晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

穴虫考(67) 西浜-8 5/21

2014-05-21 | 地名・山名考

2014.5.21(水)雨のち曇り 穴虫考(66)は2014.5.19

 上開田(かみかいで)に青谷があって、どんなところか見てみたいとは思っていたのだが、奥野さんにそのことを言った憶えはない。ところが以心伝心というのか「敦賀に抜ける街道跡があるので行ってみませんか」ということになった。街道跡には興味は無かったのだが、青谷がどこにあるのか確認はしたかったのでありがたく連れて行ってもらった。
 上開田には称念寺と坂本神社があり、その中を敦賀に抜ける街道が走っている。敦賀と琵琶湖を結ぶ街道は古代文化の通路として重要なものだが、上開田を通るこの道がどれほど重要であったかは解らない。今津、海津方面から敦賀に抜けるにはこの道と、牧野を通る道、在原を通る道など考えられるが、海津から追坂峠を通る国道161号線、西近江路がもっとも短距離で楽な街道と思われるのだが、、。P1020921
 


称念寺の脇を通る街道、多数の地蔵はこの地域にあったものを集めたものか、それとも寺院の墓地跡のものか、、。

 街道跡は称念寺の脇を浦に向けて夕暮れの闇の中に消えている。晴れた日中に散策するのはとても気持ちよさそうだが、今のわたしには何の興味の無い。称念寺には元国宝の薬師如来像や大仏などもあって、奥田さんも盛んに説明してくれるのだが、これとてさしたる興味も湧かない。何が知りたいかって、青谷の位置を知りたいのだ。
 もちろん青谷の位置を知ったところでこの時間では遡れる訳もないし、遡ったところでなにが見つかるわけでもない。しかしわたしはその地をこの目で見てみたいし、足で踏んでみたいのだ。
 称念寺手前の街道が90度曲がっているところに豊富な湧き水が出ていて、土地の人だかが水を汲んでいる。挨拶をして青谷の位置を聞く。そのすぐ上にある坂本神社の前を流れている谷が青谷と聞く。少し坂を登って写真を撮る。
P1020925


坂本神社の社殿が見え、その前に青谷が流れているという。

 もう辺りは薄暗くなっているし、奥野さんを待たせているのも気になっている。位置はわかったので満足して帰路につく。先ほどの水場は有名なそうで、他にも水くみの人が現れていた。
 これで正味二時間にも満たないが大変濃い内容の奥野さんの案内が終了した。袋一杯の鉄滓、石庭周辺の地名研究地図、十一面観音の所在地図、そしてお借りした「古墳と観音の里」のDVDなどお土産を一杯詰め込んで宿舎に帰還した。

【作業日誌 5/21】
ゴーヤ植え付け完了(願寿ゴーヤ2本、サツマ長レイシ1本)

 【今日のじょん】指間炎が何時までも完治しないので、夕べステロイド剤を投与する。前回恐ろしく水を飲んで、お漏らししてしまったので躊躇したのだが、短期に改善するとのことでやってみる。
 水はさほど飲まなかったが、早朝に起きてオシッコさせると、まあ長いことオシッコしていた。それも数回。
 それで夕方には肉球が改善していた。これほど効く薬も何か怖い物がある。P1020969

じょんジョロリン、じょんジョロリン
 
 

 

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雨読 常世論 5/20

2014-05-21 | 雨読

2014.5.20(火)曇り

 葬地、墓地としての青地名のことを知ったのは、谷川健一著「日本の地名」を読んだ時であった。日本海沿岸を旅しながら、地先に青島、粟島、大島などが列んでいることに気付いていた。また、沿岸の大島は少しも大きくないこと、内陸に広くもないのに大原、大野などがあることも不思議に思っていた。
 「日本の地名」の一文を読んで、沖縄の奥武島、本土の青島が葬地であることを知った時は驚愕であった。文化というものが帯のように伝搬していることが驚きであったのだ。もっと詳しく「青」のことを知りたくて、仲松弥秀氏の「奥武島考」やその他の文献を読んだが、「奥武、青」が単に葬地というだけでなく、人間の宗教観、他界観といった心理的な要素を多分に影響した聖地であることが解ってきた。
 「日本の地名」の中の「沖縄の青の島」以下の「青」に関する文章は、いわゆるエッセンスであって、もっと詳しく、深く理解しようとすれば、「常世論」を読まなければならない。
 「常世論 日本人の魂のゆくえ」谷川健一著 平凡社選書81 1983.5.20初版 府立図書館借本
P1020970

 

 記事を書きながら気付いたのは、本書が21年前の今日発行されたことである。また、谷川氏は昨年亡くなられた事もあって、何か因縁めいた感がしないでもない。
 本書は青の島についてのみ書かれたものではない、日本人の深層意識としての常世(とこよ)についてあらゆる物や現象、習俗や文から考察を試みようというものである。
 巻頭に4ページの写真が添えられている。伊根町の本庄浜、敦賀の産小屋、小浜湾の青島、伊根湾の青島、おおい町大島のニソの森、若狭のタブの木の写真である。どれもわたしの家から半日以内に行けるところで、むしろわたしの家はこれらの地の扇の要と言ったところにある。産屋やその他の海人に由来する習俗は存在が認められるが、青の地名は少ない。
Img_0291
 

これは大原(福知山市三和町)の産屋、大原も決して大きな原ではない。
このことは気になる所だが、そのことは本書の内容には関係ないことである。上記の写真だけで本書の内容は想像できるが、若狭の産屋、ニライカナイ、浦島伝説などの内容を見ても、南方の海洋民族の文化とのつながりが感じられる。
 奥武、青に関する考察が本書を貫いている。つまり、それらの地名を冠するところが日本人の他界観と相呼応していると考えられる。地先の島に遺体を安置することが、単に死穢を忌むと言うことだけで考えていては、事の本質には迫れない。

【今日のじょん】じょん君竹松うどんをいただく。
 定例の赤血球量の血液検査をする。低い値で安定している、というなんとも微妙な結果である。もちろん値を上げる対策は何もしていないのだから当たり前かも知れないが、人間のように鉄分を摂るとかの療法はないのだろうか。
 帰りに志賀郷の竹松うどんに寄る。野外で食べるぶんにはじょんが一緒でもかまわないのでありがたい。うどん大好きのじょんにとっては最高の環境かも、、、。それにしても絶品竹松うどんを食した犬は初めてかもよ。
P1020965P1020967 

 

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