリーズ2話では追いかけなかったキリトと共に新たな扉へと続いていく。
ポイントポイントで緑がよく挿入されるなという感というか。

アスナがボス部屋に移動するときにこの世界を日常にすることへの辛さ、
というのを語りますが、それが緑に囲まれたところだった、
ていうのはちょっと引っかかっていて、
やはり植物に抵抗あるのかな、と思ったんですが、
そこから新しい剣を手にするところで、
裏切られたと思っていた親友は、緑は、アスナを決して裏切ってはいない、
という意味合いを感じて色々納得させられたなという感じ。

また剣を受け取ってアスナの頭からフードが降りるところ前後が田中宏紀さんっぽく、
最近プリキュア5を見返している自分はこの頃の田中イズムを一瞬感じて、
自分のSAOに関する引っ掛かりとこういう作画がみたいという欲が解消されて、
一気にテンション上がりました。

バトルが終わってキリトと新たな階層へ行ったところの景色がTVシリーズ7話のようであり、
またこの世界の緑、自然というのをアスナが克服し、
クリアを目指すことで日常へと向かう空気もあり、
アスナの変化を語られているようで印象的でした。
緑とはアスナにとっては死と隣り合わせのものという意味合いかなと思ったので、
それを受け入れるところにグッとくる感じがあったのかな。
世界を肯定する意味での緑の美しさがある世界という風でもあったかな。

今作は正直監督も変わって、新しいSAOに対する期待感はあまりなかったのですが、
意外に自分が気にしていたところに触れている感じだったので、
今後が楽しみな作品になりました。
ようやく自分の中のSAOが始まった。
そんな気さえします。
次回作は準備中のようなので、次回もぜひ見たいところです。

アニメ雑記 2021/10/24 を語る

2021-10-24 21:32:49 | ■アニメレビューとか
壊れたPCが直ったので更新再開。
新品買おうかと思いましたが世界的半導体不足で高そうだったのでやめました。
今期のアニメはまだあまり見れていないので、
溜まった話数を一気に消化していきたいところです。

●映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!
脚本が久々の成田良美だったので。
大体プリキュア5の映画ばかりリピートしてるので、
何か感じられるポイントがあればなと思っての鑑賞でした。

以下ネタバレ感想。



最近プリキュア5を見返しているので、
なんか出た!にクスリとし、
ケッテーイ!が後に続きそうなセリフにやきもきさせられる、
キモイオタクそのものな感じで見ていました。

妖精たち関連で別の国に行くはプリキュア映画でよくありますが、
倒されるべき敵が不在というか、
明確な悪役というような悪が敵がじゃないのが気になったかな。
本来だったら来訪先のプリンセスが操られていてそれをプリキュアが助ける、
という形ではなく、石に操られているように見えて、
ちゃんと己の意思で悪をはたらいているのが気になったかなと。

今回はコロナ禍の影響かミラクルライトの演出がなく、プリキュアを観客が助けるという戦法を取れないというのが新鮮だったな。プリキュアに力を与えられなくするとはコロナ恐るべしだなぁと思いましたが、それが逆にプリキュア史的には新鮮かなと。昨年はどうだったんでしょう。

ミラクルライトの演出が入った映画の脚本から無しバージョンへの作品へ変わったことにより、通常の作品であれば力を分け与えていただろう異世界の住人が消滅していることに動揺を隠せませんでした。

今回は話の芯がプリンセス同士の話で、ハピネスチャージから続く成田流プリンセスの扱いについての話になったのかな。またハートキャッチの出演により心の花要素が加わったことで、花の意味合いが強まってるのも印象的でした。5gogoが薔薇の話だったので、まったく関係ないプリキュア5勢の背中を映画で幻視してしまう感じでもあり。登場する花の意味合いが希望だったので、大いなる希望の力といえばキュアドリーム!みたいなね。そういうオタク心をくすぐられる作品だったかな。

