2012.8.6(月)曇、晴れ
京丹波町の猪鼻についてわたしなりに結論を出したのだが、どうにも釈然としないのが地名の困ったところである。当初はこれだ、大発見だと思うのだが時の経過とともに不安になり、時には確実に前説が間違いであることも解る。
念道も遊里も鳥垣なども一応の説を立てているのだが、それが正しいかということはだれにも解らない。引地などは混迷するばかりだ。
それは地名が普通名詞のように一つの意味として収束しないところに原因がある。同じ漢字をあてがい、同じよみであっても意味の違うことが多くあるということだ。だから地名だけは辞典を引いておしまいというわけにはいかない。
猪鼻地名に関心を持ったのは、若丹国境稜線上にある小唐内(こがらち)から関屋に抜ける猪鼻峠の由来を知りたかったからだ。峠名の場合どちらかの麓に同名の地域があることが多い。丹波側にはそれらしきものが見当たらないので、若狭側を調べる必要がある。高浜町は地名辞典などに小字名を公開していないようで、役場で調べるか、現地で聞き取るしか無いようだ。
仮に若狭側に猪鼻地名があればその由来を調べれば良いのだが、無ければ猪鼻峠、猪鼻岳の由来は何かということになる。少なくとも水辺に突き出た尾根の末端でないことは確かだ。
若丹国境猪鼻峠
各地の猪鼻地名を追っていると妙に符合することがある。周囲に鉱山、特にマンガン鉱山があることと、近隣に別所地名があることだ。考察は後にしてその例を挙げてみよう。
(1)京丹波町猪鼻
猪鼻地区内にマンガン坑口がいくつも存在する。同町内に井脇別所がある、猪鼻から8Km程度か。
井脇別所、京都縦貫道工事が進んでいる。(2012.7.31)
(2)甲賀市土山町猪鼻
猪鼻周辺も産鉄を思わせる地名がいくつかあるが、北方を流れる野洲川周辺には多くのマンガン鉱山が有り、支流猪足谷には大きな鉱山もあったようだ。
北西の日野町には猪の鼻ヶ岳(508m)があり、その西に日野町別所が有り、高師小僧が発見されている。
(3)和束町猪鼻峠
国道307号線裏白峠の旧道から、協和ゴルフの西を通って和束町湯舟に向かう道があり、このあたりにあるようだが定かで無い。その西を走る府道283号の南端あたりが湯舟猪の谷である。このあたりは大マンガン地帯で、和束鉱山、金胎鉱山などがあったそうだ。府道5号線を和束町中心部に向かうと別所がある。その手前北側に園と言うところが有り、マンガン鉄を産出したとある。園には猪ノ尻という小字も存在する。つづく
晴徨雨読 6日目(2006.8.6) 武生~美山町
地図は百均の怪しげなものを使っていた。もうひとつGPSの受信できる器具を持っていたがどちらも使用実感は最悪、最終的には地方毎の一般のロードマップを使ったのだが、これは最高。さてどのあたりで替えたのだろうか。
もうひとつ今になって思うことは滋賀県から先どこでも峠などには水場があった。この年の暑さは9月一杯続いたので、水の補給は生命線だった。今、京都で峠巡りなどしても国道など大きな峠に水場が見当たらない。最も自動車で移動している場合は必要ないが、、。
椿峠(2006.8.4)
板垣トンネルの水場(2006.8.6)
今日のじょん:休みます。