流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

小林さんちのメイドラゴン 2話 を語る

2021-08-17 15:09:47 | <小林さんちのメイドラゴン>


トールの手さげに風船に占い屋にと、
細かなところでピンクのイメージ。
カンナの存在匂わしの他にたまこまーけっと的な、
うさぎっぽいイメージとか商店街とか、
というのもイメージできてシンボリックな感じが目を引いたかな。
空へと昇れない風船とか、特に示唆的。
またアイキャッチが図形的なので、
そういうところも含めてこれはメタファーであるという描き方なのかな。

久々にTVシリーズの京アニ作品を見たので、
あーそのワンポイントを動かすように見せるのかとか、
細かなところに目を引かれる感じ。



深く踏み込んで一瞬の跳躍、そして強盗をねじ伏せる。
一連かっこいいシーンでしたね。
メイドラゴンはらきすたと日常のイメージが半々っていう気がするかな。
ギャグとして消化する感じが弱いせいかな。



小林さんの踏み込み。
ダッチアングルで、そしてスローで見せるのは1話を意識してしまう。
小林さんの葛藤を表現した1話と、
トールの危機に対して踏み込む刹那。
そういうところを見てしまうかな。


ヒーローを連れて。
商店街の人達に称賛されるも、一歩間違えばトールに危機が迫っていた。
トールたちを追う形で見せるカメラで商店街の人々が見えなくなるまで、
その時間で持って危機を脱したことの安堵を得る。
たまこま的かと思いきや、しゃべる鳥に対してそんな描写なかったよな、
ということを考えるとやっぱちょっと違う位置づけかなというのが際立つ気も。


水彩タッチな背景ですが、
ここは電線が手前と奥で分かたれていて、
カメラの動きに合わせて電線の位置も変わる。
奥行きを意識させるような多層的な1カット。
1枚絵ではないというところに、
多面的な世界というのを意識させられる感じですね。
ここまででそういう絵があまりない、
強調もされないというせいかな。
前カットがいい例になるのか。
商店街の人々が見きれるまでっていうのは絵を引いていく手法で見せてますが、
絵が重なっていることを意識させるカットではないですよね、みたいな。




望遠の絵というのもキマっているというか。
それまで普通に見えていた世界が何か不穏なもの、
そしてその世界の大きさに対して萎縮しているようなトール。

電線のカットを意識するなら、
地は1枚であり天は絡め取られるものがある危険地帯的な意味合いなのか、
とか思ってみたり。


引きからのアップ。
トールの瞳の中の黄緑が意識される横顔。
こういうディテールで光をより意識させてくれるの良いですね。
正面画で見せても良さそうなところですが、
ささやかな部分を意識してるのかな。
握り返される手の感触を意識させられるような手と、
内へとたたまれる腕使いによる奥行きの表現など、
ポイントで見せてくれるのも良いです。


手は洗ってほしい。
力を自由に使うこと、そもそも自由とはというのを意識した回だったのかな。
結構光の使い方が目を引く感じ。


謎アイキャッチ。
5文字で記号的な感じなのでとらドラきてるとか思ってしまった。


やるやるという共感度の高い小林さん。
窓を意識的に見せてる感じ、1話のトールとの出会いの踏襲かなという感。


消失から続く映り込み。


内から出るものではなく貼り付ける!という感じというか、
外からトールの内側へ持ってくるような感じが新鮮かな。
内から湧き出るものじゃないのか、みたいな違和感と意外性の面白さ。



カット割りが妙な気がしたな。
割とCLANNADの高雄回って京アニ社内で結構意識されてる気がする。
あえてカット割る、みたいなシーンが見られる気がするんですよね。
これはどうでもいい話。


トールが小林さんに手をのばすというか指し示すカットって、
結構作品的には花形的なカットという気がする。
1話でも背面からの指差しとかなかなかないポージングで新鮮でしたし。
トールがハートを生む女になっていて、そこも引っかかるかな。
ピンクというシンボルが気になる回でもあったので。




ギャグ調な崩し絵でカットを積む。



そういう時間を積むことで日差しの変化を描き、
光が情感を生み、キャラクターの心情の陰影を浮かび上がらせる。
1話のトールのときと同じ手法ですが、
そこに小林さんの葛藤がないことでトールを受け入れた小林さんの度量、
というのがそのまま出るような感じだったかな。




トールの視点を挟んで想定線超え。



そして新た住人の存在を描く。
部屋の中の光が変化することで、
これは感情についた光ではなくリアルな光を意識してる気がしてくる。
そういう現実と虚構の間を攻めてくる見せ方が面白いですね。
時間経過の演出、外を見せるカットではなく、
作品内時間でそこに触れようとするところや、
窓を見せるまでのタメが実に武本さんらしい。

