●未来のミライ
見てきました。
以下ネタバレ感想。
冒頭、主人公が生まれるまでの描写がOPとして採用されていますが、
妊娠しているときの写真を本棚の隙間で撮ってるのが、ちょっと気になった。
知の狭間にあるような存在であることを意識させられるというか。
昔の写真を子供に見せるときに、自身の存在をピックアップして、
本棚を意図的にカットしてるところも気になったな。
自分たちの頭の良さに酔うのと、
実際に子供を前にしたときに子供にその酔っていた自分を見せる気恥ずかしさ、
そういうものがあったのかなと思えたり。
母親は弟よりは勉強ができたらしいですからね。
そういう親としての己の自意識の変化を印象付けられる感じだったかな。
気になる点は割と冒頭で蒔き終えてる感じがしたかな。
自分の息で窓を曇らせる、自分の未来は自分で閉ざして自分で作る意識かなとか。
電車とか妙な家とかその他色々。
電車押しはシンカリオンの宣伝かなと思えたほど。
雪を見る目と赤ちゃんを見る目をダブらすようなところも気になった。
雪っていうとやはり『おおかみこどもの雨と雪』を思い出すので、
女の子の赤ちゃんと雪をかけるようなところはセルフパロディというか、
引用的な印象がしたかなと。
じゃあ雨はどこにいったのか、みたいな。
あとやっぱ細田さんの俯瞰の絵は印象的だなと。
SAOで伊藤智彦監督も俯瞰使ってたけどやっぱ全然違うなと。
大体まず細田さんの絵だと俯瞰がまず印象的なので、
それがすぐ頭に出てきたのも印象的だった。
最後にそこを繋げるのか、というのもあったかな。
話としては1フロアで巻き起こるタイムトラベルというか、
時空転移的なのが印象的だったけど、
あの兄妹しか使い方を分かってなさそうで、
そういう自分の家にだけある世界を股にかける秘密、
みたいなのはどう見たらいいのかな、と感じたな。
自分は未来のミライというタイトルに立ち返って、
未来の、その更に未来とは何なのかというのを考えてしまったな。
主人公は未来の己に会ったけど、妹はさらに未来のミライに会えたのだろうか、とか。
だから雛人形をどうにかしようとしたのかな、みたいなね。
確定的な過去が未来を形作るように語ってるけど、ミライの行動には矛盾がある。
タイムトラベルの過去を知る面白さは描けても、
未来を改変することの残酷さを描けないからこういう描き方になったのかな、とか。
そしてタイムトラベルの仕組みを知ってしまった妹が、
その後の未来にどう向き合うのか思いを馳せることができる作品なのかなと思えたり。
未来的な絵で東京駅を描けるけど、
そこで起きる出来事は未来的というよりは異次元的というか異界性が強くて、
果たしてこれは未来なのか、はたまたどこか次元の彼方なのか、
なぜそこにミライはアクセスできたのか。
割と説明されないポイントが多いけど、その省いたところにロマンを感じてほしいのかな。
あるいはタイムトラベルをしたことによる歪みがあの世界だったのかもしれないとか。
主人公が逃避した先に出会った世界というのもあるせいかな。
そういう意味では様々な想像の余地を残しつつ、
少年のちょっとした冒険を描いた作品だったのかなとも思えるかな。
なんか最終的にひいじいちゃんの話だったんじゃないかとちょっと思えたり。
戦後っぽくて船から軍艦、空母へとより大きなエンジンを持つ物へ変わっていく見せ方は、
まあ一つの進歩を描いたシーンとして印象的だったかな。
やっぱあの空母は鳳翔だったのかな、とか。
兄として妹に何ができるか、というのを無力な子供にやらせようとする難しさ。
その難しさを感じながら見れる1本という印象だった。
おおかみこどもが本にかかりきり、未来の雪の語りだったので、
今作は本を捨てて、あくまで兄の視点、男の子の視点というのを大事にしてる感じで、
その感じが新鮮だったかもしれない。
未来のその更に未来、その先は。
色々なことがタブレットなどでできるようになった今だからこそ、
考えたい視点なのかもな、とか。
自転車に乗るとか、未来が如何に便利になっても、
最初に何かをやるときに失敗は付き物なんだ、
という語り口が今作での一番のポイントなのかな。
色々見るべきところはあるかと思いますが、とりあえずこんな感じで。
