流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~ を語る

2019-04-20 00:55:26 | ■京都アニメーション
原作既読。
ユーフォニアムシリーズ好きなので、リズの青い鳥を見返したり、
原作読み返しながら楽しみに待っていた一作でした。

以下ネタバレ感想。




初っ端に今まで匂わせていたけどあまりメインで描いていなかった秀一との絡みから始まって、
久美子×秀一派としてはニコニコできる開幕だったかなという感。

OPの「これが私の生きる道」が流れたときは懐かしさと選曲の意図を探ってしまう感じだったな。
石原作品の選曲だとあの作品意識してるのかな、みたいに思わせられることがあるので。
今作のサンフェスで立華高校が「ボレロ」をやっているのが印象的かな。
原作外伝の梓編で立華高校が描かれているので、
北宇治との対比先、主人公としての側面を持つ意味での選曲と、
デジモン的な意味なら、
美鈴のよくわからないキャラクターたちとのコミュニケーション取る側面を強調する意味で、
とかだったりするのかなと思ったので。
他のアニメで使われている曲だとやっぱ意識してしまいますね。

今回は久美子の察する力がだいぶ発揮されているのが気になったかな。
ちょっとした言葉の端の意味することに久美子が黙って反応することが多く、
部員とのやり取りの中で気になる見せ方だったかなと。

あと監督コンテだからかシリーズで印象的だった場所、セリフがリフレインされていて、
ダイジェスト的な作品がよりその側面を強めていた印象がしたな。
特に各話で印象的だった場所の見せ方は、これ全部監督の手柄になるんだなぁと、
監督ずるいなぁ~と思いながら見てしまったな。
先輩がマネージャーに転向するところで久美子の表情見せないのも、
石立回の夏紀と久美子のところ引用って感じで、
シナリオを進めていく中で久美子の感情が過去に喚起されていただろう、
という場面からの引用がやはり印象的で。
こういう視点を全体から持ってこれるのは監督ならではな印象ですね。

ラブ方面は結構攻めていて、
久美子と秀一があがた祭りデートしてるところはテンション上がりましたね。
互いに服もオシャレででグッとくる感じ。
久美子のヘアピン何の説明もないけど、ここで付けてるのもグッとくる。
痴話げんか具合も好きだし、
秀一が下級生とイチャイチャしてるのを見て麗奈が横槍を入れているのを含め、
久美子をめぐるラブ話は見ていて楽しかったです。

秀一との場面は橋が印象的だったかな。
鳥を見るカットから、次はシーンの間で飛んでいるシーン、
そして何気なく見せるカット内でよく見ると遠くで鳥が飛んでいて、
画面に埋もれるように見せているのが印象的だった。
大体鳥が飛んでいると関係性の描き方になっていきがちなので、
もっとさりげなく飛んでいるもの、飛翔しているものの象徴として描いているのかなとも。
「リズと青い鳥」で描かれる青い鳥とは全く異質なイメージのような感覚というかね。
鳥を使いたいけど、何かすぐわかる解釈で描きたくない、
という扱いのように感じられたな。
よく使っている飛行機、飛行機雲、蝶などが封印されていたので、
石原さんの思うところを見れたような気がして楽しかったなと。
2期の最終話の鳥も印象的だったのをちょっと思い出しときたい感じ。

場所の選定で特に気になったのが河沿いの思い出のベンチ。
姉が座っていた構図で今度は久美子が砕けた感じで座ってる。
そういえば今回久美子がだらけて座ってるような場面結構あるような?
そこで父と将来について語るの、父が姉への贖罪を兼ねてるような印象ですが、
ハルヒ消失でもオリジナルシーンで蝶などと絡めて語られていたのを思い出す感。
この若者への説教臭さも石原さんの味だよなと再確認。
大吉山でのやりとりもそうかな。
みかん飴をかじりあうのはグッとくる感。
同じものを食べ、共有する。

そういえば今回久美子は周囲をいさめる係だからか、
色んな相手とよくものを食べている印象。
相手からもらったり。
そうやって相手の心を受け入れるのも、察する力が発揮されてる感あったかな。

麗奈とのシーンはお揃いの色違いの水着だと思われるシーンとか、
原作での絡みをそぎ落としつつの描き方だったので、
やや消化不良感と未読者に伝わりにくい感あるのかなと。

演奏シーンは曲がリズと青い鳥なのでどうしてもみぞれ!って形になってしまうよなぁと。
希美とみぞれは画面にいても仄めかす程度で話にほぼ絡まないので、
そういうキャラが強調されるアンバランス感は流石に感じてしまった。
キャラの回りを360度回すカメラも、ザ・石原演出という感。

演奏シーンはハープが印象的だったな。
リズの特徴の1つで、それをパーカッション唯一の3年生がやっているのが印象的。
2年生の時の演奏で結構出ていたので、
やっぱパーカス勢は絵的にも映えるのでよく描かれているイメージ。
演奏は構えるシーンなどが随所に入っていて、
そういう動きを取り入れた演出が面白かったですね。
かっこよく仕上がっていてグッときました。
ハープもずっと弦越しのカットで印象的だったな。
同じようなアングルから攻めるような演出も印象的でしたね。

縦長のスマホで撮影したような、
部内記録的な画面が最終的にどう着地するのかなと思ったのですが、
タイトルの意味合いを回収するラストカットに繋がることで、
ストンと落ちた印象がしたかな。
あの終わり方なら続編も視野に入っていそうなので続編あることを願いたいところ。

この映画を見る前に下記のサイトを見ておくとキャラの名前と顔が一致するのでお勧め。
自分の推しが一瞬でも映るとキャーキャーできて凄く楽しいです。
■劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~ 新北宇治高校吹部紹介
http://www.kyotoanimation.co.jp/shop/kitaujisuibu/

原作にも出てるパーカスの順菜ちゃんは見るとテンション上がる。
パーカス堺さんも出番多いのでテンション上がる。
1年パーカスの心子、本編での演奏マジパネェって感じだったので2回目はそこを見たい。
3年美代子はもちろんハープかっこ良くてグッとくる。
パーカス勢はやはり全体的に出番多いですね。
一番お気にのホルンの海松、3年生でこれで最後なのにあまり出番なくて残念。
まあでもやはり一番好きなのは我らが黄前久美子。
ちょっと大きく描かれているのでインパクトもあり圧倒的存在感を放っているので、
一度覗いてみたら良いと思います。