そしてアイキャッチとらドラっぽいとか思ってたら、
なんかとらドラ1話っぽく見えてきた不思議。
実際長井作品は意識されてたりしたんだろうか。
山田さんが意識されてるように見えるのでそこを意識されてる気もする。
氷菓のOPもけいおん後のOPという感じでしたよね、靴的に。


しっぽコンセント。
原作アイディア的にはピカチュウなんだろか。ちっちゃいし。


草原の表現が目を引かれますね。
AIRのすすきなんかは違和感ある感じでしたが、
こういう感じまできたかという気がします。


TV番組で遊ぶのもAIR思い出すな。
そういう意味で京アニの精神変わってないなとか思います。



エヴァ旧劇か、と思わされたカット。
最近シンエヴァを見たせいかもしれませんし、
寝転んで顔を傾ける、というのがやはり共通項としてあるし、
ビームも庵野的だし?というのはあるかも。
綾波の存在とかつまりこういうことでは、という解答なのかもしれない。


世界を滅ぼすかもしれないドラゴンたちの不甲斐ない姿。
その姿で見て何を思うか。



舞う蝶と太陽。
果たして敵に捕食される自由に羽ばたくことはどういうことなのか。
はっきりとは描かれない感じが少しもやもやしますね。
ただトールたちが自由でいられる世界を祝福する光なのかなと感じます。


そして捕食されることを望むドラゴンへと続くコメディ。
自由であるというのは食べられることである、
というのが何ともいえないホントは怖いグリム童話的な何か。



電車とか手書きですが、
鉄柱は3Dっぽいので、なんだか妙な気もしますが妙ではない。
こういう違和感の少ないカットって時代が進んだように感じるな。




これが現代の京アニの金田系。
そのまま1カットで行けそうな気がしますが、
シーソーに飛び乗るのと石がぶっ飛ぶを分けて描くの京アニ流か。
らきすたで金田光描いてたの高雄回だったので、
やはり高雄回は京アニで意識されてるに違いないとさらに強く感じられる。
と思ったけどあれは武本監督作でもあるのか。




美味しそう。
髪のグラデとかも結構綺麗ですよね。




今回モブ多いなと思いつつどれくらい3Dなのかと考えてしまったり。
あとモブの中に石原さんっぽいのを探してしまう感。


傷に触る。
背中の奥の方というのはちょっと手を伸ばさないと届かないので、
そういうのを意識させれる作画が目を引くかな。
今回はこういう腕のカットで意識させられるポイントが多いような。


まつ毛が印象的。
トールのオレンジがかったまつ毛見ると、
最近の流行が京アニにもという気がするな。




光へ向かうドラゴンたち。
また蝶のカットを思い出すような感じですよね。
今回は太陽の光の意味するところを意識させるのが印象的だったかな。

というわけでしばらく頑張ってメイドラゴン見ていきたいと思います。
2期が終わる前までに1期全話見たいところです。

小林さんちのメイドラゴン 1話 を語る

2019-05-22 21:28:53 | <小林さんちのメイドラゴン>


アバン。
時計で朝が始まり夜に終わるという形で1話は終わりますが、
1日の流れを描いた1話というわけじゃないのがやや引っかかる感じ。
出勤時間など時計を挟む描写の多さから、
時間的な意味合いについて考えて欲しいのかなとか。
また最後電気を消した時締め切った状態ですが、
この時はカーテンが開いたままとか、なぜこの時はこうだったのか、
みたいな疑問符がわくような描写でもあったかな。

今作はトールが森から飛び立つところから始まりますが、
一体そこは何処なのか、みたいな違和感はあるというか。
小林さんがトールを家に招いたみたいですが、
酔いながら夜中に山から下りて自宅に帰ったのか。
でもトールの飛行スピードを見るにかなり離れた場所みたいだし、
トールに刺さっていた剣はいつ抜けたのか?っていうか剣投げるっていつの時代?
剣ぶっ刺されたドラゴンが日本の山にいたってことなのか、
などなどなかなか現在と回想が繋がらない感じで、
そういうファンタスティックなイメージを込めて時間、時計なのかな、と思ったりとか。
まあどうでもいい話か。



トールが降り立ったところで自転車のタイヤが風圧で逆回転してる描写とか、
こういうところをやるのは京アニ流だなぁと思いつつ、
タイヤも時計と同じで円かと思ったりも。