見てきました。
以下ネタバレ感想。
冒頭、主人公が生まれるまでの描写がOPとして採用されていますが、
妊娠しているときの写真を本棚の隙間で撮ってるのが、ちょっと気になった。
知の狭間にあるような存在であることを意識させられるというか。
昔の写真を子供に見せるときに、自身の存在をピックアップして、
本棚を意図的にカットしてるところも気になったな。
自分たちの頭の良さに酔うのと、
実際に子供を前にしたときに子供にその酔っていた自分を見せる気恥ずかしさ、
そういうものがあったのかなと思えたり。
母親は弟よりは勉強ができたらしいですからね。
そういう親としての己の自意識の変化を印象付けられる感じだったかな。
気になる点は割と冒頭で蒔き終えてる感じがしたかな。
自分の息で窓を曇らせる、自分の未来は自分で閉ざして自分で作る意識かなとか。
電車とか妙な家とかその他色々。
電車押しはシンカリオンの宣伝かなと思えたほど。
雪を見る目と赤ちゃんを見る目をダブらすようなところも気になった。
雪っていうとやはり『おおかみこどもの雨と雪』を思い出すので、
女の子の赤ちゃんと雪をかけるようなところはセルフパロディというか、
引用的な印象がしたかなと。
じゃあ雨はどこにいったのか、みたいな。
あとやっぱ細田さんの俯瞰の絵は印象的だなと。
SAOで伊藤智彦監督も俯瞰使ってたけどやっぱ全然違うなと。
大体まず細田さんの絵だと俯瞰がまず印象的なので、
それがすぐ頭に出てきたのも印象的だった。
最後にそこを繋げるのか、というのもあったかな。
話としては1フロアで巻き起こるタイムトラベルというか、
時空転移的なのが印象的だったけど、
あの兄妹しか使い方を分かってなさそうで、
そういう自分の家にだけある世界を股にかける秘密、
みたいなのはどう見たらいいのかな、と感じたな。
自分は未来のミライというタイトルに立ち返って、
未来の、その更に未来とは何なのかというのを考えてしまったな。
主人公は未来の己に会ったけど、妹はさらに未来のミライに会えたのだろうか、とか。
だから雛人形をどうにかしようとしたのかな、みたいなね。
確定的な過去が未来を形作るように語ってるけど、ミライの行動には矛盾がある。
タイムトラベルの過去を知る面白さは描けても、
未来を改変することの残酷さを描けないからこういう描き方になったのかな、とか。
そしてタイムトラベルの仕組みを知ってしまった妹が、
その後の未来にどう向き合うのか思いを馳せることができる作品なのかなと思えたり。
未来的な絵で東京駅を描けるけど、
そこで起きる出来事は未来的というよりは異次元的というか異界性が強くて、
果たしてこれは未来なのか、はたまたどこか次元の彼方なのか、
なぜそこにミライはアクセスできたのか。
割と説明されないポイントが多いけど、その省いたところにロマンを感じてほしいのかな。
あるいはタイムトラベルをしたことによる歪みがあの世界だったのかもしれないとか。
主人公が逃避した先に出会った世界というのもあるせいかな。
そういう意味では様々な想像の余地を残しつつ、
少年のちょっとした冒険を描いた作品だったのかなとも思えるかな。
なんか最終的にひいじいちゃんの話だったんじゃないかとちょっと思えたり。
戦後っぽくて船から軍艦、空母へとより大きなエンジンを持つ物へ変わっていく見せ方は、
まあ一つの進歩を描いたシーンとして印象的だったかな。
やっぱあの空母は鳳翔だったのかな、とか。
兄として妹に何ができるか、というのを無力な子供にやらせようとする難しさ。
その難しさを感じながら見れる1本という印象だった。
おおかみこどもが本にかかりきり、未来の雪の語りだったので、
今作は本を捨てて、あくまで兄の視点、男の子の視点というのを大事にしてる感じで、
その感じが新鮮だったかもしれない。
未来のその更に未来、その先は。
色々なことがタブレットなどでできるようになった今だからこそ、
考えたい視点なのかもな、とか。
自転車に乗るとか、未来が如何に便利になっても、
最初に何かをやるときに失敗は付き物なんだ、
という語り口が今作での一番のポイントなのかな。
色々見るべきところはあるかと思いますが、とりあえずこんな感じで。