今作は最初にパンフレット買ってスタッフを確認してからの鑑賞。
どなたがコンテ切られているかで見るポイントが変わるなと思ったので。
特に昨年の『リズと青い鳥』と連動している作品だったのと、
原作で話はある程度わかっているので、そこに向けてどう行くのか、
最終作とするならまた覚悟して見ないといけないと感じたのもあったかな。
コンテ石原さんってことでそこに引っ張られた鑑賞だったので、
2回目以降はその辺から解き放たれて見たい感じ。

色々書きましたがまた忘れてる感あるので、
また見に行ったら感想書きたいかな。

個人的に山田さん、三好さんにはコンテ切ってもらって久美子見せて欲しいと思ったので、
続編あればやっていただければなぁと思わずにはいられない感。
GWは余裕があればできるだけ見に行きたいところです。


リズと青い鳥 を語る

2018-04-21 09:33:00 | ■京都アニメーション
見てきました。
響け!ユーフォニアム原作で京アニで山田尚子監督でと、
普段と同じスタッフなのにどこか毛色の違った作品という雰囲気で、
どういうものを見れるか楽しみな一作でした。
以下ネタバレ感想。


冒頭、リズと青い鳥のシーン。
木々に囲まれた湖、空の描写が窮屈で、
今作は狭い範囲の話なんだというのを初っ端で見せられた気がしたな。
リズの青い鳥を形容する言葉が舞台的という感じで、
リアル感というよりは虚構性を強調されているような雰囲気で、
創作、物語から何かを受け入れることを肯定するような雰囲気でもあったかな。

最初、みぞれの登校シーン。
最後に2人が別の場所へ歩みだすこと、そして終盤の下校シーンと合わせたシーンでしたね。
希美が登校してくるのをずっと待っているみぞれの見せ方が印象的でした。
瞳のアップなどクロースアップの多様や山田監督らしい足のアップ、
PANでみぞれの振り向きから目線の先を強調するなど、
静かなシーンを印象的に見せてくださっていたな、と。
ちょっとシチュエーションは違いますがユーフォニアム1期1話を思い出しますね。

体育座りが今作だと頻発しますが、
いつもみたいに座る動作をするときにスカートを抑えるとか、
京アニの十八番芝居は封印されていて、
スカートの長さの協調と、このくらいスカート丈があれば見えないよ、
みたいな、膝を抱える女子のパンツをいちいち気にしなくていい仕様になっていて、
キャラクターのセンチメンタルな心情に入っていきやすかったかな。

芝居、作画は京アニが初めてこれは劇場版作品なのです、
ということを突きつけてくるような感じがしたな。
スカート抑えの芝居について上げましたけど、
TV版のキャラデザではこれは見せられないだろうな、
という芝居、ポーズが凄く多い。
これをやりたいがためのか、ともう納得させられるというか。
もうどこが良いというか、この仕草が!とかこのポーズ!とか、
いちいち感嘆してしまう感じというか。
新鮮なとこ多くてどこが新鮮だったのか忘れてしまう感じ。
今の京アニの画面にちょっと退屈さを覚えている方にぜひ見ていただきたいですね。
これをヴァイオレットと並行して作っていたっていうのもなかなか驚かされます。

希美とみぞれの登校シーンですが、
2人の歩み、希美のほうが足早に歩いているのに対し、
みぞれはゆっくり歩いているのにFOLLOWで見せている。
みぞれが遅れて希美に走って追いつく、みたいなのがない。
最初は2人を一緒に画面に入れるための嘘なのかなと思ってたんですが、
物語的に言えばみぞれの歩く速度に希美が追いついていない、
希美がみぞれのブレーキみたいになっているという話なので、
ここは互いの歩き方でそれを見せられていたのかなという気がしたかな。

先に歩いていた希美が音楽室の扉を開けるところではみぞれがカギを開けている。
途中まで希美がカギを持っていたのでは、と思っていたし、
でも原作的に考えると音楽室をあけるのはみぞれだよな、
みたいにいろいろ考えちゃうシーンだったな。
ここでどちらがカギを持っていて、
どういうやり取りがあってみぞれが音楽室を開けたのか、
というのは作品を通して語られるミッシングリンクみたいに今思えば感じられる。

最初はほとんどセリフがなく、みぞれと希美しかいないので、
タイトルが出て、お馴染みのキャラが出てきてちょっとホッとさせられる場面も。
我らが黄前久美子きた!みたいな。まあセリフ一言二言しか無いっぽいですが。


リズと青い鳥の曲についてのあれこれや、
後輩たちとのやり取りなど、みぞれの行動を追っていくのが楽しい作品でした。
後輩からも慕われてる感じが新鮮だったなと。
ただ、TV版2期を終えた後だと、コンクールなんて来なければいい、
みたいに言うみぞれにちょっと傷つけられた気がしたな。
これは久美子視点で作品を見すぎているからかもしれない。
久美子の絡みがあまりないのがこの作品に対する不満の1つなので。
まあそれはどうでもいい話ですが。

今回も青春ものにありがちな進路志望調査から話が動いて行って、
あー、やっぱ進路からは抜け出せないのかーみたいなのはちょっと思った。
桑島法子の先生役が希美に対して孤独になったみぞれに接触するの、
中の人的ネタを遠回しにやっているのだろうか、みたいな。

音大を進められるみぞれに、自分も音大に行こうかなという希美、
じゃあ自分もというみぞれと、相変わらずなやり取りに見える中に、
希美側の視点を混ぜてくるところで話が動き出す感じに。

その直後のシーンでみぞれがピアノを弾いているシーンになって、
また不穏な空気になるようなところで鍵盤が出てきている、
と個人的にTVシリーズから気にしてたところがまた出てきて驚いた。
今考えれば中学帰宅部だったみぞれですが、
昔からピアノなど音楽に触れる機会があったことを伺わせる、
音楽的な才能を強調するシーンになっていたのかなと。
希美は恐らくフルートしかできないんだろう、みたいなね。

才能に負ける、と言えば1期でトランペットソロ対決になったときに、
久美子とあすかがやり取りしていた部屋?で、
希美と夏紀と優子でみぞれについて触れてるあたりは、
意図的に気にさせるように場所を決めていたのかな。

