晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

猪鼻のこと(17) 8/9

2012-08-10 | 上林界隈(AKB)

2012.8.9(木)晴れ

 マンガンの三大産地は八戸、宇和島と丹波地方だそうだ。丹波のマンガンは質は良いのだが鉱脈が薄く小規模な鉱山が無数にあり、概して劣悪な労働環境で危険な採掘作業が行われていたようだ。Uボートの蓄電池も丹波のマンガンが使われていたのかも知れない。ドイツではマンガンのことをタンバというそうである。
 丹波のマンガンの中心地というか集積地は日吉の殿田である。そして殿田をはじめ日吉町の主要なマンガン鉱山周辺にはいわゆる金属地名が目白押しなのである。執筆中の「日吉地名散歩」で順次紹介したいと思うが、古代にマンガンを掘っていたとは思えないのにどうしてこのような地名が残るのか不思議なことである。
Img_3725
殿田駅(現日吉駅)の北あたりは金堀という。


 思うに、古代においては鉄をはじめとした有用金属を採掘しており、掘り尽くすか採算が合わない状態になり地名だけが残り、近代になってその地名をもとに鉱山師がマンガン鉱を探すという構図があるのでは無いだろうか。
 「鬼伝説の研究」(若尾五雄著)の中に次の文がある。
 和束町園には金垣内という地名があり、マンガン鉄の産地であり、同鉱石は昔の鉄の一種である。

 鉱物に関しての知識に乏しいため、マンガン鉄というのが理解できていないのだが、化学的に結合はしていないがマンガンと鉄とを含む鉱石と考えて良いのだろうか。マンガン鉱山のズリの中に強烈に磁性のある鉱物が混じっている。これがマンガン鉄で、古代には鉄を得るために採掘していたのでは無いだろうか。Img_3440
 
鳥垣アシ谷坑のズリから採取したものの内、左下のマンガン焼けした鉱石は強力な磁性がある。



 そうなるとマンガン鉱脈の露頭「マンガンの花」はマンガンだけでなくあらゆる鉱物、特に鉄を含む鉱脈の露頭、「鋳の花」「井の花」と言われてもいいのではないだろうか。
 イノハナ地名が大きな鉱山の周囲にないかと調べたことがある。意外と無いのである。そして丹波のマンガン坑のように小規模な鉱山に良く見つかるのである。このことこそ一攫千金を狙った鉱山師が地名を頼りに鉱脈を探した証では無いだろうか。このような地名はイノハナだけでなく、アシ、アス、ソブなど漢字表記は色々だがいくつかの候補がある。(例、足谷、明日ヶ谷、祖父谷など)
 これ等の候補はすでに地名研究者によって金属地名として定着しているところだが、イノハナが金属関連地名という説は「京都滋賀古代地名を歩く」(吉田金彦著)の「鉱夫が去って行く(去ぬ)云々」の奇妙な説以外には知らない。つづく


【作業日誌 8/9】
草刈り(5-1)

晴徨雨読 9日目(2006.8.9)芦原~金沢
 今庄から武生の間、日野川沿いの自転車道を走ったが、今日は小松加賀健民自転車道(変換ミスでは無い)という海沿いのおそろしく長い自転車道を走った。自転車道は交通事故の心配も無く、概ね景色も良好で走りやすく楽しいのだが、難点もある。
 だれにも合わないこと、店や食堂が無いこと、コースが単調で飽きること、現在地が確認しにくいことなどである。途端に途切れたり、消滅したりすることもある。
 自転車で走ることを楽しむのにはいいが、旅としての自転車ではちとつらいものがある。それでも車の恐怖がないので、最大限利用した。Img_0181  

 先が見えすぎるのもつらい。



 今日のじょん:コラって怒ったらくそ暑いとこでいぢけてしまった。P1020407

コメント
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