だからか卵が先かニワトリが先かじゃないですが、この話の後に5gogoに続くなら話として綺麗かなとも感じてしまったかな。国を亡くしてしまったプリンセスの絶望の話から、国を守るためにキュアドリームに力を託すショコラ姫に繋がると綺麗に見えるかなと。要はミラクルライトのある世界からない世界へ行くよりは、ない世界からある世界へバトンが繋がる方が美しいと思えたからですが、それだけ現実が動いたということなんだなというのが伝わってくるようでした。ハートキャッチ勢がいるならミラクルライトはある世界だろ!というのもわかるんですが、まあそこは成田脚本世界繋がりということで。

個人的に映画はなるべく本作のキャラ中心で行ってほしかった気持ちが強いですが、
やはりネタ切れ的なところもあるんでしょうかね。
ハートキャッチ勢の必殺技はなりを潜めていた感じですが、
最後はちゃんと巨大女神が大暴れしてくれて良かったです。
キュアマリンで話が動かしやすいのはわかる感じですが、
成田脚本的にはそこはやはり対抗馬という位置づけ(意識はしてるはず?)のハピネス勢だったのでは、
という気がしないでもない。

映画のTVシリーズの日常から映画の非日常へ、という構成は毎回親切だなと感じるかな。
特に5gogoは超親切設計なのでTV見てなくても映画だけで美味しく見れるのでおススメです。

基本的に自分のプリキュア観は5gogoの映画『映画 Yes!プリキュア5GoGo! お菓子の国のハッピーバースディ♪』で止まっているので、というかお菓子の国が傑作すぎて他作品を見る意欲が出なかった、という感じですが今回は助けたい人も実は消えていて、あるのは意志だけ、という形で無形のものを残すのに歌というのがちょっと染みる感じでもあったかな。ハピネスチャージでは人形の国が噓の国でしたがキャラクターはきちんと存在し続けていたので、今回はまた更に先に行ったなという感じが新鮮でした。

あと本来であれば主役であろうキュアサマーがあまり前に出なかったですが、
敵プリンセスを前にした際にローラを掴むあたりはイケメン度が高い背中でグッときたかな。やはり雪を制するのは熱みたいな。

プリキュアは詳しい方がいるので別に熱心に見る必要はないかなと敬遠ぎみでしたが、
やはり自分の中のプリキュア観を育てないとこういうときに全然作品を読み解けなくなるなと感じたので、
もっとプリキュアを好き勝手に語るべきだなと痛感させれました。

というか詳しい方がいるからと思ったらあまりプリキュアに関する感想記事が見つけられずイラついてきた、というのが本当かな。もっとみんな好きなプリキュアを語りましょう。

プリキュアの話はまた年末にする予定です。

アニメ雑記 2021/10/19 を語る

2021-10-19 07:00:29 | ■アニメレビューとか
●劇場版マクロスΔ絶対LIVE!!!!!!
見てきました。
デルタの一作目のワルキューレ中心の劇場版が印象的で、
テーマ的なところに触れた作品だったので、
今作がどのような形になるのか楽しみでした。

以下ネタバレ感想。


キービジュアルが銀河争奪歌合戦ということで、
またワルキューレ一強みたいな感じになるのかなと思ったんですが、
ワルキューレもまた一歩後ろに下がって主人公とヒロインの愛の話、
というのがメインだったように思います。
三角関係がマクロスの醍醐味の一つですが、
今回はそこをまた一歩踏み込んで、三角関係が終わったその後、
という形で話が展開していくのが新鮮な気がしました。
ただ前回の中心だった美雲の描写などから、
もう少し歌に関する意地や思いを表現してほしかったかなと思います。

今回はハヤテとフレイヤの2人が中心になって話が進んでいて、
最初に印象的だったのがリンゴ畑での星空ですかね。
裸足で木に登っているフレイヤ見てこれは河森さん的こだわりなのかなと思いつつ、
月明かりを雲で隠して月光で見えなくなっていた星空が見える、
みたいな描写が新鮮に映りました。
普段だったらバルキリーに2人で乗って星間飛行、
みたいな描写だったのかもしれませんが、大地からというのが気になったかな。
家族や先祖が生きた証としてのリンゴということで、
リンゴが命のメタファーとして印象的に描かれていたと思います。