オーボエ&フルートペアに対して、後輩のユーフォ&トランペット、
久美子麗奈ペアが自分のパートでもないのに2人でそのパートをやっちゃうの、
先輩たちに対してなかなか挑戦的な感じで、
隙あらば自分たちがソロを成り代わってやるぐらいの雰囲気を感じて、
1期のスピリット無くなってないなとそこが個人的に凄く嬉しかった。
みぞれのオーボエを気にかけてくれたのも麗奈だったし。
和やかな雰囲気でしたが、TV1期を彷彿とさせられる。
その精神はやっぱ山田さんが持っていてくれたのかな。
色々拡大して含みを持って受け取ってしまいそうになりますが、
とりあえず個人的にはグッとくるなと。
流石我らが久美子、セリフなくても存在感あるぜ、みたいな。

みぞれがリードを作ってるあたりなんかは赤い糸の描写かな。
プールとか祭とか、色々イベントはあるんですが学校内だけでほぼ完結されているので、
だからこそ冒頭の登校シーンや下校シーンが光る感じだったかな。
そういえば登校シーンで階段を使った上下のやり取りを見ると、
やっぱ『けいおん!』の監督だった人だなぁと思わされる。

楽器の光の反射で遊んだり、教室でクシャクシャになっておかれたファイルだったり、
無邪気さや日常の中の風景を掬い取るのもけいおんを彷彿とさせられるな、と。

通し練習での最後の第三楽章の演奏がやはり印象的で。
昨年まではいなかったハープが加わっているのはそれまでの描写で分かりますが、
ここの演奏シーンにもかかってくるのだなとか、
みぞれの演奏に圧倒されてしまう希美だとか、
2人の立ち位置がはっきりしてしまうのを含め、印象的だなと。
TUでカメラが音楽室を突き抜けていくのも、
狭い範囲でスケール感はあまりないですが、飛び立つイメージとしてはいいかなと。
非常に静かな、感情の機微を描いた作品だったので、
大きな盛り上がりを期待しているとまた違った印象かもしれません。

BGMもみぞれたちの寄り添う感じで冒頭から印象的だったな。
希美の足音も気にする、
そんな僅かな音を見逃さないとするみぞれを見た後に聞く希美の歩くシーンとか、
みぞれが取りこぼさないないようにしている音、
っていうのをこちらも気にしてしまう感じ。
またそれが作品を取りこぼさないようにする自分のように思われたかな。
これはどうでもいい話。

影の作り方や映り込み、冒頭の長い登校シーンと合わせてハルヒを消失を思い出すとか、
同ポの使い方とか、みぞれと後輩ちゃんの話とか、それぞれのキャラの話とか撮影処理とか、
ほか色々あった気がしますがとりあえずこんな感じで。

山田監督作というだけでなく、
京アニ作品としても非常に新鮮な作品だったのが個人的にGOODでしたね。
なんかもうすでにだいぶ忘れてしまったので、また何度か見に行きたいです。


聲の形 を語る

2016-09-18 23:40:29 | ■京都アニメーション
原作既読。
難しい題材だしどういう作品になるのかあまり想像できなかったのですが、
正にその苦悩を見せられたような作品だったかなぁという感じでした。

以下ネタバレ感想。

個人的に出だしでもうヤバイという雰囲気が凄かった。
出だしは主人公が自殺する決意のかたちを見せられるけど、
そこでまずそこからか、という不安と驚きがあって。
そしてOP。
ザ・フーのMy Generationが流れたところでアレこういう作品だったっけ、
タイトルと一緒に出るキャラその3人でいいのかとか、
ちょっと見ててあたふたしちゃいましたね。
それぐらい想像していなかった一撃。

将也の描き方としてヤンチャな子、現在のガキ大将というイメージがありましたが、
映画を見ているとどこにでもいそうな子という印象が強かったな。
声の芝居からの印象なのかもしれない。
高校時代の将也も活発な子みたいなイメージがありましたが、
罪の意識を背負った少年としての意図が強いナイーブさがあって、
主人公が何を背負ったのかっていうのがより人物像としてわかりやすい印象を受けました。
そしてこのキャラ造形を描ききっていることに驚かされます。

基本的に将也視点で進みますが、その将也が感じているだろう世界を印象づけられてる気がします。
なんというか、確かにリアルな背景などを用意してはいますが、
それを含めて将也の精神を通してみた世界なんじゃないかという予感があるんですよね。
✕印なんかはその典型例ですが、カメラのレンズを意識した世界やあまり雲のない青空が、
その場の閉じた感じを意識させてくれたり、
モヤモヤとした不安でないからこそくる罪や罰を意識させてくれてるようで印象的でした。
水の音が環境音としてよく採用されていて、
一連の時間の流れを意識させる見せ方も臨場感を煽っていて、
将也たちの心の中を浮かび上がらせているようでした。

それらがまたジトっとした雰囲気を作っていて非常に気が重くなります。
軽快で爽快なシーンというのがあまりなく逃げ場がないように感じる部分も。
楽しいシーンと言い換えてもよいかも。笑えるシーンはありますけども。
遊園地なんかはせめて楽しくても良いんじゃないかなと思いましたが。

そういう将也のジトッとした雰囲気とは別に結弦のキャラクターが逃げ場になっている気がします。
というか結弦が第2の主人公と言っても良いんじゃないかという雰囲気だったので特に。
将也以外の視点を多く持つという意味で。
カメラのディテールにも惚れぼれするし、姉を思う結弦の表情や、ばあちゃんが亡くなったときの立ち姿、
将也が墜落してからの病院での牛乳パックを飲んでる姿とか、
様々なシーンで非常に入っていきやすいキャラクターだったのが大きかったように思います。
やっぱり少女は描きやすいのかなとか、入っていきやすいのかなとか、
少女にまつわるアニメの業みたいなのを意識しちゃいます。
まあ原作でも描写が多いキャラクターなので自然なことかとも思いますが。

怪獣のバラードは日常ぶりになるのかな。
怪獣っていうのを将也にも硝子にも当てはめられるのが辛いところというか。

美術はやはり青空の多さが気になったかな。
雨の描写も少なく天気による心情描写というのがあまり無いからこそ、
青空のもとにある明確なものが浮き上がる気がしたかな。
あとは観覧車が回ってるけどハーモニーなんで単にスライドしてるだけとかっていうのがあるんで、
これでどこまで回転を見せきるのかみたいな緊張感があったように思えたり。
その後近づいたら3Dになっていたりしましたが。そういう切り替えがやや気になる感じだったかな。
みずほ銀行が普通に出てきてたけど、
親が大金をおろす姿を見るっていうのにより強度を持たせていてそこを突くかと思わされた。

