晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

穴虫考(61) 西浜-2 5/14

2014-05-15 | 地名・山名考

2014.5.14(水)曇り

 マキノ町西浜に穴虫という小字が存在することがわかり、更に他の地名を調べると、すぐ隣に別所という地名が見つかった。別所地名については柴田弘武氏が産鉄と俘囚の移配地として展開されているところで、わたしも別所探訪の中で近隣の別所について自説を展開しているところである。
 この他に、今津町の箱館山の麓に日置前(ひおきまえ)という地名と日置神社があり、わたしの調査中である三項目が奇しくもこの地域に存在していることに何か共通のベースがあるのではないかと感じている。
 穴虫(古代葬法)、日置(古代測量)、別所(古代産鉄)を繋ぐものは何か。賢明な誰もが気付くことだと思う、それは渡来人でしかないだろう。
 穴虫に関する資料は何も無いので、別所について調べてみる。柴田氏の「全国別所地名事典(上)」に近江国マキノ西浜の別所が載っている。
 地名辞典の小字一覧の書き順からして別所と穴虫が隣接していることは理解できる。また別所地名事典には別所と印内の地図が書かれており、別所は藤美寮の裏山と書かれている。
 市役所に行くと字配置図というマキノ町全体の地図を閲覧させてくれた。どこの自治体でもそうだが、複写は出来ないので鉛筆で写すこととなる。このときの要領は、事前に国土地理院の地図などをコピーしてその上に書いていくことだ。白紙に写しても帰ってみると一体どこなのか解らない。地形図の上に書くとほぼ正確に字の位置が解る。すぐに穴虫、別所の位置は確定できた。ちなみに別所地名事典に記されている別所の位置は間違っている。正確にはマキノ駅の西北、破線で書かれた尾根の末端部分である。藤美寮に関する記述も間違いで、藤美寮は障がい者支援施設である。
 穴虫と別所の位置は確定できたが、今回の目的である穴虫、福本、長谷の小分け地名の位置は字配図では確定できない。
P1020892
P1020890 


藤波園の南の池から穴虫を撮る、藤波園の奥まで行ったが金網があって出られない。穴虫に行くには別のルートを探さねば、、、。
 こんな風に自治体を訪ねると、字配図の他に独立した小字の地図、字切り図というのがある。しかし高島市にはそのようなものは無いという返事だった。もうこれ以上市役所で得られる情報は無い、丁寧にお礼を言ってマキノの宿泊地に向かう。
 ただひとつ小字穴虫の南に福本という字がある事が解った。その小分け地名が福本、穴虫、別所前なのだ。
穴虫(穴虫、福本、長谷)
福本(福本、穴虫、別所前)
別所(山崎、岩ノ下、柳谷、別所、御墓)
岩ノ下(笠取、岩ノ下、山崎、夫婦岩)

この地名の配地は一体何だ、小分け地名の重複をどのように理解すればいいのだろう。とにかく現地を見て、地元の人に聞いてみようと、ピックランドでレンタサイクルを借り、現地に急ぐ、時間は2時間しか無いのだ。つづく
P1020887


マキノで有名なメタセコイヤの並木の脇にピックランドという観光施設があり、自転車を借りることが出来る。2時間300円。

【今日のじょん】3年前はペットホテルに入れなくて、車の中で寝たので今回が初のお泊まりと言えようか。かみさんは「じょんは寝られるやろか、、」なんて心配して3日前から寝られなくなっている。????
 やはり寝床が変わるというのは緊張するらしく、ちょっとした物音にも起きてウロウロしている。室外の蛙の声やドアの音などにも反応して吠えている。じょんも寝てないがこちとらも寝られない。P1020926_2

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穴虫考(60) 西浜-1 5/13

2014-05-15 | 地名・山名考

2014.5.13(火)快晴

 高島市マキノ町西浜は琵琶湖の西北、マキノ町の湖岸から山崎山の山稜部分を含む地帯である。東隣の海津は塩津、今津とともに平安末期頃から湖上交通の重要な拠点となっている。
 偶然マキノ白谷に旅行することとなり、この地域を地名辞典で調べていて「穴虫」を発見する。ただし、角川日本地名大辞典25滋賀県に掲載されている小字一覧は他の号とは少し異なり、明治15年の「滋賀県小字取調書」を元にしており、かなり古い地名が書かれており、研究者には参考になるが、現状の住居表示と異なり現地を探すのが難しいかも知れない。小字の付随して括弧書きで小字の中の小分け地名が記されている部分もあり、これなどはその土地の所有者でしかわかり得ないもので、将来的には消えてしまう可能性もあるので、値打ちのあるものだと思う。
Img_0104
 

高島市の湖岸からは常に竹生島が望める。(2006.8.3)
 前書きが長くなったが、この西浜に穴虫(穴虫、福本、長谷)と書かれている。穴虫にはアナムシとルビが振ってあるが、福本、長谷は福本はふくもとでいいと思うが、長谷は何と読むか解らない。
 これはまさに穴虫パターンそのものでないかと訪ねてみる気になったのである。つまり、福本は”吹くもと”
で山風の発生する谷、長谷は泊瀬、初瀬で墓地、葬地ではないかと考えた。
 これは何が何でも現地を見てみたいと思うし、長谷がどう呼ばれているのか、またどんなところか見てみたいと思わせる。
 高島市は2005年にマキノ町、今津町、新旭町、安曇川町、高島町、朽木村が合併してできた、非常に広域の市である。わたしが始めてこの地域を訪れたのは1974年か75年の冬にマキノでスキーをしている。その後箱館山のスキーや朽木のゴルフ、新旭のトライアスロンなど何度も訪れ、2006年の自転車旅行で立ち寄った高島市歴史民俗資料館は歴史や民俗に深い興味を抱くようになったきっかけとなっている。
とりあえず穴虫の位置を調べるために新旭の高島市役所を訪ねる。P1020886 つづく
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高島市役所は随分立派な建物である。右は歴史民俗資料館の展示(2006年)

【今日のじょん】お泊まり旅行は2011年11月城崎以来である。そんときはケージのペットホテルに寝られなくて本当に困ったが、今回は一緒の部屋に寝られるというので、期待と不安が半々でやってきた。
 天気が心配だったけど予報に反して快晴の真夏日ととなり、写真のようにお昼も日陰を探してタイヘン。
P1020885
ここは比良とぴあといって、隣接の別荘地がおとーの日本1周自転車旅行の初日の宿で、思いで深いところである。

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