晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 京滋 びわ湖山河物語 5/9

2014-05-10 | 雨読

2014.5.9(金)曇り

 著者の沢潔氏は明治45年のお生まれで、本書が出版されたのが1999年だから実に87才の時の出版となる。既に紹介済みの「幽界と流人の島々を行く、上下巻」(20014.3.19、4.16参照)は2001年の出版だから、なんと89才時のことである。「西丹波秘境の旅」(2011.1.8、9参照)の中に、「もう年のせいで訪問できない」というような表現があったのでこの本が最終かなと思っていたら、その後にも続々と出版されているのだ。元々遅咲きの著者だが、その分90才近くまで出版されていることに敬意を表したい。
 「京滋 びわ湖山河物語」沢潔著 1999年7月10日第1刷 府立図書館借本
P1020878

 始めて気付いたのだが、表紙の著者の後に[地名作家]と書かれている。地名研究家、地名学者というのはあり得るが、地名作家というのは初見である。著者の意図なのか、編集者発行者の意図なのか解らないのだけれど、澤氏にぴったりの肩書きだと思っている。わたしはかつて澤氏の著書に地名研究者としての論文を求めた。確かに地名に関する深い洞察はあるのだけれど、大変文学的な情緒あふれる文章が現れると思ったらエッセー的な文章にもなり、時には読者にとって関係の無い個人的な次項が出てきたりする。地名研究の一環として読んだ際には不満な点が残り、雨読の中で随分批判的な文を書いてきた。
 ところが澤氏の本を読み続けていると、研究論文でも紀行文でもなく、エッセーでもなく創作文でもない独特の沢節に慣らされてくる。
 地名作家という肩書きがどこにもない独特のジャンルとして澤先生に当てはまるのかなと思っている。
 内容については恐ろしく多岐にわたっているのでここで記することは止めにしておこう。知識の宝庫というか巨大な蘊蓄集といえばいいのだろうか、巻末の参考文献欄には百冊を越える文献が著者、発行所とともに記されている。先生のきまじめさが窺えるところである。

【作業日誌 5/9】
じょんのび谷岸の伐採、草刈り
P1020866
 

今やらないと取り返しがつかなくなる。
【今日のじょん】5月度のシャンプーをする。期待の体重測定では努力の甲斐無く先月同様19.4kg、主食のフードは確実に減らしているんだけど、そんならなんやねん。

コメント
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