今作は最初によくわからなかったシーンや端折った部分があったらその後のシーンで補完する、
という見せ方が多く、原作で170万という金額を提示したセリフが改変されていて不思議でしたが、
こういう風につながるのかと驚かされました。
というかこのシーンのためだけにみずほ銀行出していたことにも驚かされました。

朝食で目玉焼きを作っているのとかアニメオリジナルの部分もそうかな。
なんでこうなったのかな、という引っかかりから後半の命のメタファーになっていて、
色々納得させられる感じというか。

今回将也のキャラクター像が映像に乗ったことで大幅に変わりましたが、
硝子が将也の母親に謝る辺りなんかを含め硝子もだいぶ印象が違うようにも思いました。
硝子が謝る姿は本当にただ涙涙という感じでしたし。

あとは手癖じゃないけどもキャラクターを端によせてカットを割って見せていくだとか、
花の描写の多さ、夜空を見せるタイミングなんかが気になったかな。
鯉はなんだったのか、とか。

波紋が最初から最後まで印象づけられますが、
花火の衝撃で波紋ができるように、音が聞こえなくても振動は伝わるという感じだったのかな、
と橋の上で再会した2人を見て思ったかな。
橋に伝わった振動で誰かがきたことを硝子は察知してる風でしたし。
そういうところを含め、事後的というか色々な帰結が用意されているような感じがやや引っかかる感じ。

姉の描写は原作からこんな感じだけど氷菓だよなとか、
母親を思う将也がいいなとか、
1カットハーモニーの鉄塔が回り込んできているように見えたけど気のせいかなとか、
他にも色々あったような気がしますがとりあえずこの辺で。

個人的に三好さんがコンテ切ってるだけでも結構驚きましたが山村卓也もコンテ切られてて、
Freeシリーズだけじゃなくこっちもかとまた驚かされました。


無彩限のファントムワールド 1話 を語る

2016-03-27 21:41:27 | ■京都アニメーション


ルビンの壺です。
見えているものに疑いをかけてくる導入でそこが気になるかなぁ、と。
冒頭で話のテーマを提示するのは、
『日常』のときみたいにバラバラの話を一本の筋があるように見せたいのもあるのかなとか。
視聴者を誘導する意味合いというか。
しかし、ちゃんと向き合っている顔は作りものですっていう描き方を見てると、
ここで実はルルは2人いて、とかそういう伏線じゃないです、
という誤解を避けるような描き方してるのはなんなんだろうなと思うなど。
あとルルのデザインから凄く90年代っぽいというか、
現代的な印象を受けないのはなんでなんだろう。
AICのOVA辺りにいそうな雰囲気を感じるというか。
そんなどうでもいい話。



OP。
見てて驚いたのは四角いノイズみたいなのをずっと画面に出してる点。
いやいやキャラクターに被せたらダメでしょこれは撮影テロでしょとビックリしたな。
キャラクターの前に表現があるっていう描き方からそんな風に感じたな。
今回は撮影監督が中上さんっていうことで、
冒頭を含め撮影処理を中心にした画面構成っていうのを特に意識しちゃう感じ。
OPは中上さんじゃないっぽいけどどうなんだろう。
原画の方なかなか豪華な布陣。



本編。
画素数が上がっていく感じ?見え方の問題なのかなこれとか思えてしまう。
錯覚がテーマなのかと思いきや、みたいな。
本編冒頭は3Dを含め処理が凝っていて面白いですね。





アクションシーンは先輩の一人舞台という感じ。
エロさを際立たせるアングルや仕草がいちいち強烈。
石原さんが監督をやる作品はもれなく体操着がブルマになるけど、
上制服で下ブルマっていうところは目新しいかも。
アクションはローアングルから背動使うことが多くて、
そういう見せ方が気になったかな。
境界の彼方でも武本さんのコンテだと同じ構図が繰り返し使われることが多かったので、
その辺意識しちゃう感じだったかなーとか。
しかしアクションは規制で画面がわけわかんなくなってるのを見ると、
てんこ盛り過ぎて見せきれない感じが作品らしいのかなんなのかと思えてくるな。



ふーん?
口元を主人公目線を意識しつつクロースアップでっていうのはセリフを強調したいからなんでしょうが、
なんでここなんだろうな、という気もする。
2人だけのチームでは無理がある、
っていうセリフが描かれない主人公側の心情に刺さるものだったのか?とか。
仲間集めをするキッカケになる重要なセリフではあるけど、
BGMを含め明るい学校生生活の一幕という感じで、
なんで撮影処理を含め凝った画面になったのか気になる感じ。
こういった場合、自分がもっと相手に刺さる言葉を期待してしまっているからかもしれないけど。
そういう思い込みっていうのを描きたかったのかな、みたいなことを考えてしまう感じでした。



無礼者~!
少女が少年を投げ飛ばす、みたいなのは武本さんかなぁと思ったり。
墓地は魂狩の残滓かみたいな。
縞パンはけいおん!の石原さん思い出しますね、みたいな。
個人的には早見沙織の黒髪長髪キャラに反応しちゃう感じ。



ごめんなさいやっぱり私には無理です。



ゴクリ。
無理ですと言いながらその口で学食を貪るとは~的な。
断る口と食べる口の対比的な?
武本さんだと同ポジで変化を見せたりする演出よくやってますけど、
この辺はそれを意識した感じだったのかなと無理やり言ってみたり。
先輩につづいて口元のアップが出てくるのも妙に引っかかる感じ。

しかしバイオハザードが起きていて原因が阿頼耶識社とかいう会社だとか、
なかなか妙な世界だなという気が。阿頼耶識ブームきてるのか。
震災にあったことで意識が変わったみたいな言論への批判だろうか。
そこまで劇的に何かが変わったわけではない的な。
そんなわけないだろうけど。



お姉さま。
ここの口元のアップは主人公視点というわけではなく。
繋がりを意識させるセリフを強調するのに使ってる感じなのかな。



破邪顕正の戦に臨もうぞ!
そういえば京アニもサクラすこしやってたりしましたね。
武本さんがまだ作監やってた頃か。



京アニのファン感謝祭の撮影のところで見たカット。
正直見ててどんなシーンかサッパリわからなかったので、
リンボーダンス前のところだったのかと見てて合点がいった感じ。
あのとき作業されてたの確か高尾さんだったと思うんだけど、
このシーンを担当されていたかは定かではない。
というか撮影のとこはここで作業するには地味すぎるということで、
あらかじめある程度できてるのを見せに来ているに近いものだったみたいですし。

舞のおっぱいや巨乳に反応するルルたちとか笑えるシーンでもあって楽しかったかな。
京アニでここまでエロい方面に振り切った作品って久々に見た気がするので。
甘ブリ早く見ないとなぁ。
なんか湿っぽくいい話に持っていこうとしなくてもいい気がするけど、
そこはやっぱり拘りなんでしょうか。



ED。
なんか個人的にスクラップド・プリンセスのOPというか増井監督のOPEDを連想しちゃう感じ。
チャイかとか見たせいかな。

脚本:志茂文彦
絵コンテ:武本康弘
演出:三好一郎
作画監督:秋竹斉一
作画監督補佐:角田有希

1話から監督の演出と総作監による作監じゃないのが続きますね。
そんなに京アニの古株の方々はリビドーを吐き出したかったのかという感じで、
結構新鮮な1話でした。
OP、EDの撮影処理は大体撮影監督の方がやっているイメージでしたけど、
今作の中上さんは撮影監督の名だけで1話でもOPEDも見かけなくて、
どういうところを見てるのか気になる感じ。

久々に録画しそこなって穴がだいぶ開いたので、
感想はとりあえずディスク待ちというかんじでしょうか。
まだ境界の彼方、中二病ニ期、FreeES、甘ブリと4作品溜め込んでるので、
そろそろ消化していきたいところです。


映画 ハイ スピード!-Free! Starting Days- を語る

2015-12-13 22:32:27 | ■京都アニメーション
見てきました。
Free!に繋がる話ということで色々期待してましたが、
キャラクターの関係性に焦点を置いた格好だったのかなと。
普段のシリーズでは遥の水についての語りから始まりますが、
今回は遥の泳ぎから始まって真琴との関係と繋がりが描かれるのが気になるなと。
あと遥の泳ぎにリレーの泳ぎがかぶさるのも気になるところで。
TV的な映像が遥の記憶として描かれるのには違和感があるので、
遥を通して視聴者の中にあるリレーのイメージを投影しているような印象がして引っかかるなと。

今回はFree!に繋がるかと思いきや、
遥の水語りだったり風呂に水着で入る姿だったりなぜそういう遥になったのかとか、
そういうのが補足されていくのかなと思ったら全くそんなことはなく、
Free!というシリーズではあるけどあくまでハイスピードのアニメ化なのかなと思ったかな。
水泳の描写も高校と中学じゃ違うということで迫力をそこまでつけられてなくて、
盛り上がりを演出するのが大変そうに見えたかな。
コースロープの描写とか水のゆらぎとか劇場作品っぽいところはポツポツある感じはありましたが。

個人的に見てて中学校内の描写は結構新鮮だったな。
1階の教室ということで外を見る景色が新鮮なのと物の配置なんかが新鮮で、
ちょっとした教室アニメかなと思えたり。
3年生の教室が上の回にあるのを景色なんかで見せたりしてる風なのは武本さんっぽいかも。
ちょっと中二病の武本回を思い出す感じ。
中二病でも恋がしたい! 10話 を語る
また女の子のモブが多くてそれもまた新鮮だったな。
高校がブレザーなんで学ラン姿、セーラー服姿がまた新鮮な感じ。
水泳部にも女子部員がいて水着姿を披露してるのを見たらこれこういう作品だったっけ、
とか思っちゃうほどでした。

何気にキャラクター周辺の描写も充実してましたね。
映画で両親の存在を描くのは京アニのお約束的な印象がしたかな。
けいおん!なんかがそうだったので。
遥たちの自室の描写があったのも何気に新鮮な気がしたな。

今回気になったのは鏡の描写かな。
遥が学ランを着るシーンで毎回鏡を見るのを見て1期7話を思い出したり。
Free! 7話 を語る
第一ボタンを外すのは束縛されるのを嫌っての描写って感じですが、
遥は真琴からの束縛は嫌がらないんだよなぁとか。
プールで泳ぎながら互いに見つめ合うシーンが有りますが、
互いが相手を自らがよく知る相手だと確認するような意味合いもあって、
互いに自分を投影しあうような面っていうのがあったのかなーとか。
自らの意識の延長として相手を見る感覚っていうか。
今回問題になってる兄弟関係や、
自らの体を他者と比較するのもそういう投影の変化に寄っているのかなぁとか。
冒頭の遥の泳ぎに被さるリレーの姿も、
視聴者のイメージを投影したものという位置づけになるのかなぁとか。
そんなことを考えてしまいました。

最後の凛の手紙なんかもそうなのかな。
遥に宛てた手紙が宗介宛に変わっていてもそこに投影しているものは変わらず、
ただ見え方が違っているという。
その気付きが宗介の怒りや遥の凛に対する気持ちに繋がってきていて、
グッと来る感じだったかなぁと。
凛の手紙のシーンは宮野真守がちゃんと声当ててるのでそこでもグッと来る感じ。
今回は声変わりなんかも意識していたようだったので、
最後の最後で凛を見れた気がして、遥×凛好きな自分としてはそこで満足出来たなぁと。

今回は瞳に光が反射する描写なんかが結構ありましたが、
そこはあんまり意識して見ていなかったので、次回はその辺を含め見ていきたいです。

EDは撮影処理なんかが気になったかな。
しかし両親の登場でけいおん!っぽいと思ったけど、EDはTVシリーズの路線ではなくて、
映画けいおん!が如何に貫かれた作品だったかっていうのを改めて思い知らされた感じ。
まあそれはどうでもいい話。

個人的に見終えて筋肉への言及が少なかったのがやや残念な感じ。
筋肉が成長していく描写とか期待してたので、
流石にここまで筋肉スルーされるとちょっと悲しくなってしまう。
中学生から高校生となる中での成長として肉体的な成長は欠かせないわけで、
そういうのは何かしらあると思っていただけに。
こういうところでもTVシリーズに繋がらないっていうのがちょっと残念でした。


雑記 2015/11/1 を語る

2015-11-01 21:41:24 | ■京都アニメーション
第2回京アニ&Do ファン感謝イベントに2日間行ってきました。
ステージイベントに原画や資料の展示など盛りだくさんでとても満足度の高いイベントでした。
ユーフォニアム 12話の上手くなりたい!
のシーンの原画は一連の内容がほとんど見れる形で展示されていて良かったです。
5話の麗奈の髪上げのシーンも原画とその上に重ねて作監修正が展示されており両方が見れるようになってましたが、触ってもいいのかわからなかったので何度も見返すのはちょっと勇気が入りました。