ただリンゴが燃やされて、
リンゴをまた復活させようでハヤテが燃えたリンゴをフレイヤに手渡すのはわかるんですが、
その後にそのリンゴが種子だけを取り出された状態になるのがやや不可解。
そのままにしていたら腐るし、というのもわかるんですが、
燃えたリンゴは命を賭けて歌う傷ついたフレイヤそのものを暗示するものとも考えられたので、
リンゴを種子にした時点でフレイヤの運命も示されていたと思うと、
なぜリンゴから種子を取り出す部分を省いたのかと、
そこだけが非常に気になる感じでした。
そこを描いたのが映画の物語と言えばそれまでな気もしますが、
その飛躍ではリンゴの辿る運命について納得出来なかったというか。

シリーズ作品的に過去作からの引用が結構目立つのも気になったかな。
エキセドル参謀や年老いたマックス、行方不明だったメガロード1の出現、
シャロン・アップルやゴーストなど、旧作の引用が目立つなと。
マックスの登場は老いた監督の姿とも重なるような気がして、
やはりそういうところを意識されているのかなという気がしました。

シャロン・アップルについては敵が生体兵器として歌を使ってくるので、
シャロンの強化版、AIではなく人の意識の延長としてるのが気になる感じ。
アバター問題ではないけど、中の人は同じで歌ってるキャラもそれっぽいけど、
しかし意識はその限りではない、
みたいな描写はVtuber問題などで揺れる現代から見える描写かなと感じたかな。

ただ敵がワルキューレの模範としてダークワルキューレ的なものを出現させますが、
扱いが映画プリキュア5のダークプリキュア的な気がしたかな。
特にフレイヤのコピーがフレイヤ歌に共感して歌い出すのもプリキュア5的だし、
何ならスマイルプリキュアでその延長もやっていたので、
プリキュアはマクロスをとっくに追い越していたのだなぁみたいな気分にはなりました。

フレイヤの、ワルキューレの歌に呼応して敵も味方も歌いだして大団円、
みたいなのはマクロス7的な形で河森さんもついにそこへ至るのかと思ったんですが、
そこに冷静に冷水を浴びせる敵の大将の自爆を見ると、
そんな簡単に人の思いは消せないというのを見せつけられるというか、
河森さんの中の葛藤を見せつけられた気がしました。

最後に結晶化したフレイヤをハヤテが抱きかかえる図は途中から予想できる絵でしたが、
その絵が綺麗で個人的にグッと来てしまったな。
凄くセンチメンタルな絵という気がしましたが、
そこを堂々とやりきるところが凄く素敵だなと感じたな。
絶対LIVE!!!!!!じゃなかったのか、これじゃワルキューレも実質終了かな、
という絵でもあるんですが、
そこより大事なことがあった、ということだったのかもしれない。

Fの復活とワルキューレの終わりは商業的な実情を読んでしまいますが、
監督がテーマとして描ききったなら納得という感じにしたい、かな。
ただ自分は何かを見落としているような気もするので、どうかなと。

最後にリンゴの花に囲われた絵は綺麗で個人的にはグッときました。
デルタで監督がやりたいことが完遂できたかはわかりませんが、
個人的には劇場版で満足感が得られるシリーズだったかなという気がします。


●劇場短編マクロスF~時の迷宮~
デルタ上映前に短編として。
成長したランカを見ると遠いところにきたなと非常に感慨深くなります。
正直そこまで好きなキャラというわけでもなかったんですが、
魅力的に見えてこの感覚は何なんだろうなと思ったりも。
久しぶりに菅野よう子の曲が聴けたのも嬉しかったかな。
3Dという形で幻のライブを見せたりとか実験的な感じで画も良かったかな。
Fシリーズとして続編を匂わせていますが、
デルタが終わって前シリーズのFが続くとなると、
デルタで触れたメガロード1の行方などはまたスルーされるのかなど、
物語的な謎を残したのがちょっとヤキモキさせられる感じ。
また動く3人を見たいのはヤマヤマですが、どうなるか。


今更ですがマクロスシリーズはもう監督の人生をかけたものになっていることに気付かされたので、果たして今後どのような展望があるのか、また何を描いていくのか、非常に気になる形でした。今後どう展開されるのか楽しみです。