1話で繰り返されるカメラ位置。
小林さんちっていう形で入れてるのかな。
トールのドラゴン形態の描写は正に生き物って感じで、
呼吸での息遣いや瞬きを瞼ではない器官で行って生っぽい肉感描かれていて、
それっぽさにてグッときますね。



ジャーンッ!
トール、人間形態へメタモルフォーゼ。
滞空時間の長さでアニメは時間を操れることを意識させられる感。
しかし初登場の一発目から頭越しのカットかと思うと、
なんか懐かしさすら感じるな。
後頭部見せすぎ問題再燃か、みたいな。
1話の中で後頭部越しのカットが何カットあるか、
数えるのも真面目にありかなと最近思えてきた。







文字演出にBL影や新房作品的な色使いを見ると、
魂狩りの遺伝子出てますね感。
トールの色合いを変えることで、
世界から浮いた存在はドラゴン側と言ってるのがちょっと引っかかる感。
何気にここで変身してますが、
実際どういうやり取りだったのかちょっと気になる感じ。



窓を見せないような構図で。



それまで広角っぽい画から望遠で。
溜めを作るのにややキツめの構図を入れてくるのは、
AIRからの考え方で見ていいのかな。



影が強調される。
心に影を落とすシーンでそれまではなかった光源を用意して影を落とすの、
作品内の漫画的なところからリアル側へと揺れる描写で、
絵空事から現実へくる感じにちょっと違和感はありますよね。
作品はコメディ調な絵でそういう形できたのにここは心情に対する絵なのか、みたいな。



スローモーションで。
これも武本さんがよくやる手法ですよね。
トールを行かせていいのかという葛藤と、
これが現実ならばという夢との境の振れ幅。
結局トールのいる夢のような現実を受け入れるわけですが、
そこに至るまでの思考は時間によって決められている、
というのが引っかかる感じかな。
現実問題トールに頼まないと会社に間に合わせない時間的制約と、
小林さんの作るトールが出ていくまでに答えを出させなければならないという制約。
2つの時間軸からこの場合は成り立ったわけですが、
トールを選んだ理由が非常にしょうもない理由で、
それで成り立つなら最初から拒絶しなければいいのに、
とも思えるんですが、スローモーションで触れられる葛藤によって、
罪悪感に押しつぶされる己っていうある種の逃げにも触れられているんですよね。
そういう人間らしい小心者らしさを今度はすっ飛ばして話が進むので、
その落差に違和感があるよなと。
ただそれがないと話が成立しない。
そういう袋小路に陥っている場面として印象的かなという感。



壁をぶち抜かないと撮れない絵を通して、
夢のような現実への一歩が強調されている感じがするかな。
内と外という意味ではなく、
構図の変化でそういうのを見せてくるのが新鮮に感じられたな。
室内レイアウトに拘っていたのもここに繋げるためか、
みたいな印象にもなってそれまでの武本さんの演出への理解から、
また一歩先が見えたような印象がするかなと。
まあ自分が今まで気づいていない、忘れているだけかもしれないけど。



メイドトール。
どの役割もこなせないけど可愛いっていう描写で良いですね。
メイドものってことで小林さんがガチのメイドオタってのも新鮮かな。







トールのポーズやアクションも可愛くてグッときますね。
しかしトールの中の門番のイメージが中世辺りで止まっていて、
現実との時間軸の差異がちょっと気になってくる場面。



ビームはいて雲を晴らすとかエヴァっぽい感。
自分の肉を喰らう辺りも自分の器官を得るのに喰うってところがまたエヴァっぽくて、
思ったよりエヴァのパロディ要素が強くて驚かされますね。





1話終わり。
小林さんが寝る際に照明を薄明りの暖色系のものにしているのが新鮮だったな。
寝る際は夜っぽく照明を落として青っぽくとか暗くするするとか、
そういう作品がほとんどなので、こうした色味が非常に新鮮でした。
暖色系の色合いが作品を包む優しい世界を強調するようで、
トールに安らかな眠りを与える小林さんちっていうのを印象付けてる感じがGOODというか。

トールの夢から異世界からきたっぽいことが語られているので、
小林さんどこの山に行ったの?とかトールどうやってここにきたんだろうとか、
そういう部分も気になる感じだったかな。

もう結構前の作品なので全話見てから感想書いた方がいいのかもしれませんが、
やはり1話1話ちゃんと考えながら見るなら1話ずつ見たい派なので、
とりあえず続きます。

境界の彼方やファントムワールドも書きかけなので、消化したいかな。
とりあえずツルネまで感想書いていきたいところです。