展示では紙の色が照明でわかりづらい感じだったような気がします。
自分の目が悪いせいか、この紙の 色は薄いのか濃いのかとか、
ピンクの修正紙とかがパッと見て認識できなかったので、
照明を手で遮って色を確認したりとか不審者めいたことをしてしまいました。
ただその甲斐があってか色々気づきがあって面白かったです。
境界の彼方の演出修は、ユーフォの上手くなりたい!並に展示が多くあって、
拘りが見えるシーンでそこも何度も見に行っちゃってました。
あと何気に会場にメインスタッフの方とかも結構いて驚きました。
ステージで見た方がスタッフブースで作業されてたとか、
あの方が撮影監督だったのか!とか。
某監督とお話出来たのも嬉しかったです。
スタッフブース等で話しかけて気さくに答えていただいたのも有りがたかったです。

貴重な話もステージイベントで聞けたりしましたが、
中でも飛び抜けて面白かったのが撮影トークイベントのステージ。
自分も一番の目玉イベントだと思っていたので第一希望で申し込んで楽しみにしてたんですが、
開幕のPVで世界の根幹を見せられた感じで凄くドキドキして、
中上さんのハイテンションな司会進行が楽しくて素晴らしいステージでした。
特に驚かされたのが3Dキャラのシーン。



マーチングのキャラは3D。



この辺のキャラも3Dとのこと。
考えてみればキャラのモデリングはAIRの頃からやっていて驚くところでもない気がしますが、
見ていたとき3Dキャラだと露ほども意識してなくて、
せいぜい3Dレイアウトや参考があるのかなとか思ってただけだったので、キャラも!?と驚かされた感じ。
言われてみれば、ってなりますけど自分は京アニなら意地でも作画でやるのではと、
ちょっと思い込み過ぎてたなと目からうろこでした。

8話の大吉山の麗奈のバックの背景が凄く緻密に描かれてるのに、
これでもかっと光らせた処理をさせて、背景見えなくなってるのとか、
この贅沢さや思い切りが撮影の裁量に入ってるっていうのが一番衝撃だったかも。
雨や光の処理の仕方がアドリブだったり。
心情に沿った演出など意識されてるところがスタッフのかた1人1人にあって、
それをされてるっていう自由度の高さがあって、それが凄いなと。
撮影でこれだけの意味合いを描こうとしてるのかっていう拘り方が聞けたのが良かったですね。
原画や演出の指定じゃないんだっていう。

色々あって本当に楽しいイベントでした。
スタッフブースで新作の制作現場を見てるのが新鮮で、
これがどういうシーンになるのかと今から放送が楽しみです。


たまこラブストーリー を語る

2014-04-26 15:17:18 | ■京都アニメーション


見てきた。
見る前も勿論楽しみだったんだけど、
映画見る直前にこのポスター見て、なんか一気に引きこまれた感じ。
新緑の感じがもうすぐ5月なんだなって思わせてくれて、
その季節感溢れる感じから一気に引き込まれていたな、と。
制服の紺色とか全体的に色合いに深みがあって、それでいて緑が眩しくて。
本編もそういった色合いに惹きつけれる感じっていうのが強かったなと。
そういうのを味わいながらまた見に行きたいです。


以下ネタバレ感想。

作品的にはやっぱ画が良かったな、という点に尽きるような気がします。
パンフレットでも語られてますが、等身を場面で少し高くしてみたりとか、
ちょっとしたショットの表情だとか、1つ1つが見所でした。
たまこの表情は勿論ですが、個人的にはもち蔵がだいぶ響いたかなという感じ。
堀口さんが度々寂しげな表情についてとか語られてますけど、
もち蔵やみどりちゃんはその辺だいぶアプローチしてたのかなという感じ。

演出的にはなんかブックで見せるというか、そういう感じで見せるのが多かった印象。
だいたいCG使って背動やったりしてたのが京アニだったんだけど、
そこから一歩引いた手法で画面を見せていたかなという感じ。
序盤は特に飛ばしてたけど、自分が見てない間に山田さんもTVでなんかやってたのかな。
山田さんの止めで見せていると思ったら微妙にカメラ揺らしていたりとか、
そういうのも健在でした。

そういえば糸電話を投げるところで糸が七色に光るのが印象的だったな。
一週間フレンズ。でも林明美さんがフェンスの網を七色に光らせてたけど、
ああいう繋がりを見せるようなところで虹をモチーフにして見せてたんだなぁ、
と今回見てて思ったり。

あとあおり、主観ショットの多さも気になる。
空を見せるような場面から星空を見せたりだとか、
回想で大人を見上げる視点を入れたりだとか、
下からの視点っていうのが結構意識されてる感じ。
かんなが最後に木に登る辺りもそういった下からの視点からの脱却、なのかな。

たまこの母への思いとか、亡くなった時の記憶とか、
自分の中にあるはずの不確かな記憶、
そして自分の中の曖昧な気持ち、
それが記憶を思い出した瞬間に見えてくるような連動。
そういうのを主観ショットを交えながら見せていく、というのが印象的でした。
そういえば、氷菓の北之原回で記憶と今の連動を意識した話があったなぁ。
氷菓 18話 を語る
そして空への意識がバトン部の発表の時の曲に繋がる感じで。
だからバトン部のシーンは思わずグッときましたねぇ。
あの選曲は一体誰なんでしょう。

音楽はTVで親父さんが歌った曲を大事にしていたのが印象的。
場面場面でのBGMも雰囲気出てサントラ欲しくなりました。

あとSEもだいぶ気を配ってる印象がしたかな。
特にベッドの上に乗ったりとか、ベンチに座る辺りとかの音を聞くと、
体重があるんだなっていう感じがまた印象づけられていて。
そういうのが少し気になる感じだったかなと。

親父さんたちの繋がりだとかを見ると、
結果的にラブストーリーの方が商店街を上手く描けているんじゃないかなと思ったり。
たまこが朝早く起きて商店街を徘徊するシーンとか、
本編以上に商店街の日常感が豊かだったように思います。
キャラクターはTVのが描けてる気がしますが。
全体的に朝のシーンが印象的だったのも個人的にはGOODだったなぁ。

たまこがもち蔵の告白にビックリして逃げ出す辺りなんかは、
商店街というか周辺を消し去ってたまこの世界になる感じなんかは、
近すぎる商店街の人達より更に手前にあるもの、わからない感情、作品的に言えば宇宙、
っていうのが意識されてて、そういう商店街の位置っていうのがまた絶妙だったのかな、と。
もち蔵の部屋のカーテンが星空なので、宇宙っていうのがもち蔵への気持ちなんだな、
っていうのがまた伝わってくるようで。そういうのが印象的でした。
TVでも星空はちょっと違った印象でした。
たまこまーけっと 11話 を語る


