風呂敷で包んだものを渡すとか西洋式なのに日本式っていう、
こういう歪みはどう受け取ったらいいんだろうなと考えてしまうかな。
ヒロインのエリーゼ登場。
メインヒロインっぽいのに5話からって思うとだいぶ間が空いている感。
登場は足元からで、スカートの長さや1話で強調されてた胸とか、
キャラクターの見せたいポイントを見せてる感があって良いかなと。
カット割って立ち上がってのご挨拶。
立ち上がっての挨拶を省略的に見せてますが、
エリーゼの後というのが強調されてる感じ。
どちらも立ち上がって挨拶するようなイメージがあったので、
主人公がやや気後れしたような印象があるような感じがあったのかなぁ?
どうなんだろう。
伏し目がちな印象の目のアップ。
対面しているのに話しているのはおじいさんで、
エリーゼ本人はやや置き去りに。
貴族社会っぽく、男性優位な形で女性が口を出しづらい雰囲気と、
それが自然である違和感のあるカットかなぁと思えたかなぁ。
紅茶を入れる仕草や彼女のアップを入れつつ話を進めますが、
目をつぶってただ立っている彼女、
っていうのが後の主人公から見た彼女にシンクロしつつ、
何度もその姿を見せることで何も言わない彼女を強調している感じ。
紅茶自体が貴族を象徴するような形で、
ポッドに描かれている花を含め、
この家がどういう家かを想像させられる雰囲気があるのもグッとくる。
そういうことでと安易に決めるおじいさんと何も語らないエリーゼ。
目を開いて語ることがその意志を強調していて、
対してエリーゼは目を閉じその意志がどこにあるのかは不透明。
しかしそこに嫌悪感は見えない。
社会背景や心情を読ませられる場面として非常に印象的かなと。
おじいさんと執事のやり取り。
覗き見感のある構図からの秘め事があるニュアンスや、
会話の中で花の風景を見せることでポッド描かれた花との繋がり、
その華やかな暮らしを強調するようでもあり。
対して主人公が渡した風呂敷の中身。
お主も悪よのぉという時代劇の悪代官とのやり取りが見えてくるよう。
ポット出の主人公が反感を買わないようにと入れ知恵されて握らせたものなんでしょうが、
こうした金品のやり取りだったり、紅茶やエリーゼの女性性など、
貴族社会の闇じゃないけど、
薄暗い感じのポイントを絵でポンと見せるカットが多かったような印象。
こういった化粧箱やお菓子のカット含め。
なぜずっとエリーゼが笑顔でいたのか、というのをおじいさんがいたから本音が言えなかったのだろうと読むところでお菓子をアップにするのはやや引っかかり。彼女へのプレゼントとして選ぼうにも彼女が何を好きかわからない。でも持っていくとしたらこの辺りかな?という主人公の思考を読ませるカットだったのかな。
顔拭き。
ピエロ化粧を含め新鮮な絵が続く感じも楽しいですね。
槍でポーズ決める辺りもエフェクト含め目立つ感じでしたし。
主人公の突然の来訪に驚くエリーゼ。
そして移動したときに落としたカゴと果実。
おじいさん視点ならエリーゼがさらわれたような感じですが、
このこぼした果実をなぜ見せたのかがやや引っかかる感じ。
彼女へのプレゼントとと思っていたお菓子が砕けてしまっている。
その事にも微笑で返すエリーゼ。
砕けた菓子とこぼれた果実はちょっとした繋がりを感じる部分かな。
またどんな菓子を選んだのかわからないのが、
今話で秘匿されているものを象徴されている気がしたな。
下でお茶をというエリーゼに対し、できれば2人でと返す主人公。
エリーゼが目を丸くするというのが彼女の生き方の中の意外性に触れている感じで印象的かなと。ただ自分と2人だけで会いたいという婚約者
彼女の本心を問いただそうとして打ち砕かれる主人公の図。
エリーゼ自身がおじいさまの決めた相手との婚姻を是としているので、
主人公の印象についてエリーゼ本人の主観が介在していない。
自分の期待、
本心を聞きたいという主人公の心を砕けた菓子で印象づけてるのも良いかなと。
甘い期待、つまりは自分自身を見て恋心を持ってほしい、
という淡い期待を木っ端微塵にされてるんですよね。
いくら強い力をつけてもエリーゼの価値観の中ではその主人公の見てほしいところを見てはくれないわけです。なので主人公が一体何を期待していたのか、というのが何の菓子を選んだかわからないように秘匿されているのも納得という形。
月明かり。
招待状をこんな夜に外で手渡しするのかという違和感。
この執事もおじいさまも目を開いたときが本音を話すときという感じなので、
エリーゼに対しもそういう雰囲気を背負わせてるのが気になる感。
やはり一族というのを強調したい感じなんかな。
花がきれいですね。
ここも美味しいという主人公の感想へのオウム返し。
ラストを見るとここでは主人公が言いたいことを秘匿していて、
今回はそういう回だったんだろうなというのが増している感じ。
今話は紅茶がシンボリックによく出てきますね。
執事ナメの構図もちょっと新鮮な絵。
男の甲斐性だとかいうちょっと浮ついた雰囲気、
ちょっと違った流れに行くのに対し浮いた絵を、という形なのかな。
赤い石を見つめるエリーゼと高そうな指輪に辟易する主人公。
エリーゼが見てたのは魔晶石?なんですかね。
高いものでなくとも、というエリーゼに対して、
イキっちゃう主人公がかわいくて良いかな。
今回は主人公の可愛い絵っていうのが多かった印象。
高い指輪のセンスに共感できなくとも、
でも高価なものを贈りたいという見栄は持つのかという感。
そういえば冒頭でも金貨たんまり渡してたしそういう人なのかもな的な。
奥で光る指輪に反応する主人公。
暗がりにあるというよりは見えにくかった、という意味合いの暗さなのかな。
月明かりが照らす絵があったので、あそこのイメージの引用っぽい雰囲気。
エリーゼの心を知るイベントのやり直しという意味合いを含むのかな?みたいな。
主人公視点。
冒頭では目をつむっていてよくわかりませんでしたが、
ここは指輪を見ていて、
そこで決心したのかなという感。
手に惹かれますね。
この感じはスタジオアド回でたびたび見るような。
エリーゼの手に目を引かれる。
直前の主人公の手の作画が印象的なので、
自然とその後のシーンでも手を追ってしまうのを逆手に取られている気がする。
エリーゼが指輪についている魔晶石から主人公の狙いを推測しますが、
それを全然主人公がわかっていなかったという衝撃。
エリーゼ自身が自分がどのように振る舞えばいいかを心得ているからこそ、
その常識が通じない主人公に対し目を丸くする。
結果的に主人公が胸の内の弱さをさらすことでエリーゼがグッときちゃった感じに。エリーゼの本音を引き出すはずが、結果としてはエリーゼが主人公の本音を聞き出す格好になっているのがちょっと滑稽な感じ。
主人公の胸の内を読めないおじいさま方ですが、
結局日本か!みたいな冒頭繋がりのオチで、
改めて今作のズレっぷりを認識させられる感じ。
ただ主人公自身も視聴者に秘密を明かさない姿というのが、
登場人物たちの秘め事に対するスタンスに思えて、
今話数でみんなどんなことを考えていたんだろうなと思いを馳せられる印象がしたのがグッとくる感じ。
なんだかんだで今後も楽しみな作品ですね。
個人的にエリーゼは今回のシスター姿が一番好みなのでこのまま行ってほしい。
というかこれで12歳設定とかヤバみが凄い。
脚本:宮本武史
絵コンテ・演出:緒方隆秀
作画監督:田辺謙司