あと笑えるシーンが多かったなと。ETとかもち蔵とかもち蔵とか。
衣装も可愛かったですね。
みどりちゃんが学校に私服でくるまでのプロセスを省いたのがちょっと勿体無いかも。
ただそこをやると、TVのみどり回みたいになる気もするので、あえてみどりはカットって感じだったのかな。

まあ、とにかくド直球のラブコメを堀口さんの絵で見れたっていうのがほんとうに嬉しくて。
映画っていうまとまった作品でそういうのが見れるっていうのまた豪華で。
まだまだ何度も味わいに行きたい、そういう作品でした。


映画けいおん!とか その2 を語る

2012-01-24 21:59:24 | ■京都アニメーション
というわけでとりあえず3回見てきた。
フィルムは最後の4人の足でした。
どのシーンが当たってもいいように構えてたけど、
ある意味作品を象徴するようなシーンでうれしかったですねぇ。
見れば見るほど見たくなるのでまだまだ見に行きたいな。

しかし靴のエピソードとかこの作品っぽいやり取りだけど、
梓の歩みに痛みが無いようにってのは最後の歌に込められた4人の無意識が描かれてる感じ。
先輩っぽいことをしたい、梓のために何かしたいっていうのがあるけど、
それは一体どういうことなのかっていうのを遠まわしにああいうシーンで描いてるのを見ると、
いつものけいおんっぽいのに感動的に見えるのは、
こういうところにも気を配ってるからかなーとか思ってしまう。

そういえば今まで散々練習がどうのこうのとかツッコまれてたけど、
一番の泣き所が練習ってどんだけ批判意見に意識的なのよって思っちゃう。
それを含めて視聴者意識してる作品なのかなと思った。
これを伏線とか呼ぶのはクレイジーという他ないようなと、
まあどうでもいい話。

あと個人的に序盤家でみかんを指にぶっさす前後の芝居付が原画からかコンテからか気になる。
あそこコンテ石原さんっぽい気がしたけど、ちょっと全体からしたら浮いてる気がしたので。
みかんぶっ刺しもDVDジャケからの引用っぽいけど、
やっぱり作品の流れを追ってポイントを拾っている作品なんだろうな、
っていう風に意識してしまいますね。
他には冒頭部室とか卓球してるところで梓が首かしげるっていうか、
肩から首のラインが気になったとか。
ホテルが紬が写真取ってる辺りは変態だなーとか、
やっぱ梓の夢の辺りとか内海さん処理やってるのかなーとか、
飛行機内での梓が吹き出すところとかやり過ぎな感じで面白いんだか何なんだかとか、
まああげてたらきり無いですね。

最後の教室ライブで軽音部員だけでなくクラスメイトのいる方に行くっていうのが、
やっぱこれだけカッコよく見えるのは今までの作品のイメージがあったからなんだろうなと。
海外に飛び出すのも内輪から飛び出すような感じもあるし。
海外に行ったことない自分としてはもう軽音部のキャラ馬鹿にできないなーみたいな。

あとライブ見てると、なんかアンコールを期待されてるカンジがするんですよね。
唯が「次が最後の曲です」って言って誰もアンコールしないのがある意味作品のリアリティなんですが、
見てるこっちとしてはできるだけライブを楽しみたいっていう気持ちがあって。
ロンドンライブからそういう流れが印象的でしたね。
英語で歌いだす辺りに思わず感激して、
教室でライブやってまだ終わらないのかと盛り上がって、
まだまだやるのかと最後の演奏で終わって、
と本当に終わりまでやり切られた感があって、
TVから見てるとこういう感覚が生まれるってことなのかと。
やっぱりロンドンがメインだと思っていたのでそのインパクトからか、
TVOP再現の舞台とかそういう意外性、
まだまだ続くことの喜びとかもあって楽しい。
TV終わってまだまだこの作品を見たい!っていうアンコールの気持ちを、
再び最終回を持ってくるっていうことで答えてる引っ掛かりとかもあるけど、
どうでもいい話。

まあやっぱり見てて楽しいんですよね。
マフラー巻いたりして太い格好のキャラが制服で演奏してると締まった感じがするし、
ロンドンライブ直後の空の雲が翼みたいで綺麗だなとか、
なんか建造物立ててるし風景カッコイイ、みたいな。
BGMのハードロックな雰囲気もあり。
個人的にやっぱりカッコイイアニメだと思うんでそういうのを楽しめるのも良いのかなと。
まあまだまだ見たい。そんなアニメです。


映画けいおん! を語る

2011-12-03 22:20:40 | ■京都アニメーション
初日に見たいけど無理かなーと思ったら行けたんでラッキーでした。
最後の方の盛り上がりくらいしか覚えてないんですがとりあえずメモ。

けいおん!の盛り上がりって関連グッズだったり聖地巡礼だったり、
色々な形で世に出てきてますけど、
自分みたいな一アニメファンとしてはやっぱ出来上がった映像を楽しみたい、
っていう気持ちがあって、
それに応えてくれたのがこの映画かなーという実感。

この作品はTVシリーズの空白を埋める形のエピソードとして始まりますが、
語られてる細かい内容もそうした空白を埋める格好になってて興味深かったです。
特にサプライズだったのがそれぞれの両親の存在でしょうかね。
形になっていないけどやはり彼女たちの傍にいる人物として触れられていたり。
細かい点で言えば食器の片付け方とかトンちゃんのエサはどういうタイミングでやってるのかな、とか。
だからかその一挙手一投足がすごく新鮮に映るし、楽しい部分でした。
生活感という点ではシリーズでも一番楽しかったかな。

ロンドンの街並みも美しかったですねぇ。
空港内の描写、特に飛行機をガラス越しに見るところなんかはインパクトあって、
こんな風に空港を描いた作品ってあったかなぁと思わず考えてみたり。
時計台も時間を気にさせる役目を果たしてこっちとしても、
あと上映時間はどれだけ残されてるんだろうかと意識させられる部分でもあって、
ちょっとした緊張感を演出したいたなぁと。
ライブ時のウネルようなカメラワークはなかなか圧巻でした。
アニメでこれ以上のロンドンものはないかもなー、と。
しかし空港もロンドンも思い出して浮かぶのがRODくらいしかない記憶力(笑)

コンテは山田監督と石原さん。
石原さんはたぶん旅行の準備してる辺りかなー?と思ったけどどうだろう。
冒頭の辺りは後頭部見せ過ぎで、ああいつもの京アニだと思ったりも。

ただ空白を埋める話という点で
最後にあずさへの曲の歌詞を決めるとこなんか見ると、
ああそこまで埋めてしまうのか、という気持ちにもなる。
度々入る空や鳥のショットが最後に繋がってくるような格好ですけど、
TVシリーズである程度そういう風に読めることを示していたので、
見てるコチラとしては正解だと言われてうれしいけど幅を狭められるような気持ちでした。

個人的に1期2期映画と自分の中で引っかかったものが消えて行ったり描かれたりしてて、
そうやって引っ張ってくれているのはとてもうれしかったんだけど、
最後にぐぅの音もでなくなっちゃったなー、と。
しかしそれだけ作品自体を純粋にのめり込んで見ることができたので良かったです。
そういう意味ではまた次回見に行ってまた違った見方をしたいなという気持ちもあったり。

しかしあずさに旅行にいくことを決断させて行くっていうのは、
梓のお陰で飛んでいけたよねぇっていう話にもなるような。
そういう意図もあったりするんだろうか。うーん。

自分はロンドンから帰ってきた辺りから心の中で泣いて、
あの曲が流れた辺りからは最後まで涙ナミダでした。
特に教室でのやり取りはグッときたなぁ。
自分が気にしてたモブの子にもセリフあったりとか唯のパフォーマンスとか、
いちいちドキリとさせられました。
学校中を巻き込むわけではない、クラス内だけの盛り上がりとか、
そういうのをあまり強調してないけど今までの雰囲気を壊していなくて、
尚且つその時間の特別さを感じられるシーンでもありでググっときました。

回転が不吉っていうのはエンドレスエイトみたいなもんかなーって気が。
桜高軽音部が伝統を受け継いでるけど、じゃあそれはエンドレスなのかという。
日常系とはいうけど日常は常に変化しているっていうのを意識させられるかなとか。
まあこの辺はどうでもいいのか。
TVに繋がってくる部分は同じ事を繰り返しているけど、
見せ方が違ってきている部分なんで、そういうのを扱いたい部分でもあったりするんだろか。

あと個人的に1期2期の1話のような朝の唯の姿から始まったので、
両方の1話が室内のPANアップで終わったことを思い出して何かやるかなーと思ったけど、
後半それ忘れて見てたんでちょっとそこは意識しときたいとこかなとか。
曲のイメージの中で夜空へのPANアップがあって、そこは少し引っかかった。
まあそこはどうでもいい話。

いやーしかし満足度の高い作品でした。
日の出の空を見たり梓のことを考える唯のアップで情緒感出したり、
TVで同じような芝居してたなっていうのを反復、別角度で見せてたりしてた引っかかり。
紬が空港で膨れてたのが地味にお気に入り。
各キャラのピックアップの仕方が過剰にもなってなくていつものけいおんらしさを味わえてよかったです。
澪がカメラ使ってるのとか。

消失と同じくもういい思い出として残ればいいやと思って見なくてもいいかなって気がしてましたが、
よく思い出してみると最後の方のしか覚えてないのでまた見に行きたいです。
記憶を辿るのにパンフレットがあるジャマイカ!と思ったら初見さん仕様だなーという感じでしたし。
EDも周囲が帰り始めて澪ちゃんをしっかり見れなかったですし。

パンフレットは設定資料とか見れるんでいいですねぇ。
高橋さんのキャラ絵と楽器設定見れたのはうれしかったな。
紬の設定ラフとか。最後に取って付けたような原作者のメッセージが自分の中では空虚に見えました。

最後に。
けいおん!大好き。
でも大学編はNo,think you。
山田監督以下スタッフの方々、ありがとうございました。


アニメ雑記 3/20 を語る

2011-03-20 21:10:47 | ■京都アニメーション
●日常 0話
脚本:花田十輝
絵コンテ:石原立也
演出:坂本一也
作画監督:西屋太一
作画監督補佐:秋竹斉一


石原監督でこういう日常系?のアニメは始めてかな。
けいおんで評判良かった花田十輝さんがTVのシリーズ構成やるらしい。
個人的に今この原作っていうのもなんだかなぁという感じ。
らきすた枠って感じなのかもしれないけど、
らきすたとの差異を気にしていく感じの視聴になりそう・・・かな?





今作はらきすたラインでキャラと背景とを溶け込ますような感じなのかなとか。
入射光なんかもギャグで使ってる感じだし。
なんかもうバンバンこういう感じのギャグやって欲しい気もする。
光印象的だねーなんて文句はもう飽きてきたし、笑わせて欲しいです。
微細な変化を披露よりはバーンと見せびらかすようなものが見たいかなというか。
まあどうでもいい話。気分の問題だし。



この辺なんかは石原さんっぽいかなぁという感じがしたかなとか。
蝶使ったりとか猫とか子供の仕草というか。



シュールギャグ?
人目の少ないとこでの開放感から無茶をやるのなんかはちょっとあるある系な気もしたけど、
最後のこのオチを見てどういう反応をすればいいのかとちょっと困惑。
らきすたなんかはオタク周辺の共通していそうなものを並べてみたりとかしてたけど、
とりあえず0話見た感じではフックとしては弱い気がした。
TVではどういう方向向くのかちょっと気になるかなぁ。

あとスタッフで今まで原画やってた方が動画やってたり人員増えてたりとか、
そういう部分も目に入ったかなぁ。テロップが長いんで目に入って来るし。
今までも動画専門でやってるっぽい方いたけど、そっち方面も増えていくんだろか。

けいおん!!はまだ最終巻届いてなくて最新話が見れなくてヤキモキ。
地震の影響で色々と大変ですが、
また安心して毎週アニメ見られるような日々が早くもどってほしいものです。


●消失
やっぱ映画消失でキョンが踏みつけられるトコはあと味の悪さしかないな。
部室から過去に戻った時点で、選択は完了してたと思うし。
放映してた頃は長門を切り捨てたことに対する最後の嫌がらせなのかと納得してたけど、
やっぱないなぁ。
原作の流れが好きだった自分を踏みつけられるような、
暴力でねじ伏せてやろうという感じがやはり不快だった。
今更だけど一応。
まあどうでもいい話。驚愕